M-Tea*3_33-現代語訳『古事記』(四)武田祐吉(訳)

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M-Tea*3_33-現代語訳『古事記』(四)武田祐吉(訳)

2011.3.12 第三巻 第三三号

現代語訳『古事記』(四)中巻(後編)
武田祐吉(訳)

 古事記 中の巻
   五、景行天皇・成務天皇
    景行天皇の后妃と皇子女
    ヤマトタケルの命の西征
    イヅモタケル
    ヤマトタケルの命の東征
    望郷の歌
    白鳥の陵(みささぎ)
    ヤマトタケルの命の系譜
    成務天皇
   六、仲哀天皇
    后妃と皇子女
    神功皇后
    鎮懐石と釣魚
    カゴサカの王とオシクマの王
    気比の大神
    酒の座の歌曲
   七、応神天皇
    后妃と皇子女
    オオヤマモリの命とオオサザキの命
    葛野の歌
    カニの歌
    髪長姫
    国主歌(くずうた)
    文化の渡来
    オオヤマモリの命とウジの若郎子
    天の日矛
    秋山の下氷壮夫と春山の霞壮夫
    系譜


【週刊ミルクティー*第三巻 第三三号】
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(540KB)

定価:200円  p.203 / *99 出版
付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(67項目)p.275
※ DRM などというやぼったいものは使っておりません。

※ オリジナル版に加えて、ミルクティー*現代表記版を同時収録。
※ JIS X 0213・ttz 形式。
※ この作品は青空文庫にて校正中です。転載・印刷・翻訳は自由です。
(c) Copyright this work is public domain.


一億総なまなま! 週刊ミルクティー*


 この御世〔ホムダワケの命、応神天皇朝〕に、海部・山部・山守部・伊勢部をお定めになりました。剣の池を作りました。また新羅人が渡って来ましたので、タケシウチの宿祢がこれを率いて堤の池に渡って百済の池を作りました。
 また、百済の国王照古王が牡馬一匹・牝馬一匹をアチキシにつけてたてまつりました。このアチキシは阿直の史等の祖先です。また大刀と大鏡とをたてまつりました。また百済の国に、もし賢人があればたてまつれとおおせられましたから、命を受けてたてまつった人はワニキシといい、『論語』十巻・『千字文』一巻、あわせて十一巻をこの人につけてたてまつりました。また工人の鍛冶屋卓素(たくそ)という者、また機を織る西素(さいそ)の二人をもたてまつりました。秦の造、漢の直の祖先、それから酒をつくることを知っているニホ、またの名をススコリという者らも渡ってまいりました。このススコリはお酒をつくって献(たてまつ)りました。天皇がこの献(たてまつ)ったお酒にうかれてお詠みになった歌は、

 ススコリの醸(かも)したお酒にわたしは酔いましたよ。
 平和なお酒、楽しいお酒にわたしは酔いましたよ。

 かようにお歌いになっておいでになった時に、御杖で大坂の道の中にある大石をお打ちになったから、その石が逃げ走りました。それでことわざに「固い石でも酔人(よっぱらい)にあうと逃げる」というのです。


ホムダワケの命 品陀和気の命。応神天皇。5世紀前後に比定。
タケシウチの宿祢 武内宿祢。孝元天皇の曾孫(一説に孫)。
照古王 しょうこおう 肖古王? 近肖古王? 百済の国王。
肖古王 しょうこおう ?- 214 百済の第5代の王。先代の蓋婁王の子。
近肖古王 きんしょうこおう ?-375 百済の第13代の王。第11代の比流王の第2子。
アチキシ 阿知吉師 → 阿直岐
阿直岐 あちき 古代、百済からの渡来人。阿知吉師。
阿直の史 あちの ふみひと
ワニキシ 和邇吉師 → 王仁
王仁 わに 古代、百済からの渡来人。漢の高祖の裔という。和邇吉師。
卓素 たくそ 応神朝に百済より貢上された朝鮮の鍛冶職人。
西素 さいそ 呉服西素。呉の機織技術者。
秦の造 はたのみやつこ 応神朝に渡来した弓月君の子孫と伝えられる。
漢の直 あやのあたえ 東漢直。古代の渡来系氏族。阿知使主の子孫と称し、朝廷の記録や外交文書をつかさどった。
ニホ 仁番 別名ススコリ(須須許理)。

3_33.rm
(朗読:RealMedia 形式 348KB、2'50'')
milk_tea_3_33.html
(html ソーステキスト版 296KB)

武田祐吉 たけだ ゆうきち
1886-1958(明治19.5.5-昭和33.3.29)
国文学者。東京都出身。小田原中学の教員を辞し、佐佐木信綱のもとで「校本万葉集」の編纂に参加。1926(昭和元)、国学院大学教授。「万葉集」を中心に上代文学の研究を進め、「万葉集全註釈」(1948-51)に結実させた。著書「上代国文学の研究」「古事記研究—帝紀攷」。「武田祐吉著作集」全8巻。

◇参照:Wikipedia 武田祐吉、『日本史広辞典』(山川出版社、1997.10)。

底本

底本:「古事記」角川文庫、角川書店
   1956(昭和31)年5月20日初版発行
   1965(昭和40)年9月20日20版発行
底本の親本:「眞福寺本」
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person1349.html
NDC 分類:164(宗教/神話.神話学)
http://yozora.kazumi386.org/1/6/ndc164.html


難字、求めよ

鎮懐石 ちんかいせき
葛野の歌 かずののうた
諸県舞 むらがたまい
イチジ島
ミ島
木幡の村 こばたのむら
沙沙那美 ささなみ 篠波。
恵賀の長江 えがの ながえ?
恵賀 えが 現、羽曳野市恵我之荘か。
古波陀 こはだ
カワラの埼 さき 訶和羅前。
アグ沼 阿具沼。新羅。
ヤマトネコの命 倭根子の命。

スリーパーズ日記


 ヤマトタケル、神功皇后、天の日矛。
 この回(中巻の後半)は話題の英雄登場が多く、気になるところも少くない。気をつけて読んでみたが、地震や火山や津波を想起させる部分はなかった。
 日本の神さまをおおざっぱに二分すると、天つ神(あまつかみ)と国つ神(くにつかみ)になり、あわせて天神/地祇(ちぎ)という。天孫降臨にはじまる天つ神は、つまるところ皇族の渡来と平定のエピソードであり、国つ神は、より以前に先住していた民族と考えられ、コシのヤマタノオロチ・出雲のオオクニヌシ・伊勢のヤマト姫らに代表される。国つ神は天つ神による統治を協力したり、あるいはそれに抵抗している。クマソや隼人・クズ・土蜘蛛・蝦夷もまた先住民なのだろうが、国つ神には含まれないように見える。
 ボウフラのごとく自然発生したとか、ニホンザルが進化したとか考えないかぎり、この列島に住んでいる人々の祖は時間差と渡航ルートのちがいこそあれ、すべてどこか列島の外からやってきた“渡来系”になる。たぶん単一民族という認識よりも、ことごとく渡来系の子孫からなるバームクーヘン社会という認識が現状に近い。

 以後、さらにこのバームクーヘンを味わうべく、喜田貞吉の蝦夷、伊波普猷の沖縄、武田祐吉の風土記・霊異記、それから鳥居龍蔵の北東アジアへと侵食する予定。『古事記』はその足がかりのひとつ。

 さて、日本は多神教だから他文化に対して寛容である、みたいな言説を昨今しょっちゅう見聞きするが、これも黄禍論とおなじぐらいうさんくさい。そう思いたいというのはやまやまだけれども、はたしてどうか。
 皇太子、来県。



2011.7.18:公開
2011.7.20:更新
やしまひとつくに、八島一つ国、邪馬壹つ国?
電子書籍の(とうに明けた)夜明け。
目くそ鼻くそ。PoorBook G3'99
転載・印刷・翻訳は自由です。
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  • なましこジャパン! なまなまカップ! -- しだ (2011-07-19 00:05:16)
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