DL-MARKET 被災地支援チャリティー終了のおしらせ
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電子本を読んで、被災地を支援しよう! 一日一偽善!
DL-MARKET 被災地支援チャリティー企画 参加作品
M-Tea*3_46-上代肉食考/青屋考 喜田貞吉
2011.6.11 第三巻 第四六号
上代肉食考
一 神道と肉食禁忌の事実
二 肉食のわが古俗
三 神祇と犠牲
四 供御(くご)と獣肉
五 仏法の流行と殺生・肉食の禁忌
六 肉食を穢(けが)れとするの風習
七 狩猟・漁業と肉食
八 エタと肉食
青屋考
一 青屋(あおや)はエタの下との思想
二 青屋はエタの徒との説
三 青屋の特に賤(いや)しまれた理由
四 京都における旧時の青屋の待遇
五 青屋大工、青屋筋
六 結論
七 付言二則
喜田貞吉
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定価:200円 p.201 / *99 出版
付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(92項目)p.479
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※ この作品は、売上金が東日本大震災・被災地への義援金となります。ご購入いただくと、価格200円の全額が日本赤十字社に寄付されます。
※ DRM などというやぼったいものは使っておりません。
※ オリジナル版に加えて、ミルクティー*現代表記版を同時収録。
※ JIS X 0213・ttz 形式。
※ この作品は青空文庫にて入力中です。転載・印刷・翻訳は自由です。
(c) Copyright this work is public domain.
はみだせ! 週刊ペテンだっく*
(略)そのはばかりの程度は神社により、また時代によって相違があったようだが、ともかく肉は穢れあるものとして、これを犯したものは神に近づくことができず、これに合火(あいび)したもの、合火したものに合火のものまでも、またその穢れあるものとしておったのである。(略)
右のしだいであったから、自分らのごときも子どもの時分には、決して獣肉を食ったことはなかった。かつて村人の猪肉・兎肉を食べているものを見て、子供心に、よくこの人らには神罰があたらぬものだと思ったこともあった。これらの人々の遁辞(とんじ)には、イノシシは山鯨で魚の仲間、兎は鴉鷺(あろ)で鳥の仲間だとあって、これだけは食べてもよいのだとすすめられたけれども、ついに食べる気にはなれなかった。しかるに郷里の中学校へ入学して、寄宿舎に入ったところが、賄い方はしばしば夕食の膳に牛肉をつけてくれた。上級生も平気でそれを食っている。こわごわながら人並みに箸を採ってみると、かつて経験したことのない美味を感じた。いつしか牛肉随喜党となり、はては友達の下宿へ行って、ひそかに近郷のある部落から売りにくる牛肉を買って、すき焼きの味をもおぼえるようになった。時は明治十七、八年(一八八四、一八八五)ころで、諸物価も安かったが、牛肉の需要が少なかったために、百目四、五銭で買えたと記憶する。かようなしだいで、おいおい大胆になっては来たが、それでもまだ家庭へ帰っては、牛肉の香りをかいだこともないような顔をしていた。これは自分の家庭が特に物堅いためで、去る大正三年(一九一四)に八十三歳で没した父のごときは、おそらく一生涯、牛肉の味を知らなかったようであるし、今なお健在の母も、たぶんまだこれを口にしたことはなかろうと思われるほどであるから、自分のこの一家庭の事情をもって、もとより広い世間を推すわけにはいかぬが、少なくも維新前後までの一般の気分は、たいていそんなものであった。したがって肉食を忌まなかった旧時のエタが、人間でないかのごとく思われたのにも無理はないが、しかしかくのごときものが、はたしてわが固有の習俗であったであろうか。
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喜田貞吉 きた さだきち
1871-1939(明治4.5.24-昭和14.7.3)
歴史学者。徳島県出身。東大卒。文部省に入る。日本歴史地理学会をおこし、雑誌「歴史地理」を刊行。法隆寺再建論を主張。南北両朝並立論を議会で問題にされ休職。のち京大教授。
◇参照:Wikipedia
喜田貞吉、『広辞苑 第六版』(岩波書店)。
底本
難字、求めよ
余司
謡曲「剣珠」
機槍
血穢 けつえ?
明制
阿波の勝瑞の時
真生根
べいしゅ
薩婆多論
寂照和尚 著『寂照堂谷響集』。
碓井小三郎
手閊 てづかえ?
下分者
心に染まず
摂津猪名
大阪の東猪飼津
年表
六四二(
皇極天皇元) 祝部の教えによって、村々の民が牛馬を殺して、諸社の神をまつる(『日本紀』)。
六七五(
天武天皇四) 檻穽・機槍のたぐいをもって獣を捕るような、ひどい狩獲法を禁じ、また牛・馬・犬・猿・鶏のごとき、人に馴れ、もしくは人に近い動物の肉を食うことを禁じる。
六七六(天武天皇五)八月 諸国に詔して放生。天皇自身なおしばしば遊猟。
六八九(
持統天皇三) 摂津武庫の沿海、紀伊の有田郡那耆野、伊賀の伊賀郡内野の漁猟を差し止める。
七二一(養老五) 放鷹司の鷹・狗、大膳職の??、諸国の鶏・猪をことごとく放つ。
七三二(天平四) 畜猪四十頭を山野に放ち、生命を遂げしむ。
七四一(天平一三) 詔「馬牛は人にかわりて勤労し、人を養う。これによって先に明制あり、屠殺を許さず。今聞く、国郡いまだ禁止するあたわず、百姓なお屠殺ありと。よろしくその犯すあらば、蔭贖を問わず、まず杖一百に決し、しかる後に罪を科すべし」。
七五八(天平宝字二)七月
光明皇太后の病気に際して、諸国に令してその年内殺生を禁じ、また猪鹿の類をもってながく進御するを得ずとの詔。
七九一(延暦一〇)九月 伊勢・尾張・近江・美濃・若狭・越前・紀伊などの諸国に、牛を殺して
漢神をまつる風を厳禁とする。
八〇一(延暦二〇)四月 越前に牛を殺して漢神をまつるを禁じる。
八四一(承和八) 大和春日の神山で狩猟を禁じる。
八四四(承和一一) 神社より解文をたてまつる。
八四四(承和一一) 賀茂にて禁制。
八八四(元慶八) 賀茂にてさらにその禁を重ねる。犯したものは五位以上は名を取って奏聞し、六位以下は身をとらえて法によって処分せよとある。
九一一(延喜一一)一二月二〇日 「太政官符」(『侍中群要』引)、近江国から鹿や猪の宍を御贄としてたてまつらしめる。
一一五九(平治元)一二月
平治の乱。藤原通憲(信西)対藤原信頼、平清盛対源義朝の勢力争いが原因で、信頼は義朝と、通憲は清盛と組んで戦ったが、源氏は平氏に破れ、信頼は斬罪、義朝は尾張で長田忠致に殺された。
一一八〇(治承四) 頼朝から御判物によって許されたというエタ配下の賤者を列挙したいわゆる二十八座の中に、
青屋あるいは
紺屋という名が見える。(『
弾左衛門由緒書』)
一五九六〜一六一五(慶長)ころ すでにエタが青屋を己が下だと主張。
一六〇八(慶長一三)
藤堂高虎の法度に、猪・鹿・牛・犬、いっさい食申間敷事とある。
一六二四〜一六四四(寛永) 刻本『
料理物語』に、狸汁・鹿汁・狸でんがく・猪汁・兎汁・兎いりやき・川獺かい焼・同吸物・熊の吸物・同でんがく・犬の吸物・同かい焼などの項目。
一六六七(寛文七)四月 青屋大工頭六左衛門、町奉行雨森対馬守に願って、御拝借金十両を得る。
一六八九(元禄二)
寂照和尚『〔寂照堂〕谷響集』出板。
一六九八(元禄一一) 高瀬川筋松原上ル西木屋町松葉屋清五郎家来長蔵なる者が、主人の伜を殺して、また高倉松原上ル町駕籠かき市兵衛なる者がなんらかの罪によって、同じ日に粟田口で鋸挽の刑に処せられる。
一七〇一(元禄一四)一二月 六左衛門、ふたたび嘆願書を提出。
一七〇八(宝永五)
下村文六、死去。
一七一〇(宝永七) 天部・六条などの年寄から方内五十嵐へ提出した調査書。
二条城掃除人足一か年三七二四人を出したの中に、エタ村京都付近十八か村、そのほか山城八か村、摂州十三か村、江州十三か村をあわせて、二七二四人の人夫を出したのに対して、洛中洛外の青屋二三二軒からは、じつに一千人という多数の夫役を負担。(下村文六の帳面)
一七一五(正徳五) 六条村が五条橋下中島の旧地、すなわちもとの六条村から、今の柳原七条郷の地に移転するについて、諸方より大工が多く入り込む。
一七一六〜一七三六(享保) 「弾左衛門書上」。
一七一七(享保二) 改定「穢多青屋勤方之事」『京都御役所向大概覚書』。
一七二一(享保六) 留書。
一八八四、一八八五(明治一七、八)ころ 牛肉百目、四、五銭で買えたと記憶。
一九一四(大正三) 喜田の父、八三歳で没。
スリーパーズ日記
4日、チリ南部で火山噴火。8日、NHKニュース、東北大研究グループ、本震2日前(3月9日)からゆっくり海底沈下していたことを確認。1日数センチ。13日、11:20ごろニュージーランド、M6.0。
羽生善治『決断力』(角川書店、2005.7)読了。玲瓏……周囲を見渡せる状況。同時に、そういう心の状況を表す言葉でもあり、いつも透き通った心静かな気持ち。克己復礼……「己に克(か)ちて礼を復(ふ)むを仁と為(な)す」。私欲にうち勝ち、礼儀をふみ行うようにすること(『広辞苑』より)。勝負に一番影響をするのは「怒」の感情。日頃気にかけているのは勝負の結果を次の日に引きずらないこと。対局が終わったら、その日のうちに勝因・敗因の結論を出す。決断力、構想力、大局観。はぁ、無縁のものばかり……。
瀧本浩一『地域防災とまちづくり』(イマジン出版、2008.5)読了。災害図上訓練(DIG)に関するテキストを探してようやく一冊見つける。誤植多し。クセあるも示唆に富む。disaster(災害)=dis(見えない) aster(星)、星が見えない、星が隠れて見えなくてどこに向かえばいいのかわからない状態。なるほど。
2011.6.14:公開 八面玲瓏。
2011.8.2:更新
きらきらむし。
目くそ鼻くそ。しだひろし/PoorBook G3'99
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最終更新:2011年08月02日 00:09