M-Tea*3_30-現代語訳『古事記』(一)武田祐吉
2011.2.19 第三巻 第三〇号
現代語訳『古事記』(一) 序・上巻(前編)
武田祐吉(訳)
古事記 上の巻
序文
過去の時代(序文の第一段)
『古事記』の企画(序文の第二段)
『古事記』の成立(序文の第三段)
『古事記』の成立(序文の第三段)
一、イザナギの命とイザナミの命
天地のはじめ
島々の生成
神々の生成
黄泉の国
身禊
二、アマテラス大神とスサノオの命
誓約
天の岩戸
三、スサノオの命
穀物の種
八俣の大蛇
系譜
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定価:200円 p.163 / *99 出版
付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(127項目)p.423
※ DRM などというやぼったいものは使っておりません。
※ オリジナル版に加えて、ミルクティー*現代表記版を同時収録。
※ JIS X 0213・ttz 形式。
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ひきこもれ! 週刊ミルクティー*
スサノオの命は、かようにして天の世界から逐(お)われて、下界へ下っておいでになり、まず食物を
オオゲツ姫の神にお求めになりました。そこでオオゲツ姫が鼻や口、また尻からいろいろのごちそうを出して、いろいろお料理をしてさしあげました。この時にスサノオの命はそのしわざをのぞいて見て、きたないことをして食べさせるとお思いになって、そのオオゲツ姫の神を殺してしまいました。殺された神の身体にいろいろの物ができました。頭にカイコができ、二つの目に稲種ができ、二つの耳にアワができ、鼻にアズキができ、股の間にムギができ、尻にマメができました。
カムムスビの命が、これをお取りになって種となさいました。
かくてスサノオの命は逐いはらわれて
出雲の国の肥(ひ)の川上、鳥髪(とりかみ)という所におくだりになりました。このときに箸(はし)がその河から流れてきました。それで川上に人が住んでいるとお思いになってたずねて上っておいでになりますと、老翁と老女と二人があって少女を中において泣いております。そこで「あなたは誰ですか?」とおたずねになったので、その老翁が、「わたくしはこの国の神の
オオヤマツミの神の子で
アシナヅチといい、妻の名は
テナヅチ、娘の名は
クシナダ姫といいます」と申しました。また「あなたの泣くわけはどういう次第ですか?」とおたずねになったので「わたくしの女(むすめ)はもとは八人ありました。それを
高志(コシ)の
八俣の大蛇(おろち)が毎年きて食べてしまいます。今また、それの来る時期ですから泣いています」と申しました。
肥の川 ひのかわ
斐伊川(ひいかわ)。
鳥髪 とりかみ 鳥上。現、
船通山。島根県横田町と鳥取県日野郡日南町との県境にまたがる山で標高1142.5m。古代から出雲・伯耆の国境をなす。(歴史地名)
高志 こし 越の国。北陸道の古称。
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武田祐吉 たけだ ゆうきち
1886-1958(明治19.5.5-昭和33.3.29)
国文学者。東京都出身。小田原中学の教員を辞し、佐佐木信綱のもとで「校本万葉集」の編纂に参加。1926(昭和元)、国学院大学教授。「万葉集」を中心に上代文学の研究を進め、「万葉集全註釈」(1948-51)に結実させた。著書「上代国文学の研究」「古事記研究—帝紀攷」。「武田祐吉著作集」全8巻。
◇参照:Wikipedia
武田祐吉、『日本史広辞典』(山川出版社、1997.10)。
底本
スリーパーズ日記
川崎利夫『出羽の遺跡を歩く』(高志書院、2001.2)読了。こちらは旧石器捏造事件発覚後の著述。安田喜憲、阿部正己、喜田貞吉らの名前も出てくる。本書によれば、西日本にみられる青銅の銅鐸や銅剣や銅鉾が県内で発掘された例はないらしい。ところが、鳳凰の頭を柄にもつ鉄製の環頭太刀(かんとうたち)、十八振の蕨手刀(わらびてとう)、そして羽黒山鏡ヶ池から六〇〇面近い銅鏡が出土している。
『ず・ぼん』16号(ポット出版、2011.1)読了。シジュウカラの初鳴き。
2011.2.20:公開
2011.2.22:更新
コシの八俣のオロチョン。
目くそ鼻くそ。PoorBook G3'99
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- 『古事記』は NDC 分類の 913(日本文学)だろうかとも思いましたが、今回は 164(宗教/神話.神話学)に分類してみました。リンク先がエラーになるのは、登録作品がいまのところ青空本体にないためです。 -- しだ (2011-02-25 03:03:34)
最終更新:2011年02月25日 12:27