M-Tea*3_9-卑弥呼考(三)内藤湖南

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M-Tea*3_9-卑弥呼考(三)内藤湖南

2010.9.25 第三巻 第九号

卑弥呼考(三)内藤湖南
  四、本文の考証(つづき)
爾支 / 泄謨觚、柄渠觚、?馬觚 / 多模 / 弥弥、弥弥那利 / 伊支馬、弥馬升、弥馬獲支、奴佳? / 狗古智卑狗
卑弥呼 / 難升米 / 伊声耆掖邪狗 / 都市牛利 / 載斯烏越 / 卑弥弓呼素 / 壱与
  五、結論
    付記








月末最終号:無料  p.167 / *99 出版
付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(193項目)p.881
※ DRM などというやぼったいものは使っておりません。


飛び出せ! 週刊ミルクティー*


 次に人名を考証せんに、その主なる者はすなわち、「卑弥呼」なり。余はこれをもって倭姫命に擬定す。その故は前にあげたる官名に「伊支馬」「弥馬獲支」あるによりて、その崇神・垂仁二朝を去ること遠からざるべきことを知る、一つなり。「事 鬼道 、能惑 衆」といえるは、垂仁紀二十五年の記事ならびにその細注、『延暦儀式帳』『倭姫命世記』などの所伝を総合して、もっともこの命(みこと)の行事に適当せるを見る。その天照大神の教えにしたがいて、大和より近江・美濃・伊勢諸国を遍歴し、 〈『倭姫世記』によれば尾張・丹波・紀伊・吉備にもおよびしが如し〉 いたるところにその土豪より神戸・神田・神地を徴して神領とせるは、神道設教の上古を離るること久しき魏人より鬼道をもって衆を惑わすと見えしも怪しむに足らざるべし、二つなり。余が邪馬台の旁国の地名を擬定せるは、もとより務めて大和の付近にして、倭姫命が遍歴せる地方より選び出したれども、その多数がはなはだしき付会におちいらずして、伊勢を基点とせる地方に限定することを得たるは、また一証とすべし、三つなり。(略)「卑弥呼」の語解は本居氏がヒメコの義とするは可なれども、神代巻に火之戸幡姫児千々姫ノ命、また万幡姫児玉依姫ノ命などある「姫児(ヒメコ)」に同じとあるは非にして、この二つの「姫児」は平田篤胤のいえるごとく姫の子の義なり。「弥」を「メ」と訓(よ)む例は黒川氏の『北史国号考』に「上宮聖徳法王帝説、繍張文の吉多斯比弥乃弥己等 (キタシヒメノミコト) 、また等已弥居加斯支移比弥乃弥己等 (トヨミケカシキヤヒメノミコト) 、注云 弥字或当二売音一也」とあるを引けるなどに従うべし。

   付記

 余がこの編を出せる直後、すでに自説の欠陥を発見せしものあり、すなわち「卑弥呼」の名を考証せる条中に『古事記』神代巻にある火之戸幡姫児 (ヒノトバタヒメコ) 、および万幡姫児 (ヨロヅハタヒメコ) の二つの「姫児」の字を本居氏にしたがいて、ヒメコと読みしは誤りにして、平田氏のヒメノコと読みしが正しきことを認めたれば、今の版にはこれを改めたり。

3_9.rm
(朗読:RealMedia 形式 540KB、4'23'')


内藤湖南 ないとう こなん
1866-1934(慶応2.7.18 戸籍上は 5.27-昭和9.6.26)
東洋史学者。名は虎次郎。陸奥毛馬内(秋田県鹿角市)生れ。大阪朝日新聞などの記者を経て京大教授。シナ学の発展に貢献。著「支那絵画史」「支那論」「近世文学史論」「日本文化史研究」「東洋文化史研究」など。

◇参照:Wikipedia 内藤湖南、『広辞苑 第六版』(岩波書店)。


底本

底本:「内藤湖南全集 第七巻」筑摩書房
   1969(昭和44)年8月20日初版第1刷発行
   1976(昭和51)年10月10日初版第2刷
底本の親本:「読史叢録」弘文堂
   1929(昭和4)年8月初版発行
初出:「藝文」
   1910(明治43)年5月第1年第2号、6月第1年第3号、
   7月第1年第4号
http://www.aozora.gr.jp/cards/000284/card4643.html

NDC 分類:210(日本史)
http://yozora.kazumi386.org/2/1/ndc210.html


難字、求めよ

櫛玉命
故国御魂 カレクニミタマ
伝鈔
櫛間智神社
宇麻志麻遅命
鹿亀雑誌 〓 鹿亀雑録か。荒木田守良の著。
富羅母智
朴堤上
金堤上
訓蒙字会
明ノ宮
前津見 マエツミ
御木川
耳垂 ミミタリ
鼻垂 ハナタリ
胆駒社
火鑚木
卜部亀卜次第 うらべ きぼく しだい、か。
火燧木 ひきりき
官氏
久米直 くめの あたい、か。人名。
御名ノ入部
弥馬
長国造
御間都比古神社
大三間津日子
中跡直 なかとの あたい、か。人名。
中臣伊勢朝臣
対音
宇太乃大祢奈 童女。
伊尓方命 〓 建日方命の弟。
繍張文
橘良平
阿須伎神社同社神 ?
伊佐我命 〓 天夷鳥命の子。
須佐能袁命
凡河内国造彦己曽保理命
見あわす
舟行必由

向津野ノ大済
総序
親見聞
妄改
欠逸(缺佚)
並時
必都佐郷 必佐郷(ひつさごう)か。
鳥坂長峰 地名か。
『東亜之光』 雑誌。


むしとりホイホイ

度會乃《ノ》 → 度會|乃《ノ》 【|】
旧事記 → 旧事紀 【紀か あるいは古事記?】
高橋建自 → 高橋健自 【健か】


スリーパーズ日記

「三處」を「三か所」に、
「二處」を「二か所」に、それぞれ変更。 

9.10、屋久島の縄文杉倒木。(週刊ポストより)
9.25、大雪山・富士山で初冠雪。月山も九合目あたりまで見えるが降雪なし。
 気象庁、113年間でいちばん暑い夏。
 山形市内、早稲の稲刈りはじまる。

 証拠を捏造して人をおとしいれようとしたり、職を奪おうとするのは、そんなに珍しいことじゃないから、特に驚かない。古今、よくあること。それよりも、いまどき厚生労働省でフロッピー・ディスクを使ってたことのほうが感心してしまった。



2010.10.2:公開
2010.10.4:更新
むくげの散華、キンモクセイの香りみち。
耳垂《ミミタリ》鼻垂《ハナタリ》。PoorBook G3'99
転載・移植・印刷は自由です。
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  • ハハ(汗)、まるっと一週間の遅延…… -- しだ (2010-10-02 22:10:32)
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