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MANUAL_1 底本選び〜作業の流れ

1.底本と著作権


●青空文庫は、「電子化された本(テキスト)を誰もがいつでも自由に読める」ようにすることを目的とした「インターネット上の本棚」です。
●ここには、以下の2種類の著作物をおさめていきます。
1)すでに著作権が消滅した著作物。
2)著作権所有者が金銭の授受をともなわない公開に同意した著作物。
●すべての著作物は著作権によって保護されています。著作者が亡くなったあとも、著作権の保護は継続します。現行の法律では、その期間は、「著作者の死後50年間」と定められています。より正確には、「著作権は著作者の死から50年を経過した年の12月31日をもって消滅」し、自由に公開できるのは「翌年1月1日から」です。
●「著作権が生きている作品」については、「著作権所有者への公開の依頼は行わない」を原則とします。したがって、登録は「著作権所有者ご本人からの申し入れ」があった場合もしくはそれに準ずる場合に限ります。
●「著作権が消滅した作品」は、原則的に、自由に電子化して公開できます。どの作品を選ぶかは、入力にあたろうとする人の判断に委ねます。青空文庫の側で作品を割り当てることは、基本的に行いません。

■底本を選ぶ

●以上のことは、底本(入力の元にする本)をどう選ぶかに直接関係してきます。いくら好きな小説だからといって、「著作権が生きている作品」を勝手に登録・公開するわけにはいきません。その小説が翻訳作品の場合には、原著者の著作権に加えて、翻訳者の著作権が存在します。
●登録・公開したい作品があったら、まず原本の著者紹介欄などで作者の生死、逝去年を調べ、著作権について確認してください。文学系の著作者については、青空文庫内にある「著作権が消滅した作家一覧」を参照してください。
●短編集や論文集などの場合には、作者だけでなく、作品の選定や配列などにあたった「編者(編集者・編纂者)」の著作権が存在する場合があります。著作権とは全く縁遠いように思われる古文で書かれた古典作品の中にも、注釈や校訂などに関する著作権が存在する場合があります。著作権の保護期間を終えていない筆者による注釈などは、登録・公開できません。
●著作権切れを控えた作家の作品は、「翌々年の1月1日までに公開できるもの」に限って、着手報告を受け入れます。どんな作家の権利切れが近いかは、「死せる作家の会」のリストを参照してください。
●次に、青空文庫の「公開中の作品」にあたって、入力したい作品が、すでに登録されていないか確認してください。青空文庫への登録を前提として、作業が進んでいる場合もあります。進行状況を示す「作業中の作品」にも、目を通してください。ここに記載されているものについては、原則として、新たに入力していただくことはできません。ただし「進行状態」が「入力取り消し」となっているものは、入力可能です。
●旧字旧仮名で書かれた作品は、本来の姿にそった形(旧字旧仮名版)と現代表記に書き換えた形(新字新仮名版)、加えて旧字のみを新字に置き換えた中間的な形(新字旧仮名版)でも登録しています。ある形式ですでに登録、着手されている作品を、別の形で、新たに入力していただくことは可能です。
●「入力してみたいけれど、適当な作品に心当たりがない」という場合は、「随筆計画2000」のページをご覧になってみてください。このページは、作品社から刊行されている「日本の名随筆」シリーズを索引代わりに、著作権の切れている随筆作品をリストアップしたものです。青空文庫に登録済み、入力中、未入力の区別が、このページで確認できます。この中から、未入力の作品を選ぶという方法もあります。ここに掲載されている作品はどれも短いものなので、入力は初めてという人でも、比較的楽に作業できるでしょう。
●アンソロジー形式の短編集などには、長い作品の一部のみを抜き出した「抄録」形式で収められたものがあります。(「日本の名随筆」では、作品名が〔〕で囲まれたものが、これに当たります。)また、一般には短編集やシリーズとしてひとまとまりで扱われているものの中から、1編のみを抜き出して収められている場合もあります。(「日本の名随筆」では、作品名の後に【××の一部】【××にあり】と書かれたものが、これに当たります。)青空文庫では、部分的な登録は避け、作品本来の姿での登録を心がけています。一部分のみが登録されていると、全体が登録されたときに重複する可能性もあります。入力したい作品が上記にあてはまる場合は、全体を収めた他の本を探してください。
●インターネット上では、電子化されたテキストがさまざまな場所で公開されています。これについては、「電子テキストのある場所」をご覧ください。
●他のサイトで公開されている作品であっても、あなたが青空文庫のファイル形式と取り扱い規準にそったものを用意したいと望まれるのなら、原則的には、取り組んでいただいてかまいません。ただし、公開済みであることが確認できている場合は、着手前に青空文庫(reception@aozora.gr.jp)宛にその旨を告知し、作業開始への了解を求めてください。
●法令の入力は、原則として行いません。
●青空文庫ではかつて、『大日本帝国憲法』『日本国憲法』を入力し、他の法律に関しても、リンク登録するなどしてきました。そんな中で、2001年4月1日、総務省による「法令データ提供システム」の運用が開始されました。その時点で施行されているすべての法令が、官報への掲載から1、2か月というわずかな遅れで、高い信頼性をもって登録され、検索の機能も充実しています。ファイルの利用にも、制限は設けられていません。こうした体制が整った以上、法令データは、同システムをはじめとするいくつかの専門サイトに委ねるのが妥当でしょう。よって、「廃止されたもので、他では参照することが困難」といった特別な理由がある場合をのぞいて、青空文庫で法令を新規入力、公開することは行いません。
●編者や校訂者などの権利の扱いは、微妙です。これらの作業に当たった人が底本に明記されているときは、進められるか否か、「作業着手連絡システム」からの申請の前に、reception@aozora.gr.jpに問い合わせてください。
●同一作品の異なったバージョン(旧字旧仮名版、新字新仮名版、もしくは新字旧仮名版)に取り組む場合は、「作業着手連絡システム」からの申請の際、「作品データ」の「備考」欄に、どれが登録済みであり、どの形での入力を希望されるかを書き添えてください。
●以上の条件を満たす入力候補作品がみつかったら、「作業着手連絡システム」の「入力受付システム」を使って、申請してください。
●「作業着手連絡システム」は、同じ著者の作品を多数入力申請する際、繰り返しの記入を避けられるよう、工夫してあります。(同じ底本からなら、一度に20作品まで対応。)
●それでも申請に困難を感じるほど、作品数が多い場合(40作品以上を、目安としてください)は、reception@aozora.gr.jpに対応を打診してください。

2.作業の流れ


●青空文庫に登録される作品は、次のような過程でつくられます。

1.入力
 底本の文章をそのままにテキスト入力していきます。
2.校正
 入力されたテキストに入力ミスなどの誤りがないかチェックしていきます。
3.加工
 完成したテキストを青空文庫用のファイル形式に仕上げていきます。

●これらの作業には、ふつう、複数の担当者が分担してあたっています。現在のところは、工作員の方々には主に入力と校正をお願いし、内容・形式の最終チェックと基本フォーマット・ファイルへの加工は、点検部屋と名付けた共同作業場のメンバーが行っています。
●応募して入力や校正に取りかかったものの、作業を完了できそうにない見通しとなったら、遠慮なくreception@aozora.gr.jpに申し出てください。「入力中の作品」の「進行状態」を「入力中」から「入力取り消し」へ、「校正中」から「校正待ち」へと戻し、新たな作業協力の申し入れを待ちます。
●作業着手後、メールアドレスが変わった場合は、必ずreception@aozora.gr.jpに連絡してください。


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最終更新:2007年05月09日 16:55