MT*2_46-手長と足長/くぐつ名義考 喜田貞吉

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MT*2_46-手長と足長/くぐつ名義考 喜田貞吉

2010.6.5 第二巻 第四六号

 手長と足長 土蜘蛛研究 喜田貞吉
 くぐつ名義考 古代社会組織の研究 喜田貞吉
   一 緒言
   二 クグツの名義に関する諸説(その一)
   三 クグツの名義に関する諸説(その二)
   四 久久都彦と久久都媛と
   五 多爾具久(たにぐく)とクグツ
   六 ヒキガエルあるいは蝦蟆(ガマ)とタニグク
   七 莎草(くぐ)とクグツ
   八 結論




【週刊ミルクティー*第二巻 第四六号】
http://www.dl-market.com/product_info.php?products_id=70245
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(676KB)

定価:200円(税込)  p.209 / *99 出版
付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(106項目)p.523


飛び出せ! 週刊ミルクティー*


 先年、柳田国男君は「(略)クグツは一種細い縄をもってあんだ袋のことで、傀儡の漢字とは直接の連絡はない。(略)たぶんは山沢湿地に自生する莎草(くぐ)という植物で、その袋を製したのであろう(略)」と述べられて、『袖中抄』以来の袋のクグツと傀儡子のクグツとの間に、ある連絡を求めておられるのである。(略)
 いまひとつ安藤正次君によって(略)発表せられた新説がある。それは傀儡の二字の朝鮮音から導かれたのであろうというのである。(略)わが傀儡子(クグツ)によく似たものを高麗で「広大」といったが、その朝鮮音はやはり Koang-tai で、傀儡の音とほとんど同じであるとのことをも援引せられているのである。安藤君は傀儡子(クグツ)は本来、支那より朝鮮をへて日本へ来たものであると考えられて、高麗の広大の徒なる揚水尺の一派の、歌舞伎芸を業とし、傀儡の戯を伝えたものが、わが国に流浪し来たって、これとともに傀儡すなわち広大の名称をも輸入し来たったものではあるまいかといわれているのである。(略)
 『古事記』にはまた伊奘諾(いざなき)・伊奘冊(いざなみ)二尊の御子に、山の神・野の神などとならんで、木の神久久能智神(くくのちのかみ)というのがある。『日本紀』の一書には、やはり山の神・野の神・土の神などと並んで、木の神等を句句廼馳(くくのち)と号すともある。(略)
 わが古語に遍満行きわたらぬ所なきことを表わして、「天雲の向かふす極み、タニグクのさ渡る極み」、あるいは「タニグクのさ渡る極み、潮沫(しおはね)の留まるかぎり」(略)などいう成句がある。(略)しかるに、そのタニグクまたはタニククを、時にあるいは「谷蟆」または「谷潜」などと書いたがために、一般にこれはヒキガエルのことであると解している。自分もさきに「少彦名命の研究」を書いたときには、その解釈のもとに説をなしてみたのであったが、さらによく思うに、ヒキガエルをもって遍満行きわたらぬ所なきものの比喩にもちうることは、いかがであろうかと思われてならなくなった。

2_46.rm
(朗読:RealMedia 形式 484KB、3'56'')


喜田貞吉 きた さだきち
1871-1939(明治4.5.24- 昭和14.7.3)
歴史学者。徳島県出身。東大卒。文部省に入る。日本歴史地理学会をおこし、雑誌「歴史地理」を刊行。法隆寺再建論を主張。南北両朝並立論を議会で問題にされ休職。のち京大教授。

◇参照:Wikipedia 喜田貞吉、『広辞苑 第六版』(岩波書店)。


底本

手長と足長 土蜘蛛研究
底本:「先住民と差別 喜田貞吉歴史民俗学傑作選」河出書房新社
   2008(平成20)年1月30日初版発行
初出:「民族と歴史 第一巻第四号」
   1919(大正8)年4月

くぐつ名義考 古代社会組織の研究
底本:「先住民と差別 喜田貞吉歴史民俗学傑作選」河出書房新社
   2008(平成20)年1月30日初版発行
初出:「民族と歴史 第八巻第四〜五号」
   1922(大正11)年10〜11月

NDC 分類:210(日本史)
http://yozora.kazumi386.org/2/1/ndc210.html
NDC 分類:380(風俗習慣.民俗学.民族学)
http://yozora.kazumi386.org/3/8/ndc380.html


難字、求めよ。

臂肘
丘壟 丘隴(きゅうろう)か。
寂照上人
鳥口 ちょく
大諸礼
儡 傀儡か。
としもいった
大水上神 おおみなかみのかみ、か。
年山打聞


スリーパーズ日記


メモ。以下の問題が解決。
 (1) ルビ内に丸カッコを使う場合。
 (2) 見えづらい傍線・傍点の表示。
 (3) t-move タグをもちいた場合の表示異常。

 ruby タグでは (1) の表示に不具合があった。今回、!RB タグを用いて処理した。!RB は T-Time 固有のタグなので、一般的なブラウザへの汎用性はおそらくない。

 (2) (3) は、いつのまにか問題が解消していたことに、いまごろ気がつく。さかのぼって見ると、第二巻三八号「清河八郎(一)」の際に「表示-縮尺-90%」を100%に変更している。どうやらトラブルは「縮尺-90%」に起因していたらしい。おさがわせいたしました、各位。

 おととい、歩いていて猫の死体と遭遇。昨日もそのままになっていたので、どこに・だれに相談・処理をお願いすればいいのかわからず、市役所へ行ったところ、生活環境課の担当のかたに話を聞いてもらう。夕暮れの帰り道には、処理されたものか、かたづけられていた。
 地元の新聞によれば、ここ数年、山形県内にイノシシ被害の報告例が増えているとのこと。幕末頃にも山寺あたりでイノシシがいたらしく、供養塔が残っている。(2010.6.4)

 梅雨入りを前にして、あやめとバラがきれいで香るようになる。津野海太郎『小さなメディアの必要』を久しぶりに開く。(2010.6.6)



2010.6.8:公開
2010.6.12:更新
梅雨入らず、むくがひよひよ 豆でっぽう。
百年河清を待つ。目くそ鼻くそ、牛のよだれ。/PoorBook G3'99
翻訳・朗読・転載は自由です。
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  • 「蟾蜍」はヒキガエルと訓み、音読みでは「せんじょ」となる。『広辞苑』によれば、「(1) 月中にいるというヒキガエル。(2) 月の異称。月蟾」とある。「蟾蜍」を月もしくは月の光の隠喩(メタファー)と解釈すれば「さ渡る極み」や「遍満行きわたらぬ所なき」の説明としては適当のように思われる。が、喜田の文中に蟾蜍=月の記述はない。知らなかったということか。Wikipedia の「月」の項によれば、中国の伝説では「月には、夫のゲイを裏切った嫦娥(じょうが)の変じた蝦蟇(ヒキガエル)が住んでいる」とある。中国(道教)が月=ヒキガエルだとすれば、日本(神道)の月=ウサギ伝承は別系統ということか。なお、中国では月探査計画のことを「嫦娥計画」、探査衛星のことを「嫦娥1号」というらしい。 -- しだ (2010-06-12 23:28:29)
  • にしても、土蜘蛛、案山子(カカシ)、くぐつ、ヒキガエル……とは、まるでナルトのセカイだってばよ。 -- しだ (2010-06-12 23:35:39)
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