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*M-Tea*5_34-菜穂子(五)堀 辰雄 *2013.3.16 第五巻 第三四号 菜穂子(五)堀 辰雄  菜穂子   十九~二十四   &image(http://www.dlmarket.jp/images/uploader/620/5_33-1.png,http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/〓)   [[【週刊ミルクティー*第五巻 第三四号】>http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/〓]] (http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/〓) ※ クリックするとダウンロードサイトへジャンプします。 (392KB) &color(red){定価:200円} p.136 / *99 出版 付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(4項目)p.20 ※ DRM などというやぼったいものは使っておりません。 ※ 現代表記版に加えてオリジナル版を同時収録。 ※ JIS X 0213・ttz 形式。 ※ この作品は青空文庫にて公開中です。著作権保護期間を経過したパブリック・ドメイン作品につき、引用・印刷および転載・翻訳・翻案・朗読などの二次利用は自由です。 (c) Copyright this work is public domain. *♪ラン、ラン、ラン 週刊 Rendez-vous!  一丁ほど裏街道を行ったところで、傘をかたむけながらこちらへやってくる一人の雪袴(たっつけ)の女とすれちがった。 「まあ、黒川さんじゃありませんか。」急にその若い女が言葉をかけた。「どこへいらっしゃるの?」  菜穂子はおどろいてふり返った。襟巻(えりまき)ですっかり顔を包み、いかにも土地っ子らしい雪袴姿をした相手は、彼女の病棟付きの看護婦だった。 「ちょっとそこまで……」彼女は間(ま)が悪そうに笑顔を上げたが、吹きつける雪のために思わず顔をふせた。 「早くお帰りになってね。」相手は念を押すように言った。  菜穂子は顔をふせたまま、黙ってうなずいて見せた。  それからまた一丁ほど雪を頭から浴びながら歩いて、やっと踏み切りのところまできたとき、菜穂子はよっぽどこのまま療養所へ引き返そうかと思った。彼女はしばらく立ち止まって、目の粗い毛糸の手袋をした手で髪の毛から雪を払い落していたが、ふとさっき、こんな向こう見ずの自分をつかまえてもなんともうるさく言わなかったあの気さくな看護婦が、ロシアの女のように襟巻でクルクルと顔を包んでいたのを思い出すと、自分もそれを真似て襟巻を頭からすっぽりとかぶった。それから彼女は、出逢ったのがほんとうにあの看護婦でよかったと思いながら、ふたたび雪を全身にあびて停車場のほうへ歩き出した。   北向きの吹きさらしな停車場は、一方から猛烈に雪をふきつけられるので片側だけ真白になっていた。その建物の陰に駐まっている一台の古自動車も、やはり片側だけ雪にうまっていた。    #ref(5_34.rm) (朗読:RealMedia 形式 360KB、2:54) [[milk_tea_5_34.html>http://www33.atwiki.jp/asterisk99?cmd=upload&act=open&pageid=393&file=milk_tea_5_34.html]] (html ソーステキスト版 164KB) 堀 辰雄 ほり たつお 1904-1953(明治37.12.28-昭和28.5.28) ◇参照:Wikipedia &link_wikipedia(堀辰雄){堀辰雄}、『広辞苑 第六版』(岩波書店、2008)。 底本:「昭和文学全集 第6巻」小学館    1988(昭和63)年6月1日初版第1刷 底本の親本:「堀辰雄全集 第二巻」筑摩書房    1977(昭和52)年8月30日初版第1刷発行 http://www.aozora.gr.jp/cards/001030/card4805.html NDC 分類:913(日本文学 / 小説.物語) http://yozora.kazumi386.org/9/1/ndc913.html *難字、求めよ *むしとりホイホイ 麦桿 → 麦稈 【稈】 むぎわら。 失っ張 → 矢っ張 【矢】 やっぱり。 予供達 → 子供達 【子】 以上3件。いずれも底本確認ずみ。 ※ 麦桿……有島武郎「或る女(後編)」にも1件あり。要修正か。 ※ 失っ張……森鴎外「雁」にも1件あり。要修正か。 ※ 失張……木下尚江「大野人」に2件。要修正か。 ※ 失張り……田畑修一郎「鳥羽家の子供」に1件。要修正か。 ※ 失つ張り……木下尚江「火の柱」に1件。要修正か。 *スリーパーズ日記*  山折哲雄「皇太子殿下、ご退位なさいませ」『新潮45』。  野坂昭如「日本民族へ、お悔やみを申し上げる」『終末の思想』(NHK新書)帯より。  カッケー。  八重の桜。  第十一回まで、会津藩に所属したはずの京都見廻組が登場してないような気がする。このまま佐々木只三郎を出さないつもりなんだろうか。  佐々木只三郎。天保四年(1833)の生まれ。慶応四年一月没。陸奥国の会津藩領内(福島県)に会津藩士・佐々木源八の三男として生まれる。親戚であった旗本佐々木矢太夫の養子となる。神道精武流を学び、幕府講武所の剣術師範を勤めたと伝えられる。(Wikipedia「佐々木只三郎」より)  山本覚馬が文政11年(1828)生まれ。  八重が弘化2年(1845)生まれ。  大河『龍馬伝』のさいに、磯田道史も教育テレビで佐々木只三郎について触れていた。会津出身でしかも肉親(たしか兄)は藩の重役にあった。だから、佐々木只三郎の行動の背後には会津藩の意向が働いていたと見ていい、というもの。  三谷幸喜脚本『新選組!』では、伊原剛志が佐々木只三郎を演じていた。これがよかった。史実の新選組が持っていたはずのダークサイドを、佐藤浩市の芹沢鴨とともに担って、完全に新選組コアメンバーを食っていた。  佐々木只三郎。京都見廻組の相模組与頭(くみがしら)。  清河八郎の暗殺はほぼ確定といっていいだろう(参照:大川周明『清河八郎(四)(五)』『週刊ミルクティー*』第二巻第四一号・四二号)。  同じく、坂本龍馬の暗殺も佐々木只三郎ひきいる見廻組説が濃厚。  となると問題は、清河八郎や坂本龍馬暗殺の指令が、会津藩首脳部のどのレベルから出たのか、ということになるんじゃまいか。  追記。三谷幸喜『新選組!』・福田靖『龍馬伝』ともに龍馬暗殺は、佐々木只三郎ひきいる見廻組説を採用。メモ、司馬遼太郎『街道をゆく』と大佛次郎『天皇の世紀』の総索引に佐々木只三郎の項目を探すこと。 2013.3.16:公開 おきゅぱい迷人。 目くそ鼻くそ、しだひろし/PoorBook G3'99 転載・印刷・翻訳は自由です。 カウンタ:&counter() ---- #comment
*M-Tea*5_34-菜穂子(五)堀 辰雄 *2013.3.16 第五巻 第三四号 菜穂子(五)堀 辰雄  菜穂子   十九~二十四   &image(http://www.dlmarket.jp/images/uploader/620/5_33-1.png,http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/189204)   [[【週刊ミルクティー*第五巻 第三四号】>http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/189204]] (http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/189204) ※ クリックするとダウンロードサイトへジャンプします。 (392KB) &color(red){定価:200円} p.136 / *99 出版 付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(4項目)p.20 ※ DRM などというやぼったいものは使っておりません。 ※ 現代表記版に加えてオリジナル版を同時収録。 ※ JIS X 0213・ttz 形式。 ※ この作品は青空文庫にて公開中です。著作権保護期間を経過したパブリック・ドメイン作品につき、引用・印刷および転載・翻訳・翻案・朗読などの二次利用は自由です。 (c) Copyright this work is public domain. *♪ラン、ラン、ラン 週刊 Rendez-vous!  一丁ほど裏街道を行ったところで、傘をかたむけながらこちらへやってくる一人の雪袴(たっつけ)の女とすれちがった。 「まあ、黒川さんじゃありませんか。」急にその若い女が言葉をかけた。「どこへいらっしゃるの?」  菜穂子はおどろいてふり返った。襟巻(えりまき)ですっかり顔を包み、いかにも土地っ子らしい雪袴姿をした相手は、彼女の病棟付きの看護婦だった。 「ちょっとそこまで……」彼女は間(ま)が悪そうに笑顔を上げたが、吹きつける雪のために思わず顔をふせた。 「早くお帰りになってね。」相手は念を押すように言った。  菜穂子は顔をふせたまま、黙ってうなずいて見せた。  それからまた一丁ほど雪を頭から浴びながら歩いて、やっと踏み切りのところまできたとき、菜穂子はよっぽどこのまま療養所へ引き返そうかと思った。彼女はしばらく立ち止まって、目の粗い毛糸の手袋をした手で髪の毛から雪を払い落していたが、ふとさっき、こんな向こう見ずの自分をつかまえてもなんともうるさく言わなかったあの気さくな看護婦が、ロシアの女のように襟巻でクルクルと顔を包んでいたのを思い出すと、自分もそれを真似て襟巻を頭からすっぽりとかぶった。それから彼女は、出逢ったのがほんとうにあの看護婦でよかったと思いながら、ふたたび雪を全身にあびて停車場のほうへ歩き出した。   北向きの吹きさらしな停車場は、一方から猛烈に雪をふきつけられるので片側だけ真白になっていた。その建物の陰に駐まっている一台の古自動車も、やはり片側だけ雪にうまっていた。    #ref(5_34.rm) (朗読:RealMedia 形式 360KB、2:54) [[milk_tea_5_34.html>http://www33.atwiki.jp/asterisk99?cmd=upload&act=open&pageid=393&file=milk_tea_5_34.html]] (html ソーステキスト版 164KB) 堀 辰雄 ほり たつお 1904-1953(明治37.12.28-昭和28.5.28) ◇参照:Wikipedia &link_wikipedia(堀辰雄){堀辰雄}、『広辞苑 第六版』(岩波書店、2008)。 底本:「昭和文学全集 第6巻」小学館    1988(昭和63)年6月1日初版第1刷 底本の親本:「堀辰雄全集 第二巻」筑摩書房    1977(昭和52)年8月30日初版第1刷発行 http://www.aozora.gr.jp/cards/001030/card4805.html NDC 分類:913(日本文学 / 小説.物語) http://yozora.kazumi386.org/9/1/ndc913.html *難字、求めよ *むしとりホイホイ 麦桿 → 麦稈 【稈】 むぎわら。 失っ張 → 矢っ張 【矢】 やっぱり。 予供達 → 子供達 【子】 以上3件。いずれも底本確認ずみ。 ※ 麦桿……有島武郎「或る女(後編)」にも1件あり。要修正か。 ※ 失っ張……森鴎外「雁」にも1件あり。要修正か。 ※ 失張……木下尚江「大野人」に2件。要修正か。 ※ 失張り……田畑修一郎「鳥羽家の子供」に1件。要修正か。 ※ 失つ張り……木下尚江「火の柱」に1件。要修正か。 *スリーパーズ日記*  山折哲雄「皇太子殿下、ご退位なさいませ」『新潮45』。  野坂昭如「日本民族へ、お悔やみを申し上げる」『終末の思想』(NHK新書)帯より。  カッケー。  八重の桜。  第十一回まで、会津藩に所属したはずの京都見廻組が登場してないような気がする。このまま佐々木只三郎を出さないつもりなんだろうか。  佐々木只三郎。天保四年(1833)の生まれ。慶応四年一月没。陸奥国の会津藩領内(福島県)に会津藩士・佐々木源八の三男として生まれる。親戚であった旗本佐々木矢太夫の養子となる。神道精武流を学び、幕府講武所の剣術師範を勤めたと伝えられる。(Wikipedia「佐々木只三郎」より)  山本覚馬が文政11年(1828)生まれ。  八重が弘化2年(1845)生まれ。  大河『龍馬伝』のさいに、磯田道史も教育テレビで佐々木只三郎について触れていた。会津出身でしかも肉親(たしか兄)は藩の重役にあった。だから、佐々木只三郎の行動の背後には会津藩の意向が働いていたと見ていい、というもの。  三谷幸喜脚本『新選組!』では、伊原剛志が佐々木只三郎を演じていた。これがよかった。史実の新選組が持っていたはずのダークサイドを、佐藤浩市の芹沢鴨とともに担って、完全に新選組コアメンバーを食っていた。  佐々木只三郎。京都見廻組の相模組与頭(くみがしら)。  清河八郎の暗殺はほぼ確定といっていいだろう(参照:大川周明『清河八郎(四)(五)』『週刊ミルクティー*』第二巻第四一号・四二号)。  同じく、坂本龍馬の暗殺も佐々木只三郎ひきいる見廻組説が濃厚。  となると問題は、清河八郎や坂本龍馬暗殺の指令が、会津藩首脳部のどのレベルから出たのか、ということになるんじゃまいか。  追記。三谷幸喜『新選組!』・福田靖『龍馬伝』ともに龍馬暗殺は、佐々木只三郎ひきいる見廻組説を採用。メモ、司馬遼太郎『街道をゆく』と大佛次郎『天皇の世紀』の総索引に佐々木只三郎の項目を探すこと。 2013.3.16:公開 おきゅぱい迷人。 目くそ鼻くそ、しだひろし/PoorBook G3'99 転載・印刷・翻訳は自由です。 カウンタ:&counter() ---- #comment

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