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*MT*2_28-翁の発生/鬼の話 折口信夫
*2010.1.30 第二巻 第二八号
翁の発生/鬼の話
折口信夫
&image(http://www.dl-market.com/images/uploader/620/2_28-1.gif,http://www.dl-market.com/product_info.php?products_id=51859)
翁の発生
一 おきなと翁舞(おきなま)いと
二 祭りにのぞむ老体
三 沖縄の翁
四 尉(じょう)と姥(うば)
五 山びと
六 山(やま)づと
七 山姥
八 山のことほぎ
九 山伏
一〇 翁の語り
一一 ある言い立て
一二 春のまれびと
一三 雪の鬼
一四 菩薩練道
一五 翁の宣命
一六 松ばやし
一七 もどきの所作
一八 翁のもどき
一九 もどき猿楽(さるがく)狂言
鬼の話
一 オニと神と
二 祭りに出るオニ
三 土地の精霊と常世神と
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[[【週刊ミルクティー*第二巻 第二八号】>http://www33.atwiki.jp/asterisk99?cmd=upload&act=open&pageid=150&file=milk_tea_2_28.zip]]
(http://www33.atwiki.jp/asterisk99?cmd=upload&act=open&pageid=150&file=milk_tea_2_28.zip)
※ ダウンロードを開始します。
(872KB)
|COLOR(red):月末最終号:無料| p.286 / *99 出版|
付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(127項目)p.547
※ 傍点や傍線の見えにくい場合は、T-Time の文字品質(アンチエイリアス)を「標準」にしてご覧ください。
*飛び出せ! なますと煮つけ♥
|COLOR(red):オリジナル版|COLOR(blue):ミルクティー*現代表記版|
|COLOR(red):鬼の話|COLOR(blue):鬼の話|
|COLOR(red): 「おに」と言ふ語《ことば》にも、昔から諸説があつて、今は外来語だとするのが最勢力があるが、おに[#「おに」に傍線]は正確に「鬼」でなければならないと言ふ用語例はないのだから、わたしは外来語ではないと思うてゐる。さて、日本の古代の信仰の方面では、かみ[#「かみ」に傍線](神)と、おに[#「おに」に傍線](鬼)と、たま[#「たま」に傍線](霊)と、もの[#「もの」に傍線]との四つが、代表的なものであつたから、此等に就て、総括的に述べたいと思ふのである。|COLOR(blue): 「オニ」という語(ことば)にも、昔から諸説があって、いまは外来語だとするのが最も勢力があるが、オニは正確に「鬼」でなければならないという用語例はないのだから、わたしは外来語ではないと思うている。さて、日本の古代の信仰の方面では、カミ(神)と、オニ(鬼)と、タマ(霊)と、モノとの四つが、代表的なものであったから、これらについて、総括的に述べたいと思うのである。|
|COLOR(red):鬼は怖いもの、神も現今の様に抽象的なものではなくて、もつと畏しいものであつた。今日の様に考へられ出したのは、神自身の向上した為である。たま[#「たま」に傍線]は眼に見え、輝くもので、形はまるいのである。もの[#「もの」に傍線]は、極抽象的で、姿は考へないのが普通であつた。此は、平安朝に入つてから、勢力が現れたのである。|COLOR(blue): 鬼はこわいもの、神も現今のように抽象的なものではなくて、もっとおそろしいものであった。今日のように考えられ出したのは、神自身の向上したためである。タマは眼に見え、輝くもので、形はまるいのである。モノは、ごく抽象的で、姿は考えないのが普通であった。これは、平安朝に入ってから、勢力が現われたのである。|
|COLOR(red):おに[#「おに」に傍線]は「鬼」といふ漢字に飜された為に、意味も固定して、人の死んだものが鬼である、と考へられる様になつて了うたのであるが、もとは、どんなものを斥《サ》しておに[#「おに」に傍線]と称したのであらうか。|COLOR(blue): オニは「鬼」という漢字に翻(うつ)されたために、意味も固定して、人の死んだものが鬼である、と考えられるようになってしもうたのであるが、もとは、どんなものをさしてオニと称したのであろうか。|
|COLOR(red):現今の神々は、初めは低い地位のものだつたのが、次第に高くなつて行つたので、朝廷から神に位を授けられたことを見ても、此は、明らかである。即、神社の神は階級の低いものであつた。土地の精霊は、土地と関係することが深くなるに連れて、位を授けられる様になつて行つたので、其以前の神と言へば即、常世神だつたのである。|COLOR(blue): 現今の神々は、はじめは低い地位のものだったのが、しだいに高くなっていったので、朝廷から神に位を授けられたことを見ても、これは、あきらかである。すなわち、神社の神は階級の低いものであった。土地の精霊は、土地と関係することが深くなるにつれて、位を授けられるようになっていったので、それ以前の神といえばすなわち、常世神(とこよのかみ)だったのである。|
#ref(2_28.rm)
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折口信夫 おりくち しのぶ
1887-1953(明治20.2.11-昭和28.9.3)
大阪府西成郡木津村(現在の大阪市浪速区)生まれ。民俗学、国文学、国学の研究者。釈迢空と号して詩歌もよくした。1913年12月、「三郷巷談」を柳田國男主催の『郷土研究』に発表し、以後、柳田の知遇を得る。柳田國男の高弟として民俗学の基礎を築いた。
◇参照:&link_wikipedia(折口信夫){Wikipedia}、『広辞苑 第六版』(岩波書店)。
*底本
翁の発生
底本:「折口信夫全集 2」中央公論社
1995(平成7)年3月10日初版発行
底本の親本:「古代研究 民俗学篇第一」大岡山書店
1929(昭和4)年4月10日発行
初出:「民俗芸術 第一巻第一・三号」
1928(昭和3年)年1月・3月
NDC 分類:380(風俗習慣.民俗学.民族学)
http://yozora.kazumi386.org/3/8/ndc380.html
NDC 分類:773(演劇:能楽.狂言)
http://yozora.kazumi386.org/7/7/ndc773.html
鬼の話
底本:「折口信夫全集 3」中央公論社
1995(平成7)年4月10日初版発行
底本の親本:「古代研究 民俗学篇第二」大岡山書店
1930(昭和5)年6月20日発行
NDC 分類:387(風俗習慣.民俗学.民族学:民間信仰.迷信[俗信])
http://yozora.kazumi386.org/3/8/ndc387.html
*疑問点
翁の発生
[#「まれびと」に傍線]」 → [#「まれびと」に傍線]【直後の」を削除か。もしくは「の忘れか。】
以上、1件。
鬼の話
羅卒 → 羅刹か? 【羅卒(邏卒)は巡査の旧称。羅刹は悪鬼の通名。2か所】
以上、1件。
2010.1.31:公開
及川なます♥/PoorBook G3'99
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*MT*2_28-翁の発生/鬼の話 折口信夫
*2010.1.30 第二巻 第二八号
翁の発生/鬼の話
折口信夫
&image(http://www.dl-market.com/images/uploader/620/2_28-1.gif,http://www33.atwiki.jp/asterisk99?cmd=upload&act=open&pageid=159&file=milk_tea_2_28.zip)
翁の発生
一 おきなと翁舞(おきなま)いと
二 祭りにのぞむ老体
三 沖縄の翁
四 尉(じょう)と姥(うば)
五 山びと
六 山(やま)づと
七 山姥
八 山のことほぎ
九 山伏
一〇 翁の語り
一一 ある言い立て
一二 春のまれびと
一三 雪の鬼
一四 菩薩練道
一五 翁の宣命
一六 松ばやし
一七 もどきの所作
一八 翁のもどき
一九 もどき猿楽(さるがく)狂言
鬼の話
一 オニと神と
二 祭りに出るオニ
三 土地の精霊と常世神と
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[[【週刊ミルクティー*第二巻 第二八号】>http://www33.atwiki.jp/asterisk99?cmd=upload&act=open&pageid=159&file=milk_tea_2_28.zip]]
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|COLOR(red):月末最終号:無料| p.286 / *99 出版|
付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(127項目)p.547
※ 傍点や傍線の見えにくい場合は、T-Time の文字品質(アンチエイリアス)を「標準」にしてご覧ください。
*飛び出せ! なますと煮つけ♥
|COLOR(red):オリジナル版|COLOR(blue):ミルクティー*現代表記版|
|COLOR(red):鬼の話|COLOR(blue):鬼の話|
|COLOR(red): 「おに」と言ふ語《ことば》にも、昔から諸説があつて、今は外来語だとするのが最勢力があるが、おに[#「おに」に傍線]は正確に「鬼」でなければならないと言ふ用語例はないのだから、わたしは外来語ではないと思うてゐる。さて、日本の古代の信仰の方面では、かみ[#「かみ」に傍線](神)と、おに[#「おに」に傍線](鬼)と、たま[#「たま」に傍線](霊)と、もの[#「もの」に傍線]との四つが、代表的なものであつたから、此等に就て、総括的に述べたいと思ふのである。|COLOR(blue): 「オニ」という語(ことば)にも、昔から諸説があって、いまは外来語だとするのが最も勢力があるが、オニは正確に「鬼」でなければならないという用語例はないのだから、わたしは外来語ではないと思うている。さて、日本の古代の信仰の方面では、カミ(神)と、オニ(鬼)と、タマ(霊)と、モノとの四つが、代表的なものであったから、これらについて、総括的に述べたいと思うのである。|
|COLOR(red):鬼は怖いもの、神も現今の様に抽象的なものではなくて、もつと畏しいものであつた。今日の様に考へられ出したのは、神自身の向上した為である。たま[#「たま」に傍線]は眼に見え、輝くもので、形はまるいのである。もの[#「もの」に傍線]は、極抽象的で、姿は考へないのが普通であつた。此は、平安朝に入つてから、勢力が現れたのである。|COLOR(blue): 鬼はこわいもの、神も現今のように抽象的なものではなくて、もっとおそろしいものであった。今日のように考えられ出したのは、神自身の向上したためである。タマは眼に見え、輝くもので、形はまるいのである。モノは、ごく抽象的で、姿は考えないのが普通であった。これは、平安朝に入ってから、勢力が現われたのである。|
|COLOR(red):おに[#「おに」に傍線]は「鬼」といふ漢字に飜された為に、意味も固定して、人の死んだものが鬼である、と考へられる様になつて了うたのであるが、もとは、どんなものを斥《サ》しておに[#「おに」に傍線]と称したのであらうか。|COLOR(blue): オニは「鬼」という漢字に翻(うつ)されたために、意味も固定して、人の死んだものが鬼である、と考えられるようになってしもうたのであるが、もとは、どんなものをさしてオニと称したのであろうか。|
|COLOR(red):現今の神々は、初めは低い地位のものだつたのが、次第に高くなつて行つたので、朝廷から神に位を授けられたことを見ても、此は、明らかである。即、神社の神は階級の低いものであつた。土地の精霊は、土地と関係することが深くなるに連れて、位を授けられる様になつて行つたので、其以前の神と言へば即、常世神だつたのである。|COLOR(blue): 現今の神々は、はじめは低い地位のものだったのが、しだいに高くなっていったので、朝廷から神に位を授けられたことを見ても、これは、あきらかである。すなわち、神社の神は階級の低いものであった。土地の精霊は、土地と関係することが深くなるにつれて、位を授けられるようになっていったので、それ以前の神といえばすなわち、常世神(とこよのかみ)だったのである。|
#ref(2_28.rm)
(朗読:RealMedia 形式 320KB、2'35'')
折口信夫 おりくち しのぶ
1887-1953(明治20.2.11-昭和28.9.3)
大阪府西成郡木津村(現在の大阪市浪速区)生まれ。民俗学、国文学、国学の研究者。釈迢空と号して詩歌もよくした。1913年12月、「三郷巷談」を柳田國男主催の『郷土研究』に発表し、以後、柳田の知遇を得る。柳田國男の高弟として民俗学の基礎を築いた。
◇参照:&link_wikipedia(折口信夫){Wikipedia}、『広辞苑 第六版』(岩波書店)。
*底本
翁の発生
底本:「折口信夫全集 2」中央公論社
1995(平成7)年3月10日初版発行
底本の親本:「古代研究 民俗学篇第一」大岡山書店
1929(昭和4)年4月10日発行
初出:「民俗芸術 第一巻第一・三号」
1928(昭和3年)年1月・3月
NDC 分類:380(風俗習慣.民俗学.民族学)
http://yozora.kazumi386.org/3/8/ndc380.html
NDC 分類:773(演劇:能楽.狂言)
http://yozora.kazumi386.org/7/7/ndc773.html
鬼の話
底本:「折口信夫全集 3」中央公論社
1995(平成7)年4月10日初版発行
底本の親本:「古代研究 民俗学篇第二」大岡山書店
1930(昭和5)年6月20日発行
NDC 分類:387(風俗習慣.民俗学.民族学:民間信仰.迷信[俗信])
http://yozora.kazumi386.org/3/8/ndc387.html
*疑問点
翁の発生
[#「まれびと」に傍線]」 → [#「まれびと」に傍線]【直後の」を削除か。もしくは「の忘れか。】
以上、1件。
鬼の話
羅卒 → 羅刹か? 【羅卒(邏卒)は巡査の旧称。羅刹は悪鬼の通名。2か所】
以上、1件。
2010.1.31:公開
及川なます♥/PoorBook G3'99
翻訳・朗読・転載は自由です。
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