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あさっての校正待ち その2」(2010/01/28 (木) 20:06:52) の最新版変更点

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*あさっての校正待ち その2 *スリーパーズ日記 「校正待ち」作品を、こんどはちょっと視点をかえて、「入力に使用した版」の出版年順に並べ替えてみる。  1870年代 3件  1880年代 1件  1890年代 5件  1900年代 18件  1910年代 3件  1920年代 74件  1930年代 84件  1940年代 48件  1950年代 59件 ……といったぐあいにある。 &ref(1.gif)  「出版社名」のところに【近代デジタルライブラリー利用】と【うわづら文庫利用】の文字(フラッグ)が見える。前者は国会図書館「近代デジタルライブラリー」、後者は岡島昭浩さんの「うわづら文庫(うわづらをblogで)」。それぞれ、パブリックドメインの作品を画像形式で公開している。青空文庫では、その画像を利用して工作員の入力したテキストが校正待ちになっている。パソコンがネット環境にあれば、その画像を利用して校正することができる。(※「近デジ」は JPEG2000形式、「うわづら」は pdf形式)  近代デジタルライブラリー | 国立国会図書館  http://kindai.ndl.go.jp/    岡島昭浩 | うわづらをblogで  http://uwazura.seesaa.net/  ちなみに、DVD『青空文庫10歳記念版・蔵書6300』には「うわづらをblogで」(2005年2月15日〜2007年5月29日まで)の pdf(画像)ファイルが864件収録してあるので、それを利用して校正することもできる。   &ref(2.gif) &bold(){左は底本(pdf 画像)。右は校正テキスト(Mac、iText 3.1.6を使用)。}  例)安藤正次「多賀禰考」  ※「うわづらをblogで」所収。  底本:『古典と古語』三省堂      1935(昭和10)年6月  たとえば、パソコン画面の左側に「近デジ」や「うわづら」から入手した底本画像を表示、右側に校正用のテキストを(エディタやワープロソフト等で)縦書き表示させる。視点の移動距離が少なくてすむので作業もはかどる(いわゆるデジタル校正)。プリントに校正記号を書き込まずに、直接、テキストファイルを修正し、並行して修正履歴を用意する。     2010年1月25日現在、校正待ち作品1822件のうち、近デジとうわづらの利用率は以下のとおり。    【近代デジタルライブラリー利用】 17件。  【うわづら文庫利用】       10件。    青空文庫のレセプションでは希望する校正者あてに、底本を紙にコピー出力したものと、入力テキストを紙にプリント出力したもの(いわゆる底本と入力テキストのハードコピー=校正紙)を発送してくれる。底本が入手しやすいばあいは、校正者自身がそれぞれ用意するばあいもある。ここまでは、紙の底本や紙のプリントに依存した従来の校正方法。  いっぽう、近デジやうわづらのような画像形式の底本データを使用してデジタル入力・デジタル校正がすすむと、校正紙の出力や発送、手書きの書き込みを再度テキストファイルへ反映させるといった作業を省くことができる。  十年前、入りたての工作員のころ、はじめての校正に幸田露伴の「運命」を担当したことがある。作品の内容も分量も知らぬまま校正を申し込んだところ、自宅あてに厚さ30ミリぐらいの校正紙の札束がドスン、と届いた。パソコンに依存しない、校正紙と赤ペンの従来の校正方法は、どこでも場所をえらばずに作業できるのでそれなりに利点もあるけれど、露伴「運命」の少なからぬ修正部分や疑問点をプリントへ書き込みながら、「この赤字(修正部分)すべてをふたたびテキストファイルへ、いっさいのモレなく確実に……」と思うと、後工程の苦労がしのばれた。以後、一貫して校正紙を用いないデジタル校正を選択している。  はじめてのデジタル校正には、鈴木三重吉の短編数本を担当。校正を終えて意気揚々とテキストファイルを返送したところ、富田さんからみごとにファイルの受理拒否をされたことがある。年末から正月にかけてをいっさい返上しての作業だっただけに、そうとうのうらみをいだいた記憶がある。 2010.1.25:公開 2010.1.28:更新 しだひろし/PoorBook G3'99 翻訳・朗読・転載は自由です。 カウンタ:&counter() ---- #comment
*あさっての校正待ち その2 *スリーパーズ日記 「校正待ち」作品を、こんどはちょっと視点をかえて、「入力に使用した版」の出版年順に並べ替えてみる。  1870年代 3件  1880年代 1件  1890年代 5件  1900年代 18件  1910年代 3件  1920年代 74件  1930年代 84件  1940年代 48件  1950年代 59件 ……といったぐあいにある。 &ref(1.gif)  「出版社名」のところに【近代デジタルライブラリー利用】と【うわづら文庫利用】の文字(フラッグ)が見える。前者は国会図書館「近代デジタルライブラリー」、後者は岡島昭浩さんの「うわづら文庫(うわづらをblogで)」。それぞれ、パブリックドメインの作品を画像形式で公開している。青空文庫では、その画像を利用して工作員の入力したテキストが校正待ちになっている。パソコンがネット環境にあれば、その画像を利用して校正することができる。(※「近デジ」は JPEG2000形式、「うわづら」は pdf形式)  近代デジタルライブラリー | 国立国会図書館  http://kindai.ndl.go.jp/    岡島昭浩 | うわづらをblogで  http://uwazura.seesaa.net/  ちなみに、DVD『青空文庫10歳記念版・蔵書6300』には「うわづらをblogで」(2005年2月15日〜2007年5月29日まで)の pdf(画像)ファイルが864件収録してあるので、それを利用して校正することもできる。   &ref(2.gif) &bold(){左は底本(pdf 画像)。右は校正テキスト(Mac、iText 3.1.6を使用)。}  例)安藤正次「多賀禰考」  ※「うわづらをblogで」所収。  底本:『古典と古語』三省堂      1935(昭和10)年6月  たとえば、パソコン画面の左側に「近デジ」や「うわづら」から入手した底本画像を表示、右側に校正用のテキストを(エディタやワープロソフト等で)縦書き表示させる。視点の移動距離が少なくてすむので作業もはかどる(いわゆるデジタル校正)。プリントに校正記号を書き込まずに、直接、テキストファイルを修正し、並行して修正履歴を用意する。     2010年1月25日現在、校正待ち作品1822件のうち、近デジとうわづらの利用率は以下のとおり。    【近代デジタルライブラリー利用】 17件。  【うわづら文庫利用】       10件。 *【近代デジタルライブラリー利用】 |ジェファーソン トマス|千七百七十六年第七月四日亜米利加十三州独立ノ檄文|西洋事情 初編 巻之二|東京:慶応義塾出版局|1870(明治3)年再版| |福沢 諭吉|千七百七十六年第七月四日亜米利加十三州独立ノ檄文|西洋事情 初編 巻之二|東京:慶応義塾出版局|1870(明治3)年再版| |福沢 諭吉|かたわ娘|かたわむすめ|慶應義塾蔵版|1872(明治5)年9月| |山県 有朋|南洲手抄言志録 00 題字|南洲手抄言志録|博聞社|1888(明治21)年5月17日発行| |福沢 諭吉|蘭学事始 01 蘭学事始再版之序|蘭学事始|東京:林茂香|1890(明治23)年4月8日初版| |福沢 諭吉|福沢全集緒言|福澤全集 巻一|時事新報社|1898(明治31)年1月1日初版| |菅野 徳助|アーサー王物語|第八篇 アーサー王物語|青年英文学叢書、三省堂書店|1907(明治40)年6月11日| |テニソン アルフレッド|アーサー王物語|第八篇 アーサー王物語|青年英文学叢書、三省堂書店|1907(明治40)年6月11日| |奈倉 次郎|アーサー王物語|第八篇 アーサー王物語|青年英文学叢書、三省堂書店|1907(明治40)年6月11日| |江見 水蔭|地中の秘密 探検実記 07 末吉の貝塚|探檢實記 地中の秘密|博文館|1909(明治42)年5月26日| |江見 水蔭|地中の秘密 探検実記 29 お穴様の探検|探檢實記 地中の秘密|博文館|1909(明治42)年5月26日| |ゴルドン エリザベス、アンナ|弘法大師と景教との関係 一名、物言ふ石、教ふる石|弘法大師と景教|丙午出版社|1909(明治42)年9月14日| |高楠 順次郎|弘法大師と景教との関係 一名、物言ふ石、教ふる石|弘法大師と景教|丙午出版社|1909(明治42)年9月14日| |キャロル ルイス|愛ちやんの夢物語|愛ちやんの夢物語|内外出版協會|1910(明治43)年2月12日| |丸山 英観|愛ちやんの夢物語|愛ちやんの夢物語|内外出版協會|1910(明治43)年2月12日| |キャロル ルイス|愛ちやんの夢物語|愛ちやんの夢物語|内外出版協會|1910(明治43)年2月12日| |丸山 英観|愛ちやんの夢物語|愛ちやんの夢物語|内外出版協會|1910(明治43)年2月12日| ※ カウントした17件は、のべ数。作品数は10件、か。(翻訳作品は、著作者分と訳者分と2カウントになる。さらに「愛ちやんの夢物語」は旧字旧仮名と新字新仮名の二版分をカウント) *【うわづら文庫利用】(=うわづらをblogで) |島地 大等|明治宗教史 基督教及佛教|解放 明治文化の研究号|不明|1921(大正10)年10月| |福井 久蔵|枕詞と序詞|短歌講座第9巻 修辞文法篇|改造社|1932| |橘 純一|竹取物語の再検討|竹取物語の再檢討|岩波講座日本文學、岩波書店|1932(昭和7)年2月| |安藤 正次|「侍」字訓義考|古典と古語|三省堂|1935(昭和10)年6月| |安藤 正次|多賀禰考|古典と古語|三省堂|1935(昭和10)年6月| |島津 久基|竹取物語小論|国文学の新考察|至文堂|1941(昭和16)年| |島津 久基|古代・中世の「作り物語」|国文学の新考察|至文堂|1941(昭和16)年| |島津 久基|散佚物語三つ|国文学の新考察|至文堂|1941(昭和16)年| |島津 久基|平安朝文学の弾力|国文学の新考察|至文堂|1941(昭和16)年| |島津 久基|昔物語と歌物語 ——源氏物語以前の小説——|国文学の新考察|至文堂|1941(昭和16)年|    青空文庫のレセプションでは希望する校正者あてに、底本を紙にコピー出力したものと、入力テキストを紙にプリント出力したもの(いわゆる底本と入力テキストのハードコピー=校正紙)を発送してくれる。底本が入手しやすいばあいは、校正者自身がそれぞれ用意するばあいもある。ここまでは、紙の底本や紙のプリントに依存した従来の校正方法。  いっぽう、近デジやうわづらのような画像形式の底本データを使用してデジタル入力・デジタル校正がすすむと、校正紙の出力や発送、手書きの書き込みを再度テキストファイルへ反映させるといった作業を省くことができる。  十年前、入りたての工作員のころ、はじめての校正に幸田露伴の「運命」を担当したことがある。作品の内容も分量も知らぬまま校正を申し込んだところ、自宅あてに厚さ30ミリぐらいの校正紙の札束がドスン、と届いた。パソコンに依存しない、校正紙と赤ペンの従来の校正方法は、どこでも場所をえらばずに作業できるのでそれなりに利点もあるけれど、露伴「運命」の少なからぬ修正部分や疑問点をプリントへ書き込みながら、「この赤字(修正部分)すべてをふたたびテキストファイルへ、いっさいのモレなく確実に……」と思うと、後工程の苦労がしのばれた。以後、一貫して校正紙を用いないデジタル校正を選択している。  はじめてのデジタル校正には、鈴木三重吉の短編数本を担当。校正を終えて意気揚々とテキストファイルを返送したところ、富田さんからみごとにファイルの受理拒否をされたことがある。年末から正月にかけてをいっさい返上しての作業だっただけに、そうとうのうらみをいだいた記憶がある。 2010.1.25:公開 2010.1.28:更新 しだひろし/PoorBook G3'99 翻訳・朗読・転載は自由です。 カウンタ:&counter() ---- #comment

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