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「そーだなー、解ってる事出来るだけ詳しく教えてくれる?」
「ええですよ。うーんと、何から言えばええんですかね」
そう口にはしたものの、結局片っ端から言っていく事にしたらしい。
順番が多少前後した部分もあり、メモを取りながら改めて情報を整理すると以下の様な事が解った。

・死亡時刻は推定11時から13時20分くらい。(現時刻は14時)
・発見場所は会議室。一応簡単に封鎖はしている。
・第一発見者は九重。発見時刻は13時半。発見直後国内にいる全員に連絡を取り、瑠璃、芒と合流。それ以降は3人で食堂にいた。
・机に突っ伏したまま死んでおり、明らかに致死量の血溜まりがあったせいで死んでると解った。
・背中側には目立つ外傷はなし。触る訳にもいかないので胸側は調べていない。
・執務室には藩王になしが居る。仕事中。
・九重は今日、10時頃に城に来て13時半まで誰とも会わなかった。アリバイなし。

「そう言えば九重さんは本当に犯人がこの中にいるって思ってる?」
粗方の情報を聞き終えた後、思い出したようにセレナちゃんが問い詰めた。
藩の仲間を疑うような九重の言動に生理的嫌悪を抱いているらしい。
「いると思いますよ」
「でも動機がない気が──」
「セレナちゃんは」
言葉の途中で露骨に割り込まれ、口を噤む。
九重、滅多に人の目を見ない。会話してる時でもおおよそ相手の鼻か口の辺りを見ている事が多いが、この時は珍しく目があった。
「玲音さんが誰かに殺されるに足るようなことをしていた、と仰る」
動機がないから殺されるはずがない、というのは。
裏を返せば殺されたのは殺す動機があったからだ、という事だ。
「……そうは言ってないでしょ」
自分でもそう思ったのか、反論も弱々しい。
微妙に気まずい空気を払拭するように別の話題を持ち出した。
「ところで通報はしたんだよね?」
「通報?どこにです?」
首を傾げる九重。童顔なのでこういう仕草が不気味なまでに似合う男である。
「どこにって警察!」
「そんな近代法治国家じゃあるまいし警察なんてありませんよ」
「え、だって、街中に交番とかあるし制服着た人とかいるじゃん!」
「あれはコスプレです」
警察はないのにコスプレはあるらしい。おそるべしはてない国。
「というのはまぁ冗談で、シーズンオフ中なのでその辺の機能は凍結されてるのです」
試しに110番してみたが確かに不通だった。おそるべしはてない国。
「警察に夏休みってあるんだ……」
「ちなみに法官も勿論夏休みです」
改めて自分たち…というか自分がどうにかするしかない、と決意を固めたセレナちゃんである。

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