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昼の情報番組の一幕

作/ 九重 千景@になし藩国


かっちりしたスーツに身を包んだ女性登場。

手にはNiBCというロゴの入ったマイクを持っている。
背景から察するに学校の武道場のような場所の前に立っているようだ。

「我々NiBC取材班が入手した情報によると、
になし藩国の風紀委員会 では特殊な訓練が行われているそうです。
今日はその訓練について取材を進めていこうと思っています」

建物の中に入る取材陣一同。板張りの建物の一角、
打ち込みの練習用に吊るされた木人形の前で汗を拭いている
風紀委員の男子生徒に話しかける。
「すみません、になし藩国の風紀委員には、特殊な訓練法があると聞いて
取材に来たのですが。お話を聞かせてもらってもよろしいでしょうか?」

いきなりカメラとマイクを向けられてぎょっとする男子生徒。
え、本物?映ってるの俺?とか一頻り学生らしい反応をしてから
笑ってこう答えた。

「特殊ってほどでもないですけど。相手をソックスハンターだと思い込むんです」

「……思い込む、ですか」

「ええ、奴らを前にすると俺達は力が漲るというか、居ても立ってもいられなくなるんで。
それをなんとか応用できないかと思った人が考えたらしいです」

よく見れば木人形の両手に当たる部分には靴下がはめられていた。
誰の物かはさだかではない。哀れ木人形。

「効果は実感できますか?」
「さぁ。人によるんじゃないですかね。ほら、あそこ見て下さいよ」

男子生徒の視線の先をカメラが捉える。
そこには鬼神のごとき表情で木人形に向かって打ち込みを続ける女子生徒がいた。

上から木人形を吊っている鎖がギシギシ鳴いている、
かと思いきや断末魔の叫びをあげて天井から外れた。
轟音を立てながら地面へと落下する木人形。
ごろごろ3m程転がって壁にぶつかって止まった。
打ち込みの結果か、地面との衝突によるものか──首に当たる部分がぽっきり折れている。

カメラの映像が揺れたのはカメラマンが慄いて仰け反ったが故であった。

「ありがとうございました。次はあの方にお話を聞いてみましょう。」

レポーターは行く気満々だがカメラマンは腰が引けていた。
男子生徒の時より明らかにレポーターとの距離が遠い。

「すみません、NiBCですが。風紀委員に伝わる訓練法、その効果はいかほどでしょう?」

「え?テレビの人?」

本人のプライバシーに配慮して音声は変えてある。
カメラマンは既に怖気づいていて顔を撮る勇気がないようだ。
カメラの映像はスカートから下しか映していない。

そして当の女子生徒、ソックスハンターが憎いが故か、靴下を履いていない。

常識で考えれば板張りの部屋で靴下履いて運動したら滑るから脱いでいるのだが、
先程の鬼神のごとき表情を見てからだと前者のような気もする。

「ええ、もう効果抜群ですよ。本物を相手にした時並に力が入るようになってきました」

「そんなにソックスハンターがお嫌いで?」

レポーター、この質問で女子生徒の逆鱗に触れた。

「何をそんな当たり前の事を!あいつらは汚物です、黒くてかさかさするアレ以下です!!
大体生身の女の子がいるっていうのに靴下しか見てないなんて屈辱ですよ恥辱ですよ
精神的陵辱ですよむしろ奴らの存在が女性に対する侮辱ですよ特に中村と野口はもう────」



しばらくお待ちください


背景が一番最初の武道場前に戻った。
「えー。噂の訓練法ですが、効果は人によってまちまちながら、
皆精一杯精進しているようです。以上でレポートを終わります」

/了/


解説など

イベント90 マジックアイテムを探せ で風紀委員で白兵する時の補助になったらいいなーと思いつつ書いたもの。
インタビューに出てた女学生は実は翠さん(Ev90参加者で風紀委員)というネタだったものの
イベント日までに本人に了承が取れなかった上、本番で戦闘が起こらなかったためお蔵入り。