※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。



ジープが砂利道を進んでいる
「車がわざわざジープなのが解るよ、なかなかの悪路だな。まだ着かないのか?」
「もう着いてますよ、この一帯が捨石集積場です」
「そうだったのか、捨石集積場と言うくらいだからもっと沢山の石があると思っていたから気付かなかった」
「今現在の状況ではそう見えてしまいますね」
「よく見たら、背の低い石の山が沢山あったんだな」
「この捨石は粒度によって分類して集積してあるので背の低い山になっています」
「それでも量が少なく見えるのだが」
「この捨石はいわゆる金属系の資源としては使えないまさに『捨石』だったのですが、
硬度があって粒度がサイズによってほぼ均一と言う条件が良い骨材の条件と重なるので、
この捨石は建築資源としてリサイクルする為に集積場に一端集められた後に
大鉱山の施設外にある工場区の方に運ばれます」

「なんで捨石だけ加工もなしに外へ運ばれるんだ?」

「元々は選鉱ではじかれた不要鉱物を集める場所だっだのですが、此処の所の戦闘で各藩国の復興事業が
盛んに行われ建築資源の価値が見直されはじめました。
しかし、当初の予定にない資源だったので各種の用途に合った建築資源に加工をする施設が存在しないため
工場区へ運び、そこでの加工が必要になります。
そこで捨石の山は粒度や種類で分別して用途別に運搬しやすくしています」

「捨てるはずの物が資源に化けたと言う事か」
「その通りですね、ではこのまま排水処理に向かいます」

大きな溜池がいくつもあり、土色や緑色をした水が貯まっている
「ここが排水処理場兼鉱滓堆積場です、ここで各工程で出た排水を処理して水を循環利用するために水を
浄化させます」

「浄化と言う事は飲み水になるのか?」

「いえ、流石にそこまではいきません。環境に問題が無い程度まで浄化するのが目的ですので
飲み水のような上水にまでは至りませんが、噴水で使われる水位までには浄化できますので
飲んでも大丈夫な方には大丈夫です」
「浄化処理をした水を飲んでも毒と言う訳ではないが、だからと言って下痢になっても責任は取れないと」
「そんな感じですね。ここでは溜池毎に工程が重ねられ、まず沈殿池で浮遊選鉱等で出た泥水を沈殿させて
石等大きい物を取り除きます」

土色をした溜池を指す
「スライムの最後か、しかし溜池一杯のスライムとはな…」
「モンスター化したら大事ですが量が多いだけに自然発生しても予め対処が出来ているので
特に問題はありません」
「逆を言えばここで不自然な大発生等があったらどこぞの手引きがあると思うべきだな」
「まあ、普通にしている分には問題無い所です。続いて、ろ過池で細かな物を取り除きます」

さっきと違い池の底付近まで見渡せる

「ここまで来ると水も大分透明に成ってくるな」
「この2つの溜池は、定期的に水を完全に抜いて
底に貯まった石や砂利を回収して捨石集積場に持っていくため他の溜池よりも数が多くなっています」
「ここで資源回収か大したものだな」
「鉱石の最終の回収場所ですからここを逃す訳にはいきません。次の池で水の水質を中性にします。工程段階の各種薬品で排水がアルカル性だったり酸性だったりするのでここで整えます」
「薬品を更に入れているみたいだが、これで浄化できるのか?」
「いえ、ここまでは前段階の鉱滓堆積です。次から本格的な浄化作業ですが、特に人がやる事はありませんね

次の溜池は緑色をしていた
「やけに緑が多いが何かの植物か?」
「各種科学物質を分解する植物や微生物がいる溜池です、ここで害のある化学物質等を分解したり
寄生虫などを除去します」
「見た目は悪いが重要な訳だ」
「最後の溜池で塩素等を使い消毒をした後、加熱消毒をして終了です」
「そこまですれば飲めそうな気がしてくるな」
「できるだけの浄化は心がけています。以上でこの施設のほとんどの施設を見ていただきました」
「これで、視察も終りか」
「今からゆっくり事務所に戻る頃には仕事も終わりますから、どうです?一緒に仕事帰りの一杯」
「おお、いいね」



事務所に戻ると鉱夫達が騒いでいた
「よっしゃーーー2班勝利ーー」
「奢り確定ーー」
「ぐぎゃあぁぁぁぁ」
悲喜交々の奇声が響いている
「班長、2班勝ったんですね」
「おうよ、お前も案内ご苦労だったな、今日の酒は上手いぞ」
「さあ、視察官も一緒にどうぞ」
「なんで奢りでこうも騒いでいるんだか」
「そりゃ、いつも引き分けばっかりで割り勘ですからね、奢ったり奢られたりなんで
滅多に無いんですよ。さあ、行きましょう」

居酒屋『味のれん』
「乾杯ー」
カーン
「おら、飲め飲め」
「今日もお疲れ〜、明日も頑張るぞ」
各々好き勝手に盛り上ってる
「や〜、視察官飲んでる〜?」
「ええ、飲んでますよ班長さん」
「飲むだけじゃ駄目だぞ、ちゃんと食べなきゃ。ほら馬刺しだぞ」
「ええ、食べてますから」
「馬刺しなんて、ここら辺じゃなきゃなかなか食べれないぞ〜、他には熊本とか長野までいかんとな〜。そう言えは、県花は両県とも竜胆だったかな〜」
「へぇ〜、そうなんですか」
「で、まあ、飲め」
「いや、飲んでますから」
「飲みが足りないぞ、ちゃんと周りの雰囲気を感じてだな〜こう〜」
「(酔っ払い相手は疲れるな〜)」
「だから、飲めと」
「飲んでますって」
「いや、足りんぞ。ちゃんと場の雰囲気を壊さんようにだな〜視察官はアレか最近流行の〜、え〜となんと言ったか」
「ははは、無理に若ぶらなくても」
「いや、無理してない確かアルファベットでKが入ってたはずだ、そうそう『NKW』だ」
「なんですかNKW」
「知らんのか、NKWっと言うのは〜
N:NIOI   (におい)
K:KAGENAI(かげない)
W:WAN    (わん) 
の頭文字を取った流行語だぞ〜」
「なにか違わないですか?」
「違わない違わないぞ」
周りから笑い声
「ははは、班長〜一文字多いですって」
「KYじゃなかったけ?」
「KYとは「危険」と「予知」の頭文字で、主に工場や現場作業の際、安全衛星・ゼロ災害運動のひとつとしてKY活動(危険予知活動)の事だろ」
「だから無理に若ぶるからー」
「なんだとー、NKWは今年流行るだよ」
「派生語じゃ無理ですって」
「そんな事は俺に飲み比べて勝ってから言え〜」
「よーし、乗った」
「いいぞ、やれやれ」

そんなこんなで翌日
大鉱山
「よーし、今日も仕事しっかりやれよ」
「おー!!」
いつも通り働く鉱夫達
「班長、今日一人足りませんけど」
「知らんな」
「昨日、班長と最後まで飲み比べしてた馬鹿がいないだけだろ」
「ああ、なるほど」
「おら、さっさとトロッコに乗った乗った」
「ま、まってくださいよ〜」
ふらふらしながら、遅れてきた鉱夫が一名
「あ、馬鹿だ」
「どう見ても二日酔いだな」
「よし、トロッコ列車を出せ」
動き出すトロッコ列車
「うっぷ、待って〜、置いてかないで〜、もうお酒控えるから〜、いや辞めるから〜」
「待たない!どうせ、仕事じゃ使えん。それに二日酔いの奴は皆そう言うだよ、そんときだけな」
崩れ落ちる鉱夫

一方、政庁
「以上が大鉱山関する報告書です」
「ご苦労だった、下がっていいぞ」
「はい」
部屋を出るなり崩れ落ちる視察官
「昨日飲みすぎた、気持ち悪い…これが二日酔い……あの班長飲ませすぎ…酒もうや…めて…や…る…」

ポーーーン


ロビーで視察官が倒れました





以上「になし藩、大鉱山、そのあらまし」でした。
(文 下丁@になし藩国(テキスト全文) イラスト&編集:イタ@になし藩国)

こちらの鉱山夫への個別取材を元に書かれた小説「ある鉱山夫の思い」(作・月空)や、
鉱山採掘極初期の様子を自ら書いた小説「とある作業中の裏話」(作・玲音)もお読み戴ければ、
「大鉱山」「大鉱山とになし藩国民」について更に理解が深まるのではないか、と思います。
「になし藩」への移住、そして就職をお考えのかたは是非、御覧になっていただければ幸いです。