/115/「あの……起きてるって解ってるならもう少し弱めに叩いて頂けませんでしょうか」「無駄に周囲を騒がせた罰ね」玲音が起き上がって後頭部を手で抑えていた。「……え……初めから死んでなかったってことです?」長めの沈黙を最初に破ったのは芒だった。まぁ、要するに、そういうことなのだった。「そもそも、九重さんが連続殺人の可能性を考慮したと思えなかった。 その時点で八百長を疑うべきだったのかもしれないけど……まぁ今更何言っても後付けかなぁ」「イベントってこれの事っすか!」「いやー、僕が計画したのよりは相当大掛かりになりましたけど」「まぁその辺は九重さんの所為ね。 本当は伏見さんが第一発見者で、ついでに段取りとかもあらかじめ教えるつもりだったんじゃない? 全員を会議室に集めてその場で推理ごっこさせて1時間くらいでオチがつくような」ご明察です。今日のセレナちゃんは賢く見えますなぁ。とか余計な事を言ってまた殴られる玲音。「あ、これ、ケチャップだ」いつの間にか瑠璃が床の血溜まりに指をつけて臭いを嗅いだり舐めたりしていた。「臭いを飛ばすのと粘性下げるために水に薄めて片栗粉で微妙なとろみつけて……大変だったんですよ」「自業自得じゃない」「久しぶりに集まった皆さんにスリルとサスペンスを提供したかったのですよ」「あたしが伏見さんか九重さんを疑うように仕向けるとか趣味が悪いっての」「それは九重さんの仕込みとセレナちゃんが首を突っ込んだからであって僕に言われてもなんとも」「『みんなの潔白はあたしが証明してみせる!(キリッ)』とか真顔で言ってて腹がよじれそうでした」「ああ、見たかった……結局美味しい所は全部九重さんに持っていかれたじゃないですか。僕は会議室で1時間以上うずくまってただけですよ…」「あんたら……ちょっとは反省しなさいよ」まぁ実際死なれるよりはマシかなぁ、と思うとあんまりきつい事は言えないセレナちゃんであった。
エンディングナンバー1 ノーマルエンド
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