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《本編 -狩猟者-》」(2009/12/10 (木) 03:23:05) の最新版変更点

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contents *[[狩猟者遊戯]] ――夜闇を切り裂くは、錆色の刀身。 逃げようとする連中を追う。相手は纏まって逃げている。行き先は恐らく人通りの多い場所か、民家のある場所。 そこまで逃げられたら狩るのは難しい。 森を駆け抜ける。目標は三つ、未だ健在。身体能力で追いつけないらしい。 右腕の手甲に精神を集中させる。概念式複合を起動。概念は、根・急成長・壁・地脈の四つ。地形の把握と準備は十分だ――!  「式名、五行――木遁」 *[[狩猟者―寒がりの白雪/far snow―]] 駆け抜ける衝動を抑えることができる事はできない。 悲しみは知らない、哀れみは知らない。 知らないから、それはきっと喜びだ。 ――彼女は、そう言って錆色を振り下ろす。 *[[狩猟者―迷い子/missing―]] 私は切符を失くしてしまった。 列車は回り続ける、ぐるぐると私の目の前を。 誰かは手を伸ばした。 『切符は要らないよ。お乗りなさい』 そして私は答えた。 『あれが無いと私は行く先が分からない』 列車は回り続ける。 *[[狩猟者―存在の証明/Do you ... know?―]] この世界は狂っている。 生きている限りに救いはなく、死ぬ事に安らぎはない。 神は居ない、怪物だけが蔓延る。 嗚呼、なんと嘆かわしい事か。 彼の狂人はそんな事を言っていましたとさ。 *[[狩猟者―×××―]] 人は神に並ぶ事はできぬ。 故に人は神に平伏して戦う。 人は人を超える事ができる。 故に超人は人に勝る事はできぬ。 下のものは上のものの如く、上のものは下のものの如し。 しかし枠の違うモノは上に立ちぬ。 約束の日、樫月は約束通りの時間にやってきた。 *[[狩猟者―郷愁的/Daze―]] 何も知らなければ良かった。 無知であり続けられるならばこの痛みも知らずに済んだ。 でも私は知ってしまったんだ。 私はただの狂いたがりで、 彼が本当に狂ってしまったという事に。 ――ぱかっ、ぱかっ…… ぱかっ…… …… *[[狩猟者―狼煙/Cat box― 1/2]] 七つの村の七つの墓場から土を持って参れ。 その土を人の血によって捏ねよ。 こうした土を三年かけて三千の足にて踏ませる。 その土にて九寸のヒトカタを千作り、鍋にて煮るがいい。 さすれば、一つ、浮かび上がらん。 *[[狩猟者―狼煙/Cat box― 2/2]] 油をフライパンに流し、広げる。 「……最近炒め物ばっかりな気がするな」 呟いて、ニンジンを投入。炒める音が響く。鍋以外は炒め物系が主流になってきた気がする――いや、別に炒め物が悪いわけじゃないが、さすがにこれではバランスが悪い。でも残った材料を使いきるにはこれが一番の方法でもある。 今一番に考える事はバランスじゃない。 振り返る。そこには不機嫌な姉貴が不機嫌そうにテレビを眺めながら、不機嫌そうに人差指でテーブルを叩いていた。 肉野菜炒めができあがり、振り返ってみる。もう一回前を向く、振り返る。間違いなく姉貴は銃を抜いていた。ペンを弄くるような手軽さで銃を弄っている。深呼吸を一つして、声を掛ける。 「姉貴、できたよ」 *[[狩猟者―アナタに祈りを/irrational beliefs― 1/2]] 誰だって夢見ているんだ。 皆が自分を認めてくれることを。 叶わない事なんかじゃない。 だって自分に落ち度なんてないんだから。 じゃあ悪いのは? *[[狩猟者―アナタに祈りを/irrational beliefs― 2/2]] 今日の星はキレイだ。 いつもよりも透明に見える。 人ごみが流れてく。 誰も俺を見ない。 俺を見ろ。 俺を見ろ。 変わったんだ。 世界が変わったんだ。違う、俺が、変わったんだ。 高みへ、気高いものへ! 俺を、 見ろ! ――どこか遠くで咆哮が聞こえた気がして、ふと、振り返った。 *[[狩猟者―平穏な日々/lazy trap―]] 鈍色に輝くのは、日々と言う名の刃。 腐敗を進ませるは怠惰の日常。 何も得られぬのは無為の時間。 誰も彼もが知らずにその輝きを磨耗してゆく。 誰も彼もが知らずにその刃を首筋へ持ってゆく。 *[[アヤメ―狩猟者/abyss―]] 線路は続くよ。 どこまでも、どこまでも。 どこまでも? 終着駅はどこにある? 列車にすら乗ることができないのに。 *[[狩猟者―辻の蛭/sister― 1/2]] 祭囃子が聞こえる。 男の子だから、女の子を守らなきゃ。 お姉ちゃんともはぐれて、イトコと二人。 小さな手のひらを引っ張って、他人の林を抜けていく。 大丈夫。 言葉に根拠なんてない。 女の子は泣いてしまった。 大丈夫。 そう言って、泣きたくても僕はその手を引く。 守ってあげる――幼い、二人きりの約束。 女の子は、泣き止んだ。 僕は、笑うことができた。 *[[狩猟者―辻の蛭/sister― 2/2]] 声は上から。刀を構え、振り下ろされるそれを受け止める。金属音がぶつかり合い、火花が散った。そのまま勢いに任せて弾く。弾いた俺の刀を利用して、少し離れたところに男は着地する。炎を浴びせかけたやったのにもかかわらず、焦げあと一つない。 細目を更に細めて笑い、かなり余裕ぶっこいてやがる。 つい先日相手にした鎌鼬を思い出した。当たらないなら、まずは相手を囲って封じ込める。手甲を相手に向け、魔力を走らせる。 威力は最大、手加減なんてできない。 「式名、五行――木遁、句句廼馳ノ抱擁」 コンクリの地面を突き破り、相手の動きを封じる根の壁が螺旋状に檻を成す。 封じたらもう一撃で終わりだ。 *[[狩猟者―狂燥/Cause― 1/3]] * ----
contents *[[狩猟者遊戯]] ――夜闇を切り裂くは、錆色の刀身。 逃げようとする連中を追う。相手は纏まって逃げている。行き先は恐らく人通りの多い場所か、民家のある場所。 そこまで逃げられたら狩るのは難しい。 森を駆け抜ける。目標は三つ、未だ健在。身体能力で追いつけないらしい。 右腕の手甲に精神を集中させる。概念式複合を起動。概念は、根・急成長・壁・地脈の四つ。地形の把握と準備は十分だ――!  「式名、五行――木遁」 *[[狩猟者―寒がりの白雪/far snow―]] 駆け抜ける衝動を抑えることができる事はできない。 悲しみは知らない、哀れみは知らない。 知らないから、それはきっと喜びだ。 ――彼女は、そう言って錆色を振り下ろす。 *[[狩猟者―迷い子/missing―]] 私は切符を失くしてしまった。 列車は回り続ける、ぐるぐると私の目の前を。 誰かは手を伸ばした。 『切符は要らないよ。お乗りなさい』 そして私は答えた。 『あれが無いと私は行く先が分からない』 列車は回り続ける。 *[[狩猟者―存在の証明/Do you ... know?―]] この世界は狂っている。 生きている限りに救いはなく、死ぬ事に安らぎはない。 神は居ない、怪物だけが蔓延る。 嗚呼、なんと嘆かわしい事か。 彼の狂人はそんな事を言っていましたとさ。 *[[狩猟者―×××―]] 人は神に並ぶ事はできぬ。 故に人は神に平伏して戦う。 人は人を超える事ができる。 故に超人は人に勝る事はできぬ。 下のものは上のものの如く、上のものは下のものの如し。 しかし枠の違うモノは上に立ちぬ。 約束の日、樫月は約束通りの時間にやってきた。 *[[狩猟者―郷愁的/Daze―]] 何も知らなければ良かった。 無知であり続けられるならばこの痛みも知らずに済んだ。 でも私は知ってしまったんだ。 私はただの狂いたがりで、 彼が本当に狂ってしまったという事に。 ――ぱかっ、ぱかっ…… ぱかっ…… …… *[[狩猟者―狼煙/Cat box― 1/2]] 七つの村の七つの墓場から土を持って参れ。 その土を人の血によって捏ねよ。 こうした土を三年かけて三千の足にて踏ませる。 その土にて九寸のヒトカタを千作り、鍋にて煮るがいい。 さすれば、一つ、浮かび上がらん。 *[[狩猟者―狼煙/Cat box― 2/2]] 油をフライパンに流し、広げる。 「……最近炒め物ばっかりな気がするな」 呟いて、ニンジンを投入。炒める音が響く。鍋以外は炒め物系が主流になってきた気がする――いや、別に炒め物が悪いわけじゃないが、さすがにこれではバランスが悪い。でも残った材料を使いきるにはこれが一番の方法でもある。 今一番に考える事はバランスじゃない。 振り返る。そこには不機嫌な姉貴が不機嫌そうにテレビを眺めながら、不機嫌そうに人差指でテーブルを叩いていた。 肉野菜炒めができあがり、振り返ってみる。もう一回前を向く、振り返る。間違いなく姉貴は銃を抜いていた。ペンを弄くるような手軽さで銃を弄っている。深呼吸を一つして、声を掛ける。 「姉貴、できたよ」 *[[狩猟者―アナタに祈りを/irrational beliefs― 1/2]] 誰だって夢見ているんだ。 皆が自分を認めてくれることを。 叶わない事なんかじゃない。 だって自分に落ち度なんてないんだから。 じゃあ悪いのは? *[[狩猟者―アナタに祈りを/irrational beliefs― 2/2]] 今日の星はキレイだ。 いつもよりも透明に見える。 人ごみが流れてく。 誰も俺を見ない。 俺を見ろ。 俺を見ろ。 変わったんだ。 世界が変わったんだ。違う、俺が、変わったんだ。 高みへ、気高いものへ! 俺を、 見ろ! ――どこか遠くで咆哮が聞こえた気がして、ふと、振り返った。 *[[狩猟者―平穏な日々/lazy trap―]] 鈍色に輝くのは、日々と言う名の刃。 腐敗を進ませるは怠惰の日常。 何も得られぬのは無為の時間。 誰も彼もが知らずにその輝きを磨耗してゆく。 誰も彼もが知らずにその刃を首筋へ持ってゆく。 *[[アヤメ―狩猟者/abyss―]] 線路は続くよ。 どこまでも、どこまでも。 どこまでも? 終着駅はどこにある? 列車にすら乗ることができないのに。 *[[狩猟者―辻の蛭/sister― 1/2]] 祭囃子が聞こえる。 男の子だから、女の子を守らなきゃ。 お姉ちゃんともはぐれて、イトコと二人。 小さな手のひらを引っ張って、他人の林を抜けていく。 大丈夫。 言葉に根拠なんてない。 女の子は泣いてしまった。 大丈夫。 そう言って、泣きたくても僕はその手を引く。 守ってあげる――幼い、二人きりの約束。 女の子は、泣き止んだ。 僕は、笑うことができた。 *[[狩猟者―辻の蛭/sister― 2/2]] 声は上から。刀を構え、振り下ろされるそれを受け止める。金属音がぶつかり合い、火花が散った。そのまま勢いに任せて弾く。弾いた俺の刀を利用して、少し離れたところに男は着地する。炎を浴びせかけたやったのにもかかわらず、焦げあと一つない。 細目を更に細めて笑い、かなり余裕ぶっこいてやがる。 つい先日相手にした鎌鼬を思い出した。当たらないなら、まずは相手を囲って封じ込める。手甲を相手に向け、魔力を走らせる。 威力は最大、手加減なんてできない。 「式名、五行――木遁、句句廼馳ノ抱擁」 コンクリの地面を突き破り、相手の動きを封じる根の壁が螺旋状に檻を成す。 封じたらもう一撃で終わりだ。 *[[狩猟者―狂燥/Cause― 1/3]] 私は×き×い×すか? ×は存在していますか? な×で誰×答え×くれ×いので×か? ×××、×××××××ですか? ××× * ----

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