33 幼馴染ハレ×ティエ 性別は自由 1/6 [sage] Date:2008/06/28(土) 10:40:10 0 ID: Be:前スレの続き。幼馴染アレハレティエのハレ編です。ティエリアの性別はおまかせです、適度にスルーしていただけるとありがたい。34 幼馴染ハレ×ティエ 性別は自由 [sage] Date:2008/06/28(土) 10:40:51 0 ID: Be:「で、そんな下らない理由で俺を呼び出したのかよ。」辟易とした俺の様子に、幼馴染のティエリアが目を据わらせた。もうすぐ夏が訪れようとしている。ティエリア曰く期末前の大事な時期、だそうだが、その大事な時期とやらに個人的な呼び出しをしたのはどこのどいつだ。そうこいつだ。数時間前に急に携帯で呼び出され、珍しくしおらしい声で「大事な話があるから」などと言われれば、流石の俺も放っておく訳にはいかなくなってしまった。そうして今正に、学校の近くの喫茶店でこうして顔を突き合わせている訳だが。「あのなあ、俺だって暇じゃねえんだよ。今日だって巨乳の可愛い彼女とよろしくやる予定があんだよ。お前らに構ってる暇はねえっつーの。」「期末前に化粧の濃い胸だけの女とよろしくやる事が予定なのか。それこそくだらない。」「おま…仮にも俺の女だぞ。」ティエリアは相も変わらず、定期的に変わる俺の女を平気で卑下する。パフェを優雅に口元に運ぶその手つきとのギャップがなんだか無性におかしい。「大体なあ、お前はただでさえ周りと馴染まねえのに、幼馴染ってだけでこうしてしょっちゅう会ってると妬かれて面倒なんだよ。」「男冥利に尽きるじゃないか。」「アレルヤに女ができてもそう思うのかよ。」アレルヤ、双子の兄の名前を出したとたんティエリアの手がピタと止まる。カチャ、とスプーンを置き、頬を赤らめ俯いてしまった。分かりやすいやつ。ティエリアの大事な話とやらはこうだ。なんでも昨日、家にアレルヤを招いたところ、どういうわけか押し倒されてしまったとまあ、初心なティエリアらしい非常に可愛らしい内容だった。俺にしてみたらいつかはこうなると思っていただけに、今更何を言っているのかという内容だ。大体俺に話してどうなる。どうしようって何がどうしようなんだ、訳わかんねえ。「…ったく、じゃあ一発やらせてやりゃいいじゃねえかよ、どうしようって中学生じゃあるまいし。」「げ、下世話だ!大体そういう問題じゃないだろう!なんで…あんな事を急に。」「そりゃお前の事が好きだからだろ。」そう言ってやった瞬間ティエリアが湯沸かし器のように頬を真っ赤に染めた。――気づかなかったのか、アレルヤはいつだってティエリアを見ていたというのに。まあでもこれで晴れて両想いと言うやつだ。収まるところに収まるってわけだ、よかったな。そうだ、俺はティエリアがアレルヤの事を好きなのだと気付いていた。ティエリアは何かと抜けているアレルヤをかまいたがる。あいつはヘタレだからな、そんな姿に時には説教し、それでも優しく微笑むアレルヤに目を奪われていたのを俺は知っている。結局俺の出る幕はないのだ。だったら最初から身を引いて、この想いも劣情も全てアレルヤに譲ったつもりでいる。すくなくとも俺は物分りのいい男でいるつもりだ。アレルヤはおそらくティエリア以外に恋はできない。だが、俺は適当な女で事足りると思っている。そこが俺とアレルヤの違いだ。「アレルヤが、俺を…?」過去に決別した想いに思考を巡らせていたその間、ティエリアはぽつりと呟く様に言った。嬉しいのだろうか。胸がツキリと痛んだ。諦めたはずだ。それなのに頬を赤らめ上気したティエリアの顔を、俺は真っ直ぐに見られないままでいた。「……アイス、溶けてんぞ。」どうしようもなくそんな一言が漏れた。カラコロとベルを鳴らし喫茶店を出た頃、外は夜の帳が訪れようと日が沈みかけていた。赤い夕焼け、幼い頃は3人で手を繋ぎ家路へ急いだことを思い出す。あの頃に戻ることができたらいい、アレルヤもティエリアもただ俺の傍にいるそんな頃に。どこか諦めの悪い思考が頭をかすめた。だがそれを思うには既に遅く、俺たちは大人になりすぎてしまった。あの二人はもう、ただの幼馴染ではなくなろうとしているのだ。「あー…なんかアイス食いてえ。」「さっき食べたばかりだろうに」「いいんだよ、あっちーんだしよ。よし、コンビニ行くぜ」往生際の悪い自分を追い出すように、やや強引にコンビニへと向かう俺に「仕方がないな」と、はにかんでティエリアが隣を歩き出した。―――もうすぐ、日が暮れようとしていた。コンビニで適当にアイスを物色して、再び家路に着く。俺は昔から好んで食べていた、がっつり系のコーンアイスを選んだ。ティエリアは別に食べたいとは一言も言わなかったが、俺は時間を共有したいのだろう、シンプルなバニラバーを無理やり押し付けた。そして、至極どうでもいいが、アレルヤは吸って食べるミルクコーヒーのアイスが好きだ。ふと隣を見やると、いつの間にか美しく成長したティエリアの横顔を夕暮れが赤く照らしている。アレルヤへの想いがティエリアを美しくしたのだろうか。だからだろうか、聞かずにはいられなかった。「お前さあ、アレルヤのどういうとこに惚れてんだよ。」「は?な、なんだ急に」訳が分からない、という顔をして俺の方を勢いよく振り向く。「俺が言うのもなんだけどよ、あいつお前に関しては本気だぜ。まあ昨日はおいたが過ぎたかもしんねえけど、あいつならお前を幸せにしてやれる。俺が言うんだ、間違いねえよ。」「ハレルヤ、違う。」「よかったな、両思いじゃねえか。」「だから違う、違うんだハレルヤ。俺はアレルヤをそういう対象として見ているわけじゃない。」―――瞬間、ドクリと体が大きく脈打つのが分かった。目の前がグラつく、足元が見えない。金縛りにあったかのように足が地面に張り付いて離れない。今ティエリアは何と、何と言った?アレルヤを――。「アレルヤの事を好きだとか、そもそも…そういう感情はよく分からないんだ…。」ティエリアはバニラバーに唇をつけながら、白い頬を赤く染めて呟いた。全身をゾクリと血がめぐる。目の前の美しい幼馴染は、既に双子の兄に心奪われていると思っていた。何があっても離れることのない強い絆が見えていた。もう二度と、手に入らないと思っていたのに。粟立つ様な感覚を覚える。捨て去ったはずのドロドロとした欲望を伴った、それでいて純粋な想いが胸をない交ぜにした。そうだ、俺は歓喜している。胸が大きい女でもない、常に香水の香りがするわけでも、望めば股を開くわけでもない。媚びようともせずめったな事では笑わない、口うるさく色気もくそもない、どこもかしこもまっ平らなこいつだ。俺が惚れてるのはただ一人、目の前の幼馴染だ。「やめだ、あーやっぱやめだ、くだらねえ。そもそも我慢なんて俺の性に合わねえんだ。」「ハレルヤ?」半ば開き直るかの様にうなる俺に、ティエリアは妙なものでも見るような視線をひとつよこした。「お前俺にしろよ、あんなへたれの甲斐性無しじゃ損するぜ、間違いねえ。」「は…?」「大体あいつは童貞だしな。俺ならあっちのテクもあるし、夜も満足させてやるからよ。」「お前、さっきから何を言って…。」 訝しげに呟くティエリアの唇が、バニラバーで濡れている。艶めかしい誰も触れた事がないであろう唇。おそらく皮肉な笑みでいただろう、その唇に吸い寄せられるかのようにティエリアを抱き寄せると、ティエリアの抵抗も虚しく、うるさい唇を自らのそれで塞いで制止してやった。「残念だったな、ティエリア。俺もお前が好きだ。」唇を離した後のティエリアの表情が忘れられない。幼馴染に裏切られた絶望に、瞳を揺らしていた。せっかく奢ってやったバニラバーは地面で溶けはじめていた。呆けたままのティエリアを路地に残し、俺は一人家路へ急ぐ。アレルヤには何と言おう。いや、言う必要も無いのかもしれないが、ライバル宣言はしておいた方がいいかもしれない。牽制もかねて、だ。幼馴染の関係を壊す事をあれ程恐れていたというのに、どこか吹っ切れた様に俺の気分は晴れやかだった。この時期は日が暮れると少し肌寒い。今まで傍にあったものが急になくなるという感覚もあり、いっそう肌寒く感じた。落ちる夕日に影が色濃く映し出される。隣に幼馴染はいなかった。―――落日は赤々と燃え、夜の訪れを待つばかりだった。39 名無しさん@ビンキー [sage] Date:2008/06/28(土) 10:44:53 0 ID: Be:どうも再びお粗末さま。ティエリアが食べているのはホームランバー。最近コンビニで見なくなってガクブルした。
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