507 :4年後捏造アレティエ甘々:2008/04/04(金) 03:44:09 O「ん……」重たい瞼を開けると、真っ先に飛び込んで来たのは夕暮れ色のシーツ。「………」寝起きで上手く働かない思考を何とか稼働させ、今現在の自分の状況を思い出す。「…寝てしまった、のか…」大きく開いた窓から見えていた真っ青な空は、今はもうオレンジ色に暮れなずんでいた。「………」オレンジ。ぼんやりと窓の向こうの夕暮れを眺めながら、ああ、この色は何となくあいつを思い出すな、と考えていた。あいつのパイスーの色、あいつのガンダムの色、あいつの…「…馬鹿だな…未だにあの頃を忘れられないだなんて。」―――――あれから4年の月日が流れた。各国の軍隊は廃止されたが、世界統一という宣言の元また新たな軍隊が創設された。世界は変わったかのように見えたが、その裏ではまだ大きくドス黒い謀略の念が渦巻いている。「………!」そこまで考えてから、ふとティエリアの耳に微かなざー…という水音が届いた。やがてキュッという音が響き水音が止まってしばらくすると、その人物はバスタオルで髪をわしゃわしゃと掻き分けながら現れた。「あ、ティエリア!起きたんだね。」上半身は裸で下はラフなデニム生地のジーンズを着こなしているその人物。「アレルヤ…」ベッドの上でゆっくりと上半身を起こしながら、ティエリアは笑顔で近付いて来るアレルヤの惜しげもなく曝された逞しい肉体を見上げた。「…ふふっ」ティエリアのそんな視線に気付き、アレルヤはティエリアとちょうど向かい合うような形でベッドに腰掛けた。「アレルヤ……」惚けたように呟きながら、ティエリアは無意識にアレルヤの頬に片手を伸ばし、そっと触れた。「どうしたの?ティエリア」そんなティエリアの行動が心地よくて、アレルヤはそっと目を細めながら訊ねた。「……なんだか新鮮だな、君の両目が見えていると。」そう言われアレルヤは一瞬目を見開いた後、悲しそうに微笑んだ。四年前、アレルヤは片方の前髪を極端に伸ばし、その美しい金色の瞳を隠し続けていた。しかし或ることをきっかけにアレルヤは前髪を掻き上げ、その金色の瞳を露わにして生きることを決意した。どちらか片方では無く、アレルヤとハレルヤ、2人で世界を生きる決意をした。「随分大人っぽくなった…」四年振りに再会したアレルヤは、ティエリアから見て元より逞しかった体にさらに磨きが掛かったような気がする。背も伸びた。顔つきも、両目が見えているという新鮮さも相まって、さらに男らしくなった気がする。「………」さらに、アレルヤは今風呂上がり。乾ききっていない深緑の髪から滴る雫が、所謂大人の色気というものを醸し出している。「…ティエリア」低く甘い声で自分の名前を呼ばれ、不覚にもドキッとした。ゆっくりと近付いて来るアレルヤの顔。金色とダークグレーのオッドアイに見つめられたまま、ぴくりとも体が動かない。「…ん…」2人、目を閉じることも忘れて唇を重ね合わせた。「ティエリア…」「アレルヤ…」一瞬唇を離して、互いの名前を呼び合う。それだけで2人の鼓動はどうしようも無いくらいに高鳴る。「……っん、ん」次の瞬間アレルヤの唇がティエリアの唇にさらに深く重なり合わさり、思わずティエリアは瞳を閉じた。「んぅ…ん」荒々しくアレルヤの舌がティエリアの口内への侵入を開始する。そのままティエリアの体は後ろのベッドへと逆戻り。深い口付けの勢いで、ティエリアの華奢な体はアレルヤの逞しい体によって呆気なくベッドに押し倒されてしまった。「ふ…っんぅ、ん…ぁ」くちゅ、と卑猥な水音が脳内を支配する。空を切った両腕をそのままアレルヤの背中に回し縋るように抱き締めると、さらにアレルヤとの密着が増し、ベッドがギシリと軋む。「(アレルヤ)」少しだけ大人になったアレルヤ。四年前と全く同じ姿の自分。それでも、掻き抱く情欲だけはあの頃と変わりなくて。「(一緒に、行こう。)」ふとティエリアの脳裏にかつての四機のガンダムの姿が鮮明に浮かび上がった。終.
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