EV103 避け藩国拠点防御


テーマ:避け!


「爆撃にゃー」
「爆撃にゃー」
「上から降ってくるにゃー」
「避けるのにゃー避けるのにゃー」
「森も塔もみーんな避けるのにゃー」
──ある日の避け藩国
【SS】

 それはまず、国民達が気づいた。

「あれ?」
 走るよけ国民の少女はいつまでたっても避難場所に着かないことに気づいた、もう随分長い間走っているが、一向に目的地に着かない。
 生まれたときから毎日通っている道なのに、不審に思った少女は、大きく息を吸うと、一息に近くの木によじ登った、危険なのはわかっていたが、このまま道に迷っているのはもっと危険だ。
 暗さになれた森国人の眼が大きくまわって周囲を確認する、まず自分の村、次によけ塔、そして避難地
「???」
 眼をこすってもう一度周囲を確認する、まずよけ塔の位置がおかしい、手で距離を測ってみても明らかに遠い。
「む、村は」
 道を間違えて、大きく離れていたのか、今度は村の位置を確認する、塔から角度を測って位置を確認。
「と、遠くなってる、う、動いてる???」

 息が詰まる、村はげんかいれいが時点で完全放棄されている、たしかによけ国の村々は移動すると言われているが、それはただすむ場所を変えているだけで、誰もいない村が動くわけはない。
「ま、まさか、本当に、伝説が」

 よけ国には伝説がある、それはよけは生きているという伝説だ、今まさに、目の前で、森が塔が、全てが動いてる。

 歯の根が凍る、まともに声も出ない、少女はあわてて樹を降りると、がむしゃらに走り出した。



 よけの塔、今まさに塔の中では最終調査が行われている、各地に散らばった術社たちが瞑想通信の連続しようにより、部隊の位置の正確な情報を伝え、さらに動いた建造物達の情報が統一されている、全ての生き物が動けるわけではないが、理力使い達の霊力でその動きが加速度をつけている。

「8番、六番地域移動、加速度が付いているのでもう大丈夫です」
「よーす、演算完了、これで全ての建造物がぶつからずに移動できます」

 ぜのすけがフル稼働して動きが規則正しくなる、対空大防御システム、よけ機動戦線、今まさに真価が問われる一戦であった。


説明


避け藩国の生態は、避けによって統一されている。
普段は勝手気ままに避けているが。
だがしかし、避け藩国未曾有の危機により、避け藩国の生存本能が刺激され、今ここに華麗な回避が始まった!
避け生態システムの中枢を貫く避け塔が中心となり、すべてが一群となって敵を避けはじめたのだ!



いつにもまして急速度で動く避け森

ついに動き出した避け塔

避け塔より避け生態を操作する理力使い達

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最終更新:2007年08月05日 17:55