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ダイオキシンとは
人間が作った最も強い毒といわれるダイオキシンが、なぜごみを焼却すると出てくるのだろうか?。 ダイオキシンは炭素と水素からできた二個の環状の炭化水素(ベンゼン環)の間に、酸素がはさまった形をしている。全部で八つある水素原子のいくつかが塩素に置き換えられたのが、ダイオキシン類である。 間の酸素の数が二つのものをダイオキシン、一つのものをフランといい、両方を合わせて「ダイオキシン類」と呼んでいる。
■ダイオキシンの発生源 簡単にいえば、有機物と塩素が存在すればダイオキシン類ができるのだから、ダイオキシン類は、ごみの焼却だけから発生するのではなく、全ての「燃焼」という化学反応によって生じることになる。自動車の排ガス、森林火災、たばこの喫煙など、身近な出来事からも発生する。 また、紙パルプの塩素漂白過程でも生成されるし、クロロフェノール、塩素系農薬などの有機塩素化合物の生産過程における不純物として生成されることもある。 1960年代にベトナム戦争でばらまかれた枯葉剤にも不純物として相当量のダイオキシン類が含まれていたといわれる。 しかし、現状では、ごみ焼却が発生の大半を占めるのは事実であり、1997年8月の大気汚染防止法の一部改正においては、廃棄物焼却炉と製鋼用電気炉からのダイオキシン類が指定物質に定められた。
■ごみ焼却とダイオキシン では、ごみを焼却すると、どうしてダイオキシン類が発生するのか。 その原因には、以下のいくつかが考えられる。 ①ごみ中に含まれていたダイオキシン類が分解されずに排出される場合。 ②クロロフェノール、クロロベンゼン、 PCBのような似た構造を持つ物質(前駆物質と呼ぶ)が炉内で反応してダイオキシン類になる場合。 ③排ガスの冷却過程で、前駆物質などの有機物がダイオキシンに変わる場合(新合成、デノボ合成などと呼ばれる)。 こうしてできたダイオキシン類の全てに毒性があるわけではなく、塩素の付く位置、数により毒性は異なり、1-3塩化物は無毒性とされる。4-8塩化物については、最も毒性の強い2.3.7.8の位置に塩素が付いた4塩化物を基準にしてダイオキシン類の毒性値を表している。
ダイオキシンの発生抑制
ごみ焼却におけるダイオキシン類の発生は、安定した完全燃焼によってダイオキシン類や前駆体を高温分解することで抑制できる。 この抑制には、温度(Temperature)、時間(Time)、攪拌(Turbulence)の3条件をコントロールすることが必要となる。この3条件は、その頭文字をとって3T条件とも呼ばれる。具体的には次のことが重要となる。
① 温度(Temperature)は、焼却炉内で燃焼ガス温度を高温に維持すること ② 時間(Time)は、燃焼ガスの滞留時間を十分に確保すること ③ 攪拌(Turbulence)は、燃焼ガス中の未燃ガスと燃焼空気との混合攪拌を行うこと
焼却炉のガイドラインでは、新設炉に対し、燃焼温度850℃以上(900℃以上が望ましい)、滞留時間2秒以上、かつ、炉形状や2次空気の供給方法を考慮することにより、効果的な燃焼ガスの攪拌を行い、完全燃焼を達成するよう定めている。
不均一な性状の燃料であるごみを安定燃焼させるためには、ごみの攪拌、定量供給、適正負荷運転も重要なことである。そのために、ごみの供給・ごみピット内のレベル調整・ごみの積替え・ごみの混合攪拌を自動的に行うごみクレーン自動運転・ボイラー蒸発量・ごみ処理量・排ガス中酸素濃度などを自動的に制御する自動燃焼制御装置が開発ざれ実用化されている。
もう一つのダイオキシン類発生要因であるデノポ合成(新合成)の防止に対しては、燃焼ガスの急冷および低温化が有効である。デノポ合成は、300℃付近で最も発生しやすいと言われているので、集じん機入口での排ガス温度をおおむね200℃以下まで低減するよう、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に定められている。
冷却方法には、ボイラーエコノマイザーの設置、水噴射による直接冷却、空気式ガス冷却器による間接冷却、冷空気の混合による直接冷却等がある。 集じん機、特にバグフィルターの場合、入口での排ガス温度を低減することは、ダイオキシン類だけでなく、重金属類や乾式排ガス処理における酸性ガス(塩化水素、硫黄酸化物)の除去効率が向上するので、この点でも好ましい。
排ガスの冷却方式に廃熱ボイラーや空気加熱器を使用する場合、伝熱面上に多量のダストが付着堆積すると、デノボ合成を促進することになる。したがって、廃熱ボイラーや空気加熱器はダストが付着堆積しにくい構造とする。 また、付着堆積したダストを除去する装置(スートブローやハンマリング装置)の設置もダイオキシン類の発生抑制対策の一つである。
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