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  夜の森を、1匹の小さな怪獣が歩いている。
  よく見ると、それは本物の怪獣ではなく、被り物のようであった。
  それはれみりゃザウルスだった。
  「ここはどこなんだぞー?」
  このれみりゃザウルスは突然吹いた強い風に吹き飛ばされたのだった。れみりゃザウルスは歩くのが遅く力もあるのだが、それらや見た目に反して体重はそんなに重くない。
  「おうちかえるんだぞー」
 と言いながらも、その足取りは当てもなくさまよっているようであった。
  しばらく歩くと、れみりゃザウルスは2匹のゆっくりを見つけた。
  「うー?」
  1匹は赤毛に緑色の帽子のめーりんだった。もう1匹は飛んでいたが、羽がキラキラ光っている。
  「…うあー!」
  れみりゃは気づいた。それはふらんだった。
  「ふらんこあいー!さくやー!」
  ザウルスくらいになればふらん相手でも何てことはないのだが、ふらんを怖がるのはれみりゃ種の遺伝的本能なのかもしれない。
  最初の驚いた声で気づいたのか、2匹はれみりゃザウルスの方に近づいてきた。れみりゃザウルスは必死にしゃがみガードしようとしながら「うー!うー!」と叫んでいる。
  しかしふらんはれみりゃザウルスの体にすりすりし始めた。
  「…うー?」
  困惑するれみりゃザウルス。
  「うー♪ゆっくりしていってね♪」
  「じゃおー!ゆっくりしていってね!」
  お決まりの挨拶だが、ふらんは敵意がないことをアピールしているようである。
  まだ困惑するれみりゃザウルス。
  「うー♪ふらんはゆっくりできるふらんだよ♪だからゆっくりしていってね♪」
  「ゆっくりしていってね!」
  そこでようやく理解したのか、れみりゃは笑顔になった。
  「うー♪ゆっくりしていくんだぞー♪」
 
  2匹は幼い頃からの仲良しだったらしいが、ある噂を聞いて旅を始めたのだった。
  噂とは、"とてもゆっくりできるこーまかんがある"というもの。そこはいろんな所かられみりゃやふらん、めーりん、ぱちゅりー、こあ、そしてさくやが集まってみんなでゆっくりしているらしい。
  「じゃお、れみりゃはどうしたの?」
  「あまあまをとろうとしたらおそらをとんだんだぞー」
  「よくわからないよ!ゆっくりせつめいしてね!」
  その後もれみりゃのわかりにくい説明が続き、2匹は理解することを諦めた。
  「じゃお、れみりゃはどうするの?」
  「ふらんとめーりんといっしょにいくんだぞー」
  「おうちはいいの?」
  「みんなゆっくりできるのがいいんだぞー」
  そんなわけで2匹の旅にれみりゃザウルスが加わり、3匹のにぎやかな旅が始まった。
  しかし…。
 
  「じゃおーん」
  「まつんだぞー」
  「れみりゃはゆっくりしすぎだよ!」
  先行する2匹に明らかに遅れをとるれみりゃザウルス。れみりゃザウルスの歩きは非常に遅く、並のゆっくり以下である。対してふらんの飛行速度は、本気を出せば普通のゆっくりが歩く速さより3倍速い。旅を始めてからは相棒のめーりんに合わせるために抑えているが、めーりんはふらんに合わせようと努力した結果、通常の1.5倍~2倍の速さで歩けるようになった。
  「つかれたからゆっくりやすむんだぞー」
  「れみりゃはゆっくりしすぎだよ!」
  「じゃおー!ふらんはゆっくりおちついてね!」
  3匹の旅は2匹だった時よりもスピードが落ちていた。このままだとこーまかんにたどり着けないかもしれない。
  れみりゃザウルスは思った。もっとはやくあるけたら、ふらんみたいにすぃーってとべたら、みんながゆっくりできるのに。
 
  ある朝、それは突然起こった。
  「うー…」
  れみりゃザウルスがゆっくりと目を覚まし、体を起こした。そして、両手を目一杯挙げて朝の挨拶をした。
  「ゆっくりするんだぞー♪」
  そこでれみりゃザウルスはあることに気づいた。脚が細くなっていて、足には立派な3本の指があった。れみりゃザウルスは今度は手を見た。腕も細くなっていて、手は3本指だった。
  「うー♪」
  「じゃおー!」
  ふらんとめーりんが遅れて起きてきた。
  「「ゆっくりして…」」 
  2匹はれみりゃザウルスを見て、挨拶を途中で止めてしまった。
  「うー?ふたりともどうしたんだぞー?」
  「…か、かっくいー♪れみりゃすっごいかっくいー♪」
  「じゃおー!どらごんみたいだよ!すっごいゆっくりしてるよ!」
  「うー?」
  実はれみりゃザウルスの体に大きな変化があった。着ぐるみの頭の部分が取れ、手足が伸び、背中には大きな翼があった。体は着ぐるみでも人間のようでもなく、二足歩行のドラゴンのようになっていた。頭には、れみりゃザウルスだった時にはなかったれみりゃ特有の羽がついていた。
  れみりゃザウルスはれみりゃドラゴンに変化していたのだ。
  れみりゃザウルス改めれみりゃドラゴンは、自分の姿を確認すべく、近くの小川に行って川を覗いた。
  「うー♪かっくいーぞー♪」
  れみりゃドラゴンは変化した自分の姿を見てご満悦のようだ。
  また、大きな羽がついたことで、れみりゃドラゴンは飛べるようにもなっていた。ザウルスになったときに羽を失ってから、れみりゃドラゴンはずっと「またおそらをとびたい」と願っていた。今回は前に吹き飛ばされた時とは違い、自分の力で、自分のしたいように飛ぶことができる。
  「うっうー♪うあうあー♪」
  れみりゃドラゴンは終始ご機嫌だった。
 
  れみりゃがドラゴンになったことで、れみりゃドラゴンはめーりんを背中に乗せて飛ぶことができるようになり、3匹の旅は速くなった。れみりゃドラゴンはふらんと同じくらいの速さで、かつ力強く飛ぶことができた。
  そうして、3匹の旅は続いた。
 
  ある日のこと、3匹で餌を採っていたところ、雲行きが急に怪しくなり、瞬く間に雨が降り始めた。
  幸い勢いはまだ弱かったので、3匹は急いで避難できるところを探し(れみりゃドラゴンがめーりんを抱えて飛んだ)、しばらくしてれみりゃドラゴンでも入れそうな大きな洞穴を見つけ、そこに避難することにした。
  「じゃおー、あめさんゆっくりやんでね」
  「ゆっくりやんでね」
  「ゆっくりやむんだぞー」
  しかし、雨は止まなかった。洞穴に雨水が入ってくることはなかったが、食料を蓄えていなかったため、2日後には3匹の空腹も限界に来ていた。
  「おなかすいた…」
  「じゃおー…」
  「うー…」
  「もっとゆっくりしたかったよ…」
  「じゃおーん…」
  その時、れみりゃドラゴンは何かを思いついたような顔をした。
  「うー♪」
  「どーしたのれみりゃ?」
  「ごはんならあるんだぞー♪」
  「じゃお、どこにあるの?」
  「れみりゃにまかせるんだぞー♪」
  そう言ってれみりゃドラゴンは立ち上がった。そして、
  「ぱいるだー・おふ!」
  するとれみりゃドラゴンの首がポインと取れ、体が崩れ落ちた。取れた首はぱたぱたと羽を羽ばたかせて飛んでいる。
  れみりゃドラゴンは体無しれみりゃになってしまった。
  「れみりゃのからだをたべるんだぞー♪」
  「いいのれみりゃ?」
  「じゃおー?」
  「ごはんがないとみんなでゆっくりできないんだぞー!そんなのはいやだぞー!」
  「でも…」
  「れみりゃのことはきにしなくていいんだぞー!からだがなくてもゆっくりできるんだぞー!」
  そう言ってれみりゃは、広くなった洞穴の中を飛び回った。
  ふらんとめーりんもそれを見て安心したようだ。
  「みんなでゆっくりたべるんだぞー♪」
  「うー♪」
  「じゃおー!」
  3匹は2日ぶりの食事にありついた。
  「「「むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせー♪」」」
  3匹は涙を流しながら言った。本当に幸せそうだった。
 
  れみりゃの体だったものを食べ終わった頃には雨も止み、3匹の旅は再開した。
  1匹のさくやを見つけたのはその数日後、3匹が紅魔館が見える森を進んでいた時だった。
  「ゆっくりしていってね♪」
  「じゃお!ゆっくりしていってね!」
  「ゆっくりしていくんだぞー♪」
  「ゆっくりしていくのですわ!」
  3匹はさくやに、噂の"こーまかん"について聞いてみた。今まで出会ったゆっくり達は、噂は聞いたことはあるものの場所は知らない、というのがほとんどだった。ぱちゅりーでさえ噂しか知らなかった。
  「もしかしたらわたしたちの"ふやじょう"のことかもしれませんわ!」
  「「「ふやじょう?」」」
  さくやによれば、さくやのいる集落"ふやじょう"は、噂のと同じくれみりゃやふらん、めーりん、ぱちゅりー、こあ、さくやしかいない、ということだった。さくやは狩りの最中だったらしい。
  「きっとそこなんだぞー♪」
  「うー♪」
  「じゃおー!めーりんたちをゆっくりつれてってね!」
  「ゆっくりあんないしますわ!」
  3匹はさくやの後に続いた。しばらく行くと、2匹のめーりんが見えてきた。
  「じゃお!どうしたのさくや?」
  「おきゃくさまをゆっくりおつれしたのですわ!」
  「「うー♪」」
  「じゃおー!」
  「じゃお!ゆっくりはいってね!」
  4匹は中に入った。"ふやじょう"の中では、れみりゃとふらんが飛び交い、地上ではさくや、こあ、めーりん、ぱちゅりーが歩き回っていた。
  さくやは3匹を、"ふやじょう"の中心にある大きな巣まで案内した。中にはぱちゅりーが7匹いた。さくやはその中の1匹に声をかけた。
  「ぱちゅりーさま!」
  「むきゅ?」
  「おきゃくさまをゆっくりおつれしたのですわ!」
  「うー♪ゆっくりしていってね♪」
  「ゆっくりしていくんだぞー♪」
  「じゃおー!ゆっくりしていってね!」
  「むきゅ。ゆっくりしていってね」
  さくやは巣から出た。3匹を代表してふらんがぱちゅりーに説明し、次にぱちゅりーが"ふやじょう"について説明した。7匹のぱちゅりーは"ふやじょう"の要ゆっくりらしい。ぱちゅりーの説明を聞く度に、3匹は「ここはうわさどおりのばしょだ」という確信を強くした。
  「あなたたちは"ふやじょう"にすみたいのね?」
  「そのためにゆっくりたびしてきたんだよ!」
  「うー♪」
  「じゃおー!」
  「わかったわ。あなたたちをゆっくりかんげいするわ」
  「「うー♪」」
  「じゃおー!」
  3匹はぱちゅりーによって巣(この集落では"こーまかん"と言われている)を与えられ、ご近所さんになったゆっくり達がその夜に3匹の歓迎会を開いた。新たに集落の仲間になった3匹は、ご近所ゆっくりに囲まれ、とてもゆっくりしていた。
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 以下作者の言い訳など
 ・参考AA(まとめwikiから転載)
 ■レミリアドラゴン
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             川川
           ( (   ) ) ポイン
 
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      〈r'^ヽi /^L_!ムイ_」^ヽ. .〉´ /  i' \
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         i、_ノ !、,§__、ハ、_ノ、/、__  ⌒ヽノ
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        ::::::::::i__,7:::::::::i,__,7::::::::::::::::::
         ::::└'゙::::::::::::i,_,/:::::::::::::::}}}
 
 ・まとめwikiのAAみてティンと来た。
 ・思いの外長くなってしまった。積載の限度を誤らないように。
 ・"ふやじょう"については大好きロダの[[slowslow041.txt>http://www9.atpages.jp/~slowslow/slowup/img/slowslow041.txt]]を見ていただけるとありがたいです。名前違いますが、これも自分が書きました。
 ・「かっくいー」がわかる人はどれくらいいるんだろうか。きーん。
 ・感想、質問、誤字報告等あれば下のコメント欄へ。閲覧ありがとうございました。
 尻尾の人
 ----
 - まさか本当にその後を書いてくれるなんて思わなかったので、嬉しかったです。 &br()内容も凄く面白かったです。ありがとうございました。 &br() &br()  -- れみりゃザウルスのその後を聞いた人  (2008-12-27 15:56:32)
 - ありがとうございます。 &br() &br()ちょこちょこっと修正と加筆をしました。  -- 作者  (2008-12-27 16:42:37)
 - イイハナシダナー  -- 名無しさん  (2010-03-10 11:30:42)
 - ウルッときてしまったぜ・・・ &br()こういう美しい友情の物語は良いな♪  -- 名無しさん  (2010-03-18 23:16:22)
+- 竜王さま・・・  -- 名無しさん  (2010-12-02 06:13:09)
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