• n対語

エヌツイゴと読む。ペアを持つ単純語のことで、アルカではrapvet(組語)という。その単純語の最後の母音を規則的に変化させて対を作る。アプラウトを利用した語彙圧縮法である。

2対語の場合、aはiとペアを作り、oはeとペアを作る。3対語の場合a,i,oが組になる。4対語の場合a,i,o,eが組になる。中心的な語はuになる。

対になっているそれぞれの音の語を順にaavet,iivet,oovet,eevet,uuvetという。たとえばeta(姉)はaaveteti(妹)はiivetである。


n対には最低限の規則性がある。3対以上の場合は、a > i > o > e、2対の場合はa > i、o > eの序列を持つ。2対の場合、a,iとo,eは独立しているので、aのほうがoより序列が上ということはない。

序列は一定の規則で決まっているわけではないがある程度の規則性はある。長幼ならmav,miv(大人子供)のように長が序列で上になる。大小は大が上になる。その関連で長短は長いが上になる。広い狭いなども同じである。善悪なら善が上になる。光と闇なら光が上になる。良悪なら良いが上になる。男女なら女が上になる。生死なら時間が先な生のほうが上になる。

しかし予想の付かないものもあるし、上の反例もある。たとえば長幼は長が上なはずだが、老若は若いが上である。ただ、これも適当ではなく、一々理屈立てて分類されている。

たとえばこの問題の場合、老若が長幼の仲間ではなく、新旧の仲間であることからきている。新旧だと新しいが上なので、その関連で老若も若いが上になる。つまり、ある対概念がどの対概念の仲間に近いかというアナロジーの世界である。

尚、男女で女が上なのは男性蔑視ではなく、発生的に女が先だからである。また、性別が決定する前は男も全て一度女である状態を経るという点から理屈付けている。

実は男女のような思想的な価値観が入る語のn対は中々決めづらかった。そういった概念はアンティスを尺度にして片付けてある。

n対語は覚えねばならない語数を減らす語彙圧縮法から生まれたものである。確かに学習は便利になるし、規則的な音の響きで良悪のイメージを植えつけられるので、印象的で染み付きやすい。反面、n対語は最小対語なので、運用時に聞こえが悪いと意味を取り違える危険性があるので注意。良い事だらけではないということである。

  • n対語で起こしやすいミス

a,i,o,eの序列が不正確。
mos,mesが対なのでmas,misもあると早とちりする。
lama(安全)の反対はlami(危険)だが、アプラウトの位置を間違えてlimaにしてしまう。
tasponは「大きい+道」。では小道はtaspenだろう。なぜならn対語は最後の母音を変化させ、ponの対はpenだからだ」。n対語は単純語レベルで起こるので、合成語では形態素レベルで起こる。小さいはtasの対のtisである。それに道(pon)を加えるのでtisponが正しい。
  • 合成語から更にn対語が作られる例外

n対語は単純語に起こるが、稀に合成語にも起こる。 felkiは塾だが、felka(学校)の対である。 felkaは単純語ではなく、fel+kaという複合語である。

最終更新:2007年11月11日 22:52
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