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このページでは「人工言語アルカ」の概要を掲載しています。

言語学的に細かいところを省き、文法用語もアルカではなく英語に合わせます。アルカ固有の文字も使いません。アルファベットで代用します。


母音はaiueo(アイウエオ)の5個。子音は20個で、t,k,x,s,n,v,f,m,d,g,p,b,h,y,c,r,z,j,w,l。ローマ字読みで構わない。ただし、xはシャ行、cはべらんめぇ口調のラ行。日本語の「シ」はsiでなくxi。


複数形はない。child→childrenみたいな暗記は不要。「s」を付け忘れてうっかり減点とかもナシ。


私:an
あなた:ti
彼・彼女:lu
これ:tu
あれ:le
英語と違って、I,my,me,mineみたいなバリエーションはナシ。私はanだけ。


SVOの語順。文型もSVOだけ。

I go to schoolはSVOではないが、アルカはこれを無理やりSVOにする。たとえばI go schoolみたいにして、無理やり学校を目的語の位置に押し込める。「俺、行く、学校」みたいな感じ。コントに出てくるインディアンのノリ。

アルカは他動詞しかないので、一々自動詞か他動詞か覚える必要がない。


動詞を作るには単語の尻尾に過去や未来といった時制を付ける。時制の前にはハイフン(-)を入れる。「食べる」はxon(ション)。過去形はaという尻尾を付けて表す。尻尾の前にはハイフンを入れる。だから、「食べた」= xon+ハイフン+a = xon-a(ショナ)になる。とにかくハイフンがあれば動詞。

例:an xon-a tu(私はこれを食べた) *an(私) tu(これ) 語順はSVO。


動詞の尻尾がaだと過去。aの代わりにiにすると現在。oになると未来。だから「食べるだろう」はxon-o。尻尾がuだと時間ではなくて否定を表す。「食べない」はxon-u


have+過去分詞みたいにしなくて良い。動詞の尻尾の後にkを付けると完了になる。 xon-iが「食べる」なら、xon-ikが「食べ終わった」。

因みに、食べている途中など、動作の途中を表すときはkでなくsにする。たとえばxon-isだと「食べている」という意味。


ハイフンの後に付けて表す。時制と完了などは追い出されて消える。 can=el must=af may(許可)=ix

例:xon-el(食べられる)、xon-af(食べなければならない)、xon-ix(食べても良い)

一方、alは依頼、ilは希望。
例:xon-al(食べてください) xon-il(食べたい)
pleaseとwant toを簡単に表せるので便利。

why don't youはex、shall weやlet'sはax。これも文法を覚えなくていいから便利。
例:xon-ex(食べたらどうですか?)、xon-ax(食べましょう)


「~に」=al 「~から」=il 「~で(場所)」=ka 「~に(時間)」=im 「~といっしょに」=ok 「~を使って」=kon
例:an fit-i gil al ti(私はあなたにお金をあげる) *fit(与える) gil(お金)
例:ti ket-a il parm(あなたは日本から来た) *ket(来る) parm(日本)


英語と順序が逆。big manはman bigになる。男はfinで大きいはtasなので、fin tasで大男。 this is bigのようにbe動詞と一緒に使うときは英語と同じ語順。be動詞はet。だからthis is big=tu et tas

副詞は動詞のすぐ後ろに置く。間を空けない。目的語より前に来る。とにかく動詞の直後。 an xon-a vad miik(私はリンゴを早く食べた) *vad(早く) miik(リンゴ)アルカは形容詞も副詞も同じ形。final⇔finallyと違ってlyが付いたりしない。

「この」はtu。「あの」はle。代名詞をそのまま形容詞のように使う。
例:gil tu(この金)
但し、「この」で指すものが金とかでなく人とかだったら、tuでなくluを使う。ここはややこしい。
例:fin lu(この男) *男は人なので、fin tuはダメ。モノ扱いになってしまう。


形容詞がbigger,biggestになったりしない。bigはbigのまま。つまりtastasのまま。最上級はない。oa(最高の)という形容詞を使うので、アルカでは比較の範疇ではない。

thanはvan。as~asはvin。less thanはvon。 this is bigger than thatをアルカの語順にするとthis than that is biggerになる。したがって、tu van le et tas(これはあれより大きい) vanやthanは数学の大なり記号みたいなものだから、this > that is biggerと考えると分かりやすい。

tu vin le et tasだと「これはあれと同じくらい大きい」という意味。as~asでbigを挟む必要はない。 vanと同じ語順のままで良いから英語より簡単。


1:主語と目的語を入れ替える
2:動詞の後にyuという副詞を置く→これで完成

an xon-a miik(私はリンゴを食べた)
miik xon-a yu an(リンゴは私に食べられた)


英語は先行詞がヒトかモノかでwho,whichを使い分けるが、アルカはそうしない。

主語のwho,which=en
目的語のwhich,which=un

例:an in-a fan en xon-a miik(私はリンゴを食べた女を見た)
in(見る) fan(女)
例:an se-i kets un lu san-i(私は彼が好きな猫を知っている)
se(知る) kets(猫) san(好む)


son(だから) vol(そして) man(なぜなら) tal(しかし) ol(もし~なら) til(~だけれども)
例:an san-e kets man tu et ank(私は猫が好き。だって可愛いから) *ank(可愛い)


疑問文は無い。文の終わりに「?」を付けるだけ。
例:ti san-e miik?(あなたはリンゴが好きですか?)

  • 疑問詞

to(何) ne(誰) om(いつ) am(どこ) es(なぜ) ak(どうやって)

英語と違ってwhatとwhoが文の最初に来なくても良い。 You like fish→What do you like?となるのが英語だが、アルカはYou like what?の順番で良い。つまりti san-e to?(あなたは何が好きですか?)

Who broke this?みたいに元々whatが主語な文はアルカでも同じ語順。
例:ne lid-a tu?(誰がこれを壊したの?) *lid(壊す)

om,am,es,akは英語と同じで文の最初に来る。when,where,why,howと同じ。語順はwhy you came here?みたいな感じ。つまり、es ti ket-a koa?(どうしてあなたはここに来たの?) *koa(ここ)


よく使う動詞。道具を使ったり、会議などをしたりするときに使う。
例:an as-a pam(私は電気を付けた) *pam(電気)
例:an as-a teik(私はテレビを付けた) *teik(テレビ)
例:an as-a ata(私は会議をした) *ata(会議)
例:an as-a esn(私は傘をさした) *esn(傘)

英語で「傘をさす」の「さす」はopenを使うが、これらを一々覚えるのは面倒。アルカはとりあえず道具を使うときは「as-e+道具」でOK。イベントなどを行うときも「as-e+イベント」でOK。

is-eは丸逆の意味。as-eが「する」「付ける」「行う」なら、is-eは「やめる」「消す」などの意味。
例:an is-a pam(私は電気を消した)


勘の良い人は気付いているかもしれないが、男がfinで女がfanなのは偶然ではない。アルカは母音を変えて、ペアになる単語を作ることができる。大きいはtasだった。男女の法則を見た感じ、小さいはさしずめtisだろうと予想が付く。それが正解。

アルカはこういう単語が多いので、1語覚えればまとめて覚えられる。因みに、代わるのは最後の母音。
例:lao,lae(母、父) eta,eti,eto,ete(姉、妹、兄、弟) lof-e,lef-e(歩く、走る) sa,si(前、後ろ) ha,hi(上、下)


0から9まで順にu,ko,ta,vi,va,li,ki,no,te,lo。 11,12などはつぶよみすれば良い。11はイチイチみたいな感じで、電話番号を読むイメージ。たとえば11はkoko。 34はviva。因みに切り番について。10はkona、100はkoso、1000はkoke

※2007年現在、口語においてはtoo(十),gal(百),ten(千)等を挟む方式に変化。

数はふつうの形容詞と違って名詞の前に置く。大きいリンゴはmiik tasだが、4個のリンゴはva miik。ここは英語と同じ。miikが複数形にならないだけ。

ふつうの形容詞と同じように名詞の後ろに数を置くと、個数でなく順番を表す。 miik vaは「4個目のリンゴ」を意味する。英語みたいに~thという必要はない。英語と違って名詞の前に置くか後に置くかで個数か順番かを区別できる。


soonoyun,soono(おはよう、こんにちは、こんばんは)
xidia(おやすみ)
sentant,sent,seere(ありがとう)
pent,pantant,vant,vantant(ごめんなさい)
dacma(はじめまして)
estol(よろしく)
doova,doo(さようなら)
ketta(ほら。相手を促す)
tua(はいどうぞ)
nee(ねぇ)
xante?(ちょっとすみません)
ya(うん)
ax(はい)
teo,tee(ちがう、ダメ)
passo(大丈夫、OK)

以上です。お疲れ様でした。非常に大雑把ですが、アルカが大体どんな仕組みを持った言葉なのかが分かったと思います。これ以上学ぶ場合は次の「はじめに」へお進みください。

今後は概説になります。内容が細かくなりますし、難しくもなります。速習で大きく抜かした概念の説明が読めます。

概説に進む方へひとつアドバイスですが……。最初にアルカの文字で挫折しないでください。表を刷って、書き慣れるまで見えるところに置いておくと良いです。

text by seren


最終更新:2007年11月11日 23:58