on(3) /// / ~を \ 14:
seren:
klel:
lumi \ [
areu ] \ 対格の格名詞を作る \ [
pea ] \ (対格)~を
[
vetyolom ]
基本語順において動詞の直後にくる
強調文と倒置文以外では省略される
能動文において、
onは主に対象を表わす
対象は具象も抽象もくることができる。節もこれる
onは他の格の代用をすることがある。具体的には
ka,
al,
il,
varなどである
能動文の
ulが受動文では
onになる
onが
oni化されると
onが言語上、現われなくなる
oni化されるのは
onが対象の場合だけでなく、場所などの場合もある
惕
onは基本語において動詞の直後にくる格である。もっとも、副詞が間に入ることはあるが、基本語順であるかぎり他の格は入れない。
onは強調文と倒置文以外では省略される
能動文において、
onは主に対象を表わす。これは行為の客体となり、行為をこうむるもので、経験者も含む(1)(2)
(1)
la baos-a an(
onは行為の客体)
(2)
la jo-a an(
onは経験者)
対象は具象も抽象もくることができる。より細かくいえば有生も無生もくることができ、行為を表わす動名詞の役割を持つ名詞もくることができる。更にそもそも節を取ることもできる(3)
(3)
an in-a la ke-i felka(彼が学校へ行くのを見た。"
la ke-i felka"という節が
on)
また、
onは場所を取ることもある(4)。本来は
ka格が取るべきところを
onが担っている
(4)
an xa-i ra
同じく、
onは方向を取ることもある。
eel-eなどがそうである(5)。本来は
kor格が取るべきところを
onが担っている
(5)
an eel-a la(
laは顔を向けた方向)
また、場所と似ているが、経路を取ることもある(6)。本来は
var格が取るべきところをonが担っている。(6)は"
an ke-a var wal"とほぼ同じ意味であることから、このonは
varの意味だと分かる。
rak-eの他にも
pon-e,
mod-eなどの経路移動動詞はonが
varの代わりを務める
(6)
an rak-a wal(山を越えた)
onは起点と終点を表わすこともある(7)(8)。本来は
il,
al格が取るべきところをonが担っている。
ke-e,
kot-eのような終点移動動詞はonが
alの代用をする
(7)
an lov-a ra
(8)
an lev-a ra
このように、onが他の格の代用となることがある。本来は他の格が持つ深層格をonが担っているのである。これはなぜか。onは
alなどと違ってどの動詞にとっても必須格である。更に
alなどと違って基本語順内で省略することができる。そのため他の格を使わずにonで代用することは経済性のある行為である。それゆえonが他の格の代用となることがある
また、そもそも「行く」という行為の対象に目的地が選ばれるということも
alの代わりにonが使われる原因である。onに目的地がくる以上、
alでもう一度目的地を述べるのは無駄な重複である。このような事情もonが他の格の代用となる原因といえる
尚、繋辞文以外の能動文は受動文に変えることができる。その際に能動文でulだったものがonに代わる(9)。また、繋辞文では動詞だったものがonにくる。このonは自然名詞である (10)
(9)
la baos-a an →
an baos-a yu la
(10)
oni met-a an →
an at met
(9)のonについては意味の上では
ulなので、
ulを参照すること。また、(10)については上述のとおりで、onは自然名詞で、先天完了の意味を持つ
ところで、onが
oni化する場合がある。これにはいくつか種類があるが、いずれにせよonが
oni化した場合、onには何も表示しなくなる。
ulが
oni化すると繋辞と自然名詞がくるが、onが
oni化してもonが消えるだけで、その点では他の格と同じ扱いである
onが
oni化するのはどういう場合か。まず上がるのはonが対象のときである。たとえば
an xon-e tuにおいて、私が食べたのはこれだということが焦点化されなくなり、どうでも良いものと考えられたとき、
tuは
oni化する。つまり、私がこれを食べたことよりも、とにかく私が何か食べた、食事をしたということを強調したいとき、何を食べたかはどうでも良いのでonは
oni化する
尚、onが再起形の場合、
oni化することはない。しかしこれは省略可能である。また、単にonを省略した場合とonを
oni化した場合では厳密に言えば意味合いが違うが、日常的に区別する必要がないので言語上は違いを表現しない
onがoni化する別の例は、onが対象以外の場合である。たとえば
xa-eはonに場所を取る。つまり本来
kaが取るはずだったものである。「私は学校にいる」といえば
an xa-i felkaである。
felkaは本来
kaが取るはずである
では「学校の前にいる」に変わるとどうなるか。
kaは
saに変わらねばならない。もし問題の文が
an xa-i ka felkaだったら
kaを
saに変えて
an xa-i sa felkaにすれば良い。だが問題の文は正しくは
an xa-i felkaである。これでは
kaを
saに変えようがない
そこで、ここでこの文のonが
kaの代理をしているということと、onはこの基本語順文では省略されるという2点を考慮する。もしonを省略しなければ
an xa-i on felkaである。そしてこのonは事実上
kaである。ということは
kaの代わりにonを
saにすれば良い。ゆえに「学校の前にいる」は
an xa-i sa felkaである
onは場所を取るが、既に
saが場所を表わしているため、
saに出番を奪われている。この際onは
oni化し、言語上に現れなくなる。このように、onが対象以外を取るときもonは
oni化することがある