on(1) /// / 可能:2 \ 13:seren:klel:en \ [ areu ] \ 可能 \ [ yuo ] \ onを可能にする \ [ iyuan ] \ そうかも、そうかもしれない、ありえるな、それもいえるね \

on(2) /// / (未来存続相)~しているだろう \ 13:seren:klel:lumi \ [ yula ] \ (未来存続相)~しているだろう \
メル18年以前の文献では未来状態相-orの意味も兼ねる。

on(3) /// / ~を \ 14:seren:klel:lumi \ [ areu ] \ 対格の格名詞を作る \ [ pea ] \ (対格)~を
[ vetyolom ]
基本語順において動詞の直後にくる
強調文と倒置文以外では省略される
能動文において、onは主に対象を表わす
対象は具象も抽象もくることができる。節もこれる
onは他の格の代用をすることがある。具体的にはka,al,il,varなどである
能動文のulが受動文ではonになる
ononi化されるとonが言語上、現われなくなる
oni化されるのはonが対象の場合だけでなく、場所などの場合もある

onは基本語において動詞の直後にくる格である。もっとも、副詞が間に入ることはあるが、基本語順であるかぎり他の格は入れない。onは強調文と倒置文以外では省略される
能動文において、onは主に対象を表わす。これは行為の客体となり、行為をこうむるもので、経験者も含む(1)(2)
(1) la baos-a anonは行為の客体)
(2) la jo-a anonは経験者)
対象は具象も抽象もくることができる。より細かくいえば有生も無生もくることができ、行為を表わす動名詞の役割を持つ名詞もくることができる。更にそもそも節を取ることもできる(3)
(3) an in-a la ke-i felka(彼が学校へ行くのを見た。"la ke-i felka"という節がon
また、onは場所を取ることもある(4)。本来はka格が取るべきところをonが担っている
(4) an xa-i ra
同じく、onは方向を取ることもある。eel-eなどがそうである(5)。本来はkor格が取るべきところをonが担っている
(5) an eel-a lalaは顔を向けた方向)
また、場所と似ているが、経路を取ることもある(6)。本来はvar格が取るべきところをonが担っている。(6)は"an ke-a var wal"とほぼ同じ意味であることから、このonはvarの意味だと分かる。rak-eの他にもpon-e,mod-eなどの経路移動動詞はonがvarの代わりを務める
(6) an rak-a wal(山を越えた)
onは起点と終点を表わすこともある(7)(8)。本来はil,al格が取るべきところをonが担っている。ke-e,kot-eのような終点移動動詞はonがalの代用をする
(7) an lov-a ra
(8) an lev-a ra
このように、onが他の格の代用となることがある。本来は他の格が持つ深層格をonが担っているのである。これはなぜか。onはalなどと違ってどの動詞にとっても必須格である。更にalなどと違って基本語順内で省略することができる。そのため他の格を使わずにonで代用することは経済性のある行為である。それゆえonが他の格の代用となることがある
また、そもそも「行く」という行為の対象に目的地が選ばれるということもalの代わりにonが使われる原因である。onに目的地がくる以上、alでもう一度目的地を述べるのは無駄な重複である。このような事情もonが他の格の代用となる原因といえる
尚、繋辞文以外の能動文は受動文に変えることができる。その際に能動文でulだったものがonに代わる(9)。また、繋辞文では動詞だったものがonにくる。このonは自然名詞である (10)
(9) la baos-a anan baos-a yu la
(10) oni met-a anan at met
(9)のonについては意味の上ではulなので、ulを参照すること。また、(10)については上述のとおりで、onは自然名詞で、先天完了の意味を持つ
ところで、onがoni化する場合がある。これにはいくつか種類があるが、いずれにせよonがoni化した場合、onには何も表示しなくなる。uloni化すると繋辞と自然名詞がくるが、onがoni化してもonが消えるだけで、その点では他の格と同じ扱いである
onがoni化するのはどういう場合か。まず上がるのはonが対象のときである。たとえばan xon-e tuにおいて、私が食べたのはこれだということが焦点化されなくなり、どうでも良いものと考えられたとき、tuoni化する。つまり、私がこれを食べたことよりも、とにかく私が何か食べた、食事をしたということを強調したいとき、何を食べたかはどうでも良いのでonはoni化する
尚、onが再起形の場合、oni化することはない。しかしこれは省略可能である。また、単にonを省略した場合とonをoni化した場合では厳密に言えば意味合いが違うが、日常的に区別する必要がないので言語上は違いを表現しない
onがoni化する別の例は、onが対象以外の場合である。たとえばxa-eはonに場所を取る。つまり本来kaが取るはずだったものである。「私は学校にいる」といえばan xa-i felkaである。felkaは本来kaが取るはずである
では「学校の前にいる」に変わるとどうなるか。kasaに変わらねばならない。もし問題の文がan xa-i ka felkaだったらkasaに変えてan xa-i sa felkaにすれば良い。だが問題の文は正しくはan xa-i felkaである。これではkasaに変えようがない
そこで、ここでこの文のonがkaの代理をしているということと、onはこの基本語順文では省略されるという2点を考慮する。もしonを省略しなければan xa-i on felkaである。そしてこのonは事実上kaである。ということはkaの代わりにonをsaにすれば良い。ゆえに「学校の前にいる」はan xa-i sa felkaである
onは場所を取るが、既にsaが場所を表わしているため、saに出番を奪われている。この際onはoni化し、言語上に現れなくなる。このように、onが対象以外を取るときもonはoni化することがある
最終更新:2007年12月27日 14:57