後期アルカは1998年2月26日~2001年7月19日に使用された
古アルカである。内訳は1998年2月26日~1998年5月30日に使われた
前ソーン・アルカ、1998年5月30日~2000年5月9日に使われた
後ソーン・アルカ、2000年6月5日~2001年7月19日に使用された
メル・アルカがある。また、
ソーンの分裂期間中、同団体によって、1998年5月30日~2000年6月5日
アルカ・エ・ソーンが使われた。
後期アルカの時代は、1998年5月30日の
アルシェ・
ソーン両団体の分裂によって、各々が別方向にアルカを進化させた混乱の時代である。2000年6月5日には、再統合されたときには互いに言葉が通じないほどかけ離れたものになっていたため、折衷言語
メル・アルカが作られた。このメル・アルカは母音・子音が減少したため、この期間の1カテゴリーとできるかどうかは疑問の余地がある。この折衷言語メル・アルカの失敗によって、
制アルカの作成が決定し、アシェットの公用語としての
古アルカはその役目を終えた。
音声
メル8~9年(1997~1998年)に
ファーヴァが加わり、無声唇入破音が増えた以外、子音は増加せず。39子音内、異音扱い10の体系である。
母音は[i][e][E][{](非円唇前舌狭めの広母音)[a][O](円唇後舌半広母音)[o][M](非円唇後舌狭母音)[u]9母音体系となった。
メル・アルカになると使徒倍増により/a/, /i/, /o/, /e/, /u/の5母音体系になった。リディアの『制アルカオトマトペ』によると声門破裂音、唇歯鼻音、軟口蓋鼻音、硬蓋鼻音、口蓋垂鼻音、口蓋垂震音、硬口蓋側面接近音の7子音が減少し、32子音体系になったようだ。しかし、メルの主張によると無声唇入破音などは/p/の異音と考えて、子音はもっと少なく/p/, /b/, /t/, /d/, /k/, /g/, /m/, /n/, /r/, /歯茎はじき音/, /f/, /v/, /無声歯舌摩擦音/, /有声歯舌摩擦音/, /s/, /z/, /無声後部歯茎摩擦音/, /有声後部歯茎摩擦音/, /h/, /歯茎接近音/, /j/, /l/の22子音ということになっている。
文字
幻字の記述方法が再び固定された。
1998年には、幻字が増加しすぎて収集が付かなくなった。。エリア(水)とエーホ(氷)のように形が完全に同じなのに直線か曲線かで意味が異なるとか、線が一本足りないと別の字になるとか、画数が多く複雑で覚えられないとか、図形が複雑すぎて覚えられないなど、多くの問題点が浮上した
語彙
ほとんどがアルカ独自のものであり、アプリオリ言語に近い。このころになると、古アルカの複合語は語形が長くて使いづらいという実用上の問題も浮上した。後期になって古アルカには小説や学術論文の訳に伴い、更に語が増えたが、その殆どは複合語であり、音形は長く使いづらかった。
文法
統語
SVO語順、形容詞前置、後置詞使用。
関係詞romが口語上でも発音されるようになる。文語上では主格関係詞や対格関係詞などが別々の文字で区別された。
関係節
前ソーン・アルカのころに修飾法が確立し、複雑な関係節の作り方も発達した。
関係詞romが口語上でも発音されるようになる。文語上では主格関係詞や対格関係詞など区別され、別々の文字が使われていたが、口語上ではどれもromと発音した。
後ソーン・アルカになると主格や対格以外にも様々な格を取れるようになった。
動詞
エクスプローダー
天秤詞
中期アルカのころできた一時的なものが消え、使われる種類が後期に入って確定されてきた。メルあるかで最終的に用いられた天秤詞はおよそ30種である。
例文
著作物
1998年1月11日よりセレンが表意幻字帳『赤アンクノット』を作成開始。
カーデに使用する幻字がどんな形の字であるかしっかりと制定して欲しいという依頼が
フルミネアからあった。収録語数は695語。
中期アルカと
後期アルカに関する小書きが記されていたとされるが、原本は破損して破棄され、現在復元された写本には記されていない。日本語文は50万字ほどの内容であり、古アルカの最大文献と目される。
後ソーン・アルカのころ『高水準制定語彙』ができた。『
高水準制定語彙』とは、
後ソーン・アルカの時代に
リディアと
リュウが主幹となり
アルシェで作られた作られた幻字辞典である。887個の新字と4756個の単語が収録されている。語彙の拡充と略語を正規の用法として認めさせること、当時分離していた
ソーンに情報が漏れたとき分かりにくくするためという目的で作成された。新規語彙を作ろうにも音形のバッティングが多いため、grなどの語頭重子音の単語も作られた。
『ミールの書』とは、セレン=アルバザードが2001年2月2日から4月10日にかけて日本語で記した論理学と論議学をテーマにしたアシェットの実名小説を、
リディア・
メル・
リーザなどが
メル・アルカに翻訳したものである。アルシェとソーンがアシェットに統合され、和平の象徴となる小説である。ちなみに翻訳された部分は一部であり、日本語版353~428頁の仮想世界パートはカットされたようだ。
文化
1998年1月8日に
リーザ(当時28歳)が
リディア(当時13歳)が幼少期より創作していた超自然的能力をもつキャラクター群アルテの信仰を公的に許可した。
アルシェの団結力を強化するとリーザが考えたためである。これを受け、フルミネアは創作占いカーデの作成に取り掛かり、セレンに幻字の整備を依頼、1998年1月11日
セレンが幻字帳『
赤アンクノット』の作成を開始した。ただし、神名幻字は別紙でさきにフルミネアに提出したため、本体には載っていない。一般の幻字と同様に神名の幻字も固定化された。この
前ソーン・アルカ時点で『
幻想話集アティーリ』の内容はほとんど出来ていたようだ。
後ソーン・アルカの時代は、『
高水準制定語彙』の作成にアルシェの全精力を注いだため、『
幻想話集アティーリ』はほとんど発達しなかった。アルシェとソーンの対立関係が使徒の不安と緊張を高め、アルテに対する信仰心が高まった。この暗黒時代は後に
アルティス教を生むのに重要な時期であった。
アルシェとソーンの統合後、
リディア(当時15歳)は
メル(当時11歳)の助けを借り、暗黒時代にソーンで作られた神々の資料を集めた。その上でアティーリを修正しようとしたが、和平の事後処理が山積していたため、その願いはかなわなかった。
この頃になるとほぼ全ての神の名前に幻字が付され、神々の物語の総量もかなりの量があったようだ。忙しかったということと、戦争の物語である『幻想話集アティーリ』は和平の時代にそぐわないということで好まれなかった。ゆえに小説『ミールの書』のほうが尊ばれた。
メル12年(2000年12月~)に入り、
リーザ(当時31歳)がアシェットの共通の思想として『幻想話集アティーリ』を使用することを提案した。両団体の生活習慣や思想はこれから影響を受けている点が多かったからである。
ただ、当時の使徒たちにとっては、アルテやテームスは信仰対象であったものの、魅力を感じていたのはその神々の力のみであり、背景の物語ではなく、リディアが個人的に作り上げた物語をアシェットを上げて研究するのはいかがなものかと異論が多かった。しかし、リディアの『制アルカオトマトペ』の功績が評価されていた状況を利用して、セレンが多数決に持ち込み、過半数以上の賛同を得たため、
制アルカ同様アシェットを上げたプロジェクトとして認可された。その条件として
カコの次にアシェットをテーマとした物語をつなげることが要求されたため、セレンが1995年8月9日より作っていた『小説版アンクノット』(
アルディア)をアティーリ仕様にしたものがつなげられた。
参考文献
セレン=アルバザード "
akaan.jpg"
人工言語アルカ板 >
人工言語アルカ総合 905 2009/05/29(金) 14:47:47 2009/05/29 5:45 GMT
※赤アンクノットの画像資料。1998年7月27日~1998年12月9日のものか。
セレン=アルバザード "
IMG.jpg"
人工言語アルカ >
神無アルカ 2008/10/01 0:20 GMT
※井上和子ほか『生成言語学入門』にある古アルカの小書き。2000年6月22日
最終更新:2009年06月14日 21:34