前期アルカは、1991年7月19日~1994年末頃に使われた古アルカである。この段階では、様々な自然言語の語彙を使った混成言語としての性質が色濃い。内訳は最も原始的性質を持つ前第一改定アルカ(1991年7月19日~1993年末頃)とセレンによる改定案神無アルカ(1993年9月6日~10月3日ごろ)、第一改定を経て文法が整備された後第一改定アルカ(1993年末ごろ~1994年末頃)がある。

音声

各々の使徒の母語の音声が取り入れられ、確立していない。音声は大量にあったが、音素として認められているものは少ない。日本語・フィンランド語・英語の音韻体系を参照して当時の音韻体系を推測すると、おそらく/s/, /t/, /k/, /n/, /m/, /r/, /h/, /d/, /g/, /a/, /i/, /o/, /e/, /u/の9子音5母音の音素体系であったと推測される。

文字

一時的なものが多く、通して使われたものも、変種が多かった。直線と曲線の弁別性や線の本数で意味が変わるということはまだない。幻字の読みも不安定である。後第一改定アルカからは直線と曲線の弁別性の確立と語形の固定が行なわれた。直線と曲線の組み合わせからなる図形としての幻字の進化はこの前期アルカの段階で完了した。

語彙

多言語参照アポステリオリ言語。フィンランド語(方言)・日本語・英語・先代アルカ初代アルカなど。独自語彙はほとんどない。前第一改定アルカでは日本語とフィンランド語が優勢だったが、後第一改定アルカでは機能語の流入の際、英語をメタ言語として使ったため、英語が優勢になった。

文法

統語

前第一改定アルカでは、幼児的二語文である。主語と述語を単に並べただけのSP構造を持つ。繋辞は存在せず、形容詞は述語として使用できた。語彙の修飾の概念はなく、「私は小さい女だ」は[del min](私は女だ)と[del li:z](私は小さい)に分解した。
後第一改定アルカ以降はSOV語順である。動詞は時制が付くため分かりやすいが、格を表す語がなかったため、長文になるとSとOの境界が分かりにくかったようだ。また繋辞の登場により「S+de+C」語順が確立した。[del de min](私は女だ)と[del de li:z](私は小さい)が合成し[del de min de li:z](私は小さい女だ)のような表現が使われるようになり、[de li:z]のように「繋辞+語句」で形容詞や副詞を表す方法が出来た。前期アルカの終わりごろには[li:z de]のように「語句+繋辞」を被修飾語の前におくことで形容詞や副詞を表すという逆転現象が起こった。これはリーザがSOV語順に適合させるために行なったことである。
また、当時は格標識語彙がなかったため、倒置はほとんど行なわれず、同格や挿入なども避けられ、SOV語順は余計な修飾なしにこのままの形で使われることが多かった。

例文

[del jan de matalo] (私 否定 繋辞 死) 私は死んでいない。

文献

リーザによる原始的幻字が記された手帳と1991年9月9日作成開始の幻字が記されたノートのみ。語の音や意味、或いは統語について記述がなされていたらしい。
ただし、1998年5月30日に分離独立したソーンとの抗争が原因で共に1998年11月ごろまでに焼却処分された。
そのほかは各々の記憶に頼る以外ないようだ。

神無アルカのプロトタイプとしてセレン(当時12歳)が記した手帳の記録が現存している。だが、これそのものはアルカに無関係で、意味がない。また、セレンのノートの端々に当時のアルカが記載されていたが、これは紛失してしまっている

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文化面

各々の文化が尊重された。
使徒規則には宗教の禁止が定められていたらしい。
後にアルテ信仰やアルティス教で奉られる神々の原形となったリディアによる強力な力を持つ空想人物群はリーザにもセレンにも注目されなかった。それらのキャラクターは一時的に作られては忘却され不安定だった。前期に忘却されなかったアルテの数はエルトサールアルテハーディスなどそう多くない。彼らを表す幻字は存在せず、リディアが描いた絵として記録された。ゆえに2人のアルテを同一人物としたり、1人のアルテを複数の人物と誤解することが多かったようだ。

参考文献

セレン=アルバザード"『アルカ』"
アルカの部屋 > アルカ 14|fav|zan
初代アルカ(1980)~2003/10/15当時の中期制アルカまでの歴史

最終更新:2010年01月06日 14:32