kairakunoza @ ウィキ
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ja
2022-09-30T19:09:52+09:00
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らき☆すたの女の子でエロパロ65
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2022-09-30T19:09:52+09:00
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続 ここにある彼方 その後(9)
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/2729.html
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「そうね……逢いたいと思ってた者にとっては、これ以上はない出来事だもんね。
普段はダメなくせに…兄さんもいいこと言えるのね、伊達に小説書いてないわね」
そんなゆきの言葉で重かった空気も平常運行へと変わっていく。
「……おまえは褒めてんのか貶してんのか……」
「あはは……細かいことは気にしない気にしない。姉さんも落ち着きを取り戻したみたいだし
良かった良かったと。くやしいけど、姉さんのことに関しては兄さんには勝てないからね」
ゆきが言うように、平常心を取り戻したかなたが少し恥ずかしげに頬を赤らめている。
「ごめんね、取り乱しちゃって。さっき、たまには実家に帰れば~とか話をしてたときに
ちょっと親のことを考えちゃって……そして、昔、お父さんのことどう思ってたっけ?
って思いだしてるうちに……自分のお葬式の時のこと思い出しちゃって……」
ふぅ~とため息をついてどこか遠くを無表情に見つめる。
「え?お葬式の時って自分の?……姉さん、死んでたのに?」
自らの葬式の様子を知っているという発言に喰い付いてしまう。
今、目の前にかなたが居るという現象も相当おかしいハズなのだが
目に見えてしまっているだけに逆に気にはならないという。
「いや……その……恥ずかしながら、今みたいに幽霊さんしてて自分の葬式見てたの。
今と違って誰にも見る事が出来なかったみたいだったんで気がつかれてないけど」
てへっと照れ隠しに舌をペロっと出してみる。
「…それはつまり成仏出来てなかったと?」
ゆきが恐る恐る聞いてみる。
「それを言うと今も成仏出来てないって事になるけど……
とりあえず成仏というものがどういうものか良く判ってないからなんとも…ね?
そもそもあの世という所にまだ行った事がないし……
そう君には前に話したと思うんだけど…
みんなも寝てるときって夢はともかく睡眠そのものに記憶はないわよね?
夢の記憶さえも残ってなければ、寝てから起きるまでの記憶はまるでなくて
寝てる時間分まるまるワープしたような感じがあると思うんだけど、
今がまさしくそれなのよね。
ハッと起きると数年くらい経過してて現世に現れてるの。
一瞬、わたしは死んだ夢を見てい
2015-03-05T16:54:20+09:00
1425542060
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続 ここにある彼方 その後(8)
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/2728.html
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先程のゆきの発言が癇に障わったのかムスッとしている。
「おまえなぁ、いくら酔ってるからと言って娘たちに手を出したりはしないって。
いくら似てても嫁と娘は違う。娘を抱きしめることはあっても手は出さないよ。
おまえは判ってないんだ、愛情表現で抱きしめるのと好きな女を抱きしめるのは全然違う別物なんだよ。
この前かなたを抱きしめて俺の考えは間違ってないと確信したわ!!」
フンガーと鼻息荒く力強く言い切り、手にしたビールを一気に飲み干す。
軽く茶化したつもりだったゆきにしてみれば、こんなに本気で反論されると予想してなかった。
本気でムスッとしているそうじろうにシュンとしてしまったゆき。
そんなときにゆいがビールを抱えて戻ってくる。
やりとりは全て聞こえていたようで
「まぁまぁ、とりあえず乾杯しましょう」
ごろごろっとテーブルの上にビールとつまみをラフに置くと二人に缶を渡す。
(なんかお父さんが正しいように聞こえてしまうけど、高3の娘相手には
それはな~んか違うんじゃないか?と思うんだけどね~)
でもそれは言わないでおくか、とこなたは思ったのだが
「う~ん、そう君の言ってることはもっともに聞こえるんだけど
こなたもゆたかちゃんも高校生となった今ではなにか違わないかしら?」
かなたの方からサクッと言われてしまった。
こなたが、思わずブプッ!と吹き出してしまう。
(あらららw意外な所から攻撃がwお母さんもおんなじこと感じてたんだねぇ~…)
「小学生くらいまでよねぇ~父親が娘や母親が息子を愛情表現で抱きしめるとか……
中学生くらいから…なんて言うのかしら、犯罪臭くなるというか
世間一般的には、よろしくはないような感じにならないかしら?
……まぁ、わたしも、こなたも、ゆたかちゃんも見た目は小学生とあまり変わらないけども……」
幼児体型なことはどうしてもトラウマってしまうようで、最後のところで少し影が入る。
(おおお!お母さんストレートにいきますね…
しかしお母さん、幼児体型なことをホントに気にしてるんだねぇ…)
そんなかなたの事も気になるが、それ以上にそうじろうの反応が気になるところである。
ニマニマしながらそうじろうの方
2015-03-05T16:44:01+09:00
1425541441
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続 ここにある彼方 その後(7)
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/2727.html
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かなたがふと時計を見る。
20時をそこそこ過ぎた辺りか。
「そういえば、こなた達がご飯作りに行って1時間は経つけどどうなったのかしら?」
いつまでも呼びに来ない娘達を心配する。
「ま、こなただしな、つかさちゃんもいるから失敗とかは無いと思うけど……はっ!!!」
ここで開け放たれたままのドアの存在に気がつく。
「…さっきのシーン見られてたのかもしれないな……」
ドアが大解放のままな為、呼びに来たこなた達に見られてしまい、
気を利かせてそのまま声を掛けずに放置されている可能性を話す。
「はぅ!!」
かなたもしまったとばかりに口元に手をあて紅潮しだす。
「んんああまぁー過ぎたことだ。しょうがない。
このまましれっと向こうにいってみるか」
「そ、そうね……」
「…まぁ、こなた達も、もう大人っちゃー大人だし
あまり気にしなくてもいいんだろうけど…恥ずかしいなやっぱ」
「……はぁ……わたしもそう君を膝枕して舞い上がっちゃって
ドアのことまで気が回らなかったわ…」
ため息を二人してはいた後、とりあえず台所へと向かい始めた。
台所へと着いてみれば、ゆーちゃん達は見当たらず、
こなた達が既に食事を終えて、後片付けの最中であった。
「あっ、お父さんにお母さん…
先に晩ご飯いただいてたよ。お父さん達の分は冷蔵庫にしまってあるよ」
こなたがやって来た二人に声をかける。
が、三人ともどことなくぎこちない。
「な、なんか、空気があれだな」
そうじろうがあちゃーという顔で苦笑い。
「…ま、ドアは閉めといて欲しかったけどさ、ははは」
こなたが困った笑顔ではははと笑い飛ばす。
「わたしとしては、お父さんとお母さんが仲いいのはうれしいけどね」
と言いながら、ごそごそと冷蔵庫からそうじろうの分を取り出し、レンジに入れる。
「んじゃ、お風呂入るんで私達はちょいと部屋に戻るよ。
ゆーちゃんと姉さんは寝ちゃってたけど、このまま起こさなくていいよね?」
「ん~そうだな。二人とも疲れてるだろうし、ゆいちゃんは連休始まったばかりって
言ってたし、ゆっくり寝かせておいてあげた方がいいかな」
こなたが引き継ぎのごとくやり取りを終え台所から退出して
2015-03-05T16:37:56+09:00
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オシノビ
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/2726.html
そういえば、と泉こなたは振り返った。だがそれは少し遅かったらしく、後ろ十メートル先の方に、五人が一人一つずつ持っている提灯の灯りが一つの大きな光りになって揺れていた。
こなたも提灯を持っているのだけれど、こんなもの一つで周囲の暗闇にどう対抗しろと言うのか。怖さと面倒くささを九対一くらいで前に向き直って、未だに震える足に力を入れて歩き出す。
ざり、ざり、と草履が地面と擦れる音が響く度、五人とこなたの距離は遠くなっていく。普段あまりスカートの類を履くことの無いこなたに取って、浴衣はかなり歩きにくい。
もし白い着物で、若干透けていらっしゃる異様に髪の長い女性でも出れば、いつも通りの速さでは走れないだろうなと考えただけで、ただでさえ遅い歩みがまた遅くなる。
「あーああ、――不幸だあああぁぁぁーっ! ってか……」
墓場の入り口。こう表現するとどうも死にに行くような雰囲気がある。
そこで、先ほど出発したこなたを抜いた五人、柊かがみ、柊つかさ、高良みゆき、小早川ゆたか、成美ゆいの五人が、旅館の人が貸してくれた提灯を手に待機していた。
去年の冬から計画されていたこなたの旅行計画は遂にこの夏実現され、電車とバスを乗りついで南に向かう小旅行に出かけていた。
今日はその二日目の夜。三泊四日のこの旅、その中盤ということでテンションが極まったのか、夕食を食べ終えたこなたはこの『ドキッ☆女だらけの肝試し大会! (肝は無いよ)』を計画した(反泣きだったつかさとゆたかは無理矢理連れて来られたのは言うまでもない)。
提灯は腕より少し長い程の木の棒の先に付けられている所為で、その先端でさっきからゆらゆらと揺れている。
提灯の中の蝋燭が傾いて、枠に貼り付けられた和紙に燃え移ったりしないだろうか、と一人つかさが首を傾げようとした瞬間、
「不幸だあああぁぁぁーっ! 」
向こうでこなたの叫びが聞こえた。こなたの声は囲まれた山に語尾だけ跳ね返って、そのまま空に溶ける。
五人揃って跳ねるように体をビクつかせ、つかさとゆたかに至ってはこなたに勝るとも劣らない叫び声を上げるところだったが、隣のゆいとかがみに危うく抑えられた。流石に叫び声の連鎖になることは避けたいのだろう。
「全く、あいつはすぐにマンガのネタ使うんだから。TPOをわきまえてほしいわよ」
かがみは、前にこなたに勧めら
2014-07-07T01:21:50+09:00
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『決して』と心に刻んで
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「もう、いいです」
俯いたままのゆたかちゃんの声に、語る口が止まる。随分話したおかげで、窓の向こうはさっきより濃い暗闇に染まってしまっていた。テーブルを照らす天上から吊るされた傘の照明だけが、私たちに視界を与える。
「もしかしたらって、期待したのが間違ってたんですよね」
か細い声だった。しかし、心底からの怒りに震えている。
「壊れてたんですよね、先輩たちは壊れてた。私たちが気付いていないだけで、少しずつ、着実に壊れていってたんですね。だから、私も気付いてはいたけど対処できなかったし、周りの人もそうなってた」
ははっ、と自嘲気味な笑い方をするゆたかちゃん。小さい口が微かに弧を描いたのが見えた。
「私、ここに住むことになって、こなたお姉ちゃんやおじさんに教えてもらったこと一杯あったんです」
すっと立ち上がって暗闇の向こうへ溶けて行く。テーブルの周りが常に照らされているので、暗闇を見る目には成っていない。居間を出て廊下に行って、そのまた向こうに行くと足音は止んで、代わりにガチャ、ガチャと何かをあさる音が聞こえ始めた。それも数十秒続くと、今度は足音と共にカラン、カラン、と軽い音が聞こえる。トン、カランカラン、トン、カランカラン。それが段々近付いてきて、ゆらっと暗闇からゆたかちゃんがフェードインしてきた。
「一つ、先輩たちにも教えてあげますよ」
トン、カランカラン、トン、カランカラン。カラン。
「壊れたものは叩けば直るんですよ」
暗闇に同化していたゆたかちゃんが一気にこっちに走り寄り、持っていたものをテーブルの上に振り下ろした。ガツン、という甲高い音が耳に響くと同時につかさの短い悲鳴が聞こえる。テーブルの上に振り下ろされたのは、鈍く光る金属バットだった。
「きゃあぁぁぁ!!!」
つかさと揃った悲鳴をあげて、反射的にイスから立ち上がる。ゆたかちゃんがテーブルの上に乗りあがって、すぐにもう一度振り下ろす。今度はドガッ、とさっきより鈍い音がして、刹那逃げ遅れたつかさの叫び声が耳を取り巻いた。
「っっっぁぁぁああぁぁあああぁぁああああ!!!!!!!!!!!!」
暗闇に慣れているのだろうゆたかちゃんは、そのまま後ずさるつかさを追おうとテーブルから降りて、つかさが逃げていった方に歩いていく。
「いやぁ……、やめて、ゆたかちゃん……」
嗚咽がまじったつかさ
2013-02-19T03:05:52+09:00
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みずたまりのほとり(ひより視点・エピローグ)
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/2724.html
「……!」
二人を見て、ぎょっとした。
ゆーちゃんはよかった。不思議なことに、いまのゆーちゃんはもう
さっきまでの何もかもにおびえ続けてたゆーちゃんじゃなかった。
あのことが起きる前の、明るいゆーちゃんだった。
だけど…。
みなみちゃんの痛々しく泣きはらした目。
苦しくて涙がにじんたとかのレベルじゃなくて…思いっきり泣いたばかりの目。
それに…恥ずかしさで今にも気を失ってしまいそうなその表情…。
それらが意味することは…一つしか考えられなかった。
☆☆☆☆☆☆☆
ぽろ…ぽろ…。
大粒の涙がみなみの頬を流れ落ちて、足元の水たまりに溶けていきます…。
それは、ゆたかの切実なお願いに応えて、納得の上でしたこと。
でも…しているうちに、急に涙が出てきて止まらなくなってしまったのです。
…無理もありません。
一番大切な人の前で、一番大切な人に見つめられながらおもらしをして、
泣きたくならない女の子なんて、そんなにいないでしょう…。
「………」
ゆたかはずっと黙ったまま、みなみの顔と、おしっこの跡がきらきら光る脚と、
足元の水たまりとの間に視線をさまよわせていましたが…
「みなみちゃん…」
やっと、口を開きました。
「ごめんね…そして…ありがとう」
「………」
みなみは答えません。涙だけが落ち続けます…。
「うまく…言葉にできない…だけど…とにかく…どきどきする…
してるときも…終わってからも…みなみちゃん…すごくかわいくて…。
泣いてる顔も素敵で…涙も…おしっこも…きらきら輝いてきれいで…」
熱に浮かされて、自分でも何を言っているか分かっていないゆたか。
「………」
みなみは涙が止まるどころか、顔まで真っ赤になって…。
今にも声を上げて泣き出すか、気を失うかしてしまいそうでした…。
その姿は、ゆたかにとってさらに今の感情を煽ることになって…。
「みなみちゃん…ちょっと…顔…下げて。私が届くぐらいまで…」
みなみが、よく分からないままその言葉に従うと…。
ゆたかは、顔をみなみの顔にそっと近づけ、二人の唇が……。
☆☆☆☆☆☆☆
……ああああぁ、何だこれ…自重…自重を…。
何とか妄想を
2012-11-04T01:08:10+09:00
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みずたまりのほとり(ひより視点・3日目)
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/2723.html
あの後、眠れたのはせいぜい1時間ぐらいだった。
だけど、不思議と血の滾りは落ち着いていた。
これなら、学校でみなみちゃんに会っても普通の範囲でいられそう。
学校に着いて、教室に入った。
昨日と同じように、みなみちゃんもゆーちゃんもまだいなかった。
今日もゆーちゃんはたぶん来ない。、
みなみちゃんはまたギリギリまで待ってから一人で来るのだろう…。
…と、思っていたそのとき。
ゆーちゃんが、そっと教室に入ってきた。
驚くのと同時に、少し安心する。
学校に来ることができたってことは、少しは立ち直れたってこと。
「おは…」
「!」
声をかけようとした瞬間、ゆーちゃんはびくっと体を震わせ…。
ばんっ。
ゆーちゃんの鞄が、その場に落ちた。
何人かがその音でこっちを向いて…ゆーちゃんは教室から駆け出していった。
「………」
少しの間に多くのことが起こりすぎて、追いかけることもできなかった。
とりあえず鞄を拾って、ゆーちゃんの机に置いた…。
それから少しして、みなみちゃんも教室に入ってきた。
その表情には、隠し切れない悲痛がありありと表れていた。
きっと、みなみちゃんはバス停でゆーちゃんに会って、
今の私と同じような反応をされたに違いない…。
「ゆたかは…」
「来たけど…すぐに出て行っちゃった。話もできなかったよ…」
「そう…」
ふと、みなみちゃんの姿に違和感を覚えた。
違和感の原因は、みなみちゃんのスカートの下だった。
みなみちゃんのすらりとした脚が、タイツで覆われてなかった。
濡れるものをできるだけ少なくしたかったのか、
脚をできるだけ冷やして利尿作用を高めたのか、
もっと他の理由なのか、それは分からないけど、
どうであれ、それが意味するのは…
みなみちゃんが本気で今日、おもらしするつもりだということ。
ゆーちゃんは、HRで先生が来るのと同時に戻ってきた。
席についてもずっと下を向いて、周りを見ようとしなかった。
たぶん、おもらしのことでいじめられると思っておびえてるんだ。
ゆーちゃんは全然立ち直ってなんかいない。無理して来ただけなんだ。
ゆーちゃんが立ち直って学校に来たんだから、
みなみちゃんがおもらしする必要もなくなったんじゃな
2012-11-04T01:03:50+09:00
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みずたまりのほとり(ひより視点・2日目)
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/2722.html
朝になった。
昨日の夜と違って、気分はすっきりしていた。
たぶん、ネームやイラストに描いたことによって、
心に溜まっていた何かがある程度発散できたのだろう。
これなら、ゆーちゃんとみなみちゃんに普段通り接することができそう。
安心しながら、身支度をして家を出た。
でも…。
通学途中で、不意にかすかな不安が胸に浮かんだ。
その不安は、根拠も分からないのに少しずつ大きくなっていった。
…この不安の正体は、何?
あの出来事をネタにいろいろ描いたのがばれないか、ってこと?
そうじゃない。
あれが他の人、特にゆーちゃんやみなみちゃんにばれたら大変なのは事実だけど、
不安なのはそんなことじゃない。
…結局、不安の原因は分からないまま学校に着いた。
教室に入っても、みなみちゃんとゆーちゃんはいなかった。
普段だったらそんなの、いちいち心配することじゃない。
私が二人より先に着いたってだけのこと。珍しいことじゃない。
もうすぐ、いつものようにバス停で合流して、二人で一緒に来るはず。
頭ではそう分かっているのに、さっきから抱いてる不安が、大きくなった。
………
二人が、来ない。
………
がらっ。
HR開始のチャイムが鳴る直前、みなみちゃんが教室に入ってきた。
みなみちゃんは…一人だった。
「おはよう、岩崎さん…」
私は不安を抑えながら声をかけた。
「…おはよう」
みなみちゃんは、無理して笑顔を作って答えた。
「あの…小早川さんは…?」
みなみちゃんが一人で来たこと自体が明白な答えなのに、尋ねずにはいられなかった。
「……来なかった」
みなみちゃんの無理した笑顔はあっさり消え、悲しみと不安がその表情を覆った。
「………」
私も、みなみちゃんも、それっきり何も言えなかった。
さっきから感じていた不安の正体が、分かった。
そして、その不安はもう現実のものになっていた。
ゆーちゃんは昨日の出来事で、学校に来られないぐらい落ち込んじゃったんだ…。
朝のHRが始まった。
先生から、ゆーちゃんは風邪で休みだと告げられた。
風邪は本当なのかもしれない。濡れたままでしばらく泣いてたし、
帰るまではお風呂で温まることもできなかった
2012-11-04T00:57:44+09:00
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みずたまりのほとり(ひより視点・1日目)
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/2721.html
授業中…みなみちゃんが不意に立ち上がった。
「先生…小早川さんの具合が悪そうです。保健室に連れて行きます」
見ると、ゆーちゃんは確かに顔色が悪く、がたがた震えていた。
さすがみなみちゃん。ゆーちゃんのこと、よく注意してる。
みなみちゃんが近づくと、ゆーちゃんは首を振った。
「だめ…行けない…」
「無理しちゃだめ」
「だめなの…動けないの…」
「歩けないほど辛いの?だったら抱っこしてあげる…だから、行こう」
…私の脳内に、0.05秒でお姫様抱っこの図が完成する。
すでに手が走って、ノートにラフを描き始めていた。
「だめ…触らないで…」
恥ずかしいのか、首を振っていやいやをするゆーちゃん。
大丈夫!何も恥ずかしいことないから!早くお姫様抱っこされて見せて!
「やめて!動いたら…!」
ゆーちゃんの声に構わず、みなみちゃんは手を伸ばす。いいよいいよー!
みなみちゃんの手が触れた瞬間…。
「おしっこがぁ!!」
「!?」
みなみちゃんはすぐに手を離した。
…でも、手遅れだった。
ぽたっ…ぽたっ…ちょろろろ……しゃあああああぁぁ……。
ゆーちゃんが座っている椅子の下に、あったかそうな液体が流れ落ち始めた。
「うわあああんっ!」
ゆーちゃんは机に泣き伏してしまった。
それでもおしっこは止まらず、椅子の下に水たまりになっていく…。
「……」
私は魂を奪われたように、大きくなっていく水たまりを見続けた…。
「……」
みなみちゃんもまた、魂を奪われたようにその場に立ち尽くしていた。
「ぐすっ…えぐっ…みない…で…」
ゆーちゃんが顔を伏せたまま言った。
みなみちゃんは慌てて目をそらし、自分の席に戻った。
やがて、おしっこは止まったけど…。
「ひっく……うぅぅ……えぐっ……うえぇぇん……」
ゆーちゃんは濡れた椅子に座ったまま、いつまでも泣き続けた…。
みなみちゃんがまた立ち上がり、ゆーちゃんの所に行った。
「保健室…行こう。着替えなきゃ、風邪ひいちゃう…」
「……ぐすっ…」
ゆーちゃんがよろめきながら立ち上がった。
みなみちゃんが支えようと手を伸ばすと…、
ぱしっ!
ゆーちゃんは
2012-11-04T00:54:19+09:00
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