究極の選択Ⅱ 哀・戦士編

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Σ案
 人気の失せた放課後の学校。薄暗い資料室の中で、二人の女生徒が互いの指を絡ませ見つめ合っている。
 高良みゆきと柊つかさ。二人は絡ませた指をそのまま強く握り、顔を近付けていく。そのまま、二人の唇が重なった。
「ん……ぁ……ゆき、ちゃん」
「そんなに緊張しなくていいですよ、つかささん……」
 みゆきの表情はいつもと変わらず、聖母のような温もりを湛えている。だがその濡れた眼差しには、妖艶な光が灯っていた。
「うん……」
 従順な子犬の目をして、つかさは頷いた。
「ふふ……良い子ですね……」
 みゆきの腕がつかさの背に回され、その体を優しく抱きしめる。
 もう一度、みゆきがつかさに口付けた。
 オレンジ色の斜陽がうっすら差し込む中で、二人は体を重ね、唇を重ねる。
 みゆきの舌がつかさの中へ侵入し、縮こまっているつかさの舌を探り始めた。
「んっ……!」
 目を閉じていたつかさが声を漏らす。みゆきは抱きしめる手に力を込め、ほのかに甘酸っぱいつかさの口腔をくまなく舐め回した。
 甘く暖かい感触をたっぷり楽しんでから、唇を話す。二人の唾液が銀色の糸を引いた。
 みゆきは抱きしめたつかさの首筋に口付け、舌を這わせる。
「ふぁ、あ……」
 羞恥に顔を染めながら、つかさは身悶えする。
 みゆきは制服越しにつかさの控えめな乳房に手を這わせた。
「そ、そんなに触らないで……私の、ゆきちゃんみたいに大きくないし」
「そんなこと、関係ないですよ」
「でも……」
「つかささんは、とても可愛いです……」
 耳元で囁く。吐息のくすぐったさに、つかさの体が熱くなった。
 みゆきはつかさのネクタイを解き始めた。
「や……だめだよ。誰か来たら……」
「こんな時間の資料室に、誰も来たりしませんよ」
「あの、そうじゃなくて、やっぱり学校で恥ずかしいし……」
「それじゃあ、私も一緒に脱ぎますね」
 にっこり笑ってそう言うみゆきに、つかさはもう何も言い返せなかった。
 みゆきは瞬く間につかさのセーラー服をたくし上げた。シンプルなデザインのブラを軽くずらすと、まだ成長途上といった感じの可愛らしい乳房が露わになった。
「つかささん……」
 みゆきは愛しげに名を呼びながら、つかさの双丘を手の平で円を描くように撫で回す。
 つかさの小振りな乳房は、みゆきの手の平にでも収まってしまう。細い指先が、固くなった乳首を弄ぶ。
「あっ……ふぁ……」
 せわしない呼吸に、つかさの小さな胸が上下する。
 みゆきの唇が、首筋から胸元、そして乳房へ這い降りる。乳首を吸われた途端、つかさの足が力を失い、そのまま体重をみゆきに預けた。
「ご、ごめん、ゆきちゃん」
「いいんですよ。さあ、それよりも……」
 みゆきは自らネクタイを解き、セーラー服をたくし上げた。白磁のような肌が零れる。果実のように瑞々しく白い乳房が、純白のブラジャーに包まれていた。
「今度は、つかささんからもしてください……」
「……うん――」
 つかさの手が、みゆきの胸へ伸びる。豊かな乳房は、飲み込まれてしまいそうなほど柔らかく、暖かかった――



Λ案
 柔らかなベッドが、二人分の体重で軋む。
「あ、あのさ。みゆき……」
 ベッドに背を預けているかがみのすぐ目の前、真上に、みゆきの顔がある。両手でかがみの手首を押さえながら、痛いほど真剣な顔をしている。
「こういう冗談は、私ちょっとリアクションに困るって言うか……」
「冗談でこんなこと、しませんよ」
 ひきつった笑みを浮かべるかがみとは対称的に、みゆきはあくまで真剣だ。
「私は、かがみさんのことが――」
「ちょ、ちょっと待ってってば! 私もみゆきのこと好きだけど、こういうのは、意味が違ってるっていうか……」
「なら、意味を変えてあげます」
「な……!」
 みゆきらしからぬ強引な物言いに唖然とする。
「と、とにかく落ち着いて! こんな押し倒されたみたいな状況じゃ――」
「あら、私ははっきり押し倒しているのですけど」
「う……」
 みゆきがゆっくりと顔を寄せた。少しだけ癖のある髪がかかる。シャンプーの匂いか、ほのかに甘い香りがかがみの鼻孔をくすぐった。
「かがみさん、今の状況、分かってますか?」
 優しく、そして蠱惑的にみゆきが笑った。
「私はあなたを襲ってるんですよ」
 何か言おうとしたかがみの唇が、みゆきのそれで塞がれた。
 吐息の甘さと唇の温かさに酔わされたように、かがみの体から力が抜ける。
 たっぷり十秒以上口付けてから、みゆきはようやく離れる。
「っぁ……みゆき、何でこんな――」
「知りたいんです」
 一度言葉を区切り、両手をかがみの頬に当てる。
「かがみさんのことを、もっと……」
 切なげな声音で呟き、みゆきは二度目のキスをした。
「ん……っ」
 かがみの口内をみゆきの舌がまさぐる。かがみの頭の中は、混乱して真っ白だった。ただされるがままに、何度も唇を貪られ、舌を絡み合わされる。
「抵抗……したければしていいんですよ」
 優しく囁く声に、嘘の響きは無い。
「ただし、逃がすつもりはありませんので」
 ただ瞳に映る光だけが、妖しい艶を帯びていた。
 抵抗しようにも、かがみの体は魔法を掛けられたように動かなかった。動く意志を溶かすほどに、みゆきの口付けは優しく、激しかった――



Ω案
 天は二物を与えずという。だがそれは嘘だ。世の中には二物も三物も持っている人が確実にいる。
「不公平とは言うまい……だけど、持つ者は持たざる者に施すのが徳行てもんだよね」
「え? 何のことですか?」
 学校の更衣室。たまたまみゆきとこなたが二人きりで着替えていた。みゆきのブラに包まれたたわわな胸が、こなたの視界を圧倒している。
「あのさ、みゆきさん。一つ頼みがあるんだけど」
「はい、何でしょう?」
「胸、揉ませて」
「……は?」
 一歩間違えなくてもセクハラなお願いに、みゆきの目が点になる。
「い、いきなりなんですか? そんなこと言われても……」
「そこを何とか、お願い」
 こなたは両手を合わせて懇願する。
「そう言われても、そんなふしだらな行為を――」
「いや、それは違うよみゆきさん。私がみゆきさんの胸を揉みたいのは、これは純粋な知的好奇心からなのだよ」
「え……そうなんですか?」
「うむ!」
 大きく頷いたこなたは、不意に寂しげな表情を作り上げる。
「見ての通り、私は出るとこも出ず、くびれるとこもくびれない幼児体型……みゆきさんのように女性らしい魅力的な体付きとは無縁な存在……」
「そ、そんなに自分を卑下しなくても……」
「大丈夫。私はこんな自分を惨めに思ったりはしないよ」
 こなたは諦めを含んだ切ない微笑みを浮かべる。そのまましばらく間を置いて、クワッと目を見開いた。
「だけどみゆきさん! 私は知りたいのだよ! 巨乳とは如何なる物なのか!? 肩こりするほどのおっぱいって一体どんなもんなのか!? だからみゆきさん! 私のこの願いを聞いてはもらえないだろうか!」
 熱意を込めたド真剣な表情で、こなたが懇願する。
「え……えっと……はい。私で力になれるなら……」
 勢いに押されたか熱意にほだされたか不明だが、なし崩しに了承してしまうみゆきだった。
(計画通り!!)
 一瞬、新世界の神みたいな表情になったこなただが、みゆきは気付かない。
「それでは失礼して……」
 こなたは一応遠慮しがちに、手をみゆきの乳房に伸ばした。手の平にはとても収まらないそれは、揉むというより持ち上げるといった感覚だ。
「うわ、やわらか……」
 ブラの生地越しでも、その何とも言えない柔らかさと暖かさが分かった。少し力を入れると、程よい弾力と瑞々しい張りを指先に感じる。
「ぁ……」
 みゆきが小さく声を漏らした。
「あの、あんまり強く触られると……」
「あ、ごめん。痛い?」
「痛いのとは違うんですけど、その……」
 恥ずかしそうに顔を赤らめながら、みゆきは言葉を濁す。
「ひょっとしてみゆきさん、結構敏感だったりするの?」
 尋ねながら、こなたは乳首の当たりをブラの上から指で押してみた。
「ひぁっ!?」
 みゆきの体がびくりと震え、力が抜けてバランスを崩す。慌ててこなたが支えた。予想以上の反応だ。
「す、すみません……」
「いや、こちらこそ……みゆきさん、胸が感じやすいんだね」
「えっと……そういうことに、なるのでしょうか」
「ふーん……このサイズでなおかつ感じやすいなんて、大変じゃないの?」
「そ、そうですね……ブラジャーを付けていないと、その、擦れたりして……」
「なるほどなるほど……それじゃあ、続けるよ」
「え……まだ、するんですか」
「うむ。あくまで知的好奇心を満たすためにだよ、みゆきさん」
「わ、分かりました」
「じゃあ、ブラはずすね」
「へっ……?」
 反応する間もなく、こなたはみゆきの背後に回り込んでブラのホックを外してしまった。メロンのようなサイズの乳房が、勢いよく露わになる。
「なっ、何を――」
「いやぁ、やっぱり生で揉ましてもらわないと、色々とね。分かりづらいっていうか」
「ちょっ、ちょっと待ってくだ……ひぁぁぁ!?」
 背後から直に鷲掴みされ、みゆきは思わず嬌声を上げる。こなたの『知的好奇心』とやらが満たされるのには、もうしばらくかかりそうだ――



「……うーむ」
 握っていたシャープペンを机の上に放り出し、ひよりは手の甲を額に当てた。
「さて困った……」
 描き終えた三つのネームを、穴が空くほど睨み据える。
 今回の本は、ある人物をモデルとして描こうと決めた。その人物とは、美人で巨乳で成績優秀なお嬢様そして天然眼鏡っ娘と、ひよりの知る限り最高のスペックを持つ萌えキャラ、高良みゆき。
 だがカップリングをどうするかが定まらず、とにかく勢い趣くままペンを走らせてみれば、いつのまにやら「ジェットストリームアタックをかけるぞ!」とばかりにエロい三連星の出来上がりだ。
 このうちの二つは「俺を踏み台にした!?」てな感じでボツとなる。前回のような無茶はそうそう出来るものではない。
「なら何で私はネームを三つも切っちゃうんだか……」
 描いてしまった物はしかたがない。苦笑いとため息を半分ずつ。そのまま、机に突っ伏した。無意識に目を閉じる。

 その時、ひよりの耳にまたあの声が聞こえてきた。

神:おおひよりよ! 死んでしまうとは情けない!
ひ:死んでないっスよ。あとそれ王様の台詞っス。
神:細かいことを気にするのではありません。ひよりよ。またネームの選択で悩んでいますね。そんな時は――
ひ:あー、この前みたく全部描くのはパスで。お陰で死にそーだったんスから。
神:しかしその甲斐あって好評だったでしょう。
ひ:そりゃまあ……でも、今回はちょっと気力が保ちそうにないっス。
神:……フッ、やれやれ。あなたの漫画にかける情熱はその程度でしたか。
ひ:なっ……!?
神:プロットもネームも絞り込むことができない。ボツったネタの再利用すらできない。
   気力が尽きたらペンを持つことすらできない。貴様それでも創作者(クリエイター)のつもりか。恥を知れ!
ひ:ぐ……そんな改変まで使って……!
神:違うというなら証明してみせなさい。
ひ:……!
神:ド根性を出せ! 意識を変化させろ! ネタを再構築して立ち上がれ! ハリー! ハリー! ハリー!!
ひ:……いいでしょう。そこまで言うのなら、やってみせます。私は犬の餌じゃないっスから。
神:良い心がけです。期待していますよ――……

 神の声が遠ざかっていった。

「……はっ!」
 ビクッと体を震わせ目を覚ます。口端に付いていた涎を拭う。三十分ほど寝ていたらしい。
「……三つ、全てか……」
 夢の記憶は残っていた。神様は時に無茶を言う。むしろ無茶しか言わないのかもしれない。
 だが、その無茶を通せる人間こそが――
「……よしっ」
 ペンと原稿用紙を机に用意し、ひよりは深呼吸する。そして吼えた。
「やぁぁぁってやるぜっっ!!」

 嗚呼、ひよりんが行く……解られることなく、浮き世から離れし彼女等を動かすもの。それは、創る意思を持つ者の意地に他ならない。


 数日後。陵桜学園一年D組の教室。
「田村さん欠席なんだって?」
 ゆたかが尋ねると、みなみは普段の無表情に心配の色を浮かべて頷く。
「過労で倒れたらしい」
「過労!? 何があったの? 最近、何か疲れてるみたいだったけど……」
「それは分からない……」
「心配だなぁ……ねえ、今日の放課後、田村さんのお見舞いに行かない?」
「私もそう思っていた……一緒に行こう」
「うん」


作者急病のため次回はお休みします。
田村ひより先生にはげましのおたよりを!



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  • 私なら迷わず こな×ゆき一択だ!
    でも みゆ×かがもレアだし、みゆ×つかも捨てがたい -- (迷ってんじゃん!) (2011-04-11 22:45:01)



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