ここは都内某所のあるスタジオ。茶の間を賑やかす番組が、日々産み出されている場所である。
どうやら今収録されているのは、深夜番組のようだ。


一面ブルーの壁を背に、四人の少女が立っている。
一人はあほ毛、一人はメガネ、残りの二人は姉妹である。
「いや~まさかアニメ化とはねぇ。今だに信じられないよ」
「皆様が御贔屓くださったおかげですね」
「すごいなぁ…緊張するね、お姉ちゃん。」
「……だから…で………そうなるから……うん…」
女三人寄れば姦しい。
四人ならば尚更だろうが、ツインテールの薄紫、ツンデレ印のツリ目の少女は、地面を睨んでブツブツ ブツブツ。
何やら一人で唱えている。
「それでは、一応本日の予定を確認します。」
責任者らしき男の声に、私語も一旦おさまって、八つの瞳が集中する。
「引き続きOPの収録です。皆さん各々のソロは既に撮ってあるので、今日は四人でのダンスをメインに、細かなシーンを撮っていきます」
無言で頷く少女達。更に2、3の注意を伝えると、男は開始を宣言した。


曖昧3cm そry「つかさ。アウト~」
軽快に始まった音楽を、男の声が遮る。
開始から一時間にわたり、繰り返されている光景である。
「あっ、すっ、すいませぇ~ん」
「早いなぁつかさー。みゆきさんの記録を塗り替えたね、こりゃ」
「つかささん…お互い頑張りましょう」
元より機敏な動きとは無縁の二人。遺憾無くその個性を発揮しているようで、
つかさが気張ると、みゆきがトチる。みゆきが力めば、つかさがチョンボ。
ト言う具合いだった。
今までの撮影から、スタッフもある程度は覚悟していたのだが…
どうも彼等のスカウターは旧式だったようである。
「大概にしなさいよつかさ!全然進まないじゃない!」
「ご、ごめんなさい…」
姉の叱咤を受けながら、つかさは動きを確認する。
「ほらほらかがみ、大声ださないで。つかさも反省してるんだからさ」
「…………………ふんっ」
産まれた時から一緒の二人、互いに相手の得手 不得手、一切承知の筈なのだが、今日に限って…随分きびしい。
「では、頭からもう一度お願いしまーす。3・2・1…」
姉を失望させたく無い。
その一念が足を引っ掛け、つかさは派手に転倒した。
「ま゙っ!」
ごつんと響いたその後に、プツンと切れる堪忍袋…
「つかさぁ…アンタわざとやってんでしょ!!!」
胸ぐら掴んで噛みついた。
「そ、そんなこと…ないよ…」
「なら本当にノロマなのね!分かってんの?皆が迷惑してんのよ!!」
「…ご、ごめ…なさい…ぅ…ヒック…エック…」
つかさは遂に泣き出した。どうも…よろしくない雰囲気である。
「………え~と…とっ、とにかく休憩にしましょう。つかさ君も落ち着けば大丈夫ですよ!」
男の言葉を聞いたあと、暫くしてからかがみは放した。
泣き崩れる妹をしり目に、何処ぞえ去ろうとするのを、ガシッと捕まえるこなたの腕。
「………な、何よ…」
振り向いたかがみに向かい、奇妙なポーズでこなたは言った。


「表へ出ろ」


人気の少ない場所へかがみを引っ張っり、鋭い視線を相手に向けて、こなたはゆっくり問掛ける。
「一体どうしたの?かがみらしくないよ、さっきの」
「……………………別に」
うつ向きながらぽつりと一言。それが大分さわったようで、
「しっかり理由を聞かせてよ。いつまでもそんな態度だと、私も穏やかじゃいられない」
瞳に冷たい怒りを燃やす。
「………分かったわよ…」
漸く観念したのか、かがみは静かに話しだした。
「OPにさ…私とこなたのツーショット…あるでしょ」
「………(いい加減にしなさい)の所?」
「そう」
「それが何?」
「…最近。ソロの収録が忙しくて、なかなか会えなかったでしょ?やっと会えて、しかもツーショットなのに…つかさったら…」
下唇を噛みながら、目をうるませて告白する。
『なぁんだ』と、こなたは思った。
「だから…だから私――――――えっ!?」
「もういいよ。寂しがり屋さん」
ぎゅっと抱き締めるその胸は、何とも言えず暖かく、やっと堪えた涙の粒が、ポロポロポロポロこぼれだす。
「私…私…つかさに…酷いこと…ぅぅ…」
「大丈夫。そう思えるなら、きっと大丈夫だよ」
「こなたぁ…こなたぁ…ヒック……うわああぁああぁん!!!」
少女の叫びが空に散る。
優しく背中を摩りつつ、こなたは全部泣かせてやった。
泣きたい時に泣けぬのは、とっても辛い事だから…



「落ち着いた?」
「……うん………ごめん」
「言う相手が違うでしょ」
「………………うん」
「じゃあ行こっか。もうすぐ休憩終わっちゃうし」
踵を返して行こうとすると、クイッと袖が掴まれる。何かと思って振り返ると、かがみが顔を真っ赤にしていた。
暫く黙ったこなただが、どうやら意図に気付いたらしく、かがみに体をスッと寄せ、その唇にキスをした。
離れるそれを追うように、かがみは言葉を口にする。



「大好きだよ……こなた」




コメントフォーム

名前:
コメント:
  • opの曲は難易度高い。踊りも歌も。つかさはドジっ娘だから苦労したろうな〜
    -- アオキ (2012-02-07 23:56:02)

|新しいページ|検索|ページ一覧|RSS|@ウィキご利用ガイド | 管理者にお問合せ
|ログイン|
メニュー


■検索フォーム
入力した単語を含むページの検索を行います。



  • Counter: 13315
  • today: 1
  • yesterday: 1


更新履歴

2012-05-16

2012-05-15

2012-04-30

2012-04-16

2012-04-11

2012-04-02

2012-04-01

2012-03-25

2012-03-06

2012-03-05

2012-03-04

2012-03-03

2012-02-24

2012-02-23

2012-02-22

2012-02-18

2012-02-16

2012-02-11

2012-02-09

2012-02-07

2012-02-06

2012-02-03

2012-02-02

2012-02-01

2012-01-31

2012-01-30

2012-01-28

2012-01-27

2012-01-26

2012-01-22

2012-01-20

2012-01-15

2012-01-13

2012-01-06

2012-01-04

2011-12-16

2011-11-10

2011-10-11

2011-09-19

2011-09-12

2011-09-06

2011-09-04

2011-09-03

2011-09-02

2011-08-03

2011-08-01

2011-07-31

2011-07-26

2011-07-18

2011-07-02

2011-06-25

2011-06-11

2011-05-10

2011-05-09

2011-05-08

2011-05-06


ここの人気ページ
トップ10 (TotalCount)



前月 2012年5月 翌月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31