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    <title>ベイダー卿がゼロのルイズに召喚されたようです @ ウィキ</title>
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    <description>ベイダー卿がゼロのルイズに召喚されたようです @ ウィキ</description>

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    <title>プラグイン/コメント</title>
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たとえば、#comment() と入力すると以下のように表示されます。

- ベイダー卿がゼロのルイズに召喚されたようです　は、最高におもしろい！！！  -- アレクサエル  (2007-06-28 00:55:02)
- デストロイアktkr&amp;br()これはwktkせざるをえない  -- めざまし  (2007-06-28 16:56:26)
- この流れから察するに、星界のようになっていくのだろか？  -- コーホー  (2007-06-28 20:15:26)
- デストロイヤーキター　やばいぜ　ハルキゲニア  -- アインそうふ  (2007-06-29 00:41:51)
- 「し、シールドジェネレーターを早く破壊するんだ！！！(ｒｙ」  -- クロムウェル  (2007-06-29 01:30:57)
- ハルキゲニア星は銀河のどの辺に存在しているんだろうか？  -- しーざー  (2007-06-29 15:26:17)
- おもしろい！キャラがしっかり出てるなあ。  -- シャボン  (2007-06-29 20:31:18)
- 頼む、第３部でおわらせないで続編希望！  -- G  (2007-06-29 23:54:31)
- 続きが気になるよぉ＞＜  -- 総督  (2007-06-30 05:09:35)
- ゆっくり読んでやっとおいついた。やばい！ここでデストとかwktkせざるを得ない。マナ誰か書いて！  -- Y  (2007-06-30 09:36:11)
- ＊マナ＞マンガorz  -- Y  (2007-06-30 09:36:31)
- 良いものを見させて貰った  -- 名無しさん  (2007-07-10 16:26:11)
- 約二ヵ月半にわたりよく頑張った！感動した！  -- 名無しさん  (2007-07-10 19:20:50)
- 面白かった。　GJ  -- 名無しさん  (2007-07-10 20:09:35)
- 確かに面白かった、正直楽しみにしてた  -- 名無しさん  (2007-07-10 21:22:13)
- 面白かったぜ　そして乙！  -- 名無しさん  (2007-07-10 22:04:43)
- 乙と言わざるをえない  -- 名無しさん  (2007-07-10 22:56:30)
- 作者乙、すたーウォーず  -- 名無しさん  (2007-07-10 23:53:56)
- 楽しませてくれてありがとう作者&amp;br()そして乙！！  -- 名無しさん  (2007-07-11 06:39:56)
- スレを立てるまでも無いのでここで。　実は、第四部の作成に取り掛かってます。いつ完成するかわかりませんが、時々スレを立てるのでその時はよろしくです。  -- 作者  (2007-07-11 07:45:09)
- な、なんだってー  -- 名無しさん  (2007-07-11 07:49:57)
- ｷﾀ━━(ﾟ∀ﾟ)━━!!  -- 名無しさん  (2007-07-11 07:56:29)
- May the Force be with you !  -- 名無しさん  (2007-07-11 08:12:40)
- 良好！良好！  -- G  (2007-07-11 08:26:12)
- いやっほー！！  -- 名無しさん  (2007-07-11 09:37:52)
- wktkしながら待ってるんだぜ  -- 名無しさん  (2007-07-11 14:11:09)
- タバサが大好きになりました。第四部ｗｋｔｋして待ってるぜ！！！！  -- 名無しさん  (2007-07-11 17:43:35)
- 楽しみにまってるぜ！メイ　ザ　フォース　ビー　ウィズ　ユー  -- 名無しさん  (2007-07-11 19:12:41)
- やったー！！  -- 名無しさん  (2007-07-11 19:28:17)
- ま、まじっすか!!  -- 名無しさん  (2007-07-11 21:32:04)
- 全俺が泣いた。四部wktk  -- 名無しさん  (2007-07-11 23:31:23)
- 本気で待っているよ。ベイダーで検索する日々を楽しみにしています！  -- 名無しさん  (2007-07-12 00:12:58)
- サイト涙目ｗｗｗｗｗ作者乙ｗｗｗｗ  -- 名無しさん  (2007-07-12 01:38:59)
- 作者乙ｗｗｗｗ四部楽しみに待ってるぞｗｗｗｗ  -- 名無しさん  (2007-07-12 01:42:13)
- 作者乙！そして四部かｗｗｗｗまたｗｋｔｋできるぜｗｗｗ  -- 名無しさん  (2007-07-12 01:46:31)
- 作者さん第3部乙でした。&amp;br() 体に気をつけて第4部頑張ってくださいwww  -- 名無しさん  (2007-07-12 14:52:02)
- 気付いたら第3部おわっとるｗｗｗｗって4部あるのかｗｗｗ  -- 名無しさん  (2007-07-12 18:18:54)
- メイ　ザ　フォース　ビー　ウィズ　ユー 　作者　・・・  -- 名無しさん  (2007-07-12 18:36:55)
- 4部うれしいお( ＾ω＾)  -- 名無しさん  (2007-07-13 01:55:47)
- イヤッホオオオオオオ  -- 名無しさん  (2007-07-13 10:41:32)
- ４部！！！？？？またベイダーが帰ってくるのか！！！期待してるぜ！  -- 名無しさん  (2007-07-13 12:34:23)
- ウィズユー！楽しみにしてます  -- 名無しさん  (2007-07-13 17:03:03)
- 取りあえず4部のが釣りじゃないことを祈る  -- 名無しさん  (2007-07-13 20:48:49)
- 釣りでしょ  -- 名無しさん  (2007-07-13 22:44:10)
- こんな充実感味わったのはじめてだ&amp;br()作者さん乙  -- 名無しさん  (2007-07-13 23:53:15)
- 釣りだったらライトセイバーで斬る&amp;br()&amp;br()釣りじゃなかったら作者GJｗｗｗ  -- 名無しさん  (2007-07-14 17:28:57)
- ４部ｗｋｔｋ！！！！！！！！！！  -- 名無しさん  (2007-07-15 17:57:45)
- 第4部…wktk！！！！！！！！！！！！  -- 名無しさん  (2007-07-16 16:53:17)
- スターウォーズとゼロの使い魔がまさに絶妙な具合に融合してる。素晴らしかった。感動した。続編超期待！！！！乙コーホー！！  -- 名無しさん  (2007-07-16 23:14:42)
- これは神作品決定だなｗｗｗｗ  -- 名無しさん  (2007-07-17 00:28:12)
- やった！！第３部完！！　　　作者「ほお？じゃあ誰が４部をやるんだ？オラオラオラオラ第４部始まるよッッ！！」  -- 名無しさん  (2007-07-18 22:30:54)
- まじで？  -- 名無しさん  (2007-07-18 23:25:07)
-  4部！4部！4部！4部！4部！4部！4部！4部！4部！4部！  -- rodanoS  (2007-07-19 22:57:00)
- すばらしい出来でした(≧∇≦)/ 　　４部ｗｋｔｋ！！！！！  -- 名無しさん  (2007-07-20 12:11:16)
- むっちゃおもろかった。気付いたら最後までいっき読みしてた  -- 名無しさん  (2007-07-20 14:58:07)
- ひやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛四部きちゃうのぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛  -- 名無しさん  (2007-07-20 19:21:12)
- 作者乙そして第四部キターー＼(･∀･)／ーー  -- 名無しさん  (2007-07-20 23:56:03)
- (´･ω･`)まとめの人さん、作者さん、保守してくれた名無しさん、お疲れ様でした。  -- ｸﾞﾗﾝﾊﾞｰｻﾙ  (2007-07-21 00:44:13)
- 面白すぎて涙が出たｗｗｗｗ&amp;br()４部楽しみにしてます  -- 名無しさん  (2007-07-21 16:01:03)
- 読み始めたらイッキにいってしまった。作者とまとめ人ＧＪ＆乙。そして俺は静かに四部を待ち続ける・・・！  -- roruto  (2007-07-21 17:45:04)
- 第四部！？まってます！  -- 名無しさん  (2007-07-22 03:41:59)
- 第四部にも期待してます！  -- 名無しさん  (2007-07-22 23:47:51)
- そして7部まで続くわけだなベイダー  -- ななし  (2007-07-26 06:39:13)
- 続編ｗｋｔｋ！更新中は毎日更新チェックしてたぜ、これは期待せざるをえない。  -- 名無しさん  (2007-08-02 20:56:56)
- ４部は、８月中にくるのかな？かな？  -- 名無しさん  (2007-08-02 23:54:30)
- お前ら釣られ過ぎだろｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ  -- 名無しさん  (2007-08-03 02:53:02)
- ↑釣りなの？釣りなの？  -- 名無しさん  (2007-08-04 23:31:32)
- 釣りなんか関係無い！偉い人にはそれが分からんのですよ！！！！  -- 名無しさん  (2007-08-05 01:01:16)
- 次回作もトレース、オンーーー！！  -- 名無しさん  (2007-08-06 07:23:48)
- まだだ！！まだ終わらんよ！！！！！！！！  -- 名無しさん  (2007-08-06 23:02:54)
- そんなに続いて欲しいか？あの綺麗なEDの後で？  -- 名無しさん  (2007-08-07 06:54:12)
- ああ、続いて欲しいさ！  -- 名無しさん  (2007-08-07 12:22:26)
- もちろん続いてほしいさ&amp;br()作者ならきっと  -- 名無しさん  (2007-08-07 17:23:52)
- （ここでエンディング）  -- 名無しさん  (2007-08-07 18:40:47)
- ↑（゜　д　゜♯）　終　わ　ら　す　な　  -- 名無しさん  (2007-08-08 00:49:27)
- ああ…俺達の冒険は始まったばかりだ！  -- 名無しさん  (2007-08-09 03:30:39)
- ↑それ打ち切りフラグ  -- 名無しさん  (2007-08-09 17:55:01)
- 名無しさんの次回作にご期待ください！！ 来週からは名無しさんの○○がはじまります。  って想像しちゃったじゃないかぁああ！  -- 名無しさん  (2007-08-09 19:54:15)
- 可能性として、お盆明けか？  -- 名無しさん  (2007-08-13 21:54:13)
- おもしろかったああああああああああああああああああああ  -- 名無しさん  (2007-08-16 15:14:05)
- 作者ですが、つづきは考えていません。このお話はこれで終わりです、  -- 名無しさん  (2007-08-17 01:27:41)
- ↑うわあああああああああああ嘘だ！まぁ仮に真実だとしてもこれは名作  -- 名無しさん  (2007-08-17 20:48:02)
- 偽作者自重ｗ  -- 名無しさん  (2007-08-18 00:19:11)
- まだだ、まだ俺は負けてない！  -- 名無しさん  (2007-08-18 09:09:13)
- 本物の作者様は避難所にいます  -- 名無しさん  (2007-08-19 04:23:27)
- これの他にベイダー卿のｓｓってない？  -- 名無しさん  (2007-08-19 22:19:34)
- ジェダイの騎士でもいいし、ジェダイの設定を使ったSSでもいいよ  -- 名無しさん  (2007-08-20 01:27:48)
- 面白かった。ベイダーの無敵なとこがいいね  -- 名無しさん  (2007-08-20 02:32:26)
- 作者様とかキモすぎだろ  -- 名無しさん  (2007-08-21 20:37:46)
- ↑歴史に名を残す偉人を敬ってナニがが悪い  -- 名無しさん  (2007-08-22 01:54:58)
- 新刊もでたことだし、こっちもでないかな？かな？  -- 名無しさん  (2007-08-22 21:18:59)
- ま、あんがとさん。おもろかったよ。  -- 名無しさん  (2007-08-23 01:30:40)
- 次回作に期待している。面白かった  -- 名無しさん  (2007-08-29 01:23:17)
- 二週目が終わった&amp;br()原作より面白い気がするのは俺だけだろうか  -- 名無しさん  (2007-09-04 21:36:17)
- めいざふぉーすびーうぃずゆー  -- 名無しさん  (2007-09-06 01:46:52)
- 続きまだ？  -- 名無しちん  (2007-09-06 12:11:29)
- まさか「紋章の手袋」の縁で第一次ハルケギニア聖杯戦争に召喚なんてことに？  -- 名無しさん  (2007-09-07 02:06:53)
- 頭大丈夫か？  -- 名無しさん  (2007-09-10 16:32:55)
- 一気に読み終わった。面白かった。　　　　　で、次回作は？  -- 名無しさん  (2007-09-12 17:08:14)
- 四部くんの！！？釣りならダークサイドに落ちるわ。  -- 名無しさん  (2007-09-14 00:04:19)
- ベイダーかわいすぎだろ  -- 名無しさん  (2007-09-16 16:10:29)
- とても面白かった！！ありがとう！！  -- 名無しさん  (2007-09-20 22:01:58)
- 「コーホー」の使い方、GJ!  -- 名無しさん  (2007-09-26 17:30:23)
- ギャラクシーウォーズやってくる。  -- 名無しさん  (2007-10-02 11:16:16)
- どこの情報に踊らされてるのか知らんが四部とかねーですよ  -- 名無しさん  (2007-10-12 17:45:36)
- 分かってても縋りたい幻想ってのはあるんだ。察してやれ  -- 名無しさん  (2007-10-13 14:05:42)
- 四部ﾏﾀﾞｰ  -- 名無しさん  (2007-10-13 20:34:52)
- そんな幻想、俺がぶっ殺す！  -- 名無しさん  (2007-10-14 08:25:30)
- 更新されてたからてっきり続きが出たのかと・・・  -- 名無しさん  (2007-10-15 22:42:02)
- 続きじゃなかったのか…  -- 名無しさん  (2007-10-22 21:26:44)
- やっと続きが―――来てなかった  -- 名無しさん  (2007-10-27 23:55:47)
- 今日久々に見に来てコメ欄みたら続編やるってあって興奮したけど、釣りだったんかなぁ…(;_;)  -- あ  (2007-11-11 22:47:45)
- ベイダーの続編がでてこないかなぁ・・・  -- ベイダー２世  (2007-11-27 22:24:43)
- 友達もこの作品をみたけどとてもうけがよかった！  -- 名無しさん  (2007-11-27 22:26:49)
- ためしに誰か続編　書　い　て　み　な　い　か　？  -- 名無しさん  (2007-11-27 22:27:41)
- ベイダー卿もう出てこんのかな・・・とてもおもしろかったのに・・・  -- 名無しさん  (2007-11-27 22:30:16)
- こんなに奇麗にまとまった作品はめったに出会ったことがない！どうか作者の人やめないで！！！  -- 名無しさん  (2007-11-27 22:35:53)
- パルパティーン皇帝がベイダーのいる銀河系がわかったのならすでにルイズ達のいる場所も特定しているはず！すぐに後続の侵攻艦隊を派遣しないのだろうか？皮肉にベイダー卿がその侵攻艦隊の司令官に任命され惑星制圧の命令がくだらないのだろうか・・・  -- 名無しさん  (2007-11-27 23:05:53)
- 確かに・・・この作品をみてスターウォーズを見たけど皇帝だったらベイダーのもつダークサイドを確実なものにするためにルイズ達を始末にかかるかも・・・愛する妻パドメを結果的にベイダー卿が殺してしまったように・・・  -- 名無しさん  (2007-11-27 23:11:00)
- もっと続いて欲しかったよおおおおおお  -- 名無しさん  (2007-11-30 18:55:33)
- メイ ザ フォース ビー ウィズ ユー ロード ベイダー！！！  -- 名無しさん  (2007-11-30 18:57:53)
- しばらく見ない間に小学生の溜まり場になってるorz  -- 名無しさん  (2007-12-03 20:33:16)
- 双方の作品を知り尽くしていなければ描くことのできなかった世界でしょう。とても面白く読ませていただきました  -- 名無しさん  (2007-12-06 02:50:26)
- これを読んだお陰で背が伸びました  -- 静岡県・大学生  (2007-12-06 09:37:58)
- 超ｵﾓｼﾛｶｯﾀ(´；ω；｀)  -- 名無しさん  (2007-12-07 06:51:48)
- [Mr.0の使い魔  -- 名無しさん  (2007-12-07 11:14:52)
- 投稿ミスった・・・ゼロのルイズに召喚される系「Mr.0の使い魔」「ゼロと聖石」「エデンの林檎」等もお勧め。  -- 紹介  (2007-12-07 11:44:15)
- ゼロの使い魔にダースベイダーをだしたのは斬新でとてもよかった。ぜひ続編をかいてほしい  -- 名無しさん  (2007-12-07 21:06:29)
- あれ  -- 名無しさん  (2007-12-08 23:40:25)
- おもすれーーー続きうｐ  -- 名無しさん  (2007-12-10 02:37:24)
- シスの暗黒卿のダースベイダーがいい奴にみえてきた  -- 名無しさん  (2007-12-14 19:47:15)
- 次回作に期待している。面白かったぞチクショー！  -- 名無しさん  (2007-12-26 04:46:33)
- 明けましておめコーホー　今年もよろコーホー  -- 名無しさん  (2008-01-01 06:10:11)
- 新シリーズが始まったかと思った  -- 名無しさん  (2008-01-17 11:02:53)
- くっそ、おもしろかった  -- 名無しさん  (2008-01-19 00:49:09)
- つづきはー  -- 名無しさん  (2008-01-27 23:06:44)
- オープニング　出来は良くないけど　http://www.geocities.jp/starwars0flash/starwars.swf?txt01=%E3%82%BC%E3%83%AD%E3%81%AE&amp;txt02=%E4%BD%BF%E3%81%84%E9%AD%94&amp;txt03=%EF%BC%92&amp;txt04=%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%83%E3%82%BF%E7%99%BB%E5%A0%B4&amp;txt05=%E5%9C%9F%E3%81%8F%E3%82%8C%E3%81%AE%E3%83%95%E3%83%BC%E3%82%B1%E9%A8%92%E5%8B%95%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%9D%E4%B8%80%E6%9C%88%E5%BE%8C%E3%80%82%E3%83%8F%E3%83%AB%E3%82%B1%E3%82%AE%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%81%AB&amp;txt06=%E6%9A%97%E9%9B%B2%E3%81%8C%E7%AB%8B%E3%81%A1%E8%BE%BC%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%9F%E3%80%82%E5%A7%8B%E7%A5%96%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%9F%E3%83%AB%E3%81%8B%E3%82%89%E5%BB%B6%E3%80%85%E3%81%A8%E7%B6%9A%E3%81%8F&amp;txt07=%E4%B8%89%E7%8E%8B%E5%AE%B6%E3%81%AE%E4%B8%80%E3%81%A4%E3%80%81%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%93%E3%82%AA%E3%83%B3%E7%8E%8B%E5%AE%A4%E3%81%AB%E8%B2%B4%E6%97%8F%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%8C%E5%8F%8D%E6%97%97%E3%82%92&amp;txt08=%E7%BF%BB%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%AE%E3%81%A0%E3%80%82%E6%95%B0%E3%81%A8%E8%B3%87%E9%87%91%E5%8A%9B%E3%81%AB%E5%8B%9D%E3%82%8B%E8%B2%B4%E6%97%8F%E6%B4%BE%E3%81%AF%E8%87%AA%E3%82%89%E3%83%8F%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%82%B2%E3%83%8B%E3%82%A2&amp;txt09=%E3%81%AE%E7%B5%B1%E4%B8%80%E3%81%A8%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%95%E3%81%AB%E5%A5%AA%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%81%9F%E8%81%96%E5%9C%B0%E3%81%AE%E5%A5%AA%E9%82%84%E3%82%92%E7%9B%AE%E6%8C%87%E3%81%99%E9%9D%A9%E5%91%BD%E7%B5%84%E7%B9%94&amp;txt10=%E3%80%8E%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%80%8F%E3%82%92%E5%90%8D%E4%B9%97%E3%82%8A%E3%80%81%E7%9D%80%E3%80%85%E3%81%A8%E7%8E%8B%E5%85%9A%E6%B4%BE%E3%82%92%E8%BF%BD%E3%81%84%E8%A9%B0%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%9F  -- 名無しさん  (2008-02-04 21:53:56)
- GJ！  -- よっしー  (2008-02-16 06:59:11)
- 乙  -- 名無しさん  (2008-02-16 23:33:53)
- 四部楽しみ！  -- 名無しさん  (2008-02-26 00:55:37)
- 神降臨！久々にビリビリ来た  -- 名無しさん  (2008-03-01 21:22:39)
- スターウォーズメイカー！そういうのもあるのか。  -- 名無しさん  (2008-03-02 18:30:55)
- 斬新過ぎただろうこれ！いやぁ実に良かった！実に！  -- ジャンリュック  (2008-06-06 01:54:35)
- おもしろかった &amp;br()ちょっと切なくなりました  -- 名無しさん  (2008-08-16 04:32:29)
- こんなきれいに終わってるのに続編希望とか言うやつなんなの？  -- 名無しさん  (2008-08-16 10:16:28)
- 作者が続編書くっぽいこと言ってた気がする、だからだろ。  -- 名無しさん  (2008-08-18 21:07:08)
- 続編楽しみだな  -- 名無しさん  (2008-08-31 13:32:01)
- こんな感じか？　シエスタ「ベイダー卿の悪口は許しません！」　ハン・ソロ「ホントどうなってるんだ(´･ω･`)」  -- 名無しさん  (2008-09-07 15:40:08)
- かっけぇまじかっけえ　感動したわ。  -- 名無しさん  (2008-12-08 17:55:19)
- ﾀﾞｰｽﾍﾞｲﾀﾞｰがｶｯｺ良すぎた〜  -- バルトス  (2008-12-29 14:52:03)
- 荒らしにスレが埋められて非常に残念だ・・・・・・  -- 名無しさん  (2009-01-04 21:01:37)
- あー…ほんとだ、あそこは俺の魂の憩いの場所でもあったのに  -- 名無しさん  (2009-01-27 01:04:54)
- ４部……いつまでも待ってるぜ……  -- 名無しさん  (2009-04-06 01:48:27)
- すごく綺麗ｎ続編は  -- 名無しさん  (2009-05-05 04:04:08)
- すごく綺麗に終わってるし続編はいらないかも。ただこの作者の作品はもっと見たい  -- 名無しさん  (2009-05-05 04:05:27)
- ベイダー卿かわいいな  -- 名無しさん  (2009-05-06 16:32:35)
- 次があるのか期待  -- 名無しさん  (2009-05-26 20:50:00)
- やっぱこのSSは最高に面白い  -- 名無しさん  (2009-09-07 09:20:59)
- 続編はともかく番外編みたいなのは見たいかも  -- 名無しさん  (2009-09-29 19:28:58)
- 懐かしい　あれからもう二年か  -- 名無しさん  (2009-10-06 21:32:16)
- セロ魔と他作品のコラボは色々有るようですが、自分が読んだ中では、この作品が一番だと思いました。実に面白かったです。  -- 名無しさん  (2009-10-20 03:40:21)
- とてもおもしろく第四部があるなら是非読みたいです。　続きならジェダイに帰還したアナキンが出たりするのかな楽しみ！！  -- Raven  (2009-10-20 23:47:00)
- 俺たちは……何時までも第四部を待ってるぜ！  -- Uchida  (2009-11-06 22:08:35)
- ここで終わるからいいんだと思うよ。想像の余地を残す終わり方のがいい  -- ななし  (2009-12-13 03:45:34)
- たしかにココで終わるからこそ読後がさわやかなんだとおもう。続きは蛇足だべさ  -- 名無しさん  (2009-12-16 18:10:05)
- 久しぶりに読み直したがやっぱり面白いわー  -- 名無しさん  (2010-03-15 20:41:18)
- 全SSで一番好きかも知れない。傑作  -- 名無しさん  (2010-04-10 15:42:37)
- また読み返してしまった。 後日、ライトサイド側がハルケギニアにきたときに、ベーダーの評判に、困惑するとこ妄想してる  -- ｋｚ  (2010-04-20 01:25:56)
- #comment()  -- 名無しさん  (2010-04-23 18:38:19)
- 面白かった。続編が無いからこそ綺麗に終わってると思うけど、今度はルークが召喚されたら面白いななんて思ったりなんかしちゃったりして  -- 名無しさん  (2010-05-11 20:50:08)
- #comment()  -- 名無しさん  (2010-06-09 19:19:08)
- ドコモのCMを見て、ベイダー卿「解せぬ、なぜ私を選んだのだ？」ルイズ「べ、別に狙って召喚したわけじゃないわよ！」ってのが頭に浮かんだｗ  -- 名無しさん  (2010-06-09 23:03:13)
- ぶっ続けで一気に読んでしまった。本当に面白かった。  -- 名無しさん  (2010-07-15 03:52:48)
- ｾﾞﾛ魔ｸﾛｽでこれ以上は無い程素晴らしい作品でした、感動をありがとう。そしてﾙｲｽﾞｗ｢ｺｰﾎｰ｣が子守唄代わりとはｗｗｗ  -- 名無しさん  (2010-08-25 21:29:07)
- 才人とベイダーがたたかえばいいのに  -- 名無しさん  (2011-03-30 02:19:21)
- 俺が最後のコメントだ！  -- 名無しさん  (2011-04-08 19:41:52)
- うんこうんこ  -- 名無しさん  (2011-04-21 20:35:28)
- 俺が最後のコメントだ  -- 名無しさん  (2011-11-21 21:30:55)
- いや俺だから  -- 名無しさん  (2011-12-05 02:59:25)
- 残念だな俺だ  -- 名無しさん  (2011-12-10 19:30:13)
- はは、冗談はよせ、俺が最後のコメントだ  -- 名無しさん  (2012-01-16 16:23:32)
- 面白かったです。  -- 名無しさん  (2012-02-05 15:13:29)
- 面白かったです。フォースと共にあらん事を  -- 名無しさん  (2012-03-25 03:00:33)
- &amp;gt;才人とベイダーが...　一方的な虐殺やめろや！  -- 名無しさん  (2012-04-15 13:44:23)
#comment    </description>
    <dc:date>2012-04-15T13:44:23+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www33.atwiki.jp/darthvader/pages/21.html">
    <title>ワルド登場～ワルドとの決闘</title>
    <link>http://www33.atwiki.jp/darthvader/pages/21.html</link>
    <description>
      349 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/04(金) 00:43:21.66 ID:U1shy0aw0 
「貴様、僕のヴェルダンデに何をするんだ！」 
興奮するギーシュが薔薇の造花を掲げるより早く、その喉元に羽帽子の貴族の杖が 
突きつけられていた。 
ギーシュが凍りつく。 

「僕は敵じゃない。姫殿下より君たちに同行することを命じられた、女王陛下の魔法衛士隊、 
グリフォン隊隊長、ワルド子爵だ」 

ギーシュは相手が悪いと知ってうなだれた。魔法衛士隊は全貴族の憧れである。 
ギーシュも例外ではない。 

ワルドはそんなギーシュの様子を見て、首を振った。 
「すまない。婚約者が、モグラに襲われているのを見て見ぬ振りはできなくてね」 


「コーホー」 

機械製の両脚が重いため、乗馬で腰に負担がかかるのが避けられないベイダー卿は、やはり 
どこか憂鬱そうに馬に載せた鞍を撫でていた。 


359 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/04(金) 00:47:45.90 ID:U1shy0aw0 
「ワルドさま……」 
立ち上がったルイズが、震える声で彼の名を呼んだ。 
昨日の昼、姫君の馬車を守るその姿を見てから、ルイズは押し寄せる甘美な思い出の波に 
さらわれ、魂が抜けたようになっていたのである。 

親同士が取り決めた婚約ではあったが、幼いルイズにとって優しく強いワルドは憧れの人だった。 

ワルドの両親が相次いで亡くなり、彼が魔法衛士隊に入隊してからは、会う機会もなくすっかり 
忘れていたのだった。 

だが昨日の再会を経て、幼い日の憧れは唐突にルイズの胸を焦がしていた。 


363 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/04(金) 00:50:19.57 ID:U1shy0aw0 
「久しぶりだな、ルイズ！　僕のルイズ！」 
ワルドは人懐っこい笑みを浮かべると、ルイズに駆け寄り、そのまま抱き上げた。 

「相変わらず軽いな、きみは。まるで羽のようだ」 
「お恥ずかしいですわ」 

ワルドに抱き上げられたまま、ルイズは少々離れて立つベイダーの方を横目で見た。 

腕組みをして馬を見ている。 
馬の方はと言えば、彼から発せられる威圧感に、怯えたようにいなないていた。 

一体何をやっているんだろう……。 


373 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/04(金) 00:53:27.34 ID:U1shy0aw0 
「彼らを、紹介してくれたまえ」 
ワルドはルイズを地面に下ろすと、再び帽子を目深にかぶって言った。 

「あ、あの……、同級生のギーシュ・ド・グラモンと、使い魔のダース･ベイダーです」 
ルイズは交互に指差した。 

ギーシュは深々と頭を下げた。 
ベイダー卿はそもそも聞いていない。 

「あれがルイズの使い魔かい？　人……なのか？」 
ワルドが呟く。 

「平民です、ワルド子爵！」 
ギーシュが顔をしかめた。 
「おまけに貴族に対する礼儀を知らない、粗野で生意気な平民です」 
ルイズはじと目でギーシュを見た。大物かと思ったが、また格下げだ。 

ワルドは頷きながらギーシュの愚痴を聞いていたが、あまり興味を引かれた様子はない。 

「時間だ。そろそろ出発するとしよう」 
ワルドが口笛を吹くと、朝もやの中からグリフォンが現れた。 
鷲の頭と上半身に、獅子の下半身がついた幻獣である。 
立派な羽も生えている。 


380 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/04(金) 00:56:12.04 ID:U1shy0aw0 
ワルドはひらりとグリフォンに跨ると、ルイズに手招きした。 
「おいで、僕のルイズ」 

ルイズはしばらくモジモジしていたが、ワルドに抱きかかえられ、グリフォンに跨った。 
ギーシュは慌てて馬の方に駆け寄り、ベイダーと目を合わせないようにしながらひらり、 
と馬上に身を躍らせた。 
ベイダー卿も、しぶしぶといった気配を漂わせながら騎乗する。 

ワルドは手綱を握り、杖を掲げて叫んだ。 
「では諸君！　出発だ！」 
グリフォンが駆け出す。 
ギーシュも感動した面持ちで後に続く。 

ベイダー卿は腰の位置を色々と試行錯誤しながら後に続いた。 


394 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/04(金) 01:03:12.04 ID:U1shy0aw0 
アンリエッタは出発する一行を学院長室の窓から心配そうに見つめていた。 
ひざまずいて目を閉じ、手を組んでお祈りする。 
「彼女たちに、加護をお与えください。始祖ブリミルよ……」 

隣では、オスマン氏が鼻毛を抜いていた。 

アンリエッタは立ち上がり、オスマン氏に向き直った。 

「見送らないのですか、オールド・オスマン」 
「ほほ、姫、見てのとおり、この老いぼれは鼻毛を抜いておりますでな」 
アンリエッタは呆れた様子で首を振った。 
「トリステインの未来がかかっているのですよ。なぜ、そのような余裕の態度を……」 


444 ：&gt;&gt;429採用して差し替え ：2007/05/04(金) 01:16:31.19 ID:U1shy0aw0 
「なあに、彼ならば、道中どんな困難があっても必ずややり遂げてくれますでな」 
アンリエッタは眉根を寄せる。 
「彼とは？　ワルド子爵ですか？　それともグラモン元帥のご子息の……？」 

オスマン氏は首を振った。 

「ならば、あのルイズの使い魔が？　まさか！　ルイズが言うには、彼は平民では 
ありませんか！」 
「……彼は別れ際に何と言ってましたかな？」 

アンリエッタはしばし宙を見つめ、記憶を手繰り寄せた。 

「『メイ・ザ・フォース・ビー・ウィズ・ユー』と」 
「なら姫もそう祈って差し上げなさい」 

言われて、アンリエッタは再び膝を突いた。 

（メイ・ザ・フォース・ビー・ウィズ・ユー、わたくしのルイズ） 


428 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/04(金) 01:12:29.76 ID:U1shy0aw0 
一方こちらは寄宿舎の一室。 
グリフォンを呼ぶ口笛で目を覚ました、卓越した耳の持ち主が、駆けていく一行の背を窓越しに 
じっと見つめていた。 
朝もやの中に消えていく、一頭のグリフォンと二頭の馬。 

「心配」 
雪風のタバサはそう呟き、自分も口笛をひと吹きすると、身支度を整えて親友の部屋に向かった。 

窓の外にやって来た巨大な影が、辺りに誰もいないことを確認してから、呟いた。 
「お姉さまったら、あんなののどこがいいのね。きゅいきゅい」 


888 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/05(土) 00:57:59.23 ID:pxe2xmpa0 
馬を何度も替え、アルビオンへの玄関口ラ・ロシェールに到着したのはその日の夜であった。 

途中でキュルケとタバサが合流し、一行はにわかに賑やかになった。 

そして、宿を探す途上……。 

「ツェルプストー、あんた何しに来たの？」 
ルイズは腕を組むと、キュルケをにらみつける。 
「勘違いしないで。あなたを助けにきたわけじゃないの。ねえ？」 
キュルケはしなをつくると、グリフォンに跨ったワルドににじり寄った。 
「おひげが素敵よ。あなた、情熱はご存知？」 

どうやらキュルケが誘いに乗ったのは、ワルドに気があったからのようだ。 

だがワルドは、ちらっとキュルケを見つめて、左手で押しやった。 
「あらん？」 

「助けは嬉しいが、これ以上近づかないでくれたまえ」 
「なんで？　どうして？　あたしが好きって言ってるのに！」 
とりつく島のない、ワルドの態度であった。 
「婚約者が誤解するといけないのでね」 
そう言って、ルイズを見つめる。ルイズの頬が染まった。 
「なあに？　あんたの婚約者だったの？」 
キュルケはつまらなそうに言った。やって来た理由の半分がいきなりなくなってしまった。 

「そういえばあんたの使い魔は？」 
辺りをきょろきょろ見回してから、キュルケは警戒心もあらわに尋ねた。 
一番の懸案事項はこちらだ。 


893 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/05(土) 01:02:44.58 ID:pxe2xmpa0 
「ギーシュと一緒に馬を駅に預けに行ってるわ」 
それを聞いて、キュルケは面白そうに笑った。 
「彼と一緒なんて、ギーシュは生きた心地もしないでしょうね」 
「青ざめた顔してたわ。ま、ベイダーも馬が苦手で疲れてるみたいだし、騒動は起こさないで 
しょうけど」 

ワルドが二人の話に割って入った。 
「ルイズ、きみの使い魔の平民はそんなに凶暴な奴なのかい？」 
そんなに危なくもない――とルイズが口を開こうとするのをさえぎる形で、キュルケが発言した。 

「凶暴も凶暴よ。危険人物。学院の教師だって持て余してるわ。ね、タバサ？」 
キュルケが平行して歩くタバサに話を振る。夜だけに、さすがに本を読んではいなかった。 
タバサはキュルケの方をじっと見て、一言も喋らない。賛成しかねる、とその表情が語っていた。 
「あらあら、タバサはずいぶんとあの使い魔の肩を持つのね」 
「よしなさいよ、ツェルプストー」 

そこで、後方の闇の中からあの呼吸音が聞こえてきた。 


895 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/05(土) 01:05:07.38 ID:pxe2xmpa0 
「噂をすればなんとやら、ね」 
キュルケがちょっと緊張した声色で言った。 

ルイズは、傍らに立つワルドがすこし体を強張らせた気がした。 


898 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/05(土) 01:09:53.53 ID:pxe2xmpa0 
「ほとんど休みもなしで駆け続けるなんて、衛士隊の連中は化け物か」 
ギーシュが独り言をこぼす。 
本来馬で二日かかる道のりを一日で駆け抜けたのだから、体が疲労で悲鳴を上げていた。 

「コーホー」 
人一人分の距離をおいて歩くベイダー卿も、口にこそ出さないものの相当疲れている様子が 
うかがえる。 


900 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/05(土) 01:12:29.12 ID:pxe2xmpa0 
「きみ……卿も疲れるん……ですね」 
ギーシュの口調はぎこちない。 

港町ラ・ロシェールは人口三百ほどの小さな町だが、アルビオンと行き来する人々で、常に 
その十倍以上の人間が通りを闊歩している。 
その大半が荒くれ者の船乗りや怪しげな行商人たちなので、揉め事が絶えない。 
下手にベイダー卿の機嫌を損ねれば、そうした事件の一つとして闇に葬り去られかねなかった。それなのに、相手が平民であるという意識が抜け切らないため、こんな口調になってしまうのである。 

かと言って沈黙を守り続けることができないのも、ギーシュがギーシュたる所以であった。 

「あ、あのワルドって奴、かなりの腕利きみたい……ですね。スクウェアクラスかも。きみ…… 
いや、卿とどっちが強いでしょうか」 


903 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/05(土) 01:17:57.68 ID:pxe2xmpa0 
うるさそうに取り合わなかったベイダー卿が、ようやく口を開いた。 
「ダークサイドの前に敵はいない」 
「そ、そうですよね、あははは……」 
どこまでも寒々しい二人の会話であった。 


「港町ラ・ロシェールといったか」 
しばらく歩くと、唐突にベイダーが口を開いた。 
「は、はいベイダー卿」 
「見た所山しかないようだが？」 
ベイダー卿の知る『港』といえば第一義的には宇宙港を指すのだが、この星に大気圏を脱出する 
技術がないのは確認済みだ。 
とすれば、砂漠の星で育った彼には馴染みが薄いものの、いくつかの星で見たことのある、 
海を行く船が寄港する場所と踏んでいたのである。 

ところが予想に反して、ラ･ロシェールは峡谷に挟まれた峠のような場所であった。 

「きみは、アルビオンを知らないのか？」 
思わずそう言ってしまってから、ギーシュは慌てて口をつぐんだ。 
酒場の店先から漏れる光で、ベイダー卿が自分の方を見たのがわかったからである。 

「あ、アルビオンは浮遊大陸なんですよ。ふ、『風石』を積んで空を飛ぶ船で行き来するんです」 
ベイダー卿の持つ常識と、どこまで合致するかわからない。ゆえにどこまで説明するべきなのかも 
わからない。ギーシュは半泣きだった。 

幸いそこで、ルイズたちの後姿が見えたので、ギーシュはほっと胸を撫で下ろした。 


905 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/05(土) 01:23:52.41 ID:pxe2xmpa0 
「なんできみたちがここに？」 

いつの間にか増えていた二人を見て、ギーシュは目を丸くした。 
だが、キュルケとタバサは彼を無視した。 

キュルケはルイズを背に隠すようにして立ち、タバサの方はベイダーの前に歩み寄る。 
「ベイダー卿」 
ぺこり、とお辞儀。ほとんど、臣下が君主に対して取る礼に近い。 

そんなタバサを、キュルケがハラハラしながら見守っている。 


908 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/05(土) 01:26:46.25 ID:pxe2xmpa0 
ワルドはこの有様を見て、この場の力関係を概ね把握した。 
隣のルイズにそっと話しかける。 

「君の使い魔はずいぶん優秀なようだね」 
「そ、それほどでもないけどね」 
グリフォンの背の上での雑談で、ルイズとワルドは打ち解けた口調で話せるようになっていた。 

「胸を張ったほうがいい。使い魔は呼び出したメイジその人を表す」 
「あ、あんなのがわたしを表してるっての？」 
ルイズはキュルケの肩越しにベイダーを見た。 
相変わらず黒ずくめで、闇に溶け込んでいる。これが自分を表してるだなんて言われたら、 
ちょっといやだ。 

「揃ったようだね、諸君。宿は見つかった」 
ワルドが高らかに宣言し、一行はラ･ロシェールで一番上等な宿、『女神の杵』亭に向かった。 


910 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/05(土) 01:30:07.93 ID:pxe2xmpa0 
『女神の杵』亭一階の酒場で、一行はくつろいでいた。とはいえ、酒の飲めないベイダー卿は 
さっさと部屋に引っ込み、ギーシュは疲労困憊、タバサは相変わらず無口なので、ほとんど 
飲み物を飲むだけである。 

そこに、『桟橋』へ乗船の交渉に行っていたワルドとルイズが帰ってきた。 
「アルビオンに渡る船は、明後日にならないと出ないそうだ」 
「急ぎの任務なのに……」 
ルイズは口を尖らせている。それを聞いて、半ば卓に突っ伏すような姿勢のギーシュは 
ほっとした。これで明日は休んでいられる。 


915 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/05(土) 01:33:45.81 ID:pxe2xmpa0 
「あたしはアルビオンに行ったことないからわかんないけど、どうして明日は船が出ないの？」 
そう問うキュルケの方を向いて、ワルドが答えた。 
「明日の夜は月が重なるだろう？　『スヴェル』の月夜だ。その翌日の朝、アルビオンが最も 
ラ・ロシェールに近づく。……さて、今夜はもう寝よう」 
ワルドは鍵束を机の上に置いた。 

「キュルケとタバサは相部屋だ。そして、ギーシュとベイダーが相部屋」 

ギーシュは天を仰いだ。あの呼吸音を聞きながらでは、一晩中眠れないかもしれない。 

「僕とルイズは同室だ。婚約者だからな。当然だろう？」 
ルイズがはっとして、ワルドの方を見る。 
「そんな、ダメよ！　まだ、わたしたち結婚してるわけじゃない！」 
しかしワルドは首を振って、ルイズを見つめた。 
「大事な話があるんだ。二人きりで話したい」 


919 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/05(土) 01:36:24.66 ID:pxe2xmpa0 
ギーシュがとぼとぼと階段を上り、部屋に入ると、暗闇の中でベイダー卿が窓に向かって 
突っ立っていた。 

「コーホー」 
「う、うわぁッ！　お目覚めでしたか、ベイダー卿！」 

ベイダーがゆっくりとギーシュの方を振り返る。 
闇の中に、色とりどりに発光する胸の部分が浮かび上がった。 


923 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/05(土) 01:38:56.04 ID:pxe2xmpa0 
「ギーシュといったな」 
「は、はっ」 
思わず膝を突くギーシュ。他にどんな選択肢があったろう。 

「あのワルド子爵がどうも気に入らないのだが、なぜだと思う？」 
ギーシュは返答に窮した。そもそもこの暗黒卿が気に入る人間などいるのだろうか。 

「わ、わたくしめにはわかりかねます」 
「よい。初めから期待してはいない。もう休むがいい」 
「はっ」 

ギーシュは頭を下げ、部屋の入り口に近い方のベッドに潜り込んだ。 

もはや安眠は諦めていた。 


932 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/05(土) 01:42:30.67 ID:pxe2xmpa0 
翌朝、ルイズが目を覚ますと、ワルドはもう起きていた。 
昨夜話し合ったことが、ルイズの小さな胸に去来する。 

思い出話から始まり、いきなり結婚を申し込まれた。 
答えに躊躇していると、ベイダーが始祖ブリミルを守護する最強の使い魔『ガンダールヴ』で 
あることを告げた。 
そのガンダールヴを召喚したルイズは、もう十分立派なメイジである、そう口説かれた。 

しかしながら、ワルドとの結婚と、ベイダーとの契約、どうしたわけか両者は秤の両天秤に 
思われた。 

果たして自分はワルドと結婚してもベイダーを使い魔としてそばに置くのだろうか？ 

煩悶するルイズに、ワルドは優しく微笑みながら、もう寝るように言った。 
「急がないよ、僕は」 
別々のベッドに向かいながら、ワルドはそう付け加えたのだった。 

憧れの人からの求婚に、どうして即座にイエスと言わなかったのだろう……。 
一夜の夢から覚めてもルイズにはわからなかった。 


937 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/05(土) 01:44:29.17 ID:pxe2xmpa0 
枕から頭をもたげながら、不意に身支度を整えるワルドと目が合った。 
「ルイズ、君に立ち会ってもらいたいことがあるんだ。服を着たら、先に中庭に行ってくれないか？」 

ルイズが目を覚ましたのを確認して、ワルドはそう言った。 


941 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/05(土) 01:46:05.96 ID:pxe2xmpa0 
ワルドが部屋の扉をノックしたとき、ベイダー卿は既に起きていた。 
誰よりも少ない睡眠で最大限に体力を回復できるよう訓練されている。 

窓から外を見ていたベイダーがフォースでドアを開けると、そこにはワルド子爵の姿があった。 

「おっと。さすがだね、使い魔くん」 

気配もなくドアが開いたことに面食らった様子ではあるが、ワルドはにこやかに言い放った。 
「きみに決闘を申し込みに来た」 


950 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/05(土) 01:48:26.91 ID:pxe2xmpa0 
5分後、ベイダーとワルドは中庭で対峙していた。 
元々アルビオンからの侵攻に備えた砦であった『女神の杵』亭の中庭は練兵場をかねており、 
決闘にはもってこいの場所である。 

「きみは伝説の使い魔、『ガンダールヴ』だそうだね」 

一歩半程度の距離をおいてベイダー卿と向き合いながら、ワルドは言った。 

ベイダー卿は口を開かない。ただ呼吸音が中庭に響くだけである。 
ワルドは少々馬鹿にされてるような気がした。 

「決闘には介添え人が必要だ」 
ワルドがそう言うと、物陰からルイズが姿を現した。 

ルイズは二人を見ると、はっとした顔になった。 
「ワルド、来いって言うから来てみれば、何をする気なの？」 

「彼の実力を、ちょっと試してみたくなってね。決闘してみることにした」 


963 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/05(土) 01:51:54.61 ID:pxe2xmpa0 
ルイズは息をのんだ。 
このバカ――思わず言いかけた。 
以前のギーシュとの決闘の際、自分がどれほど苦労してベイダーを止めたか……。 
ベイダーに対して決闘だなんて、禁句にも程がある。 

「もう、そんなバカなことはやめて。今は、そんなことしているときじゃないでしょう？」 
「そうだね。でも、貴族というヤツはやっかいでね。強いか弱いか、それが気になるともう、 
どうしようもならなくなるのさ」 

ワルドは取り合わない。 


967 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/05(土) 01:55:07.32 ID:pxe2xmpa0 
ルイズは今度はベイダー卿に向かって口を開いた。 
「ベイダー、お願いだからやめてちょうだい。あんたが強いのは知ってるから、ね？」 

ベイダーも首を振った。 
「僕はどちらでもかまわないが、ワルド子爵はどうしてもと言う」 

ダメだ。ルイズは一瞬でベイダーの説得を諦めた。 

ならば説き伏せるべき相手は一人。 
「ワルド、ほんっっっとにやめて」 
ルイズはワルドに泣きそうな顔で懇願する。 

ワルドは意外そうな顔でルイズを見つめた。 
「使い魔が怪我をするのがそんなにいやかい？　大丈夫、手加減はするさ」 


975 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/05(土) 01:56:49.88 ID:pxe2xmpa0 
ワルドはどうあっても止まらない、そう判断したルイズは、ベイダーの方をちらりと見た。 

「ベイダー」 
そう言い、こくり、と小さく頷くしぐさ。 

その意図するところを了解したのか、ベイダー卿の右手が僅かに動いた。 

ほとばしる赤い光が、朝もやを吹き払った。 


990 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/05(土) 02:03:05.23 ID:pxe2xmpa0 
ワルドは呆然といった面持ちで、右手に持つ自分の杖を見ていた。 

人間離れしたスピードではあったものの、ベイダー卿の斬撃には辛うじて反応できたはずだった。 

しかしながら、それを受け止め、反撃に転じるはずの杖は、根元から消失していた。 

平民の扱う大剣以上の頑強さを誇る衛士隊の杖が、ひゅんひゅんと風を切りながら宙を舞って 
いた。 

赤く光る刃を仕舞うベイダー卿。 
「まだやるなら好きにするといい」 

ワルドはがっくりと膝を突いた。 


12 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/05(土) 02:06:00.47 ID:pxe2xmpa0 
「ば、ばば、ばばば、バカーーーッ！」 
ルイズが精一杯ジャンプして、ベイダー卿の後頭部を思い切りひっぱたいた。 
思わぬところからの攻撃に、さすがのベイダー卿も反応できなかった。 

「コーホー」 


ヘルメットを叩いたルイズの手の方が痛かったのは、言うまでもない。 


19 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/05(土) 02:08:57.90 ID:pxe2xmpa0 
「誰が切りつけろって言ったのよ！　あのよくわかんない力で適当に切り抜けなさいって 
合図だったでしょ！」 
赤くなった右手を押さえながら、ルイズはわめいた。 

とはいえ、無論双方とも、そんな合図を取り決めた覚えはない。 

「マスターが決闘を避けてほしがっているのはわかった。杖を破壊して戦力を奪うという、一番 
手っ取り早い方法を採ったつもりだが？」 

「あ、ああ、あんたっ！　メイジの杖がどんだけ大事なものかわかってるの？　何日もかけて 
契約して、ようやく使い物になるのよ！」 

ルイズの言動は、はしなくも今現在のワルドがまったくの役立たずであることを物語っていた。 


26 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/05(土) 02:10:54.25 ID:pxe2xmpa0 
ワルドはどうにか体面を取り繕いながら立ち上がり、ルイズを片手で制した。 

「し、心配ないよ、僕のルイズ。ほら、杖の切れっ端はここにある。丸一日かければ、修繕できる 
だろう」 

その表情には、しかしながら先ほどまでのような覇気が見えない。 
杖を叩き切られたのが、よほどこたえたようだ。 


46 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/05(土) 02:15:02.29 ID:pxe2xmpa0 
「杖を修繕するのにどれくらい時間がかかるかわからない。最悪の場合、船出に間に合わなくても 
グリフォンで追いつくから、明日は先に出発してくれ」 
そう言い残して部屋に引っ込んでいくワルドを、ルイズとベイダーはかける言葉もなく見送った。 

ワルドの姿が見えなくなってから、ルイズは口を開いた。 
「ベイダー」 
「卿をつけろと言ったはずだが？」 

「責任とってよね？」 

「コーホー」 

いらえの言葉を失うベイダーの視線の先でルイズは両手をもじもじさせてから言った。 
「ワルド子爵が役立たずに成り下がった以上、わたしを守るのはあんた以外にいないんだからね」 

朝日の逆行を浴びて、その表情はベイダー卿からは確認できなかった。 
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    <dc:date>2011-12-15T06:47:29+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="http://www33.atwiki.jp/darthvader/pages/28.html">
    <title>第３部ＯＰ～タバサの講義</title>
    <link>http://www33.atwiki.jp/darthvader/pages/28.html</link>
    <description>
      14 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/05/29(火) 22:42:42.68 ID:Fr2I5kJw0
                    内戦終結！　アルビオン大陸で勃発した内戦は、反乱軍の勝利を

                       もって幕を閉じた。アルビオンの新たな政府は自ら『神聖アルビ

                       オン帝国』を名乗り、同盟の締結を発表したトリステインとゲル

                       マニアに国交の回復を求めてきた。未だ軍備の整わない両国は、

                       これに応ずる他なかった。

                       ハルケギニアに平和が戻るかに見えた。

17 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/05/29(火) 22:46:40.47 ID:Fr2I5kJw0
                   そしてちょうどその頃、ベイダー卿捜索の命を受けて銀河帝国の首

                      都コルサントから派遣された一隻のスター・デストロイヤーが、過

                      去に例のないほどの長期間に及ぶハイパースペース・ドライブを終

                      えようとしていた。ハルケギニア全土を数日で焦土に変えうるほど
          
                      の戦力を搭載して……




（以上オープニング）


21 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/05/29(火) 22:53:38.03 ID:Fr2I5kJw0
時は少し遡り、戦が終わった二日後。照りつける太陽の下、死体と瓦礫が散乱する戦場の
跡を、三人の人影が歩いていた。
その内の一人は聖職者然とした服装の三十代の男。
一人の長身の貴族が彼のために戦場を案内していた。

貴族はワルドだった。傍らにはロープを被ったフーケもいる。

そして、彼らに先導されて歩く一見冴えない中年聖職者にしか見えない男こそ、『レコン・
キスタ』の指導者にして神聖アルビオン帝国皇帝、オリヴァー・クロムウェルであった。


23 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/05/29(火) 22:56:31.83 ID:Fr2I5kJw0
「あそこでございます、閣下」
破壊された城門をくぐってしばらくしてから、ワルドは立ち止まってそう言い、前方に見えてきた
瓦礫の山を左手で指した。
彼とベイダー卿が切り結んだ、城内の礼拝堂の跡である。
そこで彼は敗れ、右腕を失った。主を失った服の袖が、ひらひらと風に揺れていた。

クロムウェルが頷くのを確認してから、ワルドは再び歩き出す。
「あんたの腕も落ちてるかねぇ」
そのワルドにしか聞こえない声で、フーケが軽口を叩いた。
ワルドは渋い顔をしたが、あえて何も言い返さず、元は礼拝堂だった廃墟へと歩を進めた


25 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/05/29(火) 23:01:46.16 ID:Fr2I5kJw0
「こ、これは……」
礼拝堂前の惨状を目にして、最初に口を開いたのはフーケであった。

瓦礫の前の地面に、百を越える死体が散乱していた。
『レコン・キスタ』は王軍の十倍近い損害を出していたので、死体自体は珍しいものでは
なかったが、さして広くもないスペースに密集して倒れ伏すその有様はあまりにも異様
だったのである。

そして、大半の死体は一刀のもとに斬り殺されていた。
ある者は胴を貫かれ、ある者は首をはねられ、またある者は左右に両断されている。
恐怖に駆られて逃げようとしたのだろう、背中から切りつけられた死体もあった。
さらにその傷口は炭化しており、出血はほとんどない。

フーケはちらり、とワルドの腕を見た。この惨状を作り出したのが誰であるか、フーケは即座に
理解していた。
それから慌てて辺りを見回す。
『奴』があの戦を生き残り、まだ近くに潜んでいるかもしれない。


28 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[&gt;&gt;26仕様です] 投稿日：2007/05/29(火) 23:05:24.02 ID:Fr2I5kJw0
ワルドも同じことを考えたようで、右腰に移された鞘から杖を引き抜いた。

「やれやれ、子爵はずいぶんな化け物と戦ったようだな」
二人のただならぬ様子の意味するところを感じ取って、クロムウェルが口を開いた。

「この小隊については、消息不明という情報以上の報告はありませんでした。援軍を呼ぶ
使者を立てる間もなく、一人残らず戦死したということでしょう」

ワルドは吐き捨てるように言った。右腕の傷口がうずいた。

魔法で瓦礫が吹き払われ、ルイズたちが脱出した穴が発見されたのは、それから程なくの
ことであった。


29 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/05/29(火) 23:09:28.32 ID:Fr2I5kJw0
一方、こちらは魔法学院。

ルイズがトリスタニアでアンリエッタに任務の成功とニューカッスル城の悲劇を報告してから、
五日が経っていた。
静養のために一日休んだだけで、到着の翌々日からルイズは授業に出席するようになった。

婚約者であるワルドが裏切り者だったことで、キュルケたちは少々心配をしていたが、ルイズ
自身は思ったほどショックは受けていないようで、すぐにいつもの調子を取り戻していた。
いや、王女からの密命を成功させた自信からか、むしろいつも以上に勝気になっている。
授業中に知識を問われれば率先して発言するし、魔法の実演も進んで行おうとする。
もっとも、すでにルイズの噂は新任の教師にも知れ渡っているようで、その魔法の腕前を披露
する機会には未だに恵まれていなかったが。


30 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/05/29(火) 23:11:23.64 ID:Fr2I5kJw0
そんな風にして、平和を謳歌する空気は魔法学院をも包んでいた。

しかし、ルイズとベイダー卿の平和は、二方面からやって来た請求書によってあっさり破られる
ことになる。


33 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/05/29(火) 23:15:52.20 ID:Fr2I5kJw0
ルイズは昼食を終えると、ベイダーを引き連れて午後の教室に姿を現した。
ベイダー卿を平民と侮る者は、もはやクラスには一人もいない。

あの呼吸音にはまだ慣れないし、ルイズとベイダー卿がやって来るとみなおしゃべりをやめて
沈黙する有様だったが、それでもギーシュを半殺しにした時のように暴れることはなくなった
ため、徐々に受け入れられつつあった。

ルイズとベイダー卿は、ほぼ指定席になりつつある教室の中ほどの椅子に隣り合って腰かけた。
その周りには誰も座ろうとせず、エアポケット状の空間が形成された。
避けられているというよりは、単純にベイダー卿の呼吸音が授業に対する集中を妨げるせい
である。


38 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/05/29(火) 23:18:25.62 ID:Fr2I5kJw0
そのまましばらく待つと、教室の前の扉をくぐり、中年の教師が教壇に上がった。
秀でた額も眩しいミスタ・コルベールである。

彼は昨日まで、土くれのフーケが脱獄した一件で、城下に裏切り者が！　すわトリステインの
一大事！　と怯えていた。

が、今朝になってオスマン氏に呼び出され、「とにかくもう大丈夫じゃ」といわれたので安心して、
いつもののんきな彼に戻っていた。
もともと彼は政治や事件にはあまり興味がない。興味があるのは学問と歴史と……、研究で
ある。
そんな彼は授業が好きだった。自分の研究の成果を、存分に開陳できるからである。


39 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/05/29(火) 23:21:15.26 ID:Fr2I5kJw0
「こんにちは、皆さん」
にこにこと挨拶をしながら、コルベールは教卓の上に妙なものを載せた。皆の注目がその
異様な物体に集まる。

「それはなんですか？　ミスタ・コルベール」
生徒の一人が質問した。

果たしてそれは、妙な物体であった。長い、円筒状の金属の筒に、これまた金属のパイプが
延びている。パイプはふいごのようなものに繋がり、円筒の頂上には、クランクがついている。
そしてクランクは円筒の脇に立てられた車輪に繋がっていた。
そしてさらにさらに、車輪は扉のついた箱に、ギアを介してくっついている。

「ほう」
ベイダー卿が珍しく声を漏らした。
ルイズは首をめぐらせて、そんなベイダーを仰ぎ見ながら囁いた。
「知ってるの？」

「あれはエンジンだ。僕も知識としてしか知らない、かなり原始的なタイプのものだが。それに
してもこの星であんなものを作るとは、あの教師、只者ではないな」


41 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/05/29(火) 23:24:10.66 ID:Fr2I5kJw0
ベイダーの言っていることが理解できないルイズが再び視線を前方に戻すと、楽しくてたまら
ないといった様子で、コルベールが発明品を実際に動かしているところだった。

ふいごを踏んで気化した油を円筒内に送り込みながら、円筒の横に空いた小さな穴に杖の
先端を差し込み、呪文を唱える。
『発火』の呪文だった。
断続的な発火音が起こり、次いでそれは爆発音に変わった。
「諸君、見てごらんなさい！　この金属の円筒の中では、気化した油が爆発する力で上下に
ピストンが動いておる」
ピストンの動力がギアを介して伝わり、箱の扉が開いてヘビの人形がぴょこっ、ぴょこっ、と
顔を出した。

教室内に、どうしようもなく白けた空気が漂った。


47 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/05/29(火) 23:28:18.59 ID:Fr2I5kJw0
コルベールは一心に自分の発明品の効能と応用可能性とを説いていたが、生徒は誰もそれを
理解しようとしない。そんな装置を使わずとも、何事も魔法で済ませられる、それが貴族の
子弟たちの一般了解であった。
額が反射する光が、本人の心中を代弁して寂しそうに鈍った。

ひとりベイダー卿だけが興味をそそられた様子だった。
彼は一目でコルベール製エンジンの構造を把握すると、ルイズのノートのページを勝手に破り
取り、同じく勝手に取り上げた羽ペンでその上に何か書き始めた。
ルイズは呆気にとられ、そんなベイダーの様子を横目に見ていた。


53 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/05/29(火) 23:31:23.49 ID:Fr2I5kJw0
「さて！　では誰かこの装置を動かしてみないかね？　なあに！　簡単ですぞ！　円筒に開いた
この穴に、杖を差し込んで『発火』の呪文を断続的に唱えるだけですぞ。ただ、ちょっとタイミ
ングにコツがいるが、慣れればこのように、ほれ」
コルベールはふいごを足で踏み、再び装置を動かした。ヘビの人形がぴょこぴょこ顔を出す。
「愉快なヘビくんがご挨拶！　このように！　ご挨拶！」

しかし、誰も手を挙げようとしない。
コルベールはなんとか自分の装置に対する生徒の興味を引こうと思い、『愉快なヘビくん』を
採用したのだが、まったくウケなかったようだ。
コルベールはがっかりして肩を落とした。


60 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/05/29(火) 23:37:11.54 ID:Fr2I5kJw0
するとそこで、やおら『香水』のモンモランシーが立ち上がり、ルイズを指差した。
「ルイズ、あなた、やってごらんなさいよ」

コルベールの顔が輝いた。
「なんと！　ミス・ヴァリエール、この装置に興味があるのかね？」
ルイズは困ったように、首をかしげた。

「土くれのフーケを捕まえ、なにか秘密の手柄を立てたあなたなら、あんなこと造作もない
はずでしょ？　それとも何？　また、使い魔の功績を横取りしたの？」

学校を休んでいる間に、ルイズがまた何やらとんでもない手柄を立てたという噂がいつの間
にか広まっていた。おそらくは口の軽いギーシュの仕業だろう。

そのため、多くの生徒はルイズに対する見方を改めていたが、中にはもちろんそれを面白く
思わない者もいた。
高慢さではルイズに負けないモンモランシーもその一人である。
「やってごらんなさい？　ほら、ルイズ。ゼロのルイズ」
ゼロと呼ばれてルイズはかちんときた。モンモランシーごときにナメられては、黙っていられ
ない。


63 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/05/29(火) 23:39:27.67 ID:Fr2I5kJw0
ルイズは立ち上がると、無言でつかつかと教壇に歩み寄った。
すると、前列の席に座った生徒たちが、こそこそと椅子の下に隠れた。

その様子を見て唐突にルイズの魔法の腕前を思い出したコルベールは、その決心を翻そうと
して、おろおろと説得を試みた。せっかく作った装置を壊されてはたまらない。
「あ、ミス・ヴァリエール。その、なんだ、うむ。また今度にしないかね？」
「わたし、洪水のモンモランシーに侮辱されました」
冷たい声で、ルイズは言った。鳶色の瞳が、怒りで燃えている。

「ミス・モンモランシには私から注意しておくよ。だから、その、杖をおさめてくれんかね？いや
なに、君の実力を疑うわけではないが、魔法はいつも成功するというわけではない。ほら、
言うではないか。ドラゴンも火事で死ぬ、と」
ルイズはきっ！　とコルベールを睨んだ。
「やらせてください。わたしだって、いつも失敗しているわけではありません。たまに、成功、
します。たまに、成功、するときが、あります」
ルイズは自分に言い聞かせるように、区切って言った。

コルベールは天井を見上げ、嘆息した。


84 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/05/29(火) 23:49:06.36 ID:Fr2I5kJw0
ルイズがふいごを踏むため足を上げようとすると、いつの間にか隣にいたベイダー卿がそれを
制止した。
ざわついていた教室が、瞬時に静寂に包まれた。

「コルベールといったか。この星の技術力で可能と思われる範囲で、僕なりにその装置の
改良案を考えてみた。技術力の不足は魔法で工夫できるだろう。検討してみるといい」
ベイダーはそう言い放つと、ノートの切れ端をコルベールに突きつけた。
コルベールはしばし呆気に取られていたが、紙片に視線を落とすと息を呑んだ。

「こ、これは！　す、すす、素晴らしい……！　使い魔くん、いや、ベイダー卿！　少しこれを
お借りしますぞ！」
コルベールは額の汗を拭いながら、持ってきた装置を抱え上げ、「自習！」と叫ぶなり教室を
飛び出していった。

爆発に巻き込まれるのを免れた生徒たちが、一斉に胸を撫で下ろした。


90 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/05/29(火) 23:53:40.59 ID:Fr2I5kJw0
自習と言われても、その日の授業はこれが最後であったため、さっさと自室に帰ろうとする
生徒が大部分であった。
残りの生徒たちは三々五々おしゃべりに興じている。

ちょうどそこへ、学院で奉公している平民の小間使いがやって来た。

「すみません、ミスタ・グラモンならびにミス・ヴァリエール、学院長がお呼びです」
ルイズとギーシュは顔を見合わせた。


93 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/05/29(火) 23:56:46.78 ID:Fr2I5kJw0
ルイズがギーシュと連れ立って出て行くのを見送ってから、ベイダー卿も教室を後にした。

ベイダー卿にとって、この星の魔法という技術体系は実に興味深かった。
だが、授業を聞いているだけでは物足りない。

元来学者集団であったジェダイも、そこから派生したシスの暗黒卿も、知識欲が並外れて
強いのだ。

しかしベイダー卿は、そんな知識欲を妨げる問題があるのを、先ほど設計図を描く際に痛感
していた。


94 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/05/29(火) 23:59:43.36 ID:Fr2I5kJw0
ベイダーが向かった先は、本塔の大部分を占める図書館であった。

入り口では眼鏡をかけた司書が座り、出入りする生徒や教師をチェックしていた。
ここには門外不出の秘伝書とか、魔法薬のレシピが書かれた書物なんかが置いてあるので、
普通の平民では入れないのである。
ハルケギニアの貴族ではないベイダー卿は最初足止めされたが、軽く手を振るとすんなり
通してもらえた。

三十メイルほどもある書架に、ぎっしり詰まった書籍を見上げて、ベイダー卿は腕組みをした。
銀河の公用語とも、彼の訪れたことのある星々の言葉とも違う見慣れぬ文字が、書籍の背を
飾っていた。


104 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/30(水) 00:03:33.16 ID:IvgOszB/0
おそらくここに召喚される際に潜り抜けてきたというゲートに秘密があったのだろう、ルイズたちハルケギニアの住人との会話に不自由はない。
その代わり、文字が全く読めなかった。
コルベールに渡した設計図を描く際にも、文字による説明書きができないため苦労したのである。
ベイダーはフォースを使い、薄めの本をいくつか手元に引き寄せてみた。
そのページを開き、紙面に目を落とす。

「コーホー」
内容が少しも理解できなかった。 


110 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/30(水) 00:05:46.09 ID:IvgOszB/0
いったいどうしたものか、と思案していると、遠くのテーブルに見知った顔を見かけた。

青い髪の小さな少女。
タバサだった。

おそらくは自習になった途端に教室を出、図書館に来ていたのだろう。 


118 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/30(水) 00:10:32.94 ID:IvgOszB/0
優れた聴覚を持つ『風』系統のメイジであるタバサは、ベイダーが図書館に入ってきた直後に、呼吸音によってそれを感知していた。

甲高い声で彼を叱責しようとする若い女性の司書の態度を、手振り一つでコロリと変えさせてしまう手腕には相変わらず感心させられるとともに、どこか可笑しさの感じられる情景だった。

タバサは小さく、本当に小さく、クスリ、と笑みをこぼした。 


127 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/30(水) 00:14:54.05 ID:IvgOszB/0
ベイダー卿はそんなタバサのテーブルに歩み寄ると、許可も求めずに向かいの椅子に腰を下ろした。
「精が出るな。知識はあらゆる力の源だ。励むがいい」
「はい」
タバサはコクリと頷いた。
噛み合っているのかどうか、判断しにくいやり取りだ。

「ベイダー卿も読書を？」
本から目を上げ、タバサが尋ねる。
「そう思ってやって来たのだが、どうやら僕にはこの星の文字は読めないらしい」
ベイダーは手にした一冊の本を掲げて見せた。

公用語の他にいくつもの星系の言葉を理解できるベイダー卿だが、とっかかりも何もない    のではお手上げである。 


131 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/30(水) 00:17:23.65 ID:IvgOszB/0
タバサは蒼い、透き通るような目でベイダーの顔を見つめた。
そうしてしばらくすると、再び小さく頷き、驚くべき台詞を口にした。

「わたしが字を教えてあげる」

「コーホー」 


136 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/30(水) 00:19:19.55 ID:IvgOszB/0
「本を眺めるだけじゃ、字は覚えられない」
「アイ・アム・ア・スロー・ラーナー。迷惑ではないのか？」
「かまわない」
タバサはそう言うと、教科書代わりの本を見繕うため、書架に向かって歩いていった。 


140 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/05/30(水) 00:21:51.90 ID:IvgOszB/0
一方、ルイズとギーシュはげんなりとした様子で学院長室を退出していた。
ほぼ一月前の決闘で壊してしまった学院の設備の弁償請求が、今頃になって来たのである。

その中には、宝物庫の扉に『固定化』の魔法をかけてくれた『土』のスクウェアメイジに対する報酬も含まれているため、さして裕福ではない軍人の家系の出であるギーシュはおろか、ルイズにとっても相当に痛い出費であった。


145 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/05/30(水) 00:26:26.80 ID:iDb4qBqV0
それだけではない。
学院宛に、ルイズに対する請求書が届いていたのだ。

ラ・ロシェールで泊まった最上等の宿からは、宿泊費と一階の酒場の修理費用。
アルビオンに行くために乗り込んだ『マリー・ガラント』号の船主からも、チャーター料が請求
されてきていた。

どうやら宿帳にも船の契約書にも、ワルドは自分の他にルイズの名前を連名で書き付けて
いたらしい。

さすがに、公爵家の娘といえども、小遣いでまかない切れる金額ではない。


146 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/05/30(水) 00:29:15.55 ID:iDb4qBqV0
「どうしようか、ルイズ……？」
ギーシュが青い顔をルイズに向ける。
「どうしようもないわ。今月のお小遣いも残ってないし……」
ルイズも肩を落とした。厳格な父母に泣きつくのだけは避けたい。

「アルバイトでもしようか」
「アルバイト？」
ルイズは怪訝な顔をした。
トリステイン王国でも裕福な部類に入るラ・ヴァリエール公爵家の三女には、働いてお金を
稼ぐという発想が希薄なのだ。


151 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/05/30(水) 00:31:22.98 ID:iDb4qBqV0
「そう、アルバイトさ。依頼をこなして報酬を得る。幸いと言うべきか、このところ治安が悪化して
いるので、戦闘が得意な貴族は引く手数多だそうだ」

ルイズは眉をひそめる。
トリステイン国内の治安の悪化は、ルイズの耳にも入っていた。

アルビオンの内戦の大勢が決してから、王党派を見限った傭兵たちが続々とトリステインに
流れ込んできていた。
さらに、内戦が終わってからは、『レコン・キスタ』に雇われていた兵士たちも食いっぱぐれて
トリステインに流入し、盗賊紛いの活動をしていると聞く。
各地の領主も領内の治安維持に努めているようではあるが、何分手が足りなすぎるようだ。

そうなると当然、割を食うのは平民しかいない村である。
ただでさえ小さな村は亜人種や怪物に襲われやすいのに、それらを掃討すべきメイジの
派遣が遅れるからだ。


156 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/05/30(水) 00:33:34.97 ID:iDb4qBqV0
「うーん、まあそれもありかもね」
お金を稼げて感謝もされるなら、それほど悪い話ではない。ルイズは腕を組んで思案した。

「宝探しというのもどうかしら？」
いつからそこにいたのか、キュルケが二人の会話に割って入った。

「あんたは別に関係ないでしょ」
ギーシュはぎょっとして飛び退ったが、突然出現されることにはベイダーで慣れているルイズ
は、落ち着いて応対した。

「つれないわね。こんなに宝の地図を見つけてきてあげたっていうのに」
キュルケはそう言って笑いながら、手に持った羊皮紙の束をルイズの顔に叩きつけた。


16 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日：2007/06/04(月) 01:36:25.32 ID:z4UHNTfo0
キュルケが怪しい店を巡って買ってきたという胡散臭い地図の束をめくりながら、ルイズは
自室まで戻ってきた。
なぜかキュルケとギーシュもついてきている。

ルイズとしては本当はアルバイトの方がよかったのだが、資産家で有名なツェルプストー家
の出であるキュルケは、報酬を貯めるよりも一攫千金の方が性に合っているようだった。

「それでルイズ、出発は明日の朝でいいの？」
「ていうか、なんであんたもついてくるのよ」
「そりゃ、面白そうだからよ。こないだも結局蚊帳の外で不完全燃焼だったじゃない」
キュルケが口を尖らせた。この赤毛の少女は派手なドンパチが大好きなのだ。
まったくこれだからゲルマニアの野蛮な貴族は……とかなんとか口の中でぶつぶつ言いつつ、
ルイズが部屋の扉を開けると、珍しいことにベイダー卿が不在だった。

「あれ？」
ルイズが首を傾げる。
ベイダーが授業後にどこかに出かけるなんて、ここしばらくなかったことだ。


19 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/06/04(月) 01:41:43.96 ID:z4UHNTfo0
「なんだ、ベイダー卿はいないのかい？」
いつの間にかすっかり胡麻スリキャラになっていたギーシュが、拍子抜けした態度で尋ねた。
「みたい、ね。明日のことについて話をしておこうと思ったんだけど」

キュルケが不満そうな顔を浮かべた。
「いーじゃない、あんな奴いなくたって。あたしたちだけでなんとかなるでしょ」
「でも……」
「あなた、ずいぶんあの使い魔にべったりじゃない？　あ、あなたもしかして……？」
ルイズの顔が紅潮する。
「なな、な、何言ってんのよ！　そそ、そんなんじゃないわよ！　ベイダーを抑えられるのは
わたしだけなんだから、目を離すわけにはいかないでしょ！」
キュルケはニヤニヤ笑みを浮かべた。
「あ～ら、そう？　ま、いいわ。それよりもタバサよ。あの子は戦力になるし、何よりもシルフィー
ドに乗せてもらわなきゃね。使い魔には後で話しておきなさいな」
キュルケはそう言うと、どこか引っかかるところのある陽気な態度で、タバサの部屋に向かって
歩き出す。
何か弁明しなければ、と感じるルイズは、仕方なくその後をついていった。


23 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日：2007/06/04(月) 01:48:23.67 ID:z4UHNTfo0
一方、こちらは寄宿舎にあるタバサの部屋。
タバサとベイダー卿が、書き物机に並んで腰掛け、文字の練習をしている。
ベイダー卿はいるだけで館内に威圧感を振り撒くため、教科書代わりの本を見繕った後で
この部屋に移動してきたのだ。

タバサはベイダー卿の語学習得力に舌を巻いていた。「覚えが悪い」などと自分で言っていた
くせに、一通り文字を覚えると、ベイダー卿はあっという間に本が読めるようになった。
だがそれは、ベイダー卿本人にとっても驚きであるらしかった。
「覚えが悪い」などという彼なりの謙遜はさておくにしても、他の言語をここまで早く覚えたこと
はないと言う。
「文字情報というより、別の何かとして解釈しているような感じだ」

タバサはこくり、と頷いた。
事の真偽は不明だが、ベイダー卿は魔法学院にやって来た時から一貫して、違う星から来た
と主張している。
おそらくはサモン・サーヴァントのゲートをくぐった際に、入力された情報を既知の言語体系の
中で捉える、何らかの能力が付加されたのだろう。


27 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日：2007/06/04(月) 01:53:04.00 ID:z4UHNTfo0
ベイダー卿とタバサが一致して出した仮説は、すぐに証明された。
普段から完璧に言葉を話し、今では難しい文章をもどんどん読めるようになっていっている
にもかかわらず、ひとたびベイダー卿が筆を取ると、初級文法すら間違うのである。

「どうやら本に書いてあることは僕の頭の中で勝手に翻訳されて、それをまたこちらの言葉に
翻訳してから口に出しているらしい。だけど文章を書く面では、この自動翻訳の能力が却って
正確な文法の習得を邪魔しているのだな。……不思議な感覚だ」

ベイダー卿の言葉に、タバサはまた頷いた。
そして、しばらく考えてから、おもむろに口を開く。
「でも、卿はこれで大体の本は読めるようになった。所期の目的は達成されたと思う」
そう言って、ほんのわずかに淋しそうな表情を浮かべた。
タバサは、ベイダー卿が本を読むためだけに文字を覚えようとしているのだと思っていた。


29 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/06/04(月) 01:57:42.99 ID:z4UHNTfo0
だが、ベイダー卿自身はそれに満足していなかった。
やはり、設計図を描いて他人に理解してもらうには、文字による詳細な情報が必要である。
今まさに彼が必要としているのは、そのための能力であった。

すでに二ヶ月近くが経過しているにもかかわらず、皇帝からの通信は最初の一度きりである。
彼の頭の中の何かが、皇帝と繋がるチャンネルだけを勝手に妨害しているかのようだった。
これでは捜索の情況がまったく掴めない。

最悪、何年かかるかわからないが、自力での帰還を目指すことになるかもしれない。
ハルケギニアの一般的な技術力では絶望的な話だが、今日の授業でコルベールが教室に
持ってきたエンジンは、この星の製品としてはなかなか見事なものであった。それ以上に、
機械という発想そのものがないこの星でエンジンを発明したことが評価される。

ベイダー卿とコルベールが協力すれば、大気圏脱出も不可能ではないかもしれない。


30 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/06/04(月) 02:02:08.16 ID:z4UHNTfo0
それに、長年この地に留まるとなれば、その間文字を書く機会くらい何度もあるだろう。
だからベイダー卿は、タバサの胸中を知ってか知らずか、こう答えたのだった。

「いや、これではまだ不十分だ。もっと教えてもらえれば助かるのだが」
タバサの顔が、少しだけではあるが、確かにそれとわかるくらいに輝いた。


35 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日：2007/06/04(月) 02:07:00.50 ID:z4UHNTfo0
「わたしがこれから読み上げるセンテンスを、あなたの知っている言葉で書いてみて。……
そう。今度はその文を次回までに翻訳してきて」
ベイダー卿は言われたとおりにいくつかの例文を紙に書き付け、頷いた。
課題を出されたところで、今日のレッスンは終わりだった。

廊下をこちらへと歩いてくる存在を感知したのはそんな折だった。
フォースが警告を発する。
なんだか非常に厭な予感がして、ベイダー卿は紙片とペンを握り締めてタバサと隣り合った
椅子から弾かれるように立ち上がると、窓を開けて飛び降りた。

呆気に取られるタバサの耳にも、足音と話し声と、それに続くノックの音が飛び込んできた。
「タバサ、いる？」
入ってきたのはキュルケだった。その背後にはルイズもいる。
ベイダー卿が突然部屋から出て行った理由が、なんとなくわかったタバサだった。


40 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日：2007/06/04(月) 02:12:00.58 ID:z4UHNTfo0
「きゃっ！」

後先をあまり考えずに飛び降りたベイダー卿だったが、着地と同時にその背後から悲鳴が
上がった。
振り返れば、声の主はシエスタだった。驚きのあまり、尻餅をついている。

「べ、ベイダーさん。うう、ひどいです……いきなり空から降ってくるなんて。くすん」
よほど肝をつぶしたのだろう、目尻に涙を溜め、動悸の収まらない胸に片手を当てながら立ち
上がるシエスタ。

「フォースの警告に従ったまでだ」
そう言いつつ、ベイダー卿はシエスタの非難がましい瞳から顔を逸らす。


44 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日：2007/06/04(月) 02:20:02.47 ID:z4UHNTfo0
シエスタを言いくるめるよりもまずは脅威の存在を確かめることが先決だ、ベイダー卿はそう
判断して、今さっき飛び降りてきた窓に向かって跳躍した。
その跳躍力に驚いてまた腰を抜かすシエスタを尻目に、五階にあるタバサの部屋の窓枠に
うまく取り付く。

ガラスを通して、中の話し声が聞こえてきた。
どうやらルイズ、キュルケ、ギーシュがタバサの部屋を訪問してきたらしい。
ベイダー卿は少しだけ首を傾げた。なぜ自分は彼らを脅威と判断したのだろうか。

もう少し部屋の中の会話に耳を傾けようとしたが、置いてけぼりを食ったシエスタが足下から
声を張り上げた。
「ベイダーさーん！　どうしたんですかぁー！？」
ベイダー卿は心の中で舌打ちした。中の連中に聞かれたら面倒だ。

しかたなくベイダー卿が片手を伸ばすと、シエスタの体が宙に浮いた。
「わぁわぁ！　わぁ！　わたし、空を飛んでる！」
シエスタがじたばた暴れる。ベイダー卿はマスクの口吻部の前に人差し指を立てるジェスチャ
ーをした。
その意図するところがなんとなく伝わったのか、シエスタがうんうんと頷いて口を閉ざした。


46 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/06/04(月) 02:23:55.13 ID:z4UHNTfo0
シエスタは、タバサの部屋の窓を挟む形でベイダー卿と同じ窓枠に降り立った。
その幅は決して広くはないので、空を飛ぶことのできない平民の少女にとってはかなり怖い
はずなのだが、意外にもシエスタは落ち着いていた。

「もし落ちても、ベイダーさんがさっきの力で助けてくれますよね？」
彼女はそう言って微笑み、ベイダーと同じく部屋の中の会話に耳をそばだてる。

「コーホー」
ベイダー卿は無言だった。


51 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/06/04(月) 02:29:21.01 ID:z4UHNTfo0
部屋の中のルイズたちは、宝探しがどうこうという話をしていた。
出発は明日の朝とのこと。
せっかくタバサから文字を習っていたのに、また面倒なことになりそうだ、とベイダー卿は
思った。

「宝探しに行くんですか……？」
辛うじて聞き取れるくらいのささやき声で、シエスタが尋ねてきた。
「どうやらそのようだな」
と、音量を調節しながら、ベイダー卿が答える。

「お宝といえば、わたしの故郷の村にも一つあるんですよ？　『竜の羽衣』っていうんです。
それを身に着けた者は空を飛べるっていう言い伝えで……ま、インチキなんですけどね」
シエスタはそう言い、ペロっと舌を出した。
ベイダー卿はそれには応えなかったが、なんとなく心惹かれるものを感じた。

考えてみればパルパティーン議長救出作戦以来、あまり飛ぶ機会に恵まれていない。
さらに、ハルケギニアに召喚されてからは皆無だった。


56 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/06/04(月) 02:34:22.86 ID:z4UHNTfo0
「でも、見た目はなかなか立派なので、一度ベイダーさんに見てもらいたいな。ううん、それ
より、わたしの故郷、タルブの村っていうんですけどね、とっても広い、綺麗な草原があるん
です。春になると、春の花が咲くの。夏は、夏のお花が咲くんです。ずっとね、遠くまで、地平
線の向こうまで、お花の海が続くの。今頃、とっても綺麗だろうな……」
足場の不安定な高所にいるにもかかわらず、シエスタは思い出に浸るように、目をつむった。

「そうだ、宝探しにわたしも行っていいですか？　そうすれば……」
――ベイダーさんと一緒に草原が見られる、と言おうとしてシエスタが目を開いた時、すでに
ベイダー卿の姿はそこになかった。

「……あんたが来てどうすんのよ」
代わりに、ルイズが窓から顔を出していた。


64 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/06/04(月) 02:39:37.40 ID:z4UHNTfo0
「ひゃっ！　ミス・ヴァリエール！　きゃっ……わ、わわ……！」
驚いた拍子にバランスを崩し、窓枠から落っこちそうになるシエスタの腕を、慌ててルイズが
ひっ掴む。

「こ、こら！　ちょっと……勝手に落ちないでよ！　こんなとこで何やってんの？」
「いえ、えーと……」
パニックになりかけながらキョロキョロと視線をさ迷わせると、いつの間にかまた地面に飛び
降りていたらしいベイダーが、小さくかぶりを振るサインを送ってよこすのが目に入った。
なんとか誤魔化せ、ということらしい。


70 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/06/04(月) 02:46:00.90 ID:z4UHNTfo0
「そ、そう！　窓の掃除をしていたんです！　そしたらたまたまお話が耳に入って……」

「それで？　宝探しについてきて、どうしようっての？」
そう尋ねたのはキュルケだ。タバサとギーシュも窓辺に集まってきていた。
「え、えーと。なんでもいいから皆さんのお手伝いをしたいな、と思って……」
「ダメよ。平民なんか連れてったら、足手まといになるじゃない」

「バカにしないでください！　わ、わたし、こう見えても……」
キュルケの言葉を聞き、シエスタは拳を握り締めると、わなわなと震えた。
腕を掴んで支えてやってるルイズにはいい迷惑だ。

「こう見えても？」
キュルケは、まじまじとシエスタを見つめた。自信ありげな態度である。もしかしたらこの平民、
ルイズの使い魔と同じように特殊な能力を秘めているのかもしれない。

「料理が出来るんです！」
「知ってるよ！」
その場の全員が、シエスタにつっこんだ。


76 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日：2007/06/04(月) 02:52:50.23 ID:z4UHNTfo0
「でも！　でもでも、お食事は大事ですよ？　宝探しって、野宿したりするんでしょう？　保存
食だけじゃ、物足りないに決まってます。わたしがいれば、どこでもいつでも美味しいお料理が
提供できます！」
シエスタはそう宣言すると、胸の前で握り拳を固めてガッツポーズを取った。ルイズはそろそろ
腕が痺れてきた。

「でも、あなたお仕事あるでしょう？　勝手に休めるの？」
顔を真っ赤にして踏ん張るルイズを無視して、キュルケが眉根を寄せた。

シエスタの言うとおり、貴族である彼女たちは不味い食事には耐えられないが、厨房を切り
盛りするコック長が厳しい人間であることも聞き及んでいる。

「大丈夫です。コック長に『ベイダーさんのお手伝いをする』って言えば、いつでもお暇はいた
だけますから……」
そこでシエスタは失言に気づき、口を噤んだ。
この部屋で、ベイダー卿の名はまだ出ていなかったのだ


88 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/06/04(月) 03:02:13.43 ID:z4UHNTfo0
ギーシュは何とも思わなかった。ベイダー卿はルイズの使い魔なのだから、一緒に来て当然
だし、シエスタもそのつもりで名前を出したのだと思っていた。最も自然な反応である。

しかしながら、さっきまで一緒にいたタバサは、ハッとして少しだけ身を固くしていた。

一方、キュルケは考えた。
コック長のマルトー親父は、ベイダーの崇拝者である。たぶん、シエスタの言うとおりになる
だろう、と。

そしてルイズは、予期していなかったベイダーの名を聞き、シエスタに詰め寄ろうとした。
そして当然のことながら、突如支えてくれる力が消失してバランスを崩したシエスタの体重に
引っ張られ、悲鳴を残して彼女もろとも真っ逆さまに転落した。


94 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日：2007/06/04(月) 03:08:34.63 ID:z4UHNTfo0
キュルケたちが慌てて『レビテーション』の呪文を唱えるより早く、地上にいたベイダー卿が
フォースで二人を受け止め、そろそろと地面に降ろした。

そして、地面にへたり込んで涙目で見上げるルイズに向かい、言い放つ。
「奇遇だな、マスター」
一瞬湧き上がった疑問がショックで吹き飛んだのか、ルイズは大人しくこくり、と頷いた。

ルイズが簡単に丸め込まれたのを見て、必死で誤魔化した挙句死ぬ思いをしたシエスタは、
なにやら釈然としない気がしていた。    </description>
    <dc:date>2008-12-21T20:03:33+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www33.atwiki.jp/darthvader/pages/2.html">
    <title>メニュー</title>
    <link>http://www33.atwiki.jp/darthvader/pages/2.html</link>
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**更新履歴
#recent(20)    </description>
    <dc:date>2008-10-16T21:44:36+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www33.atwiki.jp/darthvader/pages/17.html">
    <title>決闘が終わり～城下町で買い物</title>
    <link>http://www33.atwiki.jp/darthvader/pages/17.html</link>
    <description>
      524 張出横綱(京都府) [] 2007/04/29(日) 00:55:14.64 ID:JkQrA71d0
負傷したギーシュは、『治癒』の呪文で治療された。
そのための秘薬の代金は、全額ルイズが出すことになった。
ベイダー卿にはこの星で通用する貨幣の持ち合わせが無い。

それに、ルイズ曰く、「使い魔の不始末は主人の責任」なのだそうだ。

ベイダー卿自身は大した「不始末」とは考えていないのだが。


526 張出横綱(京都府) [] 2007/04/29(日) 00:57:02.14 ID:JkQrA71d0
「どうしてあそこまでやる必要があったのよ！」

目を覚ましたルイズの第一声がこれだった。

「仕掛けてきたのは向こうだ」
「あんたが挑発したんじゃない！　それに、ゴーレムを倒した時に決着はついてたでしょ！」
「あれはいわゆる「過激な交渉」だ。もう二度と平民を奴隷扱いしないことを約束させるための、な。
君らのおかげで目的は果たせなかったが」
「過激な交渉って何よ？」
「つまりはライトセイバーを使った交渉だ」
「……意味がわからない」

残念なことに、彼のコルサント仕込みのユーモアは、ルイズには通用しないようだ。


531 張出横綱(京都府) [] 2007/04/29(日) 01:01:20.15 ID:JkQrA71d0
ルイズの態度が、以前に比べてずいぶん尊大になってきている。
自分がベイダーを止めたのだ、という自負が働いているのかもしれない。
少なくとも必要以上に怖れることはなくなった。

（まあ、それならそれでかまわないが）

そう感じてしまう自分に、ベイダーは戸惑っていた。
以前の自分なら、気絶寸前までフォース・グリップの刑に処していたところだ。
やはり変だ。何かおかしい。

やけにここが心地よくなってゆく。


534 張出横綱(京都府) [] 2007/04/29(日) 01:05:45.91 ID:JkQrA71d0
「ライトセイバーって、あんたが使ってた剣ね。あれ、危ないから使うのやめなさいよ」
見ていてハラハラする武器だ。殺傷力が強すぎる。

「…誰かのせいで紛失したわけだが。オビ＝ワンに殺される」
「そう、よかったわ。その「誰かさん」に感謝することね」

ルイズはそう言い、しばらくおとがいに手を当てて考え込んだ後、宣言した。

「あんたに、剣、買ってあげる」

「コーホー」


539 張出横綱(京都府) [] 2007/04/29(日) 01:11:05.58 ID:JkQrA71d0
その翌日は虚無の曜日で授業は一切なかった。
生徒たちは街に出かけるなり、自室でのんびり過ごすなり、思い思いの休日を満喫する。
ちなみにギーシュはまだベッドから起き上がれないらしい。

ルイズが部屋で出かける準備をしていると、扉の向こうからためらいがちなノックの音がした。
「誰？」

「え、ええと、わたし、ここの食堂でご奉公させていただいているメイドのシエスタと申しますが、
少しよろしいでしょうか、ミス・ヴァリエール？」


543 張出横綱(京都府) [] 2007/04/29(日) 01:15:10.71 ID:JkQrA71d0
ルイズは眉根を寄せた。
忙しいのに、朝っぱらから平民が何の用だろう。
ドア越しではなんなのでとりあえず開けてやろうとしたが、ルイズが戸口にたどり着くより先に
ノブが回り、シエスタと名乗る少女の姿が現れた。
一瞬ぎょっとする。

シエスタが許可を得ずに勝手にドアを開けるはずがない。
言わずと知れたベイダー卿の仕業だ。


551 張出横綱(京都府) [] 2007/04/29(日) 01:21:32.93 ID:JkQrA71d0
「コーホー」

この部屋だけ室温が違う――シエスタはなぜだかそう感じた。
貴族の部屋に入るのはいつでも勇気を要したが、この空間の持っている威圧感やや趣を異にする。

原因は一つ。
ルイズの後ろに腕組みをして控えている黒ずくめの人影だ。

だけど、今日シエスタが訪ねてきたのは、他ならぬその人影に用があったからだ。

「申し訳ありません、ミス･ヴァリエール。わたしがいたらないばっかりに、使い魔さんを騒動に巻き込んで、
おまけに貴族と決闘までさせてしまって…！」
深々とお辞儀をする。
元の姿勢に直ると、ルイズが困惑したような顔をしてしいた。

「あ、いいのいいの。どうせこいつが勝手にやったんだし。ていうか、学院の中ではどんな話になってるの？」

その言葉に、シエスタはやや安堵した。
とりあえず、ベイダーに怪我はないようだ。

「それが、平民の私が聞いても、みなさん教えてくれなくて。決闘の結果になるとみなさんお茶を濁すんです。
何人かの貴族の方は、あからさまに厭そうな顔をしてらっしゃいましたし。わたし、ミス・ヴァリエールの使い魔さんが
殺されてしまったんじゃないかと不安になって……」


556 張出横綱(京都府) [] 2007/04/29(日) 01:25:41.76 ID:JkQrA71d0
（なるほどね）
ルイズは思った。

正式な報告はともかく、結末を目撃した人間は数えるほどしかいない。
ギーシュとベイダーの後を追っかけようだなんて考える輩は皆無だった。

平民に貴族があそこまでやられたことを喧伝しようとする生徒はいなかったろうし、
二人がどうなったかを聞いても、二人の後を追う勇気が無かったことを認める者も
いなかったに違いない。

平民であるベイダー卿が撒き散らした恐怖は、疑いようもなくその場にいた貴族全員を
飲み込んでいたのだ。

「ミスタ・グラモンのお友達は、わたしが話しかけると逃げてしまわれましたし…」
ギーシュはシエスタにちょっかいをかけてベイダーと戦う羽目になったのである。
この反応も無理からぬことであるかもしれない。


563 張出横綱(京都府) [] 2007/04/29(日) 01:32:03.87 ID:JkQrA71d0
「使い魔、さん…」
シエスタは今度はベイダー卿を見上げた。

「ベイダーと呼ぶといい」
「じゃあ、ベイダーさん。あの……、すいません。あのとき、逃げ出してしまって」

食堂でギーシュといざこざが起こったとき、彼女は怖がって逃げ出してしまった。
それを言っているのだろう。

「恐怖は暗黒面につながる。気をつけることだ」
「ほんとに、すいません。じゃあ、わたし、ミスタ･グラモンにも謝ってきます」

シエスタはもう一度深く頭を下げると、部屋から退出しようとした。


569 張出横綱(京都府) [] 2007/04/29(日) 01:35:17.00 ID:JkQrA71d0
ルイズは慌てて止めた。
今シエスタが訪ねていったら、ギーシュがそれこそパニックでも起こしかねない。
「あ、いい、いいのよ！　あんなキザほっとけば！」

「でも、そういうわけにもいきません。遅れたら遅れた分だけ、後でどんなお咎めが
待っているかと思うと…」
平民はやはり貴族をひどく怖れているのだ。

なおも止めようとするルイズだが、その背後でベイダーが軽く手を振った。

「謝りにいく必要はない」
「…ほっといてもいいですよね、あんなキザ」


577 張出横綱(京都府) [] 2007/04/29(日) 01:38:32.78 ID:JkQrA71d0
拍子抜けするルイズの前でシエスタはペコリとお辞儀すると、階段の方に向かって去っていった。
部屋にはまた、ルイズとベイダー卿の二人だけが残された。

「……便利ね、それ」
「頼りすぎると身を滅ぼすことになる。特にマスターのような者は」

「…そう言えばあんた、あのメイドには『卿をつけろ』って言わなかったわね」

「コーホー」


595 張出横綱(京都府) [] 2007/04/29(日) 01:45:07.17 ID:JkQrA71d0
『雪風』のタバサにとって、虚無の曜日は大切な日だ。
誰にも邪魔をされることなく、好きな読書に没頭できる。

今日も彼女は午前中から本の活字に目を晒していた。
いつか来る戦いのために、常に知識を蓄えなければならない。
それに、タバサは単純に本が好きでもあった。

だが、そんなタバサの唯一の楽しみは、ノックもなしに突然ドアを開けて飛び込んできた
赤毛の女生徒によって中断させられた。

入ってきたのはキュルケだった。振り向いたタバサの手から、いきなり本を取り上げる。


598 張出横綱(京都府) [] 2007/04/29(日) 01:47:55.72 ID:JkQrA71d0
本来ならこんな無礼者は『ウィンド・ブレイク』でも唱えて部屋からたたき出してやるところだが、
彼女は数少ないタバサの親友である。
それに、キュルケの目は真剣そのものだった。
話くらいは聞いておいてもいいだろう。

「今から出かけるわよ、タバサ！　早く仕度をしてちょうだい！」
――まずはまともに話をさせることから始めなければならないようだ。
読書を諦めるタバサだった。


600 張出横綱(京都府) [] 2007/04/29(日) 01:50:41.03 ID:JkQrA71d0
使い魔シルフィードの背の上で、ようやくタバサは事情を聞くことができた。

ルイズが例の使い魔と二人で出かけたらしい。

「別にヴァリエールがどうなろうが知ったこっちゃないけど、何かあったらまたわたしたちが
面倒ごとに巻き込まれちゃうでしょ？」
だそうだ。


601 張出横綱(京都府) [] 2007/04/29(日) 01:54:02.29 ID:JkQrA71d0
「心配」
「だから違うってば。……でもタバサ、あんた今日はやけに物分りがいいじゃない」
普段ならこんな事情で動く人間ではない。

タバサは再び開いた本のページに注いだ視線を上げることなく、答えた。

「興味ある」
「はぁ？」

「あの平民」
「ええっ！？」


609 張出横綱(京都府) [] 2007/04/29(日) 01:58:47.05 ID:JkQrA71d0
トリステインの城下町を、ルイズとベイダーは歩いていた。
魔法学院からここまで乗ってきた馬は町の門のそばにある駅に預けてある。

「あんた、乗馬もできるのね」
「フォースによる動物の制御は得意だ。ジオノーシスの闘技場では巨大なリークを止めたこともある」
「…へぇ、そうなの。何言ってるのかわからないけど」


622 張出横綱(京都府) [] 2007/04/29(日) 02:06:57.49 ID:JkQrA71d0
（だけど腰の痛みはどうしようもないな…）

痛みを悟られぬようルイズの後ろを歩きながら、ベイダーは街の様子を観察した。

この星の中では栄えている方なのだろうが、規模自体は彼が育ったタトゥイーンの
モス・エスパと大して変わらないようだ。
もっとも、砂漠がなくてエイリアンがいない分、いくぶんか清潔に見えるが。

人口は20万程と聞いた。
無論、星全体が一つの都市であるコルサントとは比較にならない。
それでも高層住宅がまったく普及していないので、市域はなかなかに広い。


629 張出横綱(京都府) [] 2007/04/29(日) 02:12:38.73 ID:JkQrA71d0
ジェダイもシスも、とにかく未知の星で活動することが多い。
周囲をすばやく観察して洞察力を働かせることは、もはや彼らの職業病とも言えた。

最初の幾つかの通りを歩いたところで、ベイダー卿はトリステインの大体の構造と雰囲気を
掴んでいた。

商店の軒先には、その店が商っている商品を象徴する意匠の入った銅の看板が下がっている。
つまり、庶民の識字率はさして高くはないということである。

汚くて狭い路地をいくつか折れると、剣の形をした看板をさげた店が見つかった。

「あそこに武器を売る店があるようだが」
「あ！　そう、あれよ、あれ！」
どうやらそこが、目的の店であったようだ。

ベイダーとルイズは中に入った。


875 プロスキーヤー(京都府) [] 2007/04/30(月) 00:00:57.05 ID:+ZRGAbHO0
店の中ではちょっとした騒動が持ち上がっていた。
「エキュー金貨で二千なんて、森つきの立派な屋敷が買えるじゃないの！」

一通り店を見て回ったルイズだったが、ベイダーの体躯と腕力に見合うような大きくて太い剣は
見あたらなかった。

そこで主人に言って出させたこの店一番の大業物という大剣は、たしかに立派で迫力があり、
どこかしら気品すら具えていたのだが、目玉が飛び出るような高価な代物だったのである。

「マスター、ここは僕が」

それまで入り口付近で待機していたベイダーが一歩前に出ようとするのを、ルイズは片手で制した。

「あんたは引っ込んでて。それから、あの変な力を使ったりしないように。貴族には貴族らしい、
『外交的解決』ってものがあるんだからね」


878 プロスキーヤー(京都府) [] 2007/04/30(月) 00:04:36.56 ID:+ZRGAbHO0
そう言われてしまうと、ベイダー卿も口をつぐまざるをえない。

それに、ルイズが買い与える剣には大して興味がなかった。
彼にはフォースがあるし、そこらの剣を持ってきても、失ったライトセイバーの代わりにはならない。
工具代わりのフュージョンカッターでもあればと思ったが、店先にこれ見よがしに展示されているのは、
最も原始的な形式の銃だけであった。


880 プロスキーヤー(京都府) [] 2007/04/30(月) 00:08:28.45 ID:+ZRGAbHO0
（それにしても――）
さっき街中を歩き回って観察した範囲の相場の知識だが、ルイズは明らかにふっかけられている。
高名なゲルマニアの錬金魔術師シュペー卿が鍛えた逸品だかなんだか知らないが、そこまでの価値があるものとも思えない。
しかもルイズの「外交」の手腕もお粗末だ。世間知らずの貴族なだけはある。
あっという間に財布の中身をばらし、さらに足元を見られている。
子供時代のベイダーの方が、よほどうまく交渉できたはずだ。
それでもルイズがその大剣にこだわるのは、なんでも一番じゃなければ気がすまない貴族の性だろう。

「マスター」

「うるさいわね！　あんたが大怪我させたギーシュの治療のために、秘薬の代金がいくらかかったと
思ってるのよ！」

「コーホー」


883 プロスキーヤー(京都府) [] 2007/04/30(月) 00:10:27.69 ID:+ZRGAbHO0
ベイダーは手近にあった一本のレイピアを適当のひっつかむと、ルイズに差し出した。

「これでいい」

ルイズは先ほどの大剣とベイダーが持ってきたレイピアを見比べた。
ずいぶんと華奢な剣だ。長さは1メイルを少し超える程度。
シュペー卿の大業物に比べると、大人と子供くらいの差がある。
ベイダーが腰に差すには、ちょっと不釣合いかもしれない。

「こんなんでいいの？　もっと立派なのがいいでしょ？　わたしの交渉術を見くびってない？」

「これでいい。ライトセイバーと長さも重さもあまり差がない」

「……そう。あんたがそう言うならいいけど…」

メイジである貴族にとって、剣は半ば飾り物だ。
実際的な性能はともかく、綺麗で立派な剣とそれを操る従者を抱えているということ自体が、
一種の示威的効果を発揮する。

だけどまあ、ベイダー卿が傍らに控えているということだけで、威圧感は十分かもしれない。


「店主、これにするわ」


888 プロスキーヤー(京都府) [] 2007/04/30(月) 00:16:21.81 ID:+ZRGAbHO0
ルイズたちが去った武器屋の中。

「おい、デル公。今日はずいぶん静かだったじゃねえか。いつもは客が来るたびにギャアギャア
うるさいのによ」

武器屋の主人が話しかけてる相手は一振りの剣だった。
別に主人がおかしくなったわけではない。

その証拠に、話しかけられた当の剣が憎まれ口を返した。
「あんなおっかねえ使い手はこっちからごめんこうむるぜ」


895 プロスキーヤー(京都府) [] 2007/04/30(月) 00:20:53.01 ID:+ZRGAbHO0
剣の名前はデルフリンガー。
意志を持った剣、『インテリジェンスソード』である。
大きさだけなら先ほどの大剣に劣らないが、その表面には錆が浮き、
お世辞にも綺麗な剣とは言えない。

「剣が一丁前に使い手を選ぼうとするんじゃねえよ。お前みたいなボロ剣を
使ってくれる人が奇特な奴がいればだけどな」

「おめえの方こそ、吹っかけすぎてカモに逃げられて残念だったな」

「言ったな。てめえみたいな性悪のボロ剣は、次の客に二束三文で売り払ってやらあ」

「おう、やってみやがれ！　こんな店は飽き飽きだ！」

口汚く罵り合う一人の人間と一振りの剣。
その間に割って入ったのは、一人の小柄な少女であった。
ちっちゃなその掌には、2エキューと3スゥが載せられている。

「それ」
感情を感じさせない視線が、大剣デルフリンガーを指していた。

「へ、へぇ。毎度あり」


903 プロスキーヤー(京都府) [] 2007/04/30(月) 00:28:09.58 ID:+ZRGAbHO0
「どうするのよ、タバサ。こんなボロ剣買って」
呆れたようなキュルケの声。
この親友の考えていることは、相変わらず不可解だ。

キュルケとタバサは、ルイズたちが武器屋に入っていったのを見て、横道に隠れて様子を窺っていた。

ところが、二人が武器屋から出てきたのを見計らって、止める間もなくタバサがとてとてと店の中に
入っていき、またあっという間に出てきた時には『レビテーション』で浮かべた大剣を携えていたのだ。

「インテリジェンスソード」
ポツリとそれだけを言って、タバサは歩き出す。
キュルケは慌ててその後を追った。

「きっと役に立つ」

タバサの脳裡には、つい先日戦った一本のインテリジェンスナイフの形姿が浮かんでいた。


906 プロスキーヤー(京都府) [] 2007/04/30(月) 00:31:48.47 ID:+ZRGAbHO0
ルイズとベイダー卿、それに二人を上空から監視していたキュルケとタバサが魔法学院に辿り着いた頃には、
時刻は既にたそがれ時を迎えていた。

何しろ馬で片道3時間の道のりだ。

動物の制御は得意だと豪語していたベイダー卿もさすがに疲れたようで、ルイズに馬を押し付けてさっさと
部屋に戻ってしまった。
機械の体に似つかわしくない、なにやらぎこちない歩き方だった。

「まったく。ご主人様をなんだと思ってるのよ…ブツブツ……」

文句たらたらながらルイズは地面を注意深く見渡していた。

馬を厩舎に戻した後、しばらく様子を窺っていたが、ベイダーが戻ってくる様子はなかった。

眠ってしまったのだろうか。


909 プロスキーヤー(京都府) [] 2007/04/30(月) 00:34:56.30 ID:+ZRGAbHO0
そのまま日没を向かえ、本格的な夜がきた。
ベイダーは結局部屋から出てこなかった。

ルイズは厨房で借りたランプで地面を照らしてみたが、目的の物が見つかる可能性はあまり
高くはなさそうだった。

それでもなお探索を続けること数時間。

「何やってんの、ルイズ」
その背に声をかけたのは、寄宿舎の方からやってきたキュルケだった。
当然、その傍らにはタバサもいる。

「別に。ちょっと探し物よ」
「財布でも落としたの？　相変わらず貧乏ったらしいわね、ヴァリエール」
キュルケが勝ち誇ったように嘲る。キュルケの実家のツェルプストー家は資産家で有名なのだ。


915 プロスキーヤー(京都府) [] 2007/04/30(月) 00:38:47.02 ID:+ZRGAbHO0
「そんなんじゃないわよ。もう、どっか行きなさいよ」
シッシッ！　と、犬でも追い払うかのような手振り。
相手にしてらんない、そう言いたげだった。

ルイズはそこでわずかに顔を上げた。
その視線の先には、闇の中に黒々とそびえる、本塔の影。

それを見逃さなかったタバサが、ポツリと呟いた。
「剣」
「え？」
「光の剣」
「あ！」

キュルケもそこでようやく、ルイズの探し物に思い至ったようだ。
ルイズは本塔の窓から飛んでいった、ベイダー卿のライトセイバーを探していたのである。


919 プロスキーヤー(京都府) [] 2007/04/30(月) 00:43:04.37 ID:+ZRGAbHO0
「ルイズ、あんた何考えてるのよ！　あんな危ない武器を、あいつのために探してやるだなんて！」

「でも、わたしのせいで失くしたんだし」
キュルケの疑問はもっともだが、ライトセイバーを紛失したベイダーがわずかに見せた困った様子が、
ルイズの胸にわだかまっていたのである。

それに、初めてあの剣を抜いた時に、ベイダーは何と言っていたか。

命を預けるべき武器はこれだけだ――そう言ってはいなかったか。

立派な剣を買い与えてやることで自責の念を晴らそうと思っていたが、残念ながらそれも無理だった。
安くてどこにでもあるようなレイピア一本で、あの武器の埋め合わせができるとは思えない。


926 プロスキーヤー(京都府) [] 2007/04/30(月) 00:45:35.33 ID:+ZRGAbHO0
キュルケはもちろんルイズの言葉に納得してはいなかった。
「それはあの使い魔の自業自得よ。本当に能天気ね、あんたは。また暴れたらどうするわけ？」

「……うまく説明できないけど、もうあんな大暴れすることはないんじゃないかと思う」

それは偽らざる本心だった。
ルーンの刻まれたグローブを着脱するたびに、少しずつベイダーの物腰が柔らかくなってきている。

まだ自分のことを暗黒卿だのダークサイドだの言ってるが、ベイダー本人が一番戸惑っているのは
今日一日行動を共にしてよくわかった。


928 プロスキーヤー(京都府) [] 2007/04/30(月) 00:46:28.59 ID:+ZRGAbHO0
「あんたのおつむの軽さには呆れるわ。今日あいつに剣買ってやったんでしょ？
もうそれでいいじゃない」

「……なんで知ってるの？」

キュルケがハッとして口元に手を当て、返答に窮した顔を浮かべた刹那、タバサが身構えた。

「何か来る」

その言葉を合図にしたかのように、地面が盛り上がり、巨大な土のゴーレムが出現した。


931 プロスキーヤー(京都府) [] 2007/04/30(月) 00:50:59.32 ID:+ZRGAbHO0
フーケは巨大な土のゴーレムの肩の上で、薄ら笑いを浮かべていた。
足元で逃げ惑う数人の生徒が見えるが、気にしない。
フーケは頭からすっぽりと黒いローブに身を包んでいる。
その下の自分の顔さえ見られなければ、問題はない。

ゴーレムが軽く拳をぶつけただけで、本塔五階の窓に打ち付けられた急ごしらえの板は
吹き飛んだ。

フーケはその腕を伝い、五階の廊下に飛び込んだ。

宝物庫を守る扉の前に立つその口から漏れたのは、『錬金』の呪文。
完成すると同時に扉に向かって杖を振る。

驚くべきことが起こった。
頑丈な鉄造りの扉の一部が、ただの土くれに変わり、ボロボロと崩れてゆくではないか。

『土くれ』という二つ名の元になった、フーケの盗みの常套手段であった。


933 プロスキーヤー(京都府) [] 2007/04/30(月) 00:52:41.57 ID:+ZRGAbHO0
だが、分厚い扉の半分程度で、その効果は失われた。

もう一度『錬金』をかけても、今度は効力が弾かれる。
どうやらルイズの爆発が及ばなかった、スクウェアメイジの『固定化』に守られた箇所に
差し掛かったようだ。

「やっぱりこれ以上は無理か。でも、ここまで崩せれば…」

フーケは魔法の杖をしまうと、代わりに円筒状の道具を取り出した。
両手でそれを保持し、構える。その威力は確認済みだ。


閉鎖された廊下の闇を、赤い光が引き裂いた。


950 プロスキーヤー(京都府) [] 2007/04/30(月) 00:57:58.19 ID:+ZRGAbHO0
主たるメイジを回収した巨大な土のゴーレムは、学院の城壁をひとまたぎで乗り越えて逃亡した。
その先の草原をしばらく歩いていたが、シルフィードに乗って追跡していたルイズたちの目の前で
突如崩れ、文字通りただの土くれに戻った。

そこに、黒ローブのメイジの姿はなかった。


翌朝、魔法学院は臨時休校となり、蜂の巣をつついたような大騒ぎになっていた。

『破壊の杖、確かに領収いたしました。土くれのフーケ』

宝物庫の壁にはフーケの犯行声明刻まれ、その言葉通り、学院が王室から預かって秘蔵してきた
『破壊の杖』が消失していたのである。    </description>
    <dc:date>2008-07-23T01:39:58+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www33.atwiki.jp/darthvader/pages/39.html">
    <title>発動～帰還</title>
    <link>http://www33.atwiki.jp/darthvader/pages/39.html</link>
    <description>
      123 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/07/09(月) 01:07:34.05 ID:iCd4svCi0 
いまだ燃え盛るガンシップの残骸の向こうで出し抜けに霧が発生した。 
それを認め、クローン兵たちは口々に驚きの声を発した。 
いや、霧などという生易しいものではない。手で掴み取れそうなほど濃密なミルク色のガスが、 
戦場全体を覆い尽くす勢いで拡大していく。 

「コマンダー？」 
そう問いかけてくる部下に、小隊長はしばし逡巡した。 
これが原住民の軍隊だけなら、水蒸気の中に突撃して至近距離からブラスターで攻撃を加え 
ればいい。先ほどの会戦からするに、それでも十分に押し切れる手ごたえだった。 

だが、あの霧の中にはジェダイがいる。 
彼らは精神を集中している限り、目を瞑っていても背中を向けていても攻撃を感知できる。 
視界を塞がれた状態で戦うには、厳しい相手だ。 

「……航空戦力の攻撃を待とう。そのまま待機」 

――コムリンクが隊の全員にコマンダーの指示を伝えた瞬間だった。 

水蒸気のベールから躍り出た黒い影が、ガンシップの機体をひと飛びで越えるのが見えた。 
「キル・ザ・ジェダイ！」 
誰かが叫びを上げ、続いてブラスターの銃口が火を噴いた。 


124 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/07/09(月) 01:08:59.34 ID:iCd4svCi0 
濃霧の発生は、上空のスター・デストロイヤーからも観測された。 

相争っていた原住民集団の片方を中心に、半径二キロ近くが一挙に白く染め上げられた。 
この星の大気の分析結果が、これが自然に起こりうる現象ではないことを告げている。 

「対レーザー用エアゾール……ジェダイの入れ知恵か？　しかし、この星の文化レベルで気象 
をコントロールできるとは」 
艦長はいぶかしみつつ、航空戦力に対して攻撃命令を下した。 


127 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/07/09(月) 01:11:21.29 ID:iCd4svCi0 
クローン兵の部隊は混乱の極みにあった。 

標的のジェダイがブラスターの弾を跳ね返しながら空中で小さく手を突き出すと、コマンダーと 
その周りにいた数人の兵が衝撃波で吹き飛ばされた。 

上方からの俯瞰視点で、彼らの布陣を一目で見て取ったようだ。 
おそらくはクローン大戦を戦い抜いた、歴戦のジェダイと思われる。 

そして、ブラスターを弾く際の精密さのみならず、剣戟の腕も超一流だった。 
小隊の真っ只中に着地したジェダイが、手にしたライトセイバーで次々に兵たちを装甲服ごと 
斬り捨てた。 
あっという間に十を越す骸が地面に倒れ伏した 

強い。ライトセイバーの腕だけなら、マスタークラスである。 

クローン兵たちの胸の中に、どうしようもない恐怖と共に一つの疑問が持ち上がった。 
ジェダイ・オーダーの中に、このような騎士はいただろうか……。 


132 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/07/09(月) 01:14:35.76 ID:iCd4svCi0 
最初に指揮官を倒しておいたのが功を奏したようだった。 
ベイダー卿は効果的な反撃を受けることなく、クローン兵を屠っていった。 

時折、脳裡にルイズの声が響く。 
呪文の完成が近いようだ。 

だが同時に、呪文を唱えるルイズ自身の不安も、ベイダー卿の意識に流れ込んできた。 
「ルイズ、逡巡している暇はないぞ」 
ベイダー卿はそう呟き、次の相手に向かって刃を振るった。 


134 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/07/09(月) 01:18:10.04 ID:iCd4svCi0 
ジェラ・イサ・ウンジュー・ハガル・ベオークン・イル……！ 


長い詠唱の後、呪文が完成した。 
その瞬間、ルイズは己の呪文の威力を、理解した。 
巻き込む。全てを。 
今目の前にある全てのものを、自分の呪文は巻き込む。 

二つに一つ。殺すか。殺されるか。 

ここは戦場だ、とルイズは自分自身に言い聞かせた。 
しかも相手は、突如として空からやってきた謎の勢力である。 

ルイズはトリステインの貴族だ。 
国を守るために相手を倒すことに、躊躇いはない。 
だが、降って湧いたかのような強大すぎる力は、それを行使するための大きな決意を要求して 
きた。 
できることなら、誰かに背中を押してもらいたかった。 

そして、それにも増して―― 

（ベイダー、どこにいるのよ……） 


136 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/07/09(月) 01:20:45.16 ID:iCd4svCi0 
ルイズは杖を振り上げた姿勢のまま視線を左右に走らせた。 
だが、高速で飛ぶ飛行物体を区別することはできなかった。 

今呪文を発動したら、敵の飛行物体に飛び移ったベイダーを巻き込むかもしれない――その 
懸念が、ルイズの決心を鈍らせた。 

その時、出し抜けに頭の中に声が響いた。 
『やるんだ、ルイズ。僕なら大丈夫だ』 
ルイズは思わずタバサに顔を向けた。 
人形のように無表情を張り付かせたその顔からは、何も読み取れない。 

「タバサ、今何か言った？」 
頭の中でうねり狂う魔力を辛うじて押さえ込みながら、ルイズはそう問いかけた。 
「何も」 
タバサは頭を振った。 
「何も言わなかったし、何も、聞こえなかった」 
そして、どこか淋しそうに目を伏せる。 

「……そう」 
だとすれば、つまりはそういうことだ。 
（信じるからね、ベイダー） 
ルイズは虚空めがけて杖を振り下ろした。 


139 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/07/09(月) 01:25:20.02 ID:iCd4svCi0 
「大丈夫ですか、マザリーニ卿？」 
立ち込める濃霧の中、アンリエッタは身を震わせながら傍らのマザリーニに問いかけた。 
視界はほとんどゼロに等しい。二人の姿が辛うじて視認できる程度だ。 

「やれやれ、殿下の魔法のおかげで命拾いしました」 
マザリーニがはっきりとした声でそう答えたので、アンリエッタはほっと胸を撫で下ろした。 

つい先ほど、マザリーニのすぐ下の地面に空から降ってきた光の矢が着弾したのである。 
この水蒸気の盾によって威力が削がれていなければ、マザリーニの体はバラバラになって 
いたであろう。 

「急ぎましょう、殿下。ラ・ロシェールの城砦に籠もれば、ひとまずは安心です」 
トリステイン軍は今、ベイダー卿の指示通りに間隔をあけた隊列を組んで、ラ・ロシェールに 
向かって退却している最中だった。 

魔法の水蒸気は『水』系統を得意とするメイジたちによってどんどん補強され、彼らの身を守る 
盾となっていた。 
それでも空から降り注ぐ光の矢は完全には防ぎきれず、直撃を受けた人馬が粉砕される光景 
がそこかしこに見られたが、無防備でいるよりはずっとマシだった。 


142 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/07/09(月) 01:30:24.36 ID:iCd4svCi0 
しかしながら敵も考えたもので、次第に光線に替えて強力な爆発力を持った砲弾を降らせる 
ようになってきた。 
この攻撃は、残念ながら水蒸気では防げない。 
爆発に巻き込まれれば、十数人が一度に木っ端微塵に吹き飛ばされる。 

幸いなのは、敵がこちらの隊列を目視することができず、めくら撃ちにならざるをえないという 
ことだ。 
だがそれでも、刻一刻と死傷者は増え続けている。 

アンリエッタは焦り始めた。 

ちょうどそんな折だった。 
アンリエッタは、信じられない光景を目の当たりにした。 
濃密な水蒸気すら透過して、上空に強烈な光の塊が出現するのが見えた。 
その光の球は、大きさも輝度もみるみる内に増加させ、あたかも太陽が草原の上空に落ちて 
きたかのようであった。 


146 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/07/09(月) 01:33:32.28 ID:iCd4svCi0 
光球はさらに膨れ上がり、やがて視界の全てを覆い尽くした。 
何十人もの『水』系統のメイジが作り上げた水蒸気が、跡形もなく吹き飛んだ。 

一瞬の無音。 

次いで、耳をつんざく爆音。 

水蒸気が吹き払われた後では、光球はとても直視できるものではなかった。 
アンリエッタは咄嗟に目を瞑り、両耳を塞いだ。 
周りの将兵たちも同様の姿勢を取った。 
爆風が吹き荒れ、草の葉を引きちぎって駆け抜けていった。 

そして、光が消失した後、爆散した敵の小型機の破片が降ってきた。 
大型機も炎を噴き上げ、墜落してくる。 
『風』系統の呪文を得意とする貴族たちが空気の盾を作り上げ、破片から味方を守った。 


148 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/07/09(月) 01:35:28.07 ID:iCd4svCi0 
アンリエッタは呆けたように空を見上げていた。 
マザリーニも、周囲の他の貴族たちも同様だった。 
そんな彼らの頭上、雲すら全て吹き払われた真っ青な空を、一機だけ駆け巡る機体があった。 

特徴的な轟音。ライトグレー一色の機体。そして、尾の部分に鮮やかに躍る『ゼロ』の文字……。 
ラ・ロシェールで頭上を通過していき、アルビオンの旗艦を大破させたあの機体に間違いない。 

先ほどのベイダー卿の言葉が思い出された。 
やはりあの機体に乗っているのは―― 
「ルイズ……わたくしの一番のおともだち……」 
空を見上げる姿勢のままのアンリエッタの頬を、眩しさのせいではない涙が伝った。 


危機は、去った。 


152 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/07/09(月) 01:37:23.20 ID:iCd4svCi0 
ルイズはぐったりとして、タバサの脚に背をもたせかけていた。 
その足は申し訳ばかりにフット・ペダルにかかっている。 
デルフリンガーの号令の元、二人はまた協力して、ハリアーの機体に着陸姿勢を取らせよう 
としているところだった。 

体中を、けだるい疲労感が包んでいる。 
しかし、それは心地よい疲れだった。 
何事かをやり遂げた後の、満足感を伴う疲労感だった。 

意外なことに、タバサはルイズに向かって何も尋ねてこなかった。 
彼女なりに、納得するものがあったのだろうか。 


153 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/07/09(月) 01:39:07.52 ID:iCd4svCi0 
ルイズはつい数分前にそうしたように、上下反転したタバサの顔を仰ぎ見た。 
やはり、いつもどおりの無表情。 
まあ、質問攻めに遭うよりいいか……、ルイズがそう思った瞬間だった。 

『右に避けろ』 

またあの声が頭の中で鳴り響いた。 
ルイズは反射的に右のペダルを踏み込んだ。 
タバサも同時に操縦桿を倒した。 
右に傾いたハリアーの左脇腹を掻い潜るようにして、爆発を繰り返す小型機の残骸が落下し 
ていった。 
間一髪のところだった。 
「ひゅ～～～ッ」 
デルフリンガーが悲鳴とも歓声ともつかない声を漏らした。 


「タバサ？」 
ルイズは驚き、またタバサの顔を見上げた。 
「わたしにも、聞こえた」 
その顔はほんの少し嬉しそうだった。 


164 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/07/09(月) 01:43:37.88 ID:iCd4svCi0 
ルイズはなにやら少し面白くなくなって、タバサの顔を仰ぎ見ながら言った。 
「……そうだ、タバサ。知ってた？　ベイダーのホントの名前、アナキン・スカイウォーカーって 
いうんだって。知らなかったでしょ」 
妙な対抗意識。 
別段、嫌味を言うつもりはなかったが、なんとなく釘を刺しておきたかったのだ。 

「知らなかった」 
タバサがルイズと目を合わせずにポツリ、と答えた。 

「一個、勝ち」 
ルイズも視線を戻して、小さな小さな勝利宣言をした。誰にも聞こえることのないよう、口の中 
だけで呟くようにして。 
だが、上から予想外の声が降ってきた。 
「負けてない」 

「へ？」 
ルイズはきょとんとして、また顔を上げようとした。 
そんな彼女に、デルフリンガーが怒鳴り声を上げた。 
「ほら！　操縦に集中しやがれ！　もうすぐ着陸だぞ！」 
地面はすぐそばに近づいていた。 


172 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/07/09(月) 01:49:00.70 ID:iCd4svCi0 
スター・デストロイヤーの艦長は、驚愕のあまり息をすることさえ忘れていた。 
足元に出現した巨大な光の球の爆発で、航空戦力は全滅した。 
本来使う必要のなかった戦力を、無断で運用した挙句全滅させたとあっては、いかなる言い訳 
も通用しないだろう。 

残された方法は一つだけ。 
ターキンの依頼を確実にこなし、彼から皇帝に働きかけてもらうしかない。 
そのためにはやはり、ジェダイや先ほどの謎の兵器ごと、眼下の草原と街を焼き尽くしておく 
必要がある。 
一度戦意を奪っておけば、この艦にいる数千人の将兵だけで原住民を制圧できるだろう。 

「ターボ・レーザー起動だ。原住民どもに我々の力を思い知らせてやれ」 


177 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/07/09(月) 01:51:36.79 ID:iCd4svCi0 
しかし、彼の指示が飛んだ直後、ブリッジの入り口が開き、三人のロイヤル・ガードが入って 
きた。 
その後ろには、彼らを制止しようとしたのだろう、数人のクローン兵が倒れていた。 

真紅の衣装に身を包んだ近衛兵の内、代表者と思しき人物が口を開く。 
「それは許可できない」 
そう言う彼らの視線の先には、一台のモニターがあった。 
その画面上には、赤い光刃を振るう黒ずくめの巨人が、ズームカメラで捕らえられていた。 

「なんだ貴様らは！　ここは私の船だ……ッ！？」 
艦長は突如湧いた邪魔者に食ってかかろうとしたが、それ以上言葉を続けることができな 
かった。 
目にも止まらぬスピードで、フォース・パイクがその喉元に突きつけられたからだ。 


187 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/07/09(月) 01:57:36.94 ID:iCd4svCi0 
黙りこくった彼の背に向かい、乗組員の一人が口を開いた。 
「艦長、シャトルが一機、発艦を求めています。機種は……シータ級！」 
艦長も目を剥いた。 
「シータ級！？　そんなものが積まれていたのか！？」 

シータ級シャトルは帝国の重要人物専用の乗り物である。皇帝が愛機としているのもこれだ。 
ロイヤル・ガードとは言え、任務で運用するには不釣合いな代物だ。 

艦長の背筋を冷たいものが走った。 
もしかして自分は、とんでもない人物に攻撃を仕掛けてしまったのではないだろうか……。 
発艦するシャトルを見送りながら、艦長はがっくりと膝を突いた。 


193 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/07/09(月) 02:00:46.71 ID:iCd4svCi0 
最後に残ったクローン兵たちは、航空戦力が全滅させられたのを目の当たりにして完全に 
戦意を失った様子であった。 
さらにそこへ、トリステイン軍までもが隊列を整えて戻ってきた。 
もはや彼らに勝ち目はない。 
一人がブラスターを捨てると、残りの兵士も次々とそれに倣った。 

ベイダー卿はライトセイバーの刃を収めながら、後ろを振り返った。 
トリステイン軍を率いているのはアンリエッタであった。 
空撃にさらされながらも、なんとか無事だったらしい。 
その顔は、清々しいほどに晴れやかだった。 


198 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/07/09(月) 02:04:31.13 ID:iCd4svCi0 
ずいぶん遠い所に、ハリアーが着陸するのが見えた。 
少しふらついていたが、柔らかい地面がその巨体を受け止めてくれていた。 

おそらく、またエンジンが破損したことだろう。 
だが、コルベールやギーシュたちがいれば、修理することは可能であるように思われた。 

そうこうしている内に、森の中から出てきた人影が一つ、その機体に駆け寄った。 
その姿を確認して、ベイダー卿は胸を撫で下ろした。 

最後にベイダー卿は上空に目をやった。 
すっかり沈黙したスター・デストロイヤーから一機の黒いシャトルが降下してくるのを認め、 
ベイダー卿は実感した。 
この星を去るべき時が来たのだと。 


206 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/07/09(月) 02:08:54.23 ID:iCd4svCi0 
シータ級シャトルはベイダー卿と降伏したクローン兵、そしてトリステイン軍の見守るただ中に 
着陸した。 
シャトルの中から、真紅のローブに身を包んだ数人の集団が姿を現した。ロイヤル・ガードだ。 

「お迎えに上がりました、ベイダー卿」 
先頭の一人の声を合図に、全員が深々と礼をする。 
ベイダー卿はそれに対して軽く頷くと、クローン兵たちを先にシャトルに乗せた。 
その後に続き、ベイダー卿もキャビンへの昇降路に足をかける。 
と―― 

「待ってください！」 
突然、その背に声がかけられた。 
呆気にとられる将校たちの間を掻き分けるようにして、アンリエッタが軍勢の中から進み出た。 

「コーホー」 
ベイダー卿は最初の段に足をかけた姿勢のまま、アンリエッタを振り返った。 


212 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/07/09(月) 02:11:25.32 ID:iCd4svCi0 
「あなたが違う星から来た、ということは聞き及んでおります。それに、いつか帰らなければ 
ならないということも……。でも、でもせめてあの子に会っていってあげてくださいませんか？　 
あの子は、ルイズはこのままでは……」 

「そうよ！」 
不意に、別方向から声が上がった。 
シルフィードを従えたキュルケだった。 
「あなた、タバサにもなんにも言わないで行くつもり！？　それって、勝手すぎじゃないかしら？」 

「コーホー」 
ベイダー卿は珍しく困ったような様子で二人を見比べた。 


226 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 ：2007/07/09(月) 02:15:06.51 ID:iCd4svCi0 
だがやがて、くるり、と背を向けると、ベイダー卿は次の足もステップにかけた。 
「きみたちから言っておいてほしい。昔から別れの場面は苦手なんだ」 
そう言う彼は、幼い日の、灼熱の砂漠の星での出来事を思い出していた。 

重々しい足音が昇降路の向こうに消えた後、立ち尽くすアンリエッタとキュルケの目の前で、 
無慈悲にもハッチが閉じられた。 


飛び去るシャトルを見守りながら、取り残された格好のアンリエッタはポツリと言った。 
「メイ・ザ・フォース・ビー・ウィズ・ユー、ロード・ベイダー」 

それを耳にしてあからさまに顔をしかめた後、だが結局、キュルケも呟いた。 
「……まったく。――メイ・ザ・フォース・ビー・ウィズ・ユー……」     </description>
    <dc:date>2008-07-13T05:24:57+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www33.atwiki.jp/darthvader/pages/12.html">
    <title>召喚～コントラクト・サーヴァント</title>
    <link>http://www33.atwiki.jp/darthvader/pages/12.html</link>
    <description>
      銀河共和国元老院議長、いや、いまや銀河帝国の皇帝となったシスの暗黒卿、ダース・
シディアスことパルパティーンは目の前で起こったことがにわかには信じられず、彼にし
ては珍しく呆けた表情を浮かべていた。

パルパティーンの新しい弟子ダース・ベイダーは死闘の末にジェダイマスターのオビ＝
ワン・ケノービに敗れ、四肢と大部分の循環機能を失った。
瀕死のヴェーダー卿を回収し、長時間に渡る再生手術を施して機械人間として彼をどうに
か蘇らせた矢先にそれは起こった。
装甲服にヘルメットと黒マント、銀河中を恐怖させるべきダークサイドの化身として生まれ
変わったヴェーダー卿の肢体を拘束した手術台。
その手術台が水平から垂直に立ち上がる最中、突如として現れた光のゲートの中にベイ
ダー卿の姿が掻き消えたのだ。
主を失った手術台だけが、仰々しい機械音と共に空しくパルパティーンの前にそびえ立っ
た。



ヨーダやオビ＝ワンら生き残ったジェダイの騎士の仕業かとも思ったが、いかに強力な
フォースの使い手であれ、彼とヴェーダー卿が共にありダークサイドが支配するこの場
所でこんなまねをするのは不可能なはずだ。
「…今の、なに？」
「サア…」
思わず発したパルパティーンの問いかけに、ベイダー卿の手術を担当した医療用ドロイド
が、自分の命が済んでの所で助かったことも知らずに首を傾げた。

遠い昔、遥か彼方の銀河で･･･




（なんでなんでなんで？なんでなのよ、もうッ！）
――ここは始祖ブリミルに愛された地ハルケギニア。歴史を誇るトリステイン王国の、これ
また由緒正しき魔法学院。
その敷地の外れの丘で、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは頭を抱
えていた。

「何これ…？」
「亜人？」
「こんなの初めて見るけど」
「ゼロのルイズ涙目ｗｗｗｗｗ」


『見てなさい、あんたち全員でも及ばないほど神聖で美しくそして強力な使い魔を呼び出
してみせるわ！』
昨日の大見得が頭の中でリフレインする。サモン・サーヴァントだけは得意だなんて、言
うんじゃなかった。
クラスメートのヒンシュクを買った大爆発の挙句、ルイズの目の前に姿を現したのは、地
面に大の字に横たわる黒ずくめの人影だったのだ。
「こここ、こんなのが神聖で美しくそして強力な…？」


「コーホー」


大きい。身の丈2メイルは優に超える。
体躯では他の亜人種には及ばないが、指先までみなぎる迫力は引けを取らない。
驚くほど精巧で光沢を放つ頭部はどこか人間の髑髏を思わせる禍々しさで、全身を覆う
皮膚は多少の熱量なら跳ね返しそうだ。
生意気にもメイジのような黒マントを羽織っている。
胸部に付属する謎の器官が絶えず光を発しているのが、なんとも言えず不気味だった。
そして全く狂うことのない一定のリズムで、くぐもった呼吸音がやけに大きく響き渡るのも
不快さをつのらせた。


「こ、これは…」
博学で鳴らすミスタ・コルベールも首を傾げていた。
当然だ。どんな文献にもこんな生物の記述はない。
人間なのか亜人なのか、それとも全く未知の生物なのか･･･


ベイダー卿ことアナキン・スカイウォーカーが目を覚ますと、かろうじて記憶のある手術
室とは全く違う風景が広がっていた。
生い茂る草の原と、薄い雲の浮かぶ抜けるような青空。
いつか滞在したナブーの景色にも似ている。
しばらく見ていなかった強い日差しが眩しくて、マスクの光学センサーごしに網膜が焼か
れる思いがした。


自分がどんな手術を受けたのかは概ね把握していた。
失った両手足の代わりをなす強力なサイバネの義肢。
溶岩に焼かれて呼吸の機能を喪失した皮膚と循環器系をカバーするべく、肺の代わりに
ボンベとマスクが取り付けられていた。
さっきから耳障りな「コーホー」という呼吸音が、実は自分のものであることに気づいたとき、
ベイダーもさすがに泣きたくなった。



フォースの使い手としては、何よりも生身の体をほとんど失ってしまったのが痛い。
フォースの意志を伝える媒介となるミディ・クロリアンの絶対数が激減してしまったからだ。
ジェダイを殲滅した後、皇帝をも倒して銀河を手中に収めるという野望が遠のいてしまっ
たことを、自信家のベイダーも認めざるをえなかった。
二人で銀河を支配するはずだったのに。

――ふたり？
――だれと？



不意に、誰かがこちらをのぞきこんでいるのに気づいた。
桃色の髪に黒マント。白いシャツと短いスカートを身に着けた小柄な少女だった。
とりあえず彼の脅威にはならなさそうだ。
脳裡にかかった靄が急速に晴れていくのを感じた。
サイボーグならではの予備動作のない動きで、ベイダーはすばやく身を起こした。
光学センサーの受像範囲一杯に少女の驚いた顔が広がる。

「パドメはどこだ？」
地の底から響き渡る悪夢の如き声だった。


黒い人影が突如身を起こしたことに驚いたのは、一番そばに立っていたルイズだけでは
なかった。
その瞬間、興味津々といった風情で二人の周りを円状に囲んでいた魔法学院の生徒達も
一斉に飛びのいた。
メイジの常として、何人かは咄嗟に魔法の杖さえ構えていた。
青い髪と眼鏡が特徴の雪風のタバサもその一人だった。
「珍しいわね、タバサ。いっつもクールなあんたが反射的な行動するなんて」
隣で感心したように言う親友のキュルケに、タバサは視線さえ送らずに一言応じた。
「危険人物」



「あ、あんた、喋れるの？」
半身を起こした黒ずくめの人影と、上体を傾ける格好のルイズの視線はほぼ同じ高さ
だった。
その、全く表情の変化しない落ち窪んだ眼窩に見つめられて困惑しながらも、ルイズは
幾分安心していた。
喋れるということはかなりの高度な知性を具えた生命体だ。極めて稀ながら、そういった
幻獣が存在していることは確認されている。
少なくとも、この中の誰が召喚した使い魔にも引けを取らない希少種には違いない。
いつものように「ゼロのルイズ」と馬鹿にされるのは回避できるかもしれない。
この凶悪な姿は置いておいて、だが。



黒い人影はゆらりと立ち上がり、ルイズを見下ろした。
153サントしかないルイズと２メイルを越える彼とでは、大人と子供以上の差がある。
「パドメはどこだ？いや、まずここはどこだ？コルサントではないな？」
黒い巨人が繰り返した。口らしき部位はあるものの、そこを全く動かさずに発声している。
「ぱ、パドメって誰よ？ていうかそもそもあんた何者？」
圧倒的な存在感を示す人影相手にルイズがかろうじて退かずにいられたのは、貴族として
の矜持以上に、サモン・サーヴァントのゲートをくぐってやって来た者は使い魔であり、自分
はそのご主人様であるという意識のおかげだった。
だが、そんなルイズの甘い考えもあっさり打ち砕かれることになる。



「僕の質問に答えた方がいい。僕はシスの暗黒卿だ」
「死す？暗黒卿？…もしかしてあんたの二つ名？あんたメイジなの？」
「僕はダース・ベイダー。皇帝の弟子だ」
「ダース・ベイダーって名前なのね。皇帝って、ゲルマニアの？ほんとにメイジってわけ？」


メイジを使い魔にするだなんて、前代未聞すぎる。でもそれはそれで、途方もなく甘美な
響きを持っていた。人間が使い魔になるなんて見たことも聞いたこともないが、メイジを
使役するメイジ……悪くはない。少なくとも平民が使い魔になるよりずっといい。
ルイズの胸中を知ってかベイダー卿は威圧するかのように腕を組んだ。
「いい加減にした方がいいぞ。僕は皇帝ほど寛大ではない」
「あんたこそ、人間ならそのブサイクなマスクを取りなさいよ。ご主人様に失礼でしょ――」
ルイズがそう言い終るのとほぼ同時に、ベイダー卿の右手が真っ直ぐ前に差し出された。



「は、きゅ…」
うめくルイズ。
二人のやり取りに割って入れず、遠巻きに見守っていた生徒達はその光景に驚愕した。
黒い人影――ダース・ベイダーの右手が前に差し出されたかと思うと、触れられてもいない
のにルイズが自分の喉元を押さえ、顔を真っ青にして苦しみ始めたのだ。
さらに、レビテーションの魔法でもかけられたかのようにその両足が地面を離れ、バタバタと
無様に空を蹴る。
「先住魔法だ！」
悲鳴にも近い声が上がった。
何しろベイダー卿は杖すら持っていないのに、手振り一つでルイズをくびり殺そうとしてい
るのだ。



ルイズを救出しようと我に帰った何人かの生徒が呪文を唱え始めたところで、ベイダー
卿は右手を下ろした。
その途端喉を締め付ける不可視の力から解放され、柔らかい草地が支えを失ったルイ
ズの体を受け止めた。
「ゲホッ！ゲホゲホ、ゲホッ…！」
地面に転がり涙目で咳き込むルイズを、黒いマスクの陰に表情を覆い隠したベイダー卿
が冷ややかに見下ろした。
「言ったはずだ。僕を怒らせない方がいいと。あらためて聞くが、ここはどこだ？」
「トリステイン…魔法……学院…よ」
息も絶え絶えといった様子で、ルイズが答えた。



「魔法？迷信の一種か。ずいぶんと未開の部族のようだな。星系と惑星の名は？」
「何…よ、それ…？」
「自分たちが何という名の星に住んでいるかも知らないのか。では、この土地の名は？」
「トリステイン王国…ハルケギニア…」
質問の意図が掴めず、ルイズは怯えながらベイダー卿が満足しそうな答えを挙げるしか
なかった。
どうして自分がこんな辺境の惑星にいるのか、機械化手術完了後に光に包まれた時の
あのハイパースペース・ドライブに似た感覚はなんだったのか、いくつも疑問は残ったが、
とりあえずは一刻も早くコルサントの皇帝のもとに帰還し、パドメの無事を確認せねば
ならない。
ベイダー卿も彼なりに焦っていた。

「最後に尋ねるとしよう。宇宙港はどこに――」
その瞬間、フォースが警告を発するのをダース・ベイダーは確かに感じた。
だが、それが何に対してであったのか理解する間もなく、その巨体は突然襲ってきた衝撃に
宙を舞っていた。



全身を覆う装甲服は彼の肉体を完璧に保護していたものの、マスクの中に収められた
生身の頭脳は振動に揺れに揺れた。
（これが魔法…だというのか……？）
薄れゆく視界の隅に、自分の身長より長大な杖を構えた小柄な少女の姿が映じた。


「エアハンマー」
タバサが放った空気の塊に吹き飛ばされ、ベイダー卿はあっけなく意識を手放していた。


「ミス・ヴァリエール、最後の最後にとんだ大物を持ってきたもんですなぁ」
緊張の糸が切れ地面にへたり込むルイズの脇に立ち、どこか呑気に聞こえる口調で
コルベールは額の汗を拭っていた。
「ほんとよ、ルイズ。タバサがなんとかしてくれなかったら、あんたってばどうなってたことか…。
でもタバサ、なんでもっと強力な呪文で止めを刺さなかったの？」
キュルケが大多数の生徒の疑問を代弁した。
それも当然。ベイダーが先住魔法を使った時、彼らは幼い頃から刻み付けられたエルフの
恐怖を思い出し、命の危険を感じていたのだ。
現に今なお、地面に横たわるベイダーに向かって致命傷となる呪文を唱えようとしている
生徒もいる。
だが、そんなどこか非難の混入した生徒達の視線を真っ向から受け止めて、タバサは涼やかな
声でポツリと漏らした。
「メイジにとって使い魔は一生の問題」


そう、メイジにとって使い魔は生涯のパートナーであり、分身とも言える存在である。
コントラクト・サーヴァントの儀式すら終えていない使い魔を抹殺する権利を、同じメイジの
誰が有すると言うのか。
炎蛇のコルベールもそう考えたからこそ、ギリギリの状況になるまでベイダーに対して
攻撃を加えることを控えていたのである。
「それではミス・ヴァリエール、コントラクト・サーヴァントの儀式を」
「ええッ！これと！？」
ようやく動悸の収まったらしいルイズは、早くも新たな危機に直面することになった。


ルイズはベイダーの胸の上に馬乗りになるような姿勢で、彼の頭部を観察していた。
一体この生物、どこが唇だというのか。
気絶していてなお規則正しい呼吸音は、一応普通の人間で言えば口に当たるべき箇所から
聞こえてきている。
だけど先ほどわずかながら言葉を交わしたとき、その部位が全く動いてさえいなかったことは
確認済みだ。

いや、ちょっと待て。
こいつも人間か亜人の類なのだとしたら、この鉄化面も武装した騎士たちと同じような防具なのかもしれない。
これ、どうにかして外せないのだろうか…？


「ねぇ、ギーシュ」
ルイズは土のドットメイジたる男子学生の方に頭をめぐらせた。
「なんだい？僕のモンモランシー」
「錬金で、剣か何か刃物を…」
「ああ、僕の可憐なモンモランシー。そうだね、君の言うとおりだ。君のロビンは僕の
ヴェルダンデに劣らず可愛いね」
「…やっぱいいわ」
会話が成立してさえいなかった。ギーシュは最近付き合い始めた「洪水の」モンモランシー
とのおしゃべりに夢中なようだ。
（ま、ギーシュの錬金で作った刃物が、何で出来ているのかよくわからないこいつに歯が
立つとも思えないしね）
ルイズはだめもとで、このマスク（？）の口吻部で試してみることにした。
「我が名はルイズ･フランソワーズ･ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。
この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
詠唱が終わり、ルイズはコーホー、コーホー騒がしいベイダーのマスクに唇に近づけた。    </description>
    <dc:date>2008-05-01T04:25:20+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www33.atwiki.jp/darthvader/pages/15.html">
    <title>昼食～ギーシュとの決闘</title>
    <link>http://www33.atwiki.jp/darthvader/pages/15.html</link>
    <description>
      455 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 01:13:38.22 ID:hqezqI7H0
普段は和気藹々とした昼食の風景も、やはりたった一人の存在のせいでいつもとはかけ離れた
雰囲気になっていた。
「コーホー、コーホー」
ベイダー卿は当然のようにルイズの向かいの席に座り、腕組みをして身動き一つしなかった。
実際のところ何を見ているのかわからないのだが、マスクの眼窩は常にルイズを凝視している
ように見える。
監視されているかのような居心地の悪さをルイズは感じていた。

まぁ、ルイズはまだ我慢できるからいい。
問題は残りの生徒たちだった。
（飯が不味くなる…）
口には出さないものの、大部分の生徒が感じていた。


469 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 01:22:08.31 ID:hqezqI7H0
人が食事をしている時間は、ベイダー卿にとって退屈だった。
マスクが外せないのだから、当然物を食べることはできない。
手術の時間を含めてもう何日も食事をしてないのだが、不思議なことに空腹を感じることは
なかった。
そもそも消化器系は残っているのだろうか？

光学センサーのピントをあちらこちらに合わせて退屈しのぎをしていると、メイド服を着た
少女がデザートのケーキをトレイに載せて運んでくるのが目に映った。
短めの黒髪と、貴族たちとはやや色調の違う肌。
ほぼ単一に見える種族の中で、その姿は軽いアクセントを加えていた。


485 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 01:32:58.06 ID:hqezqI7H0
危なっかしい足取りだ。そう思ってしばらく注視していると、その少女がベイダー卿の視線に
気づいたのかふと彼の方を見た。
貴族の食卓に堂々と座を占める異様なその風体は、彼女の動揺を誘うのに十分だった。
「あっ」
軽い声と共にお盆が傾き、白磁の皿に乗ったケーキが一切れ宙に舞った。
ベイダー卿が咄嗟に片手を伸ばしたが、間一髪フォースが作用するより先に、ケーキは
一人の生徒のマントを羽織った肩に着地した。
…当然、クリーム地をの方を下にして。

「き、キミィ…」
貴族の証たるマントを汚され、ギーシュ・ド・グラモンはゆらりと立ち上がった。


504 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 01:45:25.92 ID:hqezqI7H0
それまで微動だにしなかったベイダー卿が突然片手を伸ばしたことで、彼の周りでも惨事は発生していた。
まずルイズがスプーンを放り出して椅子から転げ落ち、太っちょのマリコルヌは頬張っていた
大量の肉片を正面の生徒に向かって噴き出した。
皿がいくつも飛び、フォークを口腔に刺してしまう生徒さえいた。

自分が起こした数々のハプニングには目もくれず、ベイダー卿はギーシュがメイドの少女を
叱責するのをその強力な聴覚で聞いていた。

曰く、「平民風情が」
曰く、「貴族に向かって」
曰く、「国に帰りたまえ」……

子供時代を砂漠の星で奴隷として暮したベイダーの胸の内で、暗い情念が沸々と湧き上がるのが
感じられた。


528 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 01:58:00.43 ID:hqezqI7H0
（これだ…）
昨晩目を覚ましたときから感じられていた違和感。今ようやくその理由が確信された。
ダークサイドに転落しきったはずの自分が、いつの間にかライトサイドに復帰していたのだ。
かろうじて一線を踏み越える直前の感覚に戻っていた。
その時既に持っていた闘争心はともかくとして、渦巻く暗い憎しみが霧散していた。
ルイズが言っていた『契約』のせいだろうか。いかに凶悪な獣も、主人たるメイジと契約する
ことで馴化されるという話だ。

ベイダー卿にとっては今感じられる怒りが貴重なものに思えて、もう少し野放しにしてみる
ことにした。


531 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 01:59:18.43 ID:hqezqI7H0
元々ボキャブラリーの貧弱なギーシュの叱責はそう長くは続かず、彼はメイドを手振りで
遠のけると、着替えのためにその場を立ち去ろうとした。
その椅子の上に小瓶が転がっているのにメイドが気づき、よせばいいのにギーシュを
呼び止めた。
「あの、これ落としましたけど…」


542 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 02:08:43.36 ID:hqezqI7H0

「これは僕のじゃない。君は何を言っているんだね？」
「でも確かに…」

その小瓶の出所に気づいたギーシュの友人達が騒ぎ始めた。
「おお？　その香水は、もしや、モンモランシーの香水じゃないのか？」


544 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 02:09:33.33 ID:hqezqI7H0
事態はあっという間にメイドの手を離れた。
騒ぎ立てる友人たちと、それを抑えようとするギーシュ。
そこにこのところギーシュが口説いていた後輩の女生徒が通りかかり、状況はますます
紛糾していった。
名指しされたモンモランシーという金髪の少女が騒ぎを聞きつけてやって来る。
こうしてメイドの少女の目の前で繰り広げられていた修羅場は、ギーシュがモンモランシーに
香水を頭からぶちまけられるという破局で収拾がついた。


548 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 02:14:01.70 ID:hqezqI7H0
収まらないのは二股をかけていたギーシュだ。
「君が軽率に香水の瓶なんか拾い上げてくれたせいで、二人の名誉が傷ついた」
ギーシュの怒りの矛先がメイドの少女に向いた時、ベイダー卿は残忍な喜びを感じながら
席を立った。
人並みを蹴散らし、腕組みをしながらメイドの背後に立つ。

「それくらいにしておけ、童貞」
その瞬間、シ…ンと食堂内の喧騒が収まった。


580 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 02:27:40.90 ID:hqezqI7H0
「どどど……。そ、そういえば君はさっきも僕をコケにしてくれたな。ゼロのルイズの使い魔
だけあって、どうやら貴族に対する礼儀を知らない平民のようだ」
「だったらどうする？」
ベイダー卿の挑発。

いつの間にか食堂内の全員がこちらを注視していた。
メイドは泣きそうになりながら二人の顔を交互に見る。
ルイズもやって来たが、ベイダーが放つ迫力に声をかけられないでいた。

ギーシュは改めてベイダー卿を見上げた。
身長は彼より頭一つ半は高い。単純な腕力では勝ち目はなさそうだ。
だが、たかが平民だ。魔法を使う貴族に、平民は絶対に勝てない。
その絶対の確信が、彼に虚勢を張らせていたものの、揉め事は回避したい。


588 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 02:32:40.03 ID:hqezqI7H0
結果として、挑発に乗るのは貴族のあるべき振る舞いではない、そんな論理が弾き出された。
「ふ、行きたま……」
「怯えているな」
畳み掛けるようなベイダーの口調。

「お前の恐怖が見える。恐れは怒りに、怒りは憎しみに、憎しみは苦痛に、苦痛は暗黒面に
つながる。心地よいぞ。さあ、怒れ…」
「けけけ、決闘だ！」
耐え切れなくなったギーシュが叫んだ。

ルイズとメイドの少女が顔色を変える一方で、事態の推移を固唾を呑んで見守っていた生徒
たちはギーシュの宣言に歓声を上げた。


708 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 15:07:27.75 ID:hqezqI7H0
「ヴェストリの広場で待つ」
そうとだけ言い残して、ギーシュは半ば逃げるようにその場を去った。

ヴェストリの広場は魔法学院の敷地内の『風』と『火』の塔の間にある中庭であるが、
当然ベイダー卿はそのことを知らない。
メイドに尋ねようと思ったが、彼女はいつの間にか逃げ去っていた。

「ベイダー！」
とりあえずギーシュと同じ方向に歩き出そうとするベイダー卿の前に、青ざめた顔の
ルイズが立ちふさがった。
「いい加減に『卿』を付けることを覚えたほうがいい。それよりもマスター、ヴェストリの
広場というのは？」
「お、教えるわけないでしょ！お願いだから決闘なんて馬鹿な真似しないで」
ベイダーは一瞬考え込む素振りを見せた。
「…なるほど、敷地の西か」
「……！　かか、勝手に心読まないでよ！」


712 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 15:11:16.10 ID:hqezqI7H0
「この体の慣らしがしたいと思っていたところだ。ちょうどいい」
ルイズを押しのけ、歩き出すベイダー。
「待ちなさいよ！あんたは多少の力を持ってるかもしれないけど、平民は魔法を使える貴族に
絶対に勝てないの！　怪我じゃすまないかも知れないのよ！」
ルイズはベイダーのマントを掴み、なおも追いすがる。

その鼻先に、ベイダーが指を突きつけた。
「僕は決闘してもいい」
「決闘、していいわ」
ルイズの指がするりとマントを離れた。

「お前は僕の心配などしない」
「わ、わたしは心配などし…しな……べっ別にあんたの心配してるわけじゃないんだからねっ！」
その回答に満足したのか、ベイダーは決闘の地へと再び歩を進めた。


718 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 15:14:23.80 ID:hqezqI7H0
ルイズは彼が食堂から出て行くのを呆然と見ていたが、やがて我に帰ると後を追って走り出した。


720 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 15:15:17.22 ID:hqezqI7H0
ヴェストリの広場は物見高い生徒たちでいっぱいだった。当然、その中心に立っているのは
一方の当事者であるギーシュ･ド･グラモン。
「やっちまえ、ギーシュ！」
「生意気な平民を叩き潰せ！」
「ギーシュ様～！」
やはりベイダーに対してストレスが溜まっていたのだろう、同級生だけではなく、上級生も
下級生も口々に勝手な声援を送っている。


722 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 15:16:17.77 ID:hqezqI7H0
ギーシュは魔法の杖である造花の薔薇を口にくわえ、その声援に応えるように片手を
挙げていた。
だが、放っとくと震えそうになる膝頭を押さえ込むのには、かなりの精神力を要した。
（な、なんで決闘なんて申し込んでしまったのだろう…）
ベイダーの言葉を聞く内に心を鷲づかみにされるような嫌な感覚に捕われ、半ば強制される
ようにして決闘を宣言してしまったのだ。
だけど、今からやめると言ったところで、この無責任な観衆は聞く耳を持たないに違いない。


724 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 15:17:16.60 ID:hqezqI7H0
そんな騒乱きわまる広場だったが……

「コーホー」

その途端、ぴたっと歓声が止んだ。
太陽が中天に差し掛かったところだというのに、誰もがその瞬間に寒気を覚えた。

号令でも受けたかのように人波がさっと二つに割れ――
シスの暗黒卿がギーシュの眼前に姿を現した。


726 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 15:18:10.59 ID:hqezqI7H0
「と、とりあえず、逃げずに来たことは、誉めてやろうじゃないか」
キザに決めたつもりが、声が裏返っていた。
観衆から失笑が漏れる。

とはいえ、彼らの方も先ほどより若干二人から遠のいていた。
（ず、ずるいじゃないか…）


730 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 15:19:13.04 ID:hqezqI7H0
一方のベイダー卿は腕組み仁王立ちの姿勢のまま。どちらが格上かは一目瞭然だった。

すっかり余裕を失ったギーシュは、いきなり薔薇を振った。
「僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。従って、青銅のゴーレム『ワルキューレ』が
お相手するよ」
枝から離れた薔薇の花が一片地面に舞い落ち、戦乙女の姿をした人間大の青銅の人形が
地中から出現した。

「ほう」
そこでようやくベイダー卿が声を漏らした。


736 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 15:24:10.52 ID:hqezqI7H0
さして足の速くないルイズが広場に辿りついた時には、既に決闘は始まっているようだった。

ギーシュのことだから散々前口上で盛り上げるつもりなのかと思っていたが、あてが外れた。

小柄な体格を利用して、人込みを掻き分けながら最前列に向かう。
そうこうしている内に、先ほどまで妙に静まり返っていた観衆たちが次第に興奮してきていた。

悪い胸騒ぎを感じながらルイズが最前列に出たとき、そこで繰り広げられていた予想通りの
光景に息を呑んだ。

ベイダー卿が青銅の戦乙女の繰り出す目にも止まらぬ打撃をその身に受け、一方的に殴り
続けられていた。


739 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 15:26:40.38 ID:hqezqI7H0
（行ける、行けるじゃないか。全然余裕だ）
ギーシュは普段の余裕を取り戻していた。

ワルキューレを突っ込ませた当初は、いくら攻撃を加えても避けられるのにすっかり慌ててしまったが、
ここに来て急に調子が乗ってきた。
青銅製の固い拳を受け、ベイダー卿がどんどん後退していく。

（ギャラリーもすっかり盛り上がってきたみたいだな）
髪をかき上げながら観衆を見回していると、その視界の端に桃色の髪の少女が移った。


742 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 15:28:59.16 ID:hqezqI7H0
ルイズは長い髪を揺らし、よく通る声でギーシュを怒鳴りつけた。
「いい加減にして！　大体ねえ、決闘は禁止じゃない！」
「禁止されているのは、貴族同士の決闘のみだよ。平民と貴族の間での決闘なんか、
誰も禁止していない」

そう言われてルイズは言葉に詰まった。
確かにギーシュの言うとおりだ。
だけど、それは今までそんな馬鹿げた前例がなかったからだ。
「でもっ…」
「邪魔をするなマスター」

なおも食い下がろうとするルイズを遮ったのは、ギーシュでも周りの観衆でもなく、
その瞬間にも青銅の拳をその身に受けているベイダー卿だった。


745 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 15:32:32.02 ID:hqezqI7H0
「ベイダー！　何言ってるのよあんた！」
「邪魔だと言っている」

余裕のギーシュは、そのやり取りを見ながら薔薇の花を振った。
一枚の花びらが、一本の剣に変わる。
ギーシュはそれを掴むと、ベイダー卿の方に向かって投げた。

「君。これ以上続ける気があるのなら、その剣を取りたまえ。そうじゃなかったら、
一言こう言いたまえ。ごめんなさい、とな。それで手打ちにしようじゃないか」
「ギーシュ！　ふざけないで」

「わかるか？　剣だ。つまり『武器』だ。平民どもが、せめてメイジに一矢報いようと
磨いた牙さ。未だ噛みつく気があるのなら、その剣を取りたまえ」


751 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 15:37:39.11 ID:hqezqI7H0
ベイダー卿はしばらくその剣を見ていたが、やがてそちらに片手を差し出す。
例の不可視の力が剣に作用するより先に、ルイズがその手にむしゃぶりついた。

「だめ！　絶対だめなんだから！　それを握ったら、ギーシュは容赦しないわ！」
ベイダー卿は頭だけをルイズの方に向ける。
「もう一度警告するぞ、マスター。邪魔だ」

その言葉と共に軽く手を振ると、それだけでルイズは振りほどかれ地面に転がった。


753 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 15:38:34.63 ID:hqezqI7H0
「君がいるとどうも僕は調子が出ない。ダークサイドに身をゆだねることができないんだ」
ベイダー卿はルーンの刻まれた左手のグローブを脱ぐと、ルイズの方に放った。
「預かっておけ。それがあるとなぜか不快だ」
そして地面に横たわった剣を引き寄せ、柄ではなく刀身を握る。
「この体はなかなか気に入った」
刃を握ったサイバネ剥き出しの左手に力が籠もり、ギーシュの作った剣はあっけなく砕かれた。
ギーシュはぎょっとして、再びワルキューレを突っ込ませた。


757 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 15:40:14.48 ID:hqezqI7H0
（スピードと装甲服のテストは終わった。後はパワーと…）

ワルキューレの右拳を、ベイダー卿の左手が難なく受け止める。
人間を遥かに超える戦乙女の膂力が、ベイダーを一歩も後退させることができない。

青銅のゴーレムがさらに左手を振り上げた瞬間、ベイダーは右の掌を思い切り突き出した。

「僕のフォースのテストだ」
観衆から悲鳴が上がった。


764 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 15:45:01.18 ID:hqezqI7H0
ギーシュは我が目を疑った。

シス卿のフォースの衝撃波をもろに受けたワルキューレは四肢を撒き散らせながら吹き飛び、
ギーシュの頭上を遥かに越えて火の塔の壁面に叩きつけられ、四散した。

ギーシュが優勢なのを見て、一番安全だろうと判断した多くの生徒たちが彼の背後にいたが、
青銅の重い破片を喰らって幾人もの負傷者が出た。

悲鳴と怒号が上がり、観衆の輪が一気に広がった。

それに取り囲まれる形で残されたのは、ギーシュとベイダー卿と、そしてベイダーの背後に
へたり込んだまま震えるルイズだけだった。



「むしゃぶりつく」
（「むしゃぶる」は「貪る」と同意の「むさぶる」の変化）
離すまいと、すがりつく。
（『新明解国語辞典』より）


768 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 15:46:37.63 ID:hqezqI7H0
「なるほど。やはりこちらは幾分衰えているか」
右の掌をじっと見る。それからベイダーはギーシュの方を向き直った。

「どうした。続けよ」


771 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 15:49:28.57 ID:hqezqI7H0
すっかり恐慌をきたしたギーシュが薔薇の花を振ると、六枚の花弁が舞い飛び、
六体のワルキューレが地面から出現した。
今度は一体一体の手に鋼鉄製の短槍や長剣が携えられている。

全部で七体のゴーレムが、ギーシュの武器だ。一体しか使わなかったのは、
それには及ばないと考えていたからである。

だけど、たとえ何体呼び出したところで、さっきの力を使われたら…
すっかり静まり返った広場の真ん中で、ギーシュは自分が唾を嚥下する音が
やけに大きく響くのを聞いた。

「お前の恐怖を感じるぞ。もっと怖れよ。僕をもっと憎め。お前の恐怖と憎悪が
ダークサイドを強くする」


776 名前： ドラム(京都府)[] 投稿日：2007/04/25(水) 15:52:37.84 ID:hqezqI7H0
六体のワルキューレに囲まれながらも、ベイダー卿は余裕の態度を崩さない。
背後からの奇襲を振り返りもせずにかわし、たたらを踏んだ青銅人形を蹴り飛ばす。

「失望だな。僕が最後に戦った騎士は一秒間に12回切りつけてきた」

六体のゴーレムが繰り出す絶対避けえないはずの連携攻撃が、ベイダーの巨体が
見せる身のこなしに全く追従できない。

「マスター、よく見ておけ。これがダークサイドの力だ」
ワルキューレたちの攻撃をあしらいながら、ベイダー卿の右手が軽く動いた。

今まで出番のなかった銀色の円筒状の武器がフォースに応じて腰のフックから外れ、
その手の中に収まった。


281 カエルの歌が♪(京都府) [] 2007/04/26(木) 02:18:38.16 ID:kJje0jO10
「武器？　平民が磨いた牙？　笑止だな。僕らが命を預け、敵と切り結ぶべき武器は――」
普段になく饒舌なベイダー卿。
その動きが止まったのを見て、二体のワルキューレが同時に殺到した。


「これだけだ」
何が起こったのか理解する者はいなかった。
ベイダー卿の手元から赤い光が迸り出て、青銅製の頑丈なゴーレムが瞬きする間に
二体とも左右に割れた。


284 カエルの歌が♪(京都府) [] 2007/04/26(木) 02:20:17.17 ID:kJje0jO10
「な、なんだあれは…」
ギーシュは動転していた。
ベイダー卿の握る、半ば玩具のような柄元から発した強圧的な光。
青銅のゴーレムの強度では一瞬たりともその力に抗しえなかった。


287 カエルの歌が♪(京都府) [] 2007/04/26(木) 02:22:35.28 ID:kJje0jO10
ライトセイバー。
グリップ内に収められたパワーセルを源とし、クリスタルを経た高純度のエネルギーを
長剣状に噴出させた、ジェダイとシス卿共通の武器。
ベイダー卿の持つそれは、皇帝の憎しみの籠もる人工クリスタルに形を結ばれた、禍々しい
赤色の刃だった。

その特長は、刀身に重量がないため、今のような目にも止まらぬ剣技を可能にすること。
そして――


292 カエルの歌が♪(京都府) [] 2007/04/26(木) 02:25:16.39 ID:kJje0jO10
「わ、わあああぁぁぁっ！」
パニックに陥ったギーシュが残る四体の内三体を突撃させる。

ライトセイバーの第二の特長は、同種のエネルギー体以外何物もその威力を防ぎ切ることが
できないこと。

三体のワルキューレは、その手に持つ武器もろともあっさりと切り裂かれ、活動を停止する。
ギーシュが残る一体を盾代わりに自分の目の前に呼び戻した直後、彼の目に映ったのは
青銅の体躯を易々と貫いた赤い光刃だった。


296 カエルの歌が♪(京都府) [] 2007/04/26(木) 02:28:23.32 ID:kJje0jO10
ジジ…ジ……
自慢のブロンドの前髪が焦げる音を、ギーシュは確かに聞いた。

灼熱の刃はその額に到達する直前、ほんの1サントの所で止まっていた。

最後のワルキューレが、その身を焼き切られるに任せたまま倒れた時、ほぼ同時に彼も
地面にへたり込んでいた。


302 カエルの歌が♪(京都府) [] 2007/04/26(木) 02:31:06.14 ID:kJje0jO10
「ま、参った…」
辛うじて口に出せたのはそれだけだった。
貴族が平民に敗れた瞬間だった。
この歴史的偉業に歓声を上げる者は、しかしながら主人のルイズを含めて誰一人として
いなかった。


305 カエルの歌が♪(京都府) [] 2007/04/26(木) 02:34:02.44 ID:kJje0jO10
勝負は決した。
だが、ギーシュの降伏宣言に対するベイダー卿の返答は、彼を絶望の淵に叩き落すものだった。
「参った？　笑わせるな。ダークサイドのもたらす本当の恐怖はこれからだ」

真っ二つにされ、赤熱した断面をさらすワルキューレの半身が、ベイダー卿のわずかな手振りに応じて
空中に浮き上がり、ギーシュめがけて唸りを上げて飛来した。    </description>
    <dc:date>2008-01-16T15:28:18+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www33.atwiki.jp/darthvader/pages/48.html">
    <title>フーケ討伐-フリッグの舞踏会</title>
    <link>http://www33.atwiki.jp/darthvader/pages/48.html</link>
    <description>
      *フーケ討伐-フリッグの舞踏会

ルイズ、キュルケ、タバサの三人は、犯行の目撃者として学院長室に呼び出された。
そこには学院の教師達がほぼ全員集まっていた。

「ふむ……、目撃者は君たちか」

オスマン氏はそう言いながら興味深そうにルイズを見つめた。
ルイズはどうして自分がじろじろ見られるのかわからず、居心地の悪さを感じた。

「詳しく説明してみたまえ」
ルイズが進み出て、見たままを述べた。

巨大な土のゴーレムが本塔の窓を破壊し、黒いローブをかぶったメイジが宝物庫のある五階に
消えていったこと。

しばらくして戻ってきたメイジは『破壊の杖』と思われるものを携えていて、ゴーレムに乗って逃亡したこと。

ゴーレムは最後には崩れて土に戻ってしまったこと。

「それで？」
「後には土しかありませんでした。肩に乗っていた黒いローブを着たメイジは、影も形もなくなっていました」

「ふむ……後を追おうにも、手がかりナシということか」

オスマン氏が長い白髭を撫でた。それから思い出したようにコルベールに尋ねる。
「ときに、ミス・ロングビルはどうしたね？」
「それがその……、朝から姿が見えませんで」
「この非常時に、どこに行ったのじゃ」
「どこなんでしょう？」

そんな風にうわさをしていると、そこに当のミス･ロングビルが現れた。

「ミス・ロングビル！　どこに行っていたんですか！　大変ですぞ！　事件ですぞ！」
興奮した調子でまくし立てるコルベールを歯牙にもかけず、ミス・ロングビルは落ち着き払った態度で、
オスマン氏に告げた。

「申し訳ありません。朝から、急いで調査をしておりましたの」
「調査？」

「土くれのフーケの居所がわかりました」
「な、なんですと！」
コルベールが素っ頓狂な声をあげた。

早朝から付近で聞き込み調査を行ったミス・ロングビルの説明によれば、フーケらしき人物の目撃談が
上がったのは、ここから馬でほんの4時間ばかりの森の中にある廃屋でのことらしい。

すぐに王室に報告して兵隊を差し向けてもらおうという進言を、オスマン氏は一蹴した。
身にかかる火の粉を己で払えぬようで何が貴族か、そう恫喝するオールド・オスマンは、年寄りとは思えぬ
迫力であった。

しかし、捜索隊の編成を宣言したオスマン氏に向かい、名乗りを上げる教師は皆無だった。

重苦しい沈黙がのしかかる室内で、すっと一本の杖が掲げられた。
ルイズだった。

「ミス・ヴァリエール！」
ミセス・シュヴルーズが、驚いた声をあげた。
「何をしているのです！　あなたは生徒ではありませんか！　ここは教師に任せて……」

「誰も掲げないじゃないですか」
ルイズはきっと唇を強く結んで言い放った。

ルイズがそのように杖を掲げているのを見て、しぶしぶキュルケも杖を掲げた。
「ヴァリエールには負けられませんわ」

キュルケが杖を掲げるのを見て、タバサも掲げた。
「タバサ。あんたはいいのよ。関係ないんだから」
キュルケがそう言ったら、タバサは短く答えた。
「心配」

そんな三人の様子を見て、オスマン氏は笑った。
「そうか。では頼むとしようか」

当然反対の声が上がる。生徒たちをそんな危険な目に遭わせるわけにはいかない、ということだ。

しかしそんな反対意見に、オスマン氏は取り合わない。
「彼女たちは、敵を見ている。その上、ミス・タバサは若くしてシュヴァリエの称号を持つ騎士だと
聞いているが？」
教師たちは驚いたようにタバサを見つめた。

「本当なの、タバサ？」
『シュヴァリエ』は王室から与えられる爵位としては最下級のものではあるが、他の爵位が金で領地を
買って獲得することもできるのに対し、シュヴァリエだけはそうはいかない。
いわば実力の証なのだ。

学院長室の中がざわめいた。オスマン氏は、それからキュルケを見つめた。
「ミス・ツェルプストーは、ゲルマニアの優秀な軍人を数多く輩出した家系の出で、彼女自身の炎の魔法も、
かなり強力と聞いているが？」
キュルケは得意げに、髪をかきあげた。

それから、自分の番だとばかりに胸を張るルイズの方を見て、オスマン氏は困ってしまった。
誉めるところがなかなか見つからなかった。

こほん、と咳をすると、オスマン氏は目を逸らした。
「その……ミス・ヴァリエールは数々の優秀なメイジを輩出したヴァリエール公爵家の息女で、
その、うむ、なんだ、将来有望なメイジと聞いているが？　…しかもその使い魔は！」

ちょうどその瞬間、学院長室のドアがノックもなしに開けられた。

「コーホー」

室内の気温が、一気に下がった。

「僕も行くぞ」
開口一番、ベイダーはそう言った。
「ベイダー！」
ルイズが驚いて詰め寄った。

ここにいる教師たちはみな名のある家柄の貴族だ。非礼がすぎるのではないか――不安になったルイズが
肩越しに教師たちの方を見ると、誰もこちらを見て…否、見ようとしていなかった。

「宝物庫の扉を見てきた。一部は魔法で土に変えられていたが、残りの部分はライトセイバーで焼き切られていた。
その盗賊を捕らえればライトセイバーが取り戻せる」


オスマン氏はそんなベイダー卿を上目遣いに見つめた。

「ミス・ヴァリエールの使い魔は、平民ながらあのグラモン元帥の息子である、ギーシュ･ド･グラモンと
決闘して勝ったという噂だが」

オスマン氏は思った。彼が、本当に、本当に伝説の『ガンダールヴ』なら……。
土くれのフーケに、遅れを取ることもあるまい。

コルベールが興奮した調子で、後を引き取った。
「そうですぞ！　なにせ、彼はガンダー――ぶるぁッ」
オスマン氏は慌ててコルベールの口を押さえていた。
「むぐ！　はぁ！　いえ、なんでもありません！　はい！」

教師たちはすっかり黙ってしまっていた。
「この三人に勝てるという者がいるのなら、前に一歩出たまえ」
誰もいなかった。
むしろみな、三人というより、その後ろに控えている人影の方を見ようとしない。

オスマン氏は改めてルイズたちに向き直り、高らかに宣言した。
「魔法学院は、諸君らの努力と貴族の義務に期待する」
ルイズたちがさっと直立の姿勢をとる。

「この杖にかけて！」

三人が同時に唱和し、それからスカートの裾をつまんで恭しく礼をした。

「コーホー」

詳しい場所を知っているというミス・ロングビルを案内役に、一行はさっそく出発した。

現地に着くまで魔法を温存するため、移動手段は馬車だ。
ミス・ロングビルが御者役を買って出た。

体格の関係上、ルイズとキュルケが並び、ベイダー卿の隣には一番小柄なタバサが座った。
ルイズは目の前に腕組みをして座るベイダーに、意地悪く言った。
「馬じゃなくてよかったわね」

「黙れ。その首を引き抜くぞ」
ベイダー卿はその背後に控え、腕組みをしたまま仁王立ちしていた。

ルイズがふと視線をずらすと、馬車の上でも本を広げているタバサが、いつもの異様に長い杖の他に、
一振りの剣を携えているのが目に入った。

「タバサ、それ何？」

「その内役に立つかもしれない」

会話はそれで打ち切りだった。ルイズはそれ以上の追求を諦めた。
ルイズにはまだ、タバサとの接し方がいまひとつ把握できていないのである。

ちょうど四時間あまり経った頃、馬車は深い森に入っていった。
昼間だというのに薄暗く、気味が悪い。
いつしか皆無言になり、荷台の中には重苦しい雰囲気が立ち込めていた。
響くのは馬車の車輪の回る音と、風が枝葉を鳴らす音。
……そして、こんな時でもいやに規則正しいベイダー卿の呼吸音だけだった。
この音が、かえって四人の不安をあおる。

「ここから先は徒歩で行きましょう」
ミス・ロングビルのその言葉に従い、全員が馬車から降りた。

森をしばらく歩くと、一行は開けた場所に出た。
木々の中の空き地といった風情である。
その真ん中に、確かに廃屋があった。

「わたくしの聞いた情報だと、あの中にいるという話です」
ミス・ロングビルが廃屋を指差す。
使われなくなった炭焼き小屋だろうか。
盗賊が一時しのぎの隠れ家にするのにはもってこいである。

ただ、人の気配がしない。

「どうする？」
「囮を立てましょう。あの中じゃ巨大ゴーレムは作れないわ」

一同は、小屋からは死角となる茂みの陰に隠れて作戦を立てることにした。
したのだが……。

「見るまでもない。中は無人だ」
ベイダー卿がすっくと立ち上がった。

「わ、馬鹿！」
ルイズが慌ててその頭を押さえようとするが、既に遅い。
木々の合間から差し込む陽光が黒いヘルメットに当たって、ギラリと光った。
小屋の窓から賊が窺っていたら、間違いなく見つかったろう。

だが、やはり小屋の中に動きはない。


「お願いだから先走らないでよ。メイジにはメイジなりの戦い方があるんだから」
ルイズが噛んで含めるように言った。
結局ベイダー卿が囮兼偵察役として、小屋の中に踏み込むことになったのだ。

中にフーケがいたら戦闘を避けて外におびき出すこと。

フーケが小屋から出てきたらみんなで一斉に魔法をぶつけることが確認された。

「いい？　秘宝を隠してる可能性もあるから、間違っても殺しちゃダメよ？」
ルイズが念を押した。

そして、ちょっとだけはにかんだ表情を浮かべて、続ける。
「えっと……、メイ・ザ・フォース・ビー・ウィズ・ユー」

一同がハラハラしながら見守る中、ベイダーがろくに警戒せずに大またで小屋の入り口に向かう。
すぐにその姿は廃屋の中に消えていった。

今にもフーケが出てくるのではないか……、最前列に隠れるルイズは、自分の心音がどんどん
大きくなっていくのを止める術がなかった。

そんな、一行の中でも一番緊張していると思しきルイズの背に向かい、キュルケが憎まれ口を叩いた。

「みんなで一斉攻撃なんて、あんた魔法も使えないくせに」
「う、うるさいわね」
「間違っても破壊の杖を爆発させちゃダメよ、ゼロのルイズ？」
「……ッ！」

ルイズがさらに食ってかかろうとするのを、タバサが遮った。

「出てきた」

ルイズとキュルケもハッとして前に向き直る。
その言葉通り、ベイダーが何事もなかったように小屋の戸をくぐって姿を現したところだった。

そしてその手に、不思議な形状の道具が抱えられているのを見て、誰からともなく声が出た。

「破壊の杖」


隠れ家にしていた茂みからルイズたちが出てきたのを確認して、ベイダー卿はその道具を
地面に下ろした。

一同がそれを取り囲み、見下ろす。

「これが『破壊の杖』だと言うのか」
「そうよ。宝物庫見学で見たことがあるから、間違いないわ」
キュルケが頷いた。

「意外とあっけなかったわね」
ルイズが安堵と失望の入り混じった表情を浮かべる。

少し辺りを偵察してくる、そう言って、ミス・ロングビルは木立の間に分け入っていった。

ベイダー卿はもう一度破壊の杖を手にとってみた。
左手のルーンが輝く。

当然ベイダー卿はそれが何であるかは知っていた。
かなり古い形式……というよりほとんどハンドメイドに近い。
だが、この『破壊の杖』を手にした時にどういうわけか頭の中に流れ込んできた情報が、
その隠れた危険性を知らせていた。

「なんでこんなものがここに」

「ベイダー、あんた知ってるの？」
ベイダーが頷く。

そして彼が言葉を接ごうとしたその時、辺りに地鳴りが響いた。

廃屋の背後の土が見る見る盛り上がり、不恰好な巨人の形をとる。
そのひと踏みで、小屋がぺしゃんこになった。

「フーケのゴーレムよ！」
キュルケが悲鳴を上げた。

タバサが真っ先に反応した。
自分の背丈よりも長い杖を一振り。氷雪混じりの竜巻を作り、ゴーレムにぶつける。
だがゴーレムはびくともしない。

続いてキュルケが放った炎がゴーレムを包んだ。
だが、ゴーレムはその身を焼かれてもまったく意に介さず、歩みを進めてくる。

「無理よ、こんなの！」
キュルケが叫んだ。

「退却」
タバサが呟く。

キュルケとタバサは一目散に駆け出した。

残されたルイズは、しかしながらその後を追って逃げようとしなかった。
決死の表情で呪文を唱え、杖を振るう。
巨大なゴーレムの表面で、爆発が起こった。

だが、やはり効果はない。

ルイズはさらに呪文を唱えようとする。

「退却だ」
傍らに立つベイダー卿が、珍しく焦った声を出した。

しかしルイズは耳を貸さない。
「いやよ！　あいつを捕まえれば、誰ももう、わたしをゼロのルイズとは呼ばないでしょ！」
目が真剣だった。

ゴーレムが二人を踏み潰さんとして大きく足を上げた。

ルイズは再び杖を振るう。
今度も失敗だ。腰の辺りが弾けたが、巨大ゴーレムにとって、表面が多少抉られようとも痛くも
痒くもないようだ。

ルイズの視界に、ゴーレムの足の裏が広がる。
ルイズは目をつぶった。

だが、ルイズを押しつぶすはずの衝撃は、いつまで経ってもやって来なかった。

ルイズはおそるおそる目を開けた。
ゴーレムの足は、ルイズの頭上四、五メイルの所で止まっていた。

そしてルイズは見た。
その真下で、彼女の使い魔が両手を上に掲げ、のしかかってくる巨大な重量に不可視の力で
抗しているのを。

「早く行け。長くは持たない」

その言葉通り、少しずつゴーレムの足が下がってくる。
これだけの重量を支えるのは、ベイダー卿にとっても楽ではないようだ。

「いやよ！」
しかしルイズはそれでも首を振る。

ベイダーはルイズの方を振り返り、彼女をしばらく見つめた後、顎をくいっとしゃくった。
その動作に合わせて、ルイズが十メイル近く後方に飛ばされた。
破壊の杖が落ちている辺りまで転がり、止まる。

「死にたいのならそう言え。ダークサイドの恐怖をその身にたっぷり刻んで殺してやる。
…だが、今はその時ではない。違うか？」

その声の持つ迫力に、銀河の中で誰が逆らえただろう。
黙って頷く以外に、ルイズに選択肢はなかった。

「ルイズ、ほら早く！」
その頭上から、シルフィードに乗ったキュルケが手を伸ばした。
どうやらタバサが後を追尾させてきていたらしい。

キュルケらによってルイズと破壊の杖が竜の上に引きずり上げられるのを確認したベイダー卿は、
満足そうに小さく頷いた。
既にゴーレムの足は彼の頭上50サント程度まで迫ってきている。

「ベイダー！！」
シルフィードの背から、再びルイズが叫んだ。

その声に反応し、ベイダーが彼女の方を向いた。
そして、ルイズの視線の先で――
「卿をつけろと言ったはずだ、マスター」
掲げた左手だけを残し、いったん右手をぐっと腰まで下げてから、渾身の力を込めて突き上げる。

片足を下からすくわれる形で、土造りのゴーレムが木々をなぎ払いながら転倒した。

（さて…）
ベイダーは腰に佩いた長剣を右手で抜いた。
左手の甲のルーンが光る。
半分機械の体が、羽のように軽くなった。

このルーンのせいか、どうも武器を握ると、フォースの力を借りた時に匹敵するほど身体能力が
上がるらしい。

「悪くはないな」
そう呟くベイダー卿の目の前で、土煙を上げながらゴーレムが立ち上がった。

人間とは思えぬ速度でベイダーの巨躯が駆け出した。

風竜のシルフィードの背で、ルイズたち三人はベイダー卿の戦いぶりを見ていた。

巨大なゴーレムは、ベイダーの動きにまったくついていけず、レイピアでちくちくやられていた。

「相変わらず大したもんね、あんたの使い魔は」
キュルケが目を見張る。
タバサも首肯した。

ただ、ルイズだけは首を傾げる。
「でも、なんだか、いつもと違う気がする」

キュルケが不思議そうにルイズの顔を横目で見た。
「そう？　でも、どっちにしろ、あんな剣一本じゃ…」
キュルケがそう呟いた直後、疲労が溜まっていたのであろう、ベイダーが手にしたレイピアが折れた。

「あ！」
ルイズとキュルケが同時に声を上げた。

「あんたがあんな安物買い与えるから！」
「う、うるさいわね！」

口論を始める二人を尻目に、タバサだけが冷静だった。
シルフィードを操り、得物が折れたのを見てゴーレムからやや距離を取ったベイダー卿のそばに寄せる。

「ベイダー卿」
この星に来てから初めてそう呼ばれたような気がして、ベイダーは思わず頭上を仰いだ。

「これを」
タバサが手にした大剣、デルフリンガーを鞘ごと投げ落とす。

「じょ、冗談じゃねえや、貴族の娘っ子！」
インテリジェンスソードが情けない声を上げた。

ベイダーは受け取りざまに鞘を払い、抜き身の剣をまじまじと見た。

「喋る剣…ドロイドか？」
「よ、よお。この先世話んなるぜ、相棒」

「ダース･ベイダーだ」
錆びた剣だが、先ほどのものよりはマシのようだ――そう判断し、ベイダーは再びゴーレムに
向かっていった。

「あれでもダメじゃない」
上空を飛ぶシルフィードの背で、キュルケが絶望的な声を上げた。

新しい得物を手にしたベイダー卿ではあったが、巨大すぎるゴーレム相手には効果的なダメージを
与えられずにいた。

たしかにさっきのレイピアに比べればはるかに打撃力が高く、時には手足を切り落とすのに成功する
こともある。

だが、そのたびにゴーレムは再生した。

元が単なる土だけに、痛みも恐怖も感じないようである。

錆びてボロボロの見た目からは想像できないほどの切れ味と耐久性を見せるデルフリンガーであったが、
やはり決定打に欠けた。

何か、一撃でバラバラにするような手段がなければ……
そう思案していたルイズは、ハッとして自分が抱えてる道具を見た。

クロムメッキに塗りつぶされたその道具が、おそらくは数十年ぶりに浴びるのであろう日光を照り返して、
表面を鈍く光らせた。

ゴーレムと立ち回りを演じるベイダー卿の視界の隅に、ルイズがまたしても竜から飛び降りるのが
映った。

しかもその両手で、よりにもよって破壊の杖を抱えている。

「よせ」
タバサにかけてもらったレビテーションで難なく着地したルイズが、ゴーレムの背に向かって破壊の杖を
ぶんぶん振るのを見て、ベイダーもさすがに肝を冷やした。

現用のものならありえないことだが、あれはずいぶんな年代ものでしかもおそらく海賊製品だ。
何が起こってもおかしくない。

「何よこれ！　魔法なんて出ないじゃない！」
それでもルイズは破壊の杖を離さない。

慌ててルイズに駆け寄ろうとするベイダーの行く手を、土のゴーレムが遮る。

「邪魔をするな」
ベイダーが思い切り腕を振ると、ゴーレムがまた足をすくわれて倒れた。

その隙に、ルーンの効果にフォースを上乗せして弾丸のように駆けるベイダー。
その手が軽く上がると、破壊の杖がルイズの両手を離れてベイダーの掌に収まった。

「ひっ！」
ルイズはいつの間にか隣にいたベイダーに驚いて悲鳴を上げた。

彼女の動揺が収まるより早く、ベイダーは手にした破壊の杖の準備を終えていた。

無論初めて見るタイプではあるが、元々ベイダーはメカニックの天才である。
その上、左手に光るルーンが、使い方を教えてくれていた。

「上の連中にできるだけ離れるように言え。僕らも走るぞ」
ルイズは頷き、走り出す。ベイダーもその背を追った。

「タバサ！　できるだけ離れて！」
『風』系統のメイジは押しなべて耳が良い。
ルイズの叫びを瞬時に理解したタバサが、シルフィードを一気に上昇させた。

さして足の速くないルイズに業を煮やし、ベイダーは手にしたデルフリンガーを森の奥目がけて
放り投げ、片腕に彼女を抱きかかえた。
「うひゃあああぁぁぁっ！」

デルフリンガーの情けない悲鳴を無視し、一気に加速する。

十分距離を取った――広場の切れ目近くに差し掛かったベイダーはそう判断すると、振り向きざまに
破壊の杖の引き金を引いた。

「どうもこいつを倒さねば、賊は出てくる気はないようだからな」

シュポンッ！　と瓶の栓を抜くような音が響き渡り、黒い塊が火と煙の尾を引いてゴーレムに向かって
いった。
ショック緩衝材と推進剤からなる弾頭が巨体の胸の辺りに吸い込まれる。

ベイダーはルイズを胸の下に組み敷く形で木々の間に飛び込んだ。

爆発――

閃光――

核融合反応による想像を絶する熱量が放出され、半径20メートルあまりの空間を塵も残さず
焼き尽くした。

サーマル・デトネーター。
バラディウムの核融合反応による熱エネルギーで、あらゆる物を破壊する爆発物である。
放射能を撒き散らすことはないが、その破壊力と、些細な取り扱いのミスで爆発する危険性から
銀河中で規制され、所持しているだけで死刑判決を受ける星系も少なくない。

『破壊の杖』は、グレネードランチャーの弾頭にサーマル・デトネーターを仕込んだ代物であったらしい。

（どこのならず者がこんな真似を……）

爆風からルイズをかばう形で倒れこんだベイダー卿は、そのままの姿勢で呻いていた。

（ブラックサンの連中か。やはり早めにつぶしておかねば――）

「ちょっと……、いつまで乗っかってるのよ。重いじゃない」
ベイダー卿の思考を中断させる声。
胸の下でルイズがあがいていた。
そこでようやくベイダーも立ち上がり、ルイズを引き起こす。

広場を振り返れば、惨憺たる有様が広がっていた。
ゴーレムの姿は当然跡形もなく消し飛んでおり、溶岩状になった爆心地を中心に、土がめくれて
波のような起伏を成していた。

「こりゃたしかに『破壊の杖』だわ」
ルイズの傍らに、シルフィードからタバサとキュルケが降りてきた。

ベイダーが忌々しい物ででもあるかのように、破壊の杖を地面に捨てた。
爆発するのではないかと思ったルイズたち三人はとっさに地面に伏せたが、破壊の杖は
うんともすんとも言わなかった。

三人がおそるおそる立ち上がる。
どうやら大丈夫のようだ。

「ミス・ロングビル」
タバサがふと思い出して辺りに視線を走らせた。

「あ！」
ルイズとキュルケが同時に声を上げた。

「まさか、爆発に巻き込まれて……！」
だとしたら、骨片さえ残っていないだろう。

「どどど、どうすんのよ、ベイダー！」

「コーホー」

「ご心配なく」
不意にかけられた声と共に伸びてきた手が、地面に転がる破壊の杖を拾い上げた。

「ミス・ロングビル！」
三人が驚きと安堵の声を上げる。

しかし、次にミス･ロングビルの取った行動は予想を裏切るものであった。

普段のイメージとは異なるはすっぱな笑いを浮かべながら、破壊の杖の砲口をルイズたちに
向けて構えたのだ。

「どういうことですか？」
ルイズは唖然として、ミス・ロングビルを見ていた。

「さっきのゴーレムを操っていたのは、わたし」

「え、じゃあ、あなたが……」
目の前の女性は眼鏡をはずした。優しそうだった目が吊り上がり、猛禽類のような目つきに
変わる。

「そう。わたしが『土くれ』のフーケ。伝えられている通りとんでもない代物ね、この『破壊の杖』は。
おっと、動かないで。一瞬で蒸発したくなければね。全員、杖を遠くに投げなさい」

『破壊の杖』はぴたりと四人を狙っていた。
しかたなく、ルイズたちは杖を放り投げた。これでもうメイジは魔法を使うことが出来ない。

「コーホー」
ベイダー卿には投げるべきものがなかった。

「わたしね、この『破壊の杖』を奪ったはいいけど、使い方がわからなかったのよね」
ミス・ロングビル、いや、土くれのフーケは、聞かれてもいないのに、冥土の土産とばかりに
語りだした。

「使い方？」
「ええ。振っても魔法をかけても、この杖はうんともすんとも言わないんだもの。使い方が
わからないんじゃ、宝の持ち腐れでしょ？　そこであなたたちにこれを使わせて、使い方を
知ろうとしたわけ」
自分の計画どおりに事が運んだのがよほど愉快なのだろう、フーケはいやに饒舌だ。

そしてそうやって喋りながらも、その足は一歩ずつ後退してゆく。安全距離を取るつもりだ。

ルイズがぎりり、と歯噛みした。
「それで、わたしたちをここまで案内してきたってわけ？」

「そうよ。魔法学院の者なら知っててもおかしくないでしょ。それにね、わたし、『破壊の杖』を
一目見て確信したの」

フーケはそこで言葉を切り、破壊の杖を構えたまま上衣の裾をめくって見せた。

「そこの使い魔の持ってたこの武器と、『破壊の杖』は同じ技術体系で作られたってね」
裏にこしらえられた隠しポケットから、銀の円筒状の道具が顔を覗かせていた。

「案の定、そこの平民は使い方を知っていたわね。便利ねえ、これ。スクウェアメイジが『固定化』の
魔法をかけた鉄の扉も焼き切れちゃうんだもの」

じりじりと後ろに下がっていたフーケが、そこで足を止めた。
『破壊の杖』を使用するのに、十分な距離を取ったと判断したようだ。

「お別れね。短い間だったけど、楽しかったわ。さようなら」

キュルケは観念して目をつぶった。
タバサも目をつぶった。
ルイズも目をつぶった。

ベイダー卿も目をつぶったかは誰にもわからないが、その代わり、彼は足を一歩前に踏み出した。

「勇気があるのね」
フーケはそれでも余裕の態度を崩さない。

「愚かな。サーマル・デトネーターを仕込んだ弾頭を複数装填できるランチャーなどあるわけが
ないだろう。一発目を撃ったショックで全弾誘爆してしまう」
「な、何を言って……」
言い知れぬ不安に駆られ、フーケは引き金を引こうとした。

だがその前にベイダー卿の手が小さく動き、それに応じて破壊の杖は彼女の手を離れた。

フーケは慌てて隠していた魔法の杖を引き抜く。
それとほぼ同時にベイダー卿が破壊の杖をキャッチし、砲口をフーケに向けると引き金を引いた。

「ひっ！」
フーケが悲鳴を上げ、顔を背けた。

だが、先ほどのような爆発は起こらなかった。

「あ……」
気の抜けたような表情を浮かべたフーケに、ベイダーは宣告した。
「わかったろう。これは一発しか撃てない武器だ。だがこれを餌にすれば、必ず賊が釣れると
踏んでいた」

その手が再び軽く動く。フーケの上着の裾の裏からライトセイバーが飛び出した。

「うっ、くっ……」
フーケが呪文を唱え始めるのと、ベイダー卿がライトセイバーを片手で受け止めるのとは
ほぼ同時だった。

そしてさらに――

「お釣りだ」
手にした『破壊の杖』を、フーケ目がけてフォースで放った。
フーケの呪文が完成するはるか以前に、唸りを上げて飛んできた『破壊の杖』がその腹に
めりこんでいた。
フーケが無言で崩れ落ちる。

「ベイダー……？」
「卿をつけろと言ったはずだ」
その手に再び、フーケを打ち倒した『破壊の杖』が戻ってきた。

歓声が上がる。
ルイズたちは任務を果たしたのだ。


「おい、相棒！　貴族の娘っ子！　まさか俺を忘れてるんじゃ……」
ゆっくりと陽が落ち始めた無人の森の中、一本の木の幹に突き刺さったままのデルフリンガーが
情けない声を上げた。


117 ◆lImSxXZHHg [&gt;&gt;104把握] 2007/05/02(水) 00:12:52.75 ID:5RtRgVVd0
学院長室で、オスマン氏は戻ったルイズたち三人の報告を聞いていた。
「ふむ……。まさかミス・ロングビルが土くれのフーケじゃったとはな……。美人だったもので、
酒場で意気投合した勢いでなんの疑いもせず秘書に採用してしまった」
死んだ方がいいのでは？――口には出さなかったものの、その場にいた全員がそう思っていた。

そんな白けた空気を感じ取ったのか、オスマン氏はこほんと咳をして、話を続けた。
「さてと、君たちはよくぞフーケを捕まえ、『破壊の杖』を取り戻してきてくれた」
誇らしげに、ルイズたち三人が礼をした。

「フーケは、城の衛士に引き渡した。『破壊の杖』は、無事に宝物庫に収まった。一件落着じゃ」
オスマン氏は三人の頭を一人ずつ撫でた。
「君たちへの褒章は、追って王室から沙汰があろう。期待していていいぞ」
三人の顔がぱあっと輝いた。

だが、ちょっと考え直した様子のルイズの顔がわずかに曇った。
「オールド･オスマン。ベイダーには何もないんですか？」

「残念ながら、彼は貴族ではない」
オスマン氏は首を横に振った。
それを聞き、ルイズはさらに浮かない顔になった。

今回のフーケ討伐は、ほとんどベイダーの手柄だ。
自分は何もしていないに等しいのに――

すると、朝方もそうであったように、ノックもなしに学院長室のドアが突然開いた。

「かまわない。銀河を遍く支配する今の力以上に望むものなどない」
さも当然の如く、ベイダー卿が室内に姿を現した。

「……そう。まあ、あんたの誇大妄想は聞き飽きたけど、あんたがそれでいいならわたしは何も
言わないわ」

「コーホー」

オスマン氏はぽんぽんと手を打った。
「さてと、今日の夜は『フリッグの舞踏会』じゃ。このとおり、『破壊の杖』も戻ってきたし、
予定どおり執り行う」

キュルケの顔が輝いた。
「そうでしたわ！　フーケの騒ぎで忘れておりました！」

『フリッグの舞踏会』は、なんということもない貴族趣味丸出しのパーティなのだが、その席で
踊ったカップルは必ず結ばれるとまことしやかに言い伝えられている。

「今日の主役は君たちじゃ！　用意をしてきたまえ。せいぜい、着飾るのじゃぞ」
三人は礼をするとドアに向かっていった。

ルイズはすれ違いざまにベイダーをちらっと見上げ、つかの間立ち止まったが、そのままドアを
開けて退出していった。

部屋にはベイダー卿とオスマン氏だけが残された。

「さて、と。何か聞きたいことがあるようじゃの」
「あの『破壊の杖』とやらをどこで手に入れたか聞いておきたい。あれは極めて危険な代物だ」
オスマン氏は首を振った。

「残念じゃが、わしもよくわからぬ。五年ほど前に、突如として現れ、トリステインの村々を襲って
回った二人の亜人種がいた。彼らは見たこともない威力の武器を持ち、それぞれ一本ずつ
破壊の杖を持っておった。腕利きのメイジが何人も殺されたが、最後にはとうとう、『風』の
スクウェアメイジの青年によって倒されたという。『破壊の杖』の一本は使用され、一つの村が
壊滅した。こちらはそのメイジに破壊されたが、もう一本は無傷で手に入り、当学院の堅固な
宝物庫に収められて門外不出の秘宝とされた、というわけじゃ

なるほど――ベイダーは小さく頷いた。

自分以前にもこの星に呼び出されたか、ハイパースペース･ドライブの失敗で不時着してしまった
者がいたのだ。
あんなものを持っていたところを見ると、かなり凶悪なエイリアン種の犯罪者か賞金稼ぎの類だった
のだろう。
ブラスター銃やサーマル･デトネーターで武装した者が二人もいたら、この星では相当な脅威に
なったにちがいない。

「そうそう。その左手のルーンのことなら知っておるぞ。それは始祖ブリミルの伝説の使い魔、
『ガンダールヴ』の印じゃ」

「伝説？」
「言い伝えによると、『ガンダールヴ』はありとあらゆる『武器』を使いこなしたそうじゃ」

ベイダー卿はまた小さく頷いた。このルーンがそうした類のものなら、剣を握った途端フォースの
助けなしに人間離れした動きができたのも、調べてもいないのにサーマル･デトネーターが
装填されていることがわかったのも納得できる。

「参考までに聞いておこう。そのメイジの名は？」

「なんでもその時の功が認められて、若くしてトリスタニアの魔法衛士隊の隊長に任じられた
そうじゃ。名を、『閃光』のワルド、ワルド子爵という」

ベイダーはそれだけ聞くと、一礼もせずにオスマン氏に背を向け、学院長室から退出した。

ようやく一人になったオスマン氏は、大儀そうに椅子に身を沈めた。
「ふぅ。あの使い魔と面と向かって話をするのは疲れるわい」

四六時中一緒にいるルイズに、畏敬の念さえ抱いてしまうオスマン氏であった。

「ようよう、相棒！　パーティ会場はそっちじゃないぜ」

腰の剣がうるさくがなり立てた。
きっと役に立つから、というタバサに根負けして、ライトセイバーの下に差している。

「興味ない」
「おめえもつれねえ奴だな。きっとあの桃色の髪の貴族の娘っ子、相棒を待ってるぜ。
いや、ひょっとすると他にも――えぶっ」

ベイダー卿がフォースを送って、デルフリンガーを思い切り鞘の中に突っ込んだ。

「シスの暗黒卿が舞踏会だと？　冗談ではない」
口ぶりとは裏腹に、どことなく後ろ髪を引かれているかのような足取りで、ベイダー卿は
自室に向かった。

珍しく、久しぶりに一人で星空を見たい気分だった。

一方、こちらは食堂の上の階の大ホール。ここが今日のパーティの会場だ。

着飾ったルイズの美しさに、それまでゼロのルイズと呼んでからかっていた同級生たちまでもが
驚き、群がってダンスを申し込んできた。

だがルイズはそれを全部丁重に断り、どうにかこうにかバルコニーに逃れてきたところだ。

「……ま、あいつが来るわけないわよね」
思わず口に出して呟いてしまい、ルイズは自分の愚かな考えを振り払おうとぶんぶん頭を振った。

と、その拍子に、驚いたことにバルコニーに先客がいるのがわかった。

ルイズと同じく着飾った、小柄なメガネの少女。

「タバサ！」
ルイズは声をかけた。タバサが振り向く。

「踊らないの？」
着飾ってこのホールにやってきたということは、ダンスをしにきたということだろう。

だが、その質問には答えず、タバサは再びバルコニーの手摺に手をついて上を見上げた。

「星」
「え？」
「星を見ていた」
「……そう」
ルイズもタバサの隣に並んで上を見上げた。

背後のホールから、オーケストラの奏でる音楽が流れてきた。
ざわめきがいくつも起こり、続いて皆が一定のリズムでステップを踏み出すのが、こちらの
足元まで伝わる。

「ベイダーは違う星から来たって言ってたわ。まだ完全に信じちゃいないけど、あの『破壊の杖』の
威力を見せられたら、少しは信用せざるを得ないかもね。……でも、それならあの星のひとつひとつにも
色んな人間が住んでたりするのかな？」
ルイズが明るい一等星を指差す。
「わからない」
その星を見つめたまま、タバサがポツリと答えた。

今にも降り注いできそうな、満点の星空だった。



（お馴染みの星空背景でエンディング）


----
[[前のページへ&gt;デルフリンガー-土くれ]] / [[次のページへ&gt;フーケ討伐-フリッグの舞踏会]]    </description>
    <dc:date>2007-10-17T18:35:19+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www33.atwiki.jp/darthvader/pages/47.html">
    <title>デルフリンガー-土くれ</title>
    <link>http://www33.atwiki.jp/darthvader/pages/47.html</link>
    <description>
      *決着-フーケ暗躍

負傷したギーシュは、『治癒』の呪文で治療された。
そのための秘薬の代金は、全額ルイズが出すことになった。
ベイダー卿にはこの星で通用する貨幣の持ち合わせが無い。

それに、ルイズ曰く、「使い魔の不始末は主人の責任」なのだそうだ。

ベイダー卿自身は大した「不始末」とは考えていないのだが。

「どうしてあそこまでやる必要があったのよ！」

目を覚ましたルイズの第一声がこれだった。

「仕掛けてきたのは向こうだ」
「あんたが挑発したんじゃない！　それに、ゴーレムを倒した時に決着はついてたでしょ！」
「あれはいわゆる「過激な交渉」だ。もう二度と平民を奴隷扱いしないことを約束させるための、な。
君らのおかげで目的は果たせなかったが」
「過激な交渉って何よ？」
「つまりはライトセイバーを使った交渉だ」
「……意味がわからない」

残念なことに、彼のコルサント仕込みのユーモアは、ルイズには通用しないようだ。

ルイズの態度が、以前に比べてずいぶん尊大になってきている。
自分がベイダーを止めたのだ、という自負が働いているのかもしれない。
少なくとも必要以上に怖れることはなくなった。

（まあ、それならそれでかまわないが）

そう感じてしまう自分に、ベイダーは戸惑っていた。
以前の自分なら、気絶寸前までフォース・グリップの刑に処していたところだ。
やはり変だ。何かおかしい。

やけにここが心地よくなってゆく。

「ライトセイバーって、あんたが使ってた剣ね。あれ、危ないから使うのやめなさいよ」
見ていてハラハラする武器だ。殺傷力が強すぎる。

「…誰かのせいで紛失したわけだが。オビ＝ワンに殺される」
「そう、よかったわ。その「誰かさん」に感謝することね」

ルイズはそう言い、しばらくおとがいに手を当てて考え込んだ後、宣言した。

「あんたに、剣、買ってあげる」

「コーホー」

その翌日は虚無の曜日で授業は一切なかった。
生徒たちは街に出かけるなり、自室でのんびり過ごすなり、思い思いの休日を満喫する。
ちなみにギーシュはまだベッドから起き上がれないらしい。

ルイズが部屋で出かける準備をしていると、扉の向こうからためらいがちなノックの音がした。
「誰？」

「え、ええと、わたし、ここの食堂でご奉公させていただいているメイドのシエスタと申しますが、
少しよろしいでしょうか、ミス・ヴァリエール？」

ルイズは眉根を寄せた。
忙しいのに、朝っぱらから平民が何の用だろう。
ドア越しではなんなのでとりあえず開けてやろうとしたが、ルイズが戸口にたどり着くより先に
ノブが回り、シエスタと名乗る少女の姿が現れた。
一瞬ぎょっとする。

シエスタが許可を得ずに勝手にドアを開けるはずがない。
言わずと知れたベイダー卿の仕業だ。

「コーホー」

この部屋だけ室温が違う――シエスタはなぜだかそう感じた。
貴族の部屋に入るのはいつでも勇気を要したが、この空間の持っている威圧感やや趣を異にする。

原因は一つ。
ルイズの後ろに腕組みをして控えている黒ずくめの人影だ。

だけど、今日シエスタが訪ねてきたのは、他ならぬその人影に用があったからだ。

「申し訳ありません、ミス･ヴァリエール。わたしがいたらないばっかりに、使い魔さんを騒動に巻き込んで、
おまけに貴族と決闘までさせてしまって…！」
深々とお辞儀をする。
元の姿勢に直ると、ルイズが困惑したような顔をしてしいた。

「あ、いいのいいの。どうせこいつが勝手にやったんだし。ていうか、学院の中ではどんな話になってるの？」

その言葉に、シエスタはやや安堵した。
とりあえず、ベイダーに怪我はないようだ。

「それが、平民の私が聞いても、みなさん教えてくれなくて。決闘の結果になるとみなさんお茶を濁すんです。
何人かの貴族の方は、あからさまに厭そうな顔をしてらっしゃいましたし。わたし、ミス・ヴァリエールの使い魔さんが
殺されてしまったんじゃないかと不安になって……」

（なるほどね）
ルイズは思った。

正式な報告はともかく、結末を目撃した人間は数えるほどしかいない。
ギーシュとベイダーの後を追っかけようだなんて考える輩は皆無だった。

平民に貴族があそこまでやられたことを喧伝しようとする生徒はいなかったろうし、
二人がどうなったかを聞いても、二人の後を追う勇気が無かったことを認める者も
いなかったに違いない。

平民であるベイダー卿が撒き散らした恐怖は、疑いようもなくその場にいた貴族全員を
飲み込んでいたのだ。

「ミスタ・グラモンのお友達は、わたしが話しかけると逃げてしまわれましたし…」
ギーシュはシエスタにちょっかいをかけてベイダーと戦う羽目になったのである。
この反応も無理からぬことであるかもしれない。

「使い魔、さん…」
シエスタは今度はベイダー卿を見上げた。

「ベイダーと呼ぶといい」
「じゃあ、ベイダーさん。あの……、すいません。あのとき、逃げ出してしまって」

食堂でギーシュといざこざが起こったとき、彼女は怖がって逃げ出してしまった。
それを言っているのだろう。

「恐怖は暗黒面につながる。気をつけることだ」
「ほんとに、すいません。じゃあ、わたし、ミスタ･グラモンにも謝ってきます」

シエスタはもう一度深く頭を下げると、部屋から退出しようとした。

ルイズは慌てて止めた。
今シエスタが訪ねていったら、ギーシュがそれこそパニックでも起こしかねない。
「あ、いい、いいのよ！　あんなキザほっとけば！」

「でも、そういうわけにもいきません。遅れたら遅れた分だけ、後でどんなお咎めが
待っているかと思うと…」
平民はやはり貴族をひどく怖れているのだ。

なおも止めようとするルイズだが、その背後でベイダーが軽く手を振った。

「謝りにいく必要はない」
「…ほっといてもいいですよね、あんなキザ」

拍子抜けするルイズの前でシエスタはペコリとお辞儀すると、階段の方に向かって去っていった。
部屋にはまた、ルイズとベイダー卿の二人だけが残された。

「……便利ね、それ」
「頼りすぎると身を滅ぼすことになる。特にマスターのような者は」

「…そう言えばあんた、あのメイドには『卿をつけろ』って言わなかったわね」

「コーホー」


『雪風』のタバサにとって、虚無の曜日は大切な日だ。
誰にも邪魔をされることなく、好きな読書に没頭できる。

今日も彼女は午前中から本の活字に目を晒していた。
いつか来る戦いのために、常に知識を蓄えなければならない。
それに、タバサは単純に本が好きでもあった。

だが、そんなタバサの唯一の楽しみは、ノックもなしに突然ドアを開けて飛び込んできた
赤毛の女生徒によって中断させられた。

入ってきたのはキュルケだった。振り向いたタバサの手から、いきなり本を取り上げる。

本来ならこんな無礼者は『ウィンド・ブレイク』でも唱えて部屋からたたき出してやるところだが、
彼女は数少ないタバサの親友である。
それに、キュルケの目は真剣そのものだった。
話くらいは聞いておいてもいいだろう。

「今から出かけるわよ、タバサ！　早く仕度をしてちょうだい！」
――まずはまともに話をさせることから始めなければならないようだ。
読書を諦めるタバサだった。

使い魔シルフィードの背の上で、ようやくタバサは事情を聞くことができた。

ルイズが例の使い魔と二人で出かけたらしい。

「別にヴァリエールがどうなろうが知ったこっちゃないけど、何かあったらまたわたしたちが
面倒ごとに巻き込まれちゃうでしょ？」
だそうだ。

「心配」
「だから違うってば。……でもタバサ、あんた今日はやけに物分りがいいじゃない」
普段ならこんな事情で動く人間ではない。

タバサは再び開いた本のページに注いだ視線を上げることなく、答えた。

「興味ある」
「はぁ？」

「あの平民」
「ええっ！？」

トリステインの城下町を、ルイズとベイダーは歩いていた。
魔法学院からここまで乗ってきた馬は町の門のそばにある駅に預けてある。

「あんた、乗馬もできるのね」
「フォースによる動物の制御は得意だ。ジオノーシスの闘技場では巨大なリークを止めたこともある」
「…へぇ、そうなの。何言ってるのかわからないけど」

（だけど腰の痛みはどうしようもないな…）

痛みを悟られぬようルイズの後ろを歩きながら、ベイダーは街の様子を観察した。

この星の中では栄えている方なのだろうが、規模自体は彼が育ったタトゥイーンの
モス・エスパと大して変わらないようだ。
もっとも、砂漠がなくてエイリアンがいない分、いくぶんか清潔見えるが。

人口は20万程と聞いた。
無論、星全体が一つの都市であるコルサントとは比較にならない。
それでも高層住宅がまったく普及していないので、市域はなかなかに広い。

ジェダイもシスも、とにかく未知の星で活動することが多い。
周囲をすばやく観察して洞察力を働かせることは、もはや彼らの職業病とも言えた。

最初の幾つかの通りを歩いたところで、ベイダー卿はトリステインの大体の構造と雰囲気を
掴んでいた。

商店の軒先には、その店が商っている商品を象徴する意匠の入った銅の看板が下がっている。
つまり、庶民の識字率はさして高くはないということである。

汚くて狭い路地をいくつか折れると、剣の形をした看板をさげた店が見つかった。

「あそこに武器を売る店があるようだが」
「あ！　そう、あれよ、あれ！」
どうやらそこが、目的の店であったようだ。

ベイダーとルイズは中に入った。

店の中ではちょっとした騒動が持ち上がっていた。
「エキュー金貨で二千なんて、森つきの立派な屋敷が買えるじゃないの！」

一通り店を見て回ったルイズだったが、ベイダーの体躯と腕力に見合うような大きくて太い剣は
見あたらなかった。

そこで主人に言って出させたこの店一番の大業物という大剣は、たしかに立派で迫力があり、
どこかしら気品すら具えていたのだが、目玉が飛び出るような高価な代物だったのである。

「マスター、ここは僕が」

それまで入り口付近で待機していたベイダーが一歩前に出ようとするのを、ルイズは片手で制した。

「あんたは引っ込んでて。それから、あの変な力を使ったりしないように。貴族には貴族らしい、
『外交的解決』ってものがあるんだからね」

そう言われてしまうと、ベイダー卿も口をつぐまざるをえない。

それに、ルイズが買い与える剣には大して興味がなかった。
彼にはフォースがあるし、そこらの剣を持ってきても、失ったライトセイバーの代わりにはならない。
工具代わりのフュージョンカッターでもあればと思ったが、店先にこれ見よがしに展示されているのは、
最も原始的な形式の銃だけであった。

（それにしても――）
さっき街中を歩き回って観察した範囲の相場の知識だが、ルイズは明らかにふっかけられている。
高名なゲルマニアの錬金魔術師シュペー卿が鍛えた逸品だかなんだか知らないが、そこまでの価値があるものとも思えない。
しかもルイズの「外交」の手腕もお粗末だ。世間知らずの貴族なだけはある。
あっという間に財布の中身をばらし、さらに足元を見られている。
子供時代のベイダーの方が、よほどうまく交渉できたはずだ。
それでもルイズがその大剣にこだわるのは、なんでも一番じゃなければ気がすまない貴族の性だろう。

「マスター」

「うるさいわね！　あんたが大怪我させたギーシュの治療のために、秘薬の代金がいくらかかったと
思ってるのよ！」

「コーホー」

ベイダーは手近にあった一本のレイピアを適当のひっつかむと、ルイズに差し出した。

「これでいい」

ルイズは先ほどの大剣とベイダーが持ってきたレイピアを見比べた。
ずいぶんと華奢な剣だ。長さは1メイルを少し超える程度。
シュペー卿の大業物に比べると、大人と子供くらいの差がある。
ベイダーが腰に差すには、ちょっと不釣合いかもしれない。

「こんなんでいいの？　もっと立派なのがいいでしょ？　わたしの交渉術を見くびってない？」

「これでいい。ライトセイバーと長さも重さもあまり差がない」

「……そう。あんたがそう言うならいいけど…」

メイジである貴族にとって、剣は半ば飾り物だ。
実際的な性能はともかく、綺麗で立派な剣とそれを操る従者を抱えているということ自体が、
一種の示威的効果を発揮する。

だけどまあ、ベイダー卿が傍らに控えているということだけで、威圧感は十分かもしれない。


「店主、これにするわ」


ルイズたちが去った武器屋の中。

「おい、デル公。今日はずいぶん静かだったじゃねえか。いつもは客が来るたびにギャアギャア
うるさいのによ」

武器屋の主人が話しかけてる相手は一振りの剣だった。
別に主人がおかしくなったわけではない。

その証拠に、話しかけられた当の剣が憎まれ口を返した。
「あんなおっかねえ使い手はこっちからごめんこうむるぜ」

剣の名前はデルフリンガー。
意志を持った剣、『インテリジェンスソード』である。
大きさだけなら先ほどの大剣に劣らないが、その表面には錆が浮き、
お世辞にも綺麗な剣とは言えない。

「剣が一丁前に使い手を選ぼうとするんじゃねえよ。お前みたいなボロ剣を
使ってくれる人が奇特な奴がいればだけどな」

「おめえの方こそ、吹っかけすぎてカモに逃げられて残念だったな」

「言ったな。てめえみたいな性悪のボロ剣は、次の客に二束三文で売り払ってやらあ」

「おう、やってみやがれ！　こんな店は飽き飽きだ！」

口汚く罵り合う一人の人間と一振りの剣。
その間に割って入ったのは、一人の小柄な少女であった。
ちっちゃなその掌には、2エキューと3スゥが載せられている。

「それ」
感情を感じさせない視線が、大剣デルフリンガーを指していた。

「へ、へぇ。毎度あり」

「どうするのよ、タバサ。こんなボロ剣買って」
呆れたようなキュルケの声。
この親友の考えていることは、相変わらず不可解だ。

キュルケとタバサは、ルイズたちが武器屋に入っていったのを見て、横道に隠れて様子を窺っていた。

ところが、二人が武器屋から出てきたのを見計らって、止める間もなくタバサがとてとてと店の中に
入っていき、またあっという間に出てきた時には『レビテーション』で浮かべた大剣を携えていたのだ。

「インテリジェンスソード」
ポツリとそれだけを言って、タバサは歩き出す。
キュルケは慌ててその後を追った。

「きっと役に立つ」

タバサの脳裡には、つい先日戦った一本のインテリジェンスナイフの形姿が浮かんでいた。


ルイズとベイダー卿、それに二人を上空から監視していたキュルケとタバサが魔法学院に辿り着いた頃には、
時刻は既にたそがれ時を迎えていた。

何しろ馬で片道3時間の道のりだ。

動物の制御は得意だと豪語していたベイダー卿もさすがに疲れたようで、ルイズに馬を押し付けてさっさと
部屋に戻ってしまった。
機械の体に似つかわしくない、なにやらぎこちない歩き方だった。

「まったく。ご主人様をなんだと思ってるのよ…ブツブツ……」

文句たらたらながらルイズは地面を注意深く見渡していた。

馬を厩舎に戻した後、しばらく様子を窺っていたが、ベイダーが戻ってくる様子はなかった。

眠ってしまったのだろうか。

そのまま日没を向かえ、本格的な夜がきた。
ベイダーは結局部屋から出てこなかった。

ルイズは厨房で借りたランプで地面を照らしてみたが、目的の物が見つかる可能性はあまり
高くはなさそうだった。

それでもなお探索を続けること数時間。

「何やってんの、ルイズ」
その背に声をかけたのは、寄宿舎の方からやってきたキュルケだった。
当然、その傍らにはタバサもいる。

「別に。ちょっと探し物よ」
「財布でも落としたの？　相変わらず貧乏ったらしいわね、ヴァリエール」
キュルケが勝ち誇ったように嘲る。キュルケの実家のツェルプストー家は資産家で有名なのだ。

「そんなんじゃないわよ。もう、どっか行きなさいよ」
シッシッ！　と、犬でも追い払うかのような手振り。
相手にしてらんない、そう言いたげだった。

ルイズはそこでわずかに顔を上げた。
その視線の先には、闇の中に黒々とそびえる、本塔の影。

それを見逃さなかったタバサが、ポツリと呟いた。
「剣」
「え？」
「光の剣」
「あ！」

キュルケもそこでようやく、ルイズの探し物に思い至ったようだ。
ルイズは本塔の窓から飛んでいった、ベイダー卿のライトセイバーを探していたのである。

「ルイズ、あんた何考えてるのよ！　あんな危ない武器を、あいつのために探してやるだなんて！」

「でも、わたしのせいで失くしたんだし」
キュルケの疑問はもっともだが、ライトセイバーを紛失したベイダーがわずかに見せた困った様子が、
ルイズの胸にわだかまっていたのである。

それに、初めてあの剣を抜いた時に、ベイダーは何と言っていたか。

命を預けるべき武器はこれだけだ――そう言ってはいなかったか。

立派な剣を買い与えてやることで自責の念を晴らそうと思っていたが、残念ながらそれも無理だった。
安くてどこにでもあるようなレイピア一本で、あの武器の埋め合わせができるとは思えない。


キュルケはもちろんルイズの言葉に納得してはいなかった。
「それはあの使い魔の自業自得よ。本当に能天気ね、あんたは。また暴れたらどうするわけ？」

「……うまく説明できないけど、もうあんな大暴れすることはないんじゃないかと思う」

それは偽らざる本心だった。
ルーンの刻まれたグローブを着脱するたびに、少しずつベイダーの物腰が柔らかくなってきている。

まだ自分のことを暗黒卿だのダークサイドだの言ってるが、ベイダー本人が一番戸惑っているのは
今日一日行動を共にしてよくわかった。


「あんたのおつむの軽さには呆れるわ。今日あいつに剣買ってやったんでしょ？
もうそれでいいじゃない」

「……なんで知ってるの？」

キュルケがハッとして口元に手を当て、返答に窮した顔を浮かべた刹那、タバサが身構えた。

「何か来る」

その言葉を合図にしたかのように、地面が盛り上がり、巨大な土のゴーレムが出現した。


フーケは巨大な土のゴーレムの肩の上で、薄ら笑いを浮かべていた。
足元で逃げ惑う数人の生徒が見えるが、気にしない。
フーケは頭からすっぽりと黒いローブに身を包んでいる。
その下の自分の顔さえ見られなければ、問題はない。

ゴーレムが軽く拳をぶつけただけで、本塔五階の窓に打ち付けられた急ごしらえの板は
吹き飛んだ。

フーケはその腕を伝い、五階の廊下に飛び込んだ。

宝物庫を守る扉の前に立つその口から漏れたのは、『錬金』の呪文。
完成すると同時に扉に向かって杖を振る。

驚くべきことが起こった。
頑丈な鉄造りの扉の一部が、ただの土くれに変わり、ボロボロと崩れてゆくではないか。

『土くれ』という二つ名の元になった、フーケの盗みの常套手段であった。


だが、分厚い扉の半分程度で、その効果は失われた。

もう一度『錬金』をかけても、今度は効力が弾かれる。
どうやらルイズの爆発が及ばなかった、スクウェアメイジの『固定化』に守られた箇所に
差し掛かったようだ。

「やっぱりこれ以上は無理か。でも、ここまで崩せれば…」

フーケは魔法の杖をしまうと、代わりに円筒状の道具を取り出した。
両手でそれを保持し、構える。その威力は確認済みだ。


閉鎖された廊下の闇を、赤い光が引き裂いた。


主たるメイジを回収した巨大な土のゴーレムは、学院の城壁をひとまたぎで乗り越えて逃亡した。
その先の草原をしばらく歩いていたが、シルフィードに乗って追跡していたルイズたちの目の前で
突如崩れ、文字通りただの土くれに戻った。

そこに、黒ローブのメイジの姿はなかった。


翌朝、魔法学院は臨時休校となり、蜂の巣をつついたような大騒ぎになっていた。

『破壊の杖、確かに領収いたしました。土くれのフーケ』

宝物庫の壁にはフーケの犯行声明刻まれ、その言葉通り、学院が王室から預かって秘蔵してきた
『破壊の杖』が消失していたのである。


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