【りあらりん、ぐるぐる中】

「ぎゃー、寝過ごしたーっ」
    りあらりんの寝起きの叫び 02707002

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たけきの藩国内にある自宅で目を覚ましたりあらりんは、ぼんやりした顔でうるさく鳴り響く目覚ましを止める。
「むー。もう朝か……朝!?」
目覚まし時計をひっつかみ、文字盤を凝視する。針が示すその時間は、ジャスト。
「うそ、うそ、うそーっ」
一瞬夜じゃないかなーと期待してみるが、やはりどう考えても朝の7時であった。
「やーん。投票の締切過ぎちゃってるじゃないのーっ。恥をしのんで自分に1票投じようと思ってたのにーっ」
しょんぼりと肩を落とし身支度を調えると、りあらりんは藩国民のたまり場に顔を出してみた。
さすがに朝のそんな時間に集まっている者はいなかったので、りあらりんは訪問ノートに一言書き置いて、仕事にでかけることにした。


数刻後。誰もいないたまり場に顔を出したでいだらのっぽは、訪問ノートに残されたりあらりんの書き込みを見て首をかしげる。
『ぎゃー。寝過ごしたーっ。朝まで爆睡しちゃった。恥をしのんで自分に投票する筈がー』
でいだらのっぽは、顔にハテナマークを浮かべたまま、思ったことをそのまま訪問ノートに書き残す。
『今日投票すればいいんじゃ?>りあらさん』
本日の日付は7月20日。投票の締切は20日23時。
でいだらのっぽの意見はまったくもって正論であった。


さらに数刻後。仕事の合間にふらっとたまり場に顔を出したりあらりん。
やはりたまり場には誰もいなかったので、とりあえず訪問ノートを開いてみた。
『今日投票すればいいんじゃ?>りあらさん』
「え?」
りあらりん、慌ててテンダイスを見に行った。
自前でお見合い投票を集計しているくらいなので、何度も見ている筈のお見合い投票記事。そこに書いてある締切は……20日の23時。
「えーっ!?」
要するに、締切が19日の23時だと思ってしょんぼりしていたのである。お見合い騒動で動揺するあまり、日付も正確に読めなくなっているらしい。
まあ、あれだ。いわゆるぐるぐる状態である。

ついでに、テンダイスの別の記事も読む。
「あ、お見合いの中間速報」
中間速報の結果では、たけきの藩国からのもう一人のエントリー者、コダマゆみの健闘が報じられている。中間速報時点で2位との情報である。
「わー。ゆみさん、すごい。やっぱりインパクトあるからなぁ」
やっぱり眼鏡を託す方向で考えた方がいいのかもと、再び眼鏡ケースを握り締めるりあらりん。
「お見合い参加枠は18名? わ。結構増えるなぁ」
お見合いの参加枠は6名から18名に増やされることになった。単純計算では3倍だが、有名人枠やランダム枠があるから、実質的な主力枠は8枠。投票で争うのはこの8枠なので結局のところ、狭き門であることは変わりがない。
「うー。こうなったらランダム6枠に賭ける? でもでも、それもまた確率低すぎるし……」
すっかり過ぎていると思った投票締切までにはまだ時間がある。投票権はまだあるのだ。ざっくり集計した投票リストを見ながら、自分の1票をどうしようかとりあらりんは考える。
「さすがに自分に投票してる人、いなかったよねぇ」
恋する乙女は手段は選ばない……と思ったけれど、自分に投票するのはちょっと恥ずかしすぎる気がしてきた。
考えれば考えるほどどうすれば良いのかわからなくなって、りあらりんのぐるぐる状態は収まりそうにない。
「それにしたって、黒の参加メンバーなによーっ。バロ様が賞味期限切れってどういうことーっ」
りあらりんの叫びは、むなしくたけきのの空に響き渡るのであった。

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えーと。目を覚ました時に本気で締切過ぎたと思ってました。
藩国チャットのログ見て、ようやく事実に気付きました。でいだらのっぽさん、ご指摘ありがとうございます。そして、SSに勝手に登場していただきましたm(_)m
しかし、さすがに自分に投票している人はいないようですね。それはあまりにも恥ずかしすぎるかもしれない。
ゆみさんが結構票を集めているので、やっぱりゆみさんに眼鏡を託した方がいいのかもー。
と言う訳で、お見合いSS第3弾でした。
最終更新:2007年07月20日 16:42