frame_decoration

M-Tea*7_3-進化遺伝の科学(三)石川千代松

2014.8.9 第七巻 第三号

進化遺伝の科学(三)
石川千代松
 第三章 発生上の証拠

imageプラグインエラー : 画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。


税込価格:100円(本体税抜93円) p.139 / *99 出版
※ DRM などというやぼったいものは使っておりません。

※ PDF 形式、六インチ判。Mac OS X 10.4・Acorbat Reader 5.0、Windows 7・Adobe Reader X および SONY Reader(PRS-T2)にて確認済み。
※ この作品は青空文庫にて入力中です。著作権保護期間を経過したパブリック・ドメイン作品につき、転載・印刷・翻訳などの二次利用は自由です。
(c) Copyright this work is public domain, 2014.

パブリックドメインマガジン 週刊ミミクリー*

 かようであってみると、一つの動物の仲間のうちでその一番上に位するものの発生を調べると、それより以下のものの発生をくり返してくるものであることがわかるのであります。すなわち、甲殻類で一番上にいるカニの発生を見ますと、アミとエビの形を経てくるものでありますし、またエビはアミの形を経てくるものであります。また、いま言うた脊椎動物でも同様で、いずれのものでも上に位するものは、それ以下のものが経てきた順序をくり返して発生してくるものであります。それでいずれの仲間のものでも、そのはじめに現われてくるものは同じような形をしていて、発生が進んでくるとそれがだんだんと変わってくるのでありますが、この変わってくる順序がおもしろいことには、それらの動物が系統的に変化してきた順序を経てくるものであります。それを他の言葉で言うてみると、個体の発生は系統的の発生をくり返すものであるというのであります。(略)
 それでこのことにはじめて気づいたのはフリッツ・ミュラーという学者で、それがまたダーウィンの進化論が出たとき、この学説がほんとうであるか否やを実物で試してみようと思い、ブラジルの海岸でエビ・カニなどの発生を研究して、いま言うた個体発生と系統発生の関係を見つけて、ダーウィン説が正しいことを確かめたのであります。でありますから、わたしはここに特にエビ・カニについて述べたのであります。しかし、フリッツ・ミュラーがエビ・カニで見つけたものをいろいろほかの動物で研究して、それが動物一般にわたる事実であることを証明したのはヘッケルであります。してヘッケルはこれに「発生学原則」という名をつけました。

※ #ref(7_3.rm)
(朗読:RealMedia 形式 xxxKB、x:xx)
※ お休みしまーす。

石川千代松 いしかわ ちよまつ
1860-1935(万延元.6.6-昭和10.1.17)
動物学者。東京の人。ドイツに留学して、日本にワイスマン流の進化論を紹介。東大教授。魚類学・細胞学を研究。/動物学者。東京開成学校予科を経て、東京大学理学部動物学科卒業(1882)。同大学助教授となり(1883)、1886~1889年ドイツに留学し、フライブルク大学で A. Weismann に師事し、無脊椎動物の生殖・発生などを研究。帝国大学理科大学助教授を経て、同農科大学(のち東京帝国大学農学部)教授(1890~1924)。夜光虫・オオサンショウウオ・クジラなどの生殖・発生および細胞学的研究をなし、ホタルイカの発光、アユの養殖など多方面の研究がある。(生)

◇参照:『広辞苑 第六版』(岩波書店、2008)、『岩波生物学辞典 第五版』(岩波書店、2013.2)、Wikipedia 日本語・オフライン版(『iP!』2009.4月号、晋遊舎)。

底本

底本:『最新科學圖鑑(5)・進化遺傳の科學』アルス
   1933(昭和8)年6月16日発行
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/list_inp1478_1.html

NDC 分類:460, 467(生物科学.一般生物学 / 遺伝学)
http://yozora.kazumi386.org/4/6/ndc460.html
http://yozora.kazumi386.org/4/6/ndc467.html

難字、求めよ


スリーパーズ日記*

書きかえメモ。
形《かた》 → 型
郭大 → 拡大
フリツツ・ミウラー → フリッツ・ミュラー
メカロープ → メガロープ
カメその右 → カメ、その右 【読点】

8.4 一時間ほど、荒俣宏の博物学大図鑑。おもしろい。認識の発達と印刷技術、線数の増加。が、調べ物にはまったく使えないことが判明。

山形新聞。
口永良部島新岳、80年以来の噴火。
鹿児島、入山規制。
3日午後0:24、噴火。

3日午後4:30(日本時間同5:30)
雲南省北東部、M6.5。昭通市魯甸県。
死者、4日までに少なくとも398人。
負傷者1800人余。
2012年9月にも昭通市彝良県付近でM5.7。80人以上死亡。

8.6 図書館にて原爆資料展。同時に満州義勇軍。
8.9 『アエラ』ジブリ特集、鈴木さんの責任編集。



2014.8.9 公開
目くそ鼻くそ、しだひろし/PoorBook G3'99
転載・印刷・翻訳は自由です。
カウンタ: -

名前:
コメント:
最終更新:2014年10月24日 14:55