「味のれんで酒飲んで、味のれんで酒飲んで、後はぽち姫が居て
味のれんで酒が飲めりゃ言うこたねえやな?。…あぁ?うるせー俺はまだ酔ってねえよ」

~味のれん復活一日目、一番最初に店に入った客の言葉~


新商店街の歴史


「中央新市街」の建設計画が立ち上がった時、同時に計画に上がったのが、新市街に移住する国民のための新たな商店街の開発であった。
その時点でも既に「東商店街」と「西商店街」という二つの商店街は存在していた。
だが、「東商店街」は農業区、工業区そして港区に囲まれた立地から、業者向けの発展をとげており、また「西商店街」は観光客向けの側面も強い。地元民のための新たな商店街が必要とされており、また発展も見込めたのである。

ともあれ、新商店街の開発計画は始動した。
まず優先されたのは新市街であったが、聯合国の技術協力などを得て、平行して開発は進められた。幸い労働力は供給過多な状況にあったため、街区の整備は充分平行して進めることができたのである。
肝心の商店の誘致も、計画当初は宣伝を軽視しすぎたために苦戦したが、交渉を続けるうちに、徐々に解決されていった。
元々、新市街の建設予定である藩国中央、ぷりぽち岳の南は、藩国の東西を結ぶ要所であり、学園区のすぐそばであることから、各種商店への需要が存在する。そのうえで、新市街は仮設住宅からの移住の受け皿であり、藩国からの支援もあるため、一定以上の発展は確実といえたのだ。
となれば新市街に寄り添う形で建設される新商店街への需要増は必然であり、ゆっくりとではあるが開発は確実に進んでいった。

そうして「中央新市街」の完成からほどなくして、新商店街は「真ん中商店街」と名前を改め、その歴史を歩みはじめたのである。


商店街の様子


「東商店街」、「西商店街」に比べて、大型店が少なく、生活に密着する品を扱う店が多いのが特徴である。
最初期にできた店舗は、酒屋である。次に、衣料品店、八百屋、魚屋、肉屋、雑貨屋、コロッケ屋、飲食店などができはじめた。

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↑最初期の表通りの様子。食料品は藩国内の農家、養殖場などから安く仕入れるなど、地産地消も同時に進められた


前述のように、最初は店舗数が少なめであったが、徐々に増えていくにつれ、商店街全体に活気があふれ出し、店の種類も豊富になっていった。
現在は、布団屋、おでん屋、家具屋、焼き鳥屋、豆腐屋、本屋、総菜屋、薬局、駄菓子屋、日用品店、自転車屋、食器店、文房具屋、調理器具店、ゲームショップ、ゲームセンター、ぽち姫グッズ店などなど、多彩な店揃えを誇っている。

また、ぷりぽち岳の南部にある学園区から下ってすぐの部分には、中規模なショッピングモールが造られている。
カフェテリア、コスメ類取扱店、フードコート、他藩国からの輸入雑貨屋、インテリア用品、犬専門ペット用品、アクセサリ、ヘアサロン、ぽち姫グッズ店など、ちょっと毛色の違う店が中心に集められている(ちなみにぽち姫グッズ店どこにでもできる)。
学生にとっては、学校帰りや休日の気軽な遊び場所として、少し毛色の違う買い物をしてみたい人には、一風変わった店が並ぶ場所として、いつも大いににぎわっている。
フードコートを利用しての突発イベントなど、になし藩国民らしい催しも行なわれている。
(なお、あまり遅い時間帯まで学生がいると犯罪に巻き込まれる可能性もあるので、夜は警官や町内会の自警団が見回りをしている)

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↑子供から大人まで、幅広い客層に親しまれている


「中央新市街」の住民から評判も上々であり、早くも、互いに協力してのお祭りなどの話が出始めている。
順調に発展していけば、充分に今後のになし藩国を支える屋台骨となる可能性がある街である。



それは、「真ん中商店街」の落成式がはじまる少し前のこと。


「……はうあー、なんか一気に申請書があああ」

そう叫んだ吏族の目の前には山のような書類が積まれている。
ほぼすべてが、新しくできる商店街への出店に関する書類だった。

先日、新市街が完成したのはまだ国民の記憶に新しい。
となれば、生活のためにも買い物ができる場所が欲しくなる。
あることはあるが、どうにも新市街から東西の商店街は微妙な位置にあり、
市街の端の方に住んでいる住人ならともかく、
中央部の住人には使い勝手がほんのり悪かった。
(後先を考えず引っ越した目の前の王城勤務の一部の人間は、思わぬ落とし穴がー! とさけんでいたという)

そして家という生活の基盤ができたのなら、次は生活資金をかせぐ番でもある。
人口が増えたことにより需要は増えている。一念発起する絶好のチャンスといえる状況。
かくて新しい商店街は客としても店としても求められて当然ではあった。
ゆえに政府は新市街に続き、低金利で新しく事業を起こすための融資をしまっせーと広く宣伝した。
それがゆえの、この書類の山々であった。

「や……まぁ予想はしてたんだけど、さ」

わかってても泣ける。
がんばれ俺。国をまわすためだ、何より姫様の笑顔のためだ。
すでに建設にかなりの時間をかけてしまっているのだ。できるかぎり速く一枚でも多くさばかないと。
待たせたらそれだけ、国民のためにもならない。

「みーんなー、出番だぞー」
「ふぉーい」

わらわらわら、と同僚の吏族たちがあらわれる。
その数は十人ではきかない。
こんなに多くの吏族が集合するのは普通ありえない事態だが、
それもそのはず、どうせこんなことになるだろうと、ヘルプを頼んでおいたのだ。
どの国でも忙しい吏族のこと、みな暇だったわけではないのだが、
この事業にたいする国民の期待の大きさから、快く手伝いを承諾してくれた。

「よし、じゃあまずは分担を決めよう。まず一班は概要ごとに書類を分類、二班から五班に割り振る、と。そのあと五班が――」
「飯を用意しよう!」
「なぬ?」
「それなら、俺たちは音楽だな」
「む、こちとら『姫様音頭』なら誰にもまけねえぜ!?」
「おぅーい、仕事、仕事はー?」
祭り好きはになし藩国民の本能のようなもの。
一人が楽しそうなことを言い出せば、あっという間に盛り上がってしまった。

「まあ、そう堅いこというなって。みんなで楽しくやれば、これくらいの仕事あっという間に終わるさ」
そう諭されれば、そのような気がしないでもない。
「……まあこの方が、うちの国らしいか」

そんなこんなで、少々悪ノリしつつも、突貫作業で書類は片付けられていった。
みんなで協力したとしても膨大な量だったため、
一日ではとても終わらず、吏族たちは徹夜を繰り返すこととなったが、
手のあいた摂政方が協力しに来てくれたり、
慰安と称して王犬のちよこ様と藩王がなぜか漫才をして帰っていったりと、
多くの協力を得ることで、作業は順調に進んだ。


こうして(吏族の幾多の徹夜と共に)無事完成した「真ん中商店街」は、
東西の商店街と競い合うように伸びていき、今日も活気にあふれている。

(文:瑠璃、月空、になし 絵:瑠璃)


になし国国民より派生

29:になし藩国:商店街(施設)
L:商店街 = {
 t:名称 = 商店街(施設)
 t:要点 = にぎやかな、店、買い物客
 t:周辺環境=市街地
 t:評価 = 住みやすさ0
 t:特殊 = {
  *商店街の施設カテゴリ = その他。
  *商店街の位置づけ = 商業施設
  *商店街の設置 = 設置された国。
  *商店街の面積 = 2000m2。
  *商店街の構造 = 小さい店舗が並ぶ
  *商店街の特殊1 = (生産フェイズごとに)資金+10億。
  *商店街の特殊2 = 民衆の生活が向上し、支持率は+10%する。
 }
 t:→次のアイドレス = 職人街(施設),平穏(イベント),騎士への親切(イベント),人をかくまう(イベント)

#4/20 開示に伴いLを表記。
最終更新:2011年02月15日 16:28